パンデモニウムより愛をこめて

pandemonium yori ai wo komete

パンデモニウムより愛をこめて
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神4
  • 萌×26
  • 萌4
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
5
得点
56
評価数
14
平均
4 / 5
神率
28.6%
著者
 
媒体
BL漫画(コミック)
出版社
双葉社
レーベル
マージナルコミックス
発売日
価格
¥679(税抜)  ¥734(税込)
ISBN
9784575380248

あらすじ

「この行為―セックス―はそんなにも醜いか?」 穢れを知らない天使は、悪魔の声に惑う――。 人と人狼、神社の跡継ぎと鬼…。天使のルイは彼らの歪んだ関係を"正し"、"幸せ"へ と導こうとするが、黒い瞳と翼をもった悪魔マルコに阻まれる。 「愛しあう彼らの姿は、本当に醜いか?」 立場や外見という隔たりを越え、互いを求める姿から目が離せないルイ。同じ天使の ユーゴから深入り無用と諭されながらも、ルイの心にはマルコの言葉が渦巻いていて …。 『バラ色の時代』『シュガーダーク』の恋煩シビトが問う、愛欲と純潔の狭間。

表題作パンデモニウムより愛をこめて

マルコ、悪魔(元天使)
ルイ、天使

同時収録作品パンデモニウムより愛をこめて(1話)

子門、カメラマン
子門の義理の甥

同時収録作品パンデモニウムより愛をこめて(2話)

銀、人狼
中嶋蒼、遭難したところを銀に助けられた登山家

同時収録作品パンデモニウムより愛をこめて(3話)

とある社に神として祀られている鬼
鬼を守っている神社の跡取り

その他の収録作品

  • after story この世界より愛をこめて(描き下ろし)
  • あとがき

評価・レビューする

レビュー投稿数5

私も教えて欲しい、「正しい愛ってなんですか?」

どうレビューしたらいいのかな、難しいな・・・
シビトさんの作品ってアプローチの仕方が音楽みたい。
作者の中にずっと渦巻いているテーマがあって、それをアルバム毎に表現を変えて深化させていくミュージシャン的な手法で作品を生み出されている感じがします。
特にここ何年かの作品はそれが顕著で、それがまたなんというか玄人の域に行こうとしている音楽人っぽくもあり。
『シュガーダーク』『三色混ざれば黒になる』『俺とセックスしてください』ここら辺を本作と一緒に読むとより一層味わいが増すと思います。

前置きばかりが長くなって申し訳ないんですが、本作を読んでぼんやりと思ったことがあるのでもう少しつらつらと書かせてください。
少し前の作者の作品に「食べたいくらいに」という短編があってこれが非常に秀作なのですが、本来ならば前コミックに収録されていたであろうところ、ある大人の事情で収録叶わずこのまま忘れ去られてしまいそうな気配があります。
この短編について「頑張りすぎた結果やりすぎちゃった! 」「悪影響お墨付きなので、逆に自信になりました。」と前作のちるちるのインタビューで言ってらっしゃるのは決して大袈裟じゃないなと私は思っていまして、この短編に都が有害判定を下した事実こそがまさにシビトさんがずっと問い続けている「正しい愛ってなんですか?」という問いに対する有識者達のアンサーなわけですよね。これは“正しくないもの”だとリアルに答えが返ってきてしまった。そして出版社もこの短編をコミックには収録しないことを選択した。
これについて都の判定や出版社の判断にどうこう言いたい気持ちは私には特になくって、まぁそうだろうなと私自身も思っている、この「自分の頭」が一番厄介だなと。
あの短編は秀作だと思う一方で、まぁそうだろうな、良くないわなと思う。
それが普通の感覚で、それは自分の中に【正しいもの/正しくないもの】の線引きを持っているからなんだけど、でも“正しくないもの”を真っ向から全否定することもそれはそれでなんだかモヤモヤする。
あぁ、これって私が前々作の『三色混ざれば黒になる』のレビューに吐き出したモヤモヤ感そのものじゃんって思いまして。
で、本作を読むと、アプローチを変えてまたこの問いに向き合っているシビトさんがいる。
なんかもうね、凄いなって思うんですよ。
しかもどんどん深いところに突っ込んでってる。
本作は、そんな過程の中でのある一つのシビトさんなりの集大成っぽいなと。
1冊を読み終えた時、私の中にぼんやりと湧き上がってきたのはそんな感想でした。

・・・とまぁだいぶん前置きが長くなりましたが、別に本作をそんな風に小難しくぐるぐる考えながら読む必要は全然なくって、まずは美しい天使と妖艶な悪魔が出てくるシビトさん渾身のキャラデザにうっとりしながら読みたいファンタジー作品です。
特に私が声を大にして叫んでおきたいのは、マルコ(悪魔)のビジュアルくそかっこいいんだけど!!!(๑>◡<๑)♡♡♡ってことですね。
表紙のマルコも美しいですが、中の絵の凶々しい美しさがたっぷりの真っ黒なマルコがもうね、カッコ良すぎて。黒い天使の羽根がよく似合うこと…!このマルコの姿に思わずMORRIE氏が私の頭に浮かんだことは分かる人だけ分かってもらえたら嬉しいです。
また天使のルイは、蛇目の三白眼キャラが多いシビト作品では見たことないような可愛らしい見た目でこちらも必見です♪

