パンデモニウムより愛をこめて

pandemonium yori ai wo komete

パンデモニウムより愛をこめて
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神12
  • 萌×223
  • 萌19
  • 中立4
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
14
得点
213
評価数
59
平均
3.7 / 5
神率
20.3%
著者
恋煩シビト 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
双葉社
レーベル
マージナルコミックス
発売日
ISBN
9784575380248

あらすじ

「この行為―セックス―はそんなにも醜いか?」 穢れを知らない天使は、悪魔の声に惑う――。 人と人狼、神社の跡継ぎと鬼…。天使のルイは彼らの歪んだ関係を"正し"、"幸せ"へ と導こうとするが、黒い瞳と翼をもった悪魔マルコに阻まれる。 「愛しあう彼らの姿は、本当に醜いか?」 立場や外見という隔たりを越え、互いを求める姿から目が離せないルイ。同じ天使の ユーゴから深入り無用と諭されながらも、ルイの心にはマルコの言葉が渦巻いていて …。 『バラ色の時代』『シュガーダーク』の恋煩シビトが問う、愛欲と純潔の狭間。

表題作パンデモニウムより愛をこめて

マルコ,悪魔(元天使)
ルイ,天使

同時収録作品パンデモニウムより愛をこめて(1話)

子門道雄,カメラマン
子門の義理の甥,大学生

同時収録作品パンデモニウムより愛をこめて(2話)

銀,人狼
中嶋蒼,遭難したところを銀に助けられた登山家

同時収録作品パンデモニウムより愛をこめて(3話)

とある社に神として祀られている鬼
鬼を守っている神社の跡取り

その他の収録作品

  • after story この世界より愛をこめて(描き下ろし)
  • あとがき

レビュー投稿数14

ルイ可愛かった

受けのルイが可愛かった。落ちこぼれだけど、まじめで健気。時々見せる、勉強嫌だよ~みたいな顔が可愛かった。恋煩シビト先生の作品はこれが最初で、とても気に入って、この後他の作品も色々と読みましたが、なかなかこの受けの可愛いアホ顔(失礼でごめんなさい)が見れたのは、今の所この作品のルイだけでした。攻めのマルコは寡黙で頭が良くて、何でも出来てしまう。その為この受けのルイのぽやぽや感に癒されていたのかなと思う。
最後、ルイも黒髪になるけど、ショートで更に幼く見えて、可愛いかった。この髪型の方が似合うな。

2人は天界からは追放されてしまったので、戻れないから人間界で暮らしていくと思うけど、貯金とか保険とか、車とか、そこ等へんどうなるのか大変気になった・・・。人外だから、金銭的には魔法か何かでなんとかなるのだろうか・・・。マルコは食料品の店主をしていたけど、そうやって2人でひっそりと暮らしていけるのかな。それにしても住民登録とかは必要になってくるのではないだろうか・・・。余計なことが気になってしまった。人間界でこれから色々な試練がありそうだけど、2人で頑張っていって欲しい。

2

私も教えて欲しい、「正しい愛ってなんですか?」

どうレビューしたらいいのかな、難しいな・・・
シビトさんの作品ってアプローチの仕方が音楽みたい。
作者の中にずっと渦巻いているテーマがあって、それをアルバム毎に表現を変えて深化させていくミュージシャン的な手法で作品を生み出されている感じがします。
特にここ何年かの作品はそれが顕著で、それがまたなんというか玄人の域に行こうとしている音楽人っぽくもあり。
『シュガーダーク』『三色混ざれば黒になる』『俺とセックスしてください』ここら辺を本作と一緒に読むとより一層味わいが増すと思います。

前置きばかりが長くなって申し訳ないんですが、本作を読んでぼんやりと思ったことがあるのでもう少しつらつらと書かせてください。
少し前の作者の作品に「食べたいくらいに」という短編があってこれが非常に秀作なのですが、本来ならば前コミックに収録されていたであろうところ、ある大人の事情で収録叶わずこのまま忘れ去られてしまいそうな気配があります。
この短編について「頑張りすぎた結果やりすぎちゃった! 」「悪影響お墨付きなので、逆に自信になりました。」と前作のちるちるのインタビューで言ってらっしゃるのは決して大袈裟じゃないなと私は思っていまして、この短編に都が有害判定を下した事実こそがまさにシビトさんがずっと問い続けている「正しい愛ってなんですか?」という問いに対する有識者達のアンサーなわけですよね。これは“正しくないもの”だとリアルに答えが返ってきてしまった。そして出版社もこの短編をコミックには収録しないことを選択した。
これについて都の判定や出版社の判断にどうこう言いたい気持ちは私には特になくって、まぁそうだろうなと私自身も思っている、この「自分の頭」が一番厄介だなと。
あの短編は秀作だと思う一方で、まぁそうだろうな、良くないわなと思う。
それが普通の感覚で、それは自分の中に【正しいもの/正しくないもの】の線引きを持っているからなんだけど、でも“正しくないもの”を真っ向から全否定することもそれはそれでなんだかモヤモヤする。
あぁ、これって私が前々作の『三色混ざれば黒になる』のレビューに吐き出したモヤモヤ感そのものじゃんって思いまして。
で、本作を読むと、アプローチを変えてまたこの問いに向き合っているシビトさんがいる。
なんかもうね、凄いなって思うんですよ。
しかもどんどん深いところに突っ込んでってる。
本作は、そんな過程の中でのある一つのシビトさんなりの集大成っぽいなと。
1冊を読み終えた時、私の中にぼんやりと湧き上がってきたのはそんな感想でした。

