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北別府さんは他の作家さんに比べて口を使って感情を表現するのがうまいと思うのですが(その分、目で感情を表現するのはうまくないかも・・・)
この本の場所は「お菓子屋さん」そして全員家族なので「食卓」を囲む、ととにかく口元の表情を表すのに格好の舞台。
題名作、「あまい食卓」は男三人に育てられ、その中の一組はすでにカップルという
「男同士好きになるのには何の抵抗もありえない」家庭環境で
特に世話ずきなお兄さんへ恋心を抱く・・・というのが自然で好きな流れです。
こういう「恋愛へのスタート」がスムーズにランディングする所もすばらしいと思います。
やっぱいくら「BLはファンタジー」といえど、余り不自然なのもねー。
恋人と気づこうとする前から二人の口を使ったグルーミングっぷりは甘いものがあります。
口を拭いてあげるとか、作ってあげたパンケーキをはむっと食べるとか。
そして甘えんぼ状態が恋心状態に変わってテンパッた剛君の押し倒し台詞が傑作。
「なんかわけわかんねぇ!全部口に入れたい!」
性的欲求って結構口に来るんですよね。これ、甘えたいのとエッチしたいのがないまぜになってる状況をよく表した言葉だと思うのです。
もう一つのゆめの食卓もやはり食事をテーマにした作品で、
旬がウリ専として無茶苦茶な生活を送ってたところへ実からごはんを与えてもらいつつ、最終的にはエッチをすることによって二人の間にお金では買えないなにかを覚えていくという流れ。
ウリとしての刹那的な生活はありえない、ということが分かってしまった旬の大泣き顔、しかも子供のようにワンワン泣く姿を見て、本当に可愛いと思いました。
きっとこのときに初めて「愛のある生活」がありえることを知ったんでしょうね。
その二人の10年後のエッチを書いたみだれる食卓もエッチなのに微笑ましくて「あー、夫婦なんだなー」と思わされる可愛い書き下ろしでした。
「エッチしたくなると髪の毛をいじいじ」
とかなんと子供っぽいしぐさなんだろうか。このときの旬もいい口をしています。
タイトルに似合った甘いお話。
男三人暮らしのところに引き取られてきた一人の少年。
幼い時分。そこから数年の月日が経ち~・・・なお話ですな。
案の定、「好き」の気持ちが芽生えてしまったからさぁ大変・
という頃ではあるのですが、今いち大変くさくないのが難。
や、そこはそれとして、エロ攻撃を仕掛けるのにもうすこし躊躇してもよかったかなと思わなくも無いんだな(-ω- ) ぅん
ただ、小さい頃から面倒を見てきて、甘やかし放題だった攻(少年)を、このままじゃ甘やかしすぎると距離をとろうとした受。
けれど、その受が好きな攻。
両想い晴れてから~の甘やかしたいのに~な葛藤は可愛くてよかったですね。
ある意味、理想の攻を少年時分からうまいことコントロールして作っていく~というお話があっても面白いんじゃないかと
余計なことを考えてしままいました。スイマセン
>>ゆめの食卓
上記に登場する、男夫婦な2人の馴れ初め話。
どっちかといえばこちらの方が個人的には好きです。
まだ、見習い料理人だった攻。町で見かけた少年に目が留まる。
身体を売ってなんとか生きている小さな猫(少年)。
ほっとけなくて、家においてご飯を食べさせて。
やましい気持ちなんてこれっポッチも無かったのだが、「お礼」と乗られて無碍にはできず。それからそれから~な展開。
案外、数年たった「甘い食卓」では落ち着いてますが、こういう若い時代もあったんだなと思うと、ホンノリ、甘酸っぱい気持ちになりました。
馬鹿だな~と思っていたお父さん(攻)。
この人・・・・好き!人間としてすごくイイと思う。
馬鹿だけど(笑
>>おやすみクマちゃん
これも案外好きですwww
感情が表にでない受。嬉しいとか、悲しいとか、怒ってるとか
だからなかなか周囲と馴染めないで居た。
そんな中でも良くしてくれたのは、対照的に感情豊かで明るい攻。
いつしか、2人はお付き合いを始めて、同棲がスタート。
だけど、悲しいことに攻は熊を抱いて寝る。
・・・クマ・・・クマ・・lくま・・・
クマじゃなくて俺を抱いて寝ろよっ!!!!!
普段感情を出さない受の暴走が可愛かったwwww
なんと言うことでしょうか…ニカさんと言えばセーラー服受けというイメージを持っている私、今回の作品にはどこにもセーラー服の子が見あたらないorz
何か気分が落ち着かないわー!