作中には、“正しくない愛”に我が身を投じる3人の人間達が登場します。
義理の甥っ子に惹かれることを止められない男、親や俗世を捨てて人狼と生きることを選ぶ男、バケモノ扱いされる鬼を護る為に生きる男。
主人公である天使の〔ルイ〕に課された役目は、これらの正しくない人間達を正しい道に導き戻すこと。
だけど下界で実際に自分の目で彼等を見たルイには天界で天使の勉強だけしていた時には分からなかった「迷い」が次第に芽生え始める。

──彼等は本当に正しくないんだろうか?

ルイと一緒にこのクエスチョンを今一度立ち止まって考えてみることが、本作を読んだ意味に繋がっていくのではないかなと思います。
自分が正しいと思うものを信じたらいいじゃない。
自分が幸せと感じる場所が楽園でいいじゃない。
そしてもう一つ大事なこと。
でも「天使」として生きる道を選んだユーゴについてもそれはそれでいいじゃない。
そこまでを自分の中に飲み込めたらこの作品を読んだ意味としてはひとまず上出来でしょ、と私は思います。

で、もう一度冒頭の話に戻りますが、
「食べたいくらいに」はやっぱりどこかに収録されて欲しいなぁ。
なるべく多くの人の目に触れて欲しいなと思う。
読んだ上で気味の悪い作品だと感じる人はそれはそれでいいと思う。
マンガにもCDのようにParental Advisoryシールが貼れればいいのにね。


電子特典の1ページ漫画がダークな本編とうって変わってほのぼの可愛くって最後にいい和みをいただきました♪
下界で暮らすようになったルイが薄い板(タブレット)で本がたくさん読めるよ〜と喜んでいるんですが、本棚をマルコが覗くと・・・
わんわん(犬or狼)と人間の禁断愛作品ばかりを買いまくっている超性癖の偏ったルイなのでしたw

【電子】シーモア版:修正△(1話目は白抜き、他ははっきりと描かない構図になっています)、カバー下なし、裏表紙なし、電子限定特典(1p)付き

2

堕天にこそ”愛”がある!

”人外BLの宝石箱”のキャッチで始まった「marginal」掲載作品。
電子単話表紙の天使と悪魔の耽美さに惹きつけられ、コミックスになるのを心待ちにしていました。
コミックスの表紙はさらなる美しさでウットリです♪

ストーリーの主軸は、堕天した悪魔マルコと、落ちこぼれ天使ルイの物語。
それに3話のオムニバスストーリーが絡み、親しかった二人がどうして悪魔と天使として生きる世界が分かれてしまったのかがわかっていきます。

オムニバス1話目は、新婚カメラマン×美しい義理の甥。
カメラマンは甥を一目見て惹きつけられ、愛する者しか撮れないのに妻の甥を愛することはできず、写真が撮れず落ちぶれていく。
甥は新婚家庭を邪魔しないように公園で時間をつぶす謙虚な子だったのに、悪魔マルコに”誰でもいいから愛されたい”という欲求を解放されて叔父に迫り…
ルイは人間が堕ちていくのを、マルコが関わっていると感じつつ止めることができない。

オムニバス2話目は人狼(顔だけ狼)×孤独な人間、3話目は祀られている鬼×祀っている一族の男。
この2カップルは人外×人間の異色さだけど、どちらもお互いの存在を受入れ合っている幸せぶりで、「人外だからって容赦なく制裁し、愛を引き裂くのはいかがなものか?」と、ルイに”天使の在り方”を問う存在です。
そこに優秀だった天使のマルコが堕天した理由も隠されています。

1話でのマルコは、良き人間を堕落させる”悪魔”そのものなのに、2・3話のマルコは愛し合う二人を見守る”慈愛”があって、1話と2話の間でストーリーの方向転換があったような気がします。
それでも、天使が愛を知らず、堕ちた天使や人間が愛を知っている存在として描かれているのは意外で、”清廉潔白さより堕ちてこそ知れる喜びがある”、そんなことを気付かせてくれるストーリーでした。
堕天すると髪色が金から黒へ、瞳も漆黒に変わる。天界で黒は”罪の証”だけど、マルコとルイにとっては愛し合ってる証の”聖なる色”のように思えます。

表紙もですが、中身の絵も耽美的で美しくてウットリする一冊です!
ただ、ルイが天然ピュアすぎて、シビト先生らしいアクの強さが感じられなかったのと、表紙絵で期待したほどストーリーは耽美なものでなかったのが少しだけ残念でした。
私のシビト作品への思い入れの強さゆえの期待とズレがあっただけで、パラドックス的な愛を描いた作品としては意外性のある良作にまちがいありません。