・・・とまぁだいぶん前置きが長くなりましたが、別に本作をそんな風に小難しくぐるぐる考えながら読む必要は全然なくって、まずは美しい天使と妖艶な悪魔が出てくるシビトさん渾身のキャラデザにうっとりしながら読みたいファンタジー作品です。
特に私が声を大にして叫んでおきたいのは、マルコ(悪魔)のビジュアルくそかっこいいんだけど!!!(๑>◡<๑)♡♡♡ってことですね。
表紙のマルコも美しいですが、中の絵の凶々しい美しさがたっぷりの真っ黒なマルコがもうね、カッコ良すぎて。黒い天使の羽根がよく似合うこと…!このマルコの姿に思わずMORRIE氏が私の頭に浮かんだことは分かる人だけ分かってもらえたら嬉しいです。
また天使のルイは、蛇目の三白眼キャラが多いシビト作品では見たことないような可愛らしい見た目でこちらも必見です♪

作中には、“正しくない愛”に我が身を投じる3人の人間達が登場します。
義理の甥っ子に惹かれることを止められない男、親や俗世を捨てて人狼と生きることを選ぶ男、バケモノ扱いされる鬼を護る為に生きる男。
主人公である天使の〔ルイ〕に課された役目は、これらの正しくない人間達を正しい道に導き戻すこと。
だけど下界で実際に自分の目で彼等を見たルイには天界で天使の勉強だけしていた時には分からなかった「迷い」が次第に芽生え始める。

──彼等は本当に正しくないんだろうか?

ルイと一緒にこのクエスチョンを今一度立ち止まって考えてみることが、本作を読んだ意味に繋がっていくのではないかなと思います。
自分が正しいと思うものを信じたらいいじゃない。
自分が幸せと感じる場所が楽園でいいじゃない。
そしてもう一つ大事なこと。
でも「天使」として生きる道を選んだユーゴについてもそれはそれでいいじゃない。
そこまでを自分の中に飲み込めたらこの作品を読んだ意味としてはひとまず上出来でしょ、と私は思います。

で、もう一度冒頭の話に戻りますが、
「食べたいくらいに」はやっぱりどこかに収録されて欲しいなぁ。
なるべく多くの人の目に触れて欲しいなと思う。
読んだ上で気味の悪い作品だと感じる人はそれはそれでいいと思う。
マンガにもCDのようにParental Advisoryシールが貼れればいいのにね。


電子特典の1ページ漫画がダークな本編とうって変わってほのぼの可愛くって最後にいい和みをいただきました♪
下界で暮らすようになったルイが薄い板(タブレット)で本がたくさん読めるよ〜と喜んでいるんですが、本棚をマルコが覗くと・・・
わんわん(犬or狼)と人間の禁断愛作品ばかりを買いまくっている超性癖の偏ったルイなのでしたw

【電子】シーモア版:修正△(1話目は白抜き、他ははっきりと描かない構図になっています)、カバー下なし、裏表紙なし、電子限定特典(1p)付き

4

白い愛と黒い愛

大好きなシビト先生の「人外」もの!
主人公は可愛らしい天使くんのルイ。(←私の趣味よりはちょ〜っと女の子っぽいかな〜)
ルイは迷える子羊を救うため、人々を正しい道に導くために、人間のふりをして下界に降りてきています。
そして色々な「愛」と「欲望」のカタチに立ち会っていく、という展開です。