■あまい食卓/あまい食卓2■
剛(高校生 18歳)×一橋 有希(パティシエ 30歳)
俺の家族は、レストランを営む叔父の実とその恋人の旬、そして2人の友人でパティシエの有希…男ばっかりの3人家族。
10歳の時、この家に来てから俺は有希のとろけそうな甘い手で大事に大事に育てられた。
だけど最近有希が冷たい。
俺はもっと甘えて触って色々したいのに…。
育ての男夫婦の影響か、同性を好きになることについて抵抗を感じずに育ったっぽい剛。
なので男同士だから…とかいう悩みはないですねーw
甘えたな剛が可愛かったです。
小さい時からそんな風に甘えていたんだろうな~って思うと微笑ましくなるのですよ。
かと思えば両思いになった途端、背伸びしようとしてみたりwww
(逆に有希はこれまで以上に甘やかそうとするからぎくしゃく)
それにしてもまさかの誘い受け~ドギマギあわあわする剛が面白い。
■ゆめの食卓/みだれる食卓(描き下ろし)■
対馬 実(料理人・オーナー 36歳)×望月 旬(ホール・経理 30歳)
今から10年前…実と有希が小さなレストランで修行していた頃の話。
その界隈では有名な「売り専」の旬が、施設育ちで男に金を貰うことで食いつないできたことを知った実は旬を気にかけるようになる。
それに対して有希から「いつか爪たてられて大ケガしても知らねぇよ」と忠告されるが…。
「小悪魔☆プッシーキャットちゃん」って何だよwww
確かに猫っぽいけど。
ってかお母さんマジ魔性だわ~。
「あまい食卓」で旬がつけていたヘアゴム(うさちゃん)って母の日のプレゼントだったのね。
すっとばされた10年間の家族イベントが読みたいー。
■スペシャルホリディ■
博也(高校生)×歩人(高校生)
恋人同士になってから初めての夏休み。
2人で海に行くことになったのだけど、博也に任せるのは非常に不安。
案の定、海どころか山の中…しかも民家すら見えない有り様で…orz
暴走しないで歩人連れて行って貰えば1番安全かと←
ヘタレでドジな攻めでした。。。
■おやすみくまちゃん■
千秋(大学生)×聡(大学生)
狭い部屋の小さいベッド、毎晩毎晩一緒に眠る。
…なのに、千秋が抱きしめて寝るのはくまのぬいぐるみ。
ベタベタイチャイチャしたいのに!!
窓に叩きつけられ落下するくまちゃんが…www
「俺のにおいじゃ落ち着かない?俺、人形に負けてる?」に対して「落ち着くワケねぇだろ!!興奮するわ!!バカ!!」の場面が好き。
でも1番好きなのはラストページで千秋・聡・くまちゃんで抱っこし合って寝てるところ。
表題カプより脇カプが気になって、そして気に入るというのはどの、誰の作品でもよくあるわけで、これもそんな一冊。
他に、同級生モノが2編で、ヘタレ男や乙女男がいい味出してました♪
表題は両親を亡くし、父親の弟の元へ引き取られた剛のお話。
おじさんには男の恋人がいて、一緒にレストランをやっているパティシエの有希も同居していて、剛にはお父さんが3人☆
剛は甘い匂いのする有希が大好きで、家族ではない恋人として意識しはじめる。
30歳の有希と18歳の剛。
この大人と子供の差に剛がヘタレる部分と、大人の余裕でリードする有希の組み合わせがかわいいのです。
歳の差カプはこうあるのが理想!な、もちろん年下攻めですww
そして、剛のおじさんこと実と、その恋人旬の出会いのおはなし『ゆめの食卓』
親がなく、施設を出て家もなく、売りをしてその日暮らしをしている旬が、放っておけない実直な実の家族になる話です。
きっと実は捨て猫とか捨て犬とか放っておけない性分なんだろうな~そのくらい捨て犬猫っぽい旬がツンデレていてかわいらしく、また、宿と飯のお礼だからと体でしか返すことができない姿が淋しいのですが、それを拒否することは旬を否定することになってしまうと、受け入れつつもやりまくってしまう実がwww
でも体以上に、一生大事にしたいくらいの価値があると言いきる実に惚れます!
一生かけて、一生離れない家族みたいになろう!って、素晴らしいプロポーズの言葉。
本編で、ボケおやじかまして、剛にオヤジクセ~とか言われている天然ブリを思うと、すごい男らしいぞ!って見直しちゃうのです♪
『スペシャルホリディ』ヘタレワンコ攻めww
恋人が初キッスは海で、の夢をかなえるために海に来たつもりが山!?
そんなアホなところもみんな好きで愛しているよという、実に心の広い恋人。
あばたもエクボな話。
『おやすみクマちゃん』無口なツンデレww
表情も乏しく、無口な彼氏のことは、口にださなくても表情がなくても、なんでもわかっちゃうんだぞ!
でも、そんな無口くんが本当に言いたい事、して欲しいことは解らなかった!?
表紙をめくった本体表紙になぞなぞがあるので、解いてくださいねw
という印象がある北別府ニカ先生。
タイトル通りの甘くてキュンとするお話ばかりでした。
主人公の剛の母親が亡くなり、引き取ったのは叔父と叔父の恋人、その友人。男4人の生活も剛が高校生になり、小さい時から面倒を見てくれた叔父の友人(有希)を意識し出す、そんな表題作です。
受けがパティシエなので、タイトルから本の表紙まで甘~い感じに仕上がっております。勿論お話も。
ベッタリ甘えたな剛(攻め)にほだされつつも、少しずつ距離を置こうとしている有希。そんな有希に恋心を抱き始め、有希に気持ちを打ち明ける剛。
両思いになってからの受けの行動が年上らしくリードしていてカッコイイなと思いました。攻めは年下らしくヘタレてました…w
表題作以外では叔父×叔父の恋人で、元男娼の受けと料理人の攻めがくっつくまでのお話と、バカな高校生カップルのお話、クマを抱かなきゃ眠れない攻めと無口な受けのお話なども掲載されております♪
この作家さん、以前買ったのが「別れる二人の愛の劇場」なのですが、その時よりも若干絵が荒れたかな~という印象が(;´д`)
何だか絵がゴチャっとして見える気がします。