闇を抱いて眠れ

闇を抱いて眠れ
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神0
  • 萌×24
  • 萌4
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
4
得点
28
評価数
8
平均
3.5 / 5
神率
0%
著者
秀香穂里 

作家さんの新作発表
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イラスト
小山田あみ 
媒体
BL小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
価格
¥533(税抜)  ¥576(税込)
ISBN
9784199005916

あらすじ

過去の記憶を失くしたおまえに、俺の存在だけを刻みつけたいーー
断片的に蘇る記憶に怯え、全身で武田を頼ってくる直哉。他人と深く関わらないのが信条のはずが、独占欲と執着心は強まる一方で⁉︎

「俺は人を殺してしまった」。深夜、泥酔してバーに転がり込んできた、端整なスーツ姿の美青年ーーー。店主の武田は放っておけず一晩の宿を貸す。けれど翌朝、目を醒ました彼・直哉は、自分の名前と殺人の記憶以外、全てを忘れていた‼︎「俺が何者かわかるまでここにいさせて」そう言って縋ってくる直哉。彼は本当に殺人者なのか?怯える姿に庇護欲を刺激され、次第に劣情を煽られる武田だが⁉︎

(出版社より)

表題作闇を抱いて眠れ

六本木でバーを経営 武田誠・33歳
記憶喪失で人殺し? 西永直哉・31歳

その他の収録作品

  • 涙の行方
  • あとがき

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レビュー投稿数4

サスペンス調

本編と、本編よりも長い書き下ろしの2編です。

「闇を抱いて眠れ」
ある晩、武田が経営するゲイ専用のバーに、酔って正体をなくした1人の男が現れた。大怪我もしていたので仕方なく一晩泊める武田。
だが、この男は自分は記憶がはっきりせず自分の名前も下の名しかわからない、所持品もなく、だが自分は誰かを殺したかもしれない、と言い始め…
…と何ともサスペンスな出だし。
この男・直哉に警察にも病院にも行けない、記憶が戻るまで置いてほしいと懇願され、柄にもなく面倒をみることにする傲慢で冷たく俺様な武田。
(ただ、この伏線で武田の本質が決して冷たくなく、心では愛を欲し与える人間だとわかる。)
怯える直哉が自分には懐く様子に惹かれ、武田は直哉を抱きます。
実は武田も心に哀しい傷を持っていました。そんな2人の心が惹かれあい距離を縮めていく過程は甘く、さすが秀香穂里さんという感じの官能性も。
少しづつ記憶が戻り、実際に殺人があったこと、事件の背景や経緯が明かされ、直哉がどれくらいの罪になるのか、長く会えなくなるのかわからない、でもまた必ず会えるのだから、と警察に出頭する場面で終わります。
このラストシーンはBLでは珍しい感じだと思いました。

「涙の行方」
本編後、武田の元に帰ってきた直哉。
2人は愛を確かめ合うのですが、直哉はまだはっきりとしない記憶の断片をもっとつかむため、また実家の家族との不和、自分をもっと強くしたい、という気持ちでメンタル・クリニックに通うことにします。
しかし、このクリニックに通うことになってから直哉に異変が…!
この辺り、また本編とは一味違うサスペンス風味。どことなく恐怖感も漂わせます。クリニックではどんな治療をしているのか?医師はどんな人間なのか?直哉に何が起きているのか?
武田との仲もギクシャクして、恋愛的にも先が見えない!
しかし、直哉への深い愛情を持つ武田が直哉を救い出します。
エロシーンは勿論熱く甘いですが、それよりも心で欲し、その気持ちを言葉に出して伝えるということの重要性、嘘のない想いが人を癒し勇気づけ、生き返らせる。
そんなテーマを読んでいて感じました。ラストは素敵なハッピーエンドです。
最後に。
小山田あみさんのイラストも最高です!

1

メンタルサスペンス!?

本編とその後の二部構成になっているのですが、それが面白い展開を見せていてグイグイ引き込まれました!
ある殺人事件を巡って、記憶をなくした男とバーの経営者の出会いから、その後の方向はトラウマや心に抱える問題を解決するという流れが、主人公を追い詰めていく姿になっていくとは思いがけない設定に意外性があり、最後まで飽きさせず、ただの甘甘カップル成立でないところが読み応えあります♪

武田は泥酔してパニックになっている直哉を一晩だけのつもりで泊めたら、記憶をなくしていて、しかも「人を殺したかもしれない」と言う。
絶対に警察に行きたくないという直哉に頼みこまれ仕様がなく家に置くことにした武田。
色々なものに怯える直哉に、一体何があったんだろう?と思わせ、中々記憶は戻らずに、その素性も全く不明のまま、いつしか2人は結ばれてしまうのですが、その翌朝突然記憶を取り戻したようで、「警察に行く」と言うのです。
こうして、本編は一体直哉に何があったか、そして事件の真相が判明して犯人逮捕までいく、という流れで、2人はそこで別れるのです。
その後警察の聴取が終わり、直哉が武田の元へ戻ってきてからが断然面白い!