まずは写真家と少年。
続いて人狼と青年。
鬼神と青年。
そこに天使ルイを邪魔する悪魔マルコが絡んで、物語が進行します。

善と悪、愛と欲望、純潔と肉欲といった対比は、どこか哲学的な要素を含みます。
善の象徴である「正しい天使」でルイの幼馴染である白く輝く美しいユーゴが、3つ目のCPである鬼神を殺しにやってくる場面では。
ルイは青年が鬼神を愛してる事を知っているのでユーゴを止めようとします。でもユーゴは聞く耳を持たない。
異形のものへの愛は「黒い愛」なのか?
ならば白いだけの愛は存在するのか?……
下界の存在である私たちは、白だけの愛も黒だけの愛も無いとわかってる。
だってこの下界では白と黒はグラデーションで結ばれていて、善と悪も、愛情と欲望も、恋の中では表裏一体、分かち難く結びついているものだから…
だからここは単純に漆黒のマルコの鋭い美貌、深みのある視線、シニカルな笑み、そしてルイを見る瞳に映るおそらくは苦悩、そして「正しい天使」ユーゴの白く輝く美しく気高い姿をただ愛でたい。
傷もしみもない白いユーゴも、可愛らしいルイがマルコを助ける場面で本当は揺らいでる。
ルイの心が純粋であることを知っているから。
そしてマルコがかつて誰よりも優秀で、皆の憧れだった輝きを覚えているから。
悪も黒も排除しようとする残酷な「善」であるべきユーゴも、悪の中にも一つかみの善が正義が愛がある事を薄々わかってる?だからマルコとルイを見逃すのでしょうか。
マルコと共にいることで髪も瞳も黒くなるルイ。
それでもマルコとルイの暮らしには「幸せ」な空気が流れている。それが全て。

4

切ないけれど、温かい。

作家買い。

ちょっと淫靡な雰囲気まとった二人の青年が描かれた表紙、そしてタイトルにもついている「パンデモニウム」という言葉。それらからも想像できるように、悪魔×天使のお話。ネタバレ含んでいます。ご注意を。







主人公は天使・ルイ。
天使としてはやや成績不良ながらも、優しい心と天使としての使命感を持つルイ。
そんな彼は、悪魔に魅入られた人を救うべく下界へと降りてくるものの、それらは元天使で今は悪魔へと身をおとしたマルコに阻まれ…。

というお話。

画家×義理の甥っ子。
人狼×人間。
鬼×人間。

初めは彼らの関係を「歪んだ愛」と思っていたルイが、彼らと関わり、そしてマルコと話をすることで善悪の境目が分からなくなってくる、というシビトさんらしいちょっとダークでブラックなお話。

ダークでブラック、なのだけれど、「愛すること」とは一体何なのかを問う、そんな壮大なストーリーでした。

ルイは、様々な形をまとう恋人たちと関わり合う事で、自身の気持ちやマルコへの愛情にも気づいていく。終盤は、有能で誰もが憧れる存在の天使だったマルコが、なぜ悪魔へと堕ちていったのかも描かれている。

ちょっとアダムとイブを彷彿とさせるストーリーでした。

愛。
そしてセックス。
何が正しくて、何が間違いなのか。

孤独だった彼らが、唯一無二の存在と出会い、そして恋をする。
切なく、そして甘い、4組の恋人たちのお話です。

シビトさんらしい、というのか、ちょっと不思議な空気感のある、そんな1冊でした。

3

黒の意味とは

シビトさんの人外、ファンタジーもの、そして何より今までのシビトさん作品では見たことがないような目が大きくて可愛らしいキラキラキャラ。コミックス化を楽しみにしていました。

悪魔にそそのかされた人間が地獄に落ちないように、彼らを正し救うべく地上へ降り立った天使のルイ。

ルイが最初に出会う人間が、写真家(既婚男性)。妻の甥っ子の妖しい美しさに捕らわれて関係しちゃうのだけど、私にはこの甥っ子が小柄ということもあり最初は中学生にしか見えなかったんです。
成人男性攻め×中学生のショタ受けの構図に見えてしまい、ショタ受けが地雷なのでぎゃー!となったのだけどよく読んだら甥っ子は「大学生」でした。でも大学生にはとても見えない容姿なんだけどあえてそうしてるのかなぁ…。
しかし林檎を持って誘惑するところなんてまさにイブです。

このほか、「人狼と人」「神社で代々護られてきた鬼と神社の跡継ぎ」という人外と人間が愛し合うふた組が登場します。
これを読んだ時にシビトさんの短編集「俺とセックスしてください」で登場する【鬼はそと、福はうち】と重なりました。
【鬼はそと、福はうち】は初出がバケモノBLというアンソロジーでして、いわゆる人間からバケモノと呼ばれる相手との愛が描かれていて、シビト作品は鬼×人間なのですが、この作中で鬼が「人間は鬼というだけで恐れ痛めつけてくる」と言うんです。
この短編で出てきた鬼が今回の作品の人狼や鬼に重なりまして、前作で伝えたかったものをもっと練って昇華させたものが、この「パンデモニウムより愛をこめて」なのかなぁと思いました。