2

愛することに正しくないことはない

非常に耽美な雰囲気の表紙なのですが、耽美というより、独特の世界観のある作品でした。
悪魔が義理の甥や人狼、鬼と愛し合う姿の何が罪かと問うてきます。
正しさとは何か、幸せとは何かを作者様の表現方法で表したかったのだと思います。
悪魔マルコの正体は意外でした。
天使のルイは可愛くて一生懸命で作品での癒しでした。
終わり方もハッピーエンドなのですが、どこか切なさも残り、作者様らしいのかなと思います。
人狼の見た目がちょっと笑えるのですが、やり取りがなんだか可愛かったです。

0

黒の意味とは

シビトさんの人外、ファンタジーもの、そして何より今までのシビトさん作品では見たことがないような目が大きくて可愛らしいキラキラキャラ。コミックス化を楽しみにしていました。

悪魔にそそのかされた人間が地獄に落ちないように、彼らを正し救うべく地上へ降り立った天使のルイ。

ルイが最初に出会う人間が、写真家(既婚男性)。妻の甥っ子の妖しい美しさに捕らわれて関係しちゃうのだけど、私にはこの甥っ子が小柄ということもあり最初は中学生にしか見えなかったんです。
成人男性攻め×中学生のショタ受けの構図に見えてしまい、ショタ受けが地雷なのでぎゃー!となったのだけどよく読んだら甥っ子は「大学生」でした。でも大学生にはとても見えない容姿なんだけどあえてそうしてるのかなぁ…。
しかし林檎を持って誘惑するところなんてまさにイブです。

このほか、「人狼と人」「神社で代々護られてきた鬼と神社の跡継ぎ」という人外と人間が愛し合うふた組が登場します。
これを読んだ時にシビトさんの短編集「俺とセックスしてください」で登場する【鬼はそと、福はうち】と重なりました。
【鬼はそと、福はうち】は初出がバケモノBLというアンソロジーでして、いわゆる人間からバケモノと呼ばれる相手との愛が描かれていて、シビト作品は鬼×人間なのですが、この作中で鬼が「人間は鬼というだけで恐れ痛めつけてくる」と言うんです。
この短編で出てきた鬼が今回の作品の人狼や鬼に重なりまして、前作で伝えたかったものをもっと練って昇華させたものが、この「パンデモニウムより愛をこめて」なのかなぁと思いました。

ルイが彼らの関係を正そうとするたびに「余計なことはするな」と悪魔のマルコが立ち塞がり「正しい愛とは何か」「正しくないから断罪するのか」と問うのですが、このマルコは実は元天使、それも誰もが憧れる優秀な上級天使候補生でありルイとは幼馴染でもある過去が明かされます。
そして何故彼が、光り輝く天使から大罪を犯した象徴である黒色に染まった悪魔になってしまったという過程が描かれてまして、それを読むと、黒を黒と決め付けていいものか考えさせられますし、マルコの双子の弟(ルイの監督官役天使)が登場し、人間と交わる鬼を化け物だからと成敗しようとする様子を見ると自分達が正しい、間違っていないと信じて疑わない人たちが、他者を裁き平気で傷つけることが果たして正しいことなのか揺らぎます。黒いものを醜いものとは決め付けないところがシビトさんらしいなぁと思いました。

過去の思い出で天使候補生たち(ルイやマルコ、そしてマルコの双子の弟)が出てくるシーン。なんか颯爽として眩くて好きです。まさに光輝くって感じで。

1

切ないけれど、温かい。

作家買い。

ちょっと淫靡な雰囲気まとった二人の青年が描かれた表紙、そしてタイトルにもついている「パンデモニウム」という言葉。それらからも想像できるように、悪魔×天使のお話。ネタバレ含んでいます。ご注意を。







主人公は天使・ルイ。
天使としてはやや成績不良ながらも、優しい心と天使としての使命感を持つルイ。
そんな彼は、悪魔に魅入られた人を救うべく下界へと降りてくるものの、それらは元天使で今は悪魔へと身をおとしたマルコに阻まれ…。

というお話。

画家×義理の甥っ子。
人狼×人間。
鬼×人間。

初めは彼らの関係を「歪んだ愛」と思っていたルイが、彼らと関わり、そしてマルコと話をすることで善悪の境目が分からなくなってくる、というシビトさんらしいちょっとダークでブラックなお話。

ダークでブラック、なのだけれど、「愛すること」とは一体何なのかを問う、そんな壮大なストーリーでした。

ルイは、様々な形をまとう恋人たちと関わり合う事で、自身の気持ちやマルコへの愛情にも気づいていく。終盤は、有能で誰もが憧れる存在の天使だったマルコが、なぜ悪魔へと堕ちていったのかも描かれている。

ちょっとアダムとイブを彷彿とさせるストーリーでした。

愛。
そしてセックス。
何が正しくて、何が間違いなのか。

孤独だった彼らが、唯一無二の存在と出会い、そして恋をする。
切なく、そして甘い、4組の恋人たちのお話です。

シビトさんらしい、というのか、ちょっと不思議な空気感のある、そんな1冊でした。

2

この作品が収納されている本棚

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