他の記憶障害ものみたいにはっきりした記憶の取り戻しとか、戻ったことによる喪失時の記憶の喪失とかそんなことはなく、ごくごく自然に記憶が戻ってきたという、その部分において劇的な結末はないのです。
ただ、直哉がスキャンダラスな事件であったため、全てを捨て、また実家との人間関係の確執を抱えて、一人で悶々としているという部分があるのがミソなんですね。
何もかも失くした直哉が武田に全て頼ってしまっていいのか?
それが2人の恋人としての愛情の部分から、カウンセラーにかかったことでかけ離れて、自分を追い詰めていってしまう展開を見せているところが面白いのです。
武田は直哉限定で、すっかり惚れぬいていて、彼の為なら何でもしてやりたいと思っているのに、それを素直に受け入れられない直哉。
どんどんと、一人で自分を追い詰めて壊れていく様子が、精神面をクローズアップした部分が、普通の話の恋人のトラブルの部分と違ってミステリーになっているのがとても斬新です。

武田は強い人です。
過去に家族を失った過去を持っていて、それで自暴自棄になった頃もあったのに一人で立ち直り、そこで経験したことから強い自分を持てるようになったと言う、直哉とは全く違うタイプの人間であることの表現がとてもわかりやすい。
その点、直哉の実家においての家族関係はわかる。
仕事の上でのどうやって彼がトラブルに巻き込まれていったかと言うことで、彼のひととなりはある程度わかるのですが、でも肝心の彼の今までの経緯というのはどういった人間なのか不十分な部分があるような気もして、几帳面で真面目で、でも人当たりがよくて、という部分以外よくわからないんですよね。
人として汚い部分とかもっと感情的な部分が見えてくると、いいと思うんですが、何せ彼は記憶障害を患ったという設定ですから、直哉目線で余り語られないのかもしれません。
しかし、話の展開にその不十分に思われる部分はさほど影響はしないわけで。
充分に楽しむことができました。

カウンセラーの若菜という男は実に不気味で猟奇的な男ですよ!
武田の相談相手になった常連で同業のサトミも気になります。

0

それにしても直哉が色っぽい

道楽でゲイ相手のバーを経営する武田の店の入口で行き倒れていたのが、直哉という名前しか覚えていない美青年。
人を殺したかもしれない、警察に行くのも怖いと言って縋ってくる直哉を武田は保護してしまいます。

33歳にして他人と深く関わらず、あとは余生と思っていたような武田だったのですが、過去の記憶に関わるようなことにいちいち怯える直哉を放っておけず、どんどんのめり込んでいくのです。
ある意味、問題を抱えた直哉のおかげで眠っていた武田の目を覚まさせたと言ってもいいと思います。

直哉という全てが謎のような男の背景が少しずつ分かってきて、事件の真相もハッキリしたところで1話目「闇を抱いて眠れ」は終了。

そこで終わるの?それでもいいけれどその後どうなる?を引っ張って第2話「涙の行方」へ。

記憶が戻った分悩みも増えた直哉は、自分の弱い部分を克服しようと思い、メンタルクリニックに通いだすのですが・・・

直哉が大事でしょうがない武田と、守られるのではなく対等でいたい直弥の気持ちの微妙な食い違い。
1話目はどちらかというとサスペンス仕立てでしたが、2話目は心理物の色合いが濃くなっています。

1話目では結構くったくなく色っぽく武田の誘いに答えていた直哉が、それどころではなくなっていくのです。
で、武田は戸惑いながらも何とかしてやりたくて、彼は彼なりに画策するわけです。

このお話のどこがおすすめかといえば、まずは直哉の色っぽさでしょうか。
そして、世捨て人のようになっていた武田の気持ちの変遷と直哉が葛藤する部分です。
その人の軸となっている部分を修正していくのって大変なんだなぁと“育ってきた環境”って重要だよなぁと考えさせられたお話でもありました。

このおはなしにも“アッシュブロンドの短髪”が出てきます。
ん?これは「誓約のうつり香」のチカですか?って思ったのですが、今回はチカさんではありませんでした。
サトミさんだそうです。
彼がなかなかいいことを言ってくれています。

0

挿絵買い

睡眠障害を持つ受と、割と前向きな攻のお話。
前半は少しサスペンス風味に出来ておりまして、記憶を失った受が『自分は人を殺した』とちょっとノイローゼっぽくなってます。
紆余曲折あって、攻と恋人同士になったものの、そこで終わればいいものを後半に突入と同時に鬱展開フルパワー。
お、重っ……!!

いやぁ……なんといいますか、BL読んでる気にはなれなかったです。
ベースはしっかりしているのでぐいぐい読ませてくれるのですが、どうにも受も攻もタイトルの通り『闇』が濃すぎて同族相哀れむというか、傷の舐めあいというか。
受が暗すぎて、攻に依存しすぎてて、なんだか感情移入ができなかったです。

面白かったんですけどね。
BL的な萌えとは少し違う感じを抱きました。
好き嫌いは分れるのではないかと思います。
私もこの手の話は嫌いではないのですが、いろいろと漲ってて、よし重たいの読むぞ!! という気力がある時はいいですが、心と体が疲れてる時にはちょっとしんどいです。

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