ルイが彼らの関係を正そうとするたびに「余計なことはするな」と悪魔のマルコが立ち塞がり「正しい愛とは何か」「正しくないから断罪するのか」と問うのですが、このマルコは実は元天使、それも誰もが憧れる優秀な上級天使候補生でありルイとは幼馴染でもある過去が明かされます。
そして何故彼が、光り輝く天使から大罪を犯した象徴である黒色に染まった悪魔になってしまったという過程が描かれてまして、それを読むと、黒を黒と決め付けていいものか考えさせられますし、マルコの双子の弟(ルイの監督官役天使)が登場し、人間と交わる鬼を化け物だからと成敗しようとする様子を見ると自分達が正しい、間違っていないと信じて疑わない人たちが、他者を裁き平気で傷つけることが果たして正しいことなのか揺らぎます。黒いものを醜いものとは決め付けないところがシビトさんらしいなぁと思いました。

過去の思い出で天使候補生たち(ルイやマルコ、そしてマルコの双子の弟)が出てくるシーン。なんか颯爽として眩くて好きです。まさに光輝くって感じで。

2

弱いからこそ美しく、間違っているから愛おしい

シビトさんの作品には、ときどき息を呑むほど美しくて、悪意に満ちている表情があると常々思っていました。
そんな美しい作画を十分に堪能できるこちら。

悪とは、善とは何なのか。
それぞれのしあわせは、決まった基準で測ることができるのか。
大きくて深いテーマを扱った作品でした。

叔母の夫と甥。
人狼と人間。
神物と祀れてきた鬼と神社の長男。
禁忌とされる関係を目の当たりにしながら、その絆を断つことを迷う天使のルイ。
ルイの幼馴染みで、双子のマルコとユーゴとの関係も絡んで、「誰かを愛することは罪なのか?」という大きな問題を紐解いていきます。

成績優秀で、すぐにでも上級天使になれると目されていたマルコが堕ちた闇が、何とも切ないです。
世界の平和のために公平でいなければならない自分が、多数の安寧のために「悪」とされる者たちを討伐すること。特定の誰かに欲を感じることが罪であるという考え。
それらに対する疑問が生じて、欲からくる妄想飲み込まれたマルコが、ルイ前に現れて、彼に見せたものを考えると、「正しいことは、本当にいつも正しいのか?」という疑問が読んでいるわたしたちにも湧いて来ます。

妻を裏切る行為も、異種間の交わりも、「悪」とされるものを敬い愛することも、道徳や倫理で見ればすべて悪です。
悪と分かっていながら、愛してしまう気持ちまで「悪」と決めつけていいものか。
相手を想い、相手のために盾になれるほどの気持ちを「正しくないから」という理由だけで、断罪していいものか。
深いです。
とにかくいろいろと考えさせられます。

マルコと双子のユーゴの存在も、悪と善の表裏一体の象徴のようでした。
ただ上から決められた「善」の基準のもとに、機械的に愛し合う2人を引き裂こうとするユーゴよりも、マルコに見せられたものを自分で考え、悩んで、答えが出せないルイの方が愛おしく思えるのは、読んでいるわたしたちも日々、何が善で悪か、正解のない問題に直面しているせいかもしれません。

白いものは綺麗だけれど、真っ白かったものが何かに染められた状態にも美しさはあって、常に正しいひとが魅力に溢れているわけではなく、間違うからこそ愛おしい。
そんなことを改めて考えさせられる作品でした。

下界で暮らし始めて、髪を切ったルイをマルコが抱きしめる小さなコマがあるのですが、このシーンのマルコの横顔が何とも言えず綺麗です。

1

天使と悪魔

序盤の1話完結モノっぽさは、少年or少女漫画のようでした。実際ルイ(天使)が主人公で、悪役がマルコ(悪魔)で展開しようと思えばいける気がする。花とゆめ辺りで…

大団円ハッピーエンド第一主義の天使様方と、メリーバッドエンドも肯定してくれるマルコ様のお話です笑
なんだかんだ、最後に愛は勝つ。勝ち負けじゃないけど。

キラキラ美しいルイの金髪碧眼が黒く染まっていく…もったいないという思いと背徳感やら高揚感やらが混ざり合う素敵なシーンでした。ルイの目の描き方がシビト先生では珍しい感じで、きゅるきゅるしてて可愛い。

パンデモニウム: 悪魔達が住むところ

萌〜萌2

0

絵が美しい。。

異形愛(かなり体型差のある)がテーマ。
恋煩シビトさんの黒髪黒目キャラは毎度痺れます。自分の本当の気持ちに気づき黒く染まっていくマルコの美しさが壮絶です。
1話目の義甥とカメラマンの話は、少年が本当に求めていたものなのか、心寂しい少年の一瞬の隙間を埋めるだけのためにマルコが唆したように思えてなりません。ただ一線を超えた描写は激しく、カッコ良いとさえ思いました。
作者さんの漫画を何冊か読み、時に線の太さからかHシーンがギャグっぼく見える時があるのですが、今回はそれが封印されて狼男や鬼とのシーンめちゃめちゃ美しくてギラギラメラメラでした…!最後のルイとのシーンも。
結局天使の管理する世界は映画「カラーオブハート」的な温和な世界なのかな。

0

堕天にこそ”愛”がある!

”人外BLの宝石箱”のキャッチで始まった「marginal」掲載作品。
電子単話表紙の天使と悪魔の耽美さに惹きつけられ、コミックスになるのを心待ちにしていました。
コミックスの表紙はさらなる美しさでウットリです♪

ストーリーの主軸は、堕天した悪魔マルコと、落ちこぼれ天使ルイの物語。
それに3話のオムニバスストーリーが絡み、親しかった二人がどうして悪魔と天使として生きる世界が分かれてしまったのかがわかっていきます。

オムニバス1話目は、新婚カメラマン×美しい義理の甥。
カメラマンは甥を一目見て惹きつけられ、愛する者しか撮れないのに妻の甥を愛することはできず、写真が撮れず落ちぶれていく。
甥は新婚家庭を邪魔しないように公園で時間をつぶす謙虚な子だったのに、悪魔マルコに”誰でもいいから愛されたい”という欲求を解放されて叔父に迫り…
ルイは人間が堕ちていくのを、マルコが関わっていると感じつつ止めることができない。

オムニバス2話目は人狼(顔だけ狼)×孤独な人間、3話目は祀られている鬼×祀っている一族の男。
この2カップルは人外×人間の異色さだけど、どちらもお互いの存在を受入れ合っている幸せぶりで、「人外だからって容赦なく制裁し、愛を引き裂くのはいかがなものか?」と、ルイに”天使の在り方”を問う存在です。
そこに優秀だった天使のマルコが堕天した理由も隠されています。

1話でのマルコは、良き人間を堕落させる”悪魔”そのものなのに、2・3話のマルコは愛し合う二人を見守る”慈愛”があって、1話と2話の間でストーリーの方向転換があったような気がします。
それでも、天使が愛を知らず、堕ちた天使や人間が愛を知っている存在として描かれているのは意外で、”清廉潔白さより堕ちてこそ知れる喜びがある”、そんなことを気付かせてくれるストーリーでした。
堕天すると髪色が金から黒へ、瞳も漆黒に変わる。天界で黒は”罪の証”だけど、マルコとルイにとっては愛し合ってる証の”聖なる色”のように思えます。

表紙もですが、中身の絵も耽美的で美しくてウットリする一冊です!
ただ、ルイが天然ピュアすぎて、シビト先生らしいアクの強さが感じられなかったのと、表紙絵で期待したほどストーリーは耽美なものでなかったのが少しだけ残念でした。
私のシビト作品への思い入れの強さゆえの期待とズレがあっただけで、パラドックス的な愛を描いた作品としては意外性のある良作にまちがいありません。

2

斬新な設定もしっかり回収され満足

 とても素敵な世界観でした。主人公のルイ達は天使なので結構ファンタジー色強めなのかなと予想しましたが、あくまで人間界に寄り添ったストーリー展開なのでそこまで現実とかけ離れた描写があるわけではありません。ルイが正しい関係に導こうとした3組のカップルについては、叔父×甥、人狼×人間、鬼×人間とどれも特殊な組み合わせではありますが、それぞれもっと詳しく知りたいなぁと思うような魅力のあるカップルでした。特に最後の鬼と人間のカップルについては描写が少なかったので、今までどのように蜜月を育んできたのかとても気になりますね。

 マルコとルイ、ユーゴの関係もかなり引き込まれました。自分を愛して欲しいけれど、それが叶えばルイを堕とすことになってしまうというマルコの葛藤に共すごく共感します。最終的に結ばれた2人ですが、情事中にルイの髪と瞳の色が徐々に黒に染まっていく描写があり、もうあの綺麗な金髪と澄んだ瞳が見られないんだと切なく思う一方、漆黒の髪と瞳も別の美しさがあっていいなぁとも思いました