僕を抱きしめてくれたのはあなただけだった――。

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表題作あなたに愛を乞う

冠主税,会社社長,ヤクザ
鴇川凪,冠の入院先で死のうとしていた青年

あらすじ

真夜中の病院の屋上で出会った儚げな青年・鴇川凪は、「これから自殺する」と言う。ヤクザの冠主税は興味が湧き「死ぬ前に抱かせろ」と飢えた感情を剥き出しに言うと、怯えもせず凪が許諾する。想像どおりの艶やかさに死なすのが惜しくなった冠は、俺の愛人になればいい、と説き伏せると、初めて空虚だった瞳に光を灯した。凪の愛人生活が始まり、一時の幸せの日々を過ごすが……。悲しみを背負う凪と冠の愛のゆくえは!?.
(出版社より)

作品情報

作品名
あなたに愛を乞う
著者
火崎勇 
イラスト
御園えりい 
媒体
小説
出版社
ブライト出版
レーベル
ローズキーノベルズ
発売日
ISBN
9784861234477
3.2

(8)

(0)

萌々

(3)

(4)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
25
評価数
8
平均
3.2 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

誰の為の望みなのか

今回は不動産から輸入雑貨まで扱う会社社長と
攻様の目の前で死のうとしていた大学生のお話です。

二人の出会いから恋人になるまでに
受様が自殺を望んだ訳が絡まって進みます。

攻様は厳しくなった警察の取り締まりに
三代続いた組をたたむ事にします。

しかしソレは表向きの事で
替って立ち上げた会社は
不動産から輸入雑貨まで扱う会社ですが
実態は組の看板が無くなっただけで
攻様がヤクザ者な事は変わりませんでした。

そんな攻様が
受様となる青年と出逢うのは
追突事故で骨折して入院していた時の事。

あと少しで退院となる頃になると
折った脚以外は健康な攻様は
院内の禁煙に耐えきれなくなり
真夜中の屋上で喫煙する事にします。

何本がふかしていると
攻様の視界に白いモノがチラつきます。

看護師か、幽霊かと思った攻様ですが
実態は顔立ちは良いものの
ぼんやりとした表情の若い男でした。
彼が今回の受様です♪

間が悪くて声をかけた攻様ですが
いかにもおっかない面相の自分に
萎縮するかと思った受様が淡々と
攻様がいなくなったら死ぬつもりだと知り
俄然興味がわいてしまいます。

死ぬ気なら身体を貸せと言えば
こんな身体でよければと
簡単に攻様に身を許した受様の
乱れる姿に更なる興味を惹かれた攻様は
愛人にならないかと持ちかけます。

その三日後攻様は退院し、
攻様が入院中に貯まった仕事に追われていると
攻様の名刺片手に受様がやってきます。

何も訊かないで欲しいと言う受様に
鷹揚に構えて受様に手を出した攻様ですが
徐々に身体だけではなく
彼自身に興味がわいてきます。

しかし
受様には人として何かが足らず
攻様がしたいを思って逆らわない態度に
苛立ちを感じるようになります。

何故受様は自殺しようとしたのか?
何故攻様の愛人になろうと思ったのか?

そして二人の関係の行きつく先とは?!

立場が違うと人の気持ちも
モノの見え方も全く違うものですが
今回はその見え方の違いが
二人の関係に大きく関わってきます。

裕福な家庭に育った受様が
自分を消してしまいたいと望むほどに
負った傷が秘されて進むので

自分の思うがままに生きてきた攻様には
他人の望みに沿って行動する受様が許せず
受様に自身の望みで行動させようとします。

有る程度ソレが適った段階で
受様の素性がばれてしまい、
攻様は受様の手を離すのですが

既に受様にハマっていた攻様は
自分が言い出した事とは言え
受様が反論もせずに去って行けば
ソレすらも気に入らないのです。

私的には秘された事情とか
謎の存在都下のあるお話がツボなので
二人が元鞘的にまとまるまで
見え隠れする事情にドキドキしつつ
たいへん楽しく読めましたが

事情が明らかになるまでのモヤモヤが
イライラとしてうっとうしいと思うと
楽しめないかな(苦笑)
読む人を選びそうなお話ですね。

今回は火崎さんのお話から
本作同様ヤクザな攻様のお話を一作、
『恋愛の仮面』紹介します。

2

代理ミュンヒハウゼン症候群ときたか!?

いつもの淡々とした静かな展開ですが、これまたいつものごとく寡黙な登場人物達なので最後の最後まで自分を語らない。
愛を求める青年が、その為に自分がどうしたらいいのかよくわかっていない為に起きるすれ違いとでもいうのでしょうか。

自分が愛が欲しいと思うなら、さらけ出して自分の総てを受け入れてもらう態度が欲しいと思う攻めの姿はまっとうなもののはずです。
愛が欲しい、愛されたいというわりに、自分から求めることができない、あまりに不器用すぎる姿を察してやらなければならない、攻めは、本当に面倒見がよくないとやってられないよな、とさえ思いました。
そんな受けの青年がやっぱりイイと思うんだから、本当、面倒クサイ人達です(苦笑い、、)

そんな不器用なのも、何もかも与えられて育った裕福な家庭環境で育ったからというのもあるでしょうが、視点が攻めだったんで、イライラする気持ちとかすごーく同感できました。
自分だったら、こんな受け、質問攻めにして根ほり葉掘り聴きだして、それも言うのを拒むなら、追い出しちゃうよ!
そこをしないところが、この攻めのいいところなんでしょうね。

受けの青年の家庭の秘密がラストで告白されるわけですが、そんなヒミツにすることでもないじゃん!
・・・ま、人間、後で考えれば大したない事でも、その時の自分にはとても大事だと思っているので仕方ないですかね。。。
いっそ、自分で自分を傷つける病気のほうが、病んでて面白かった気もするんですが(Sですか!?)

でも、中盤までの彼等の葛藤や、本心を掴もうとする心を見ようとする姿のやり取りは、どうなっちゃうんだろう?ってワクワクさせてもらえたので、ギリ萌えです。
とーっても個人的なんですが、御園えりいさんの絵が超苦手なんです(涙、、)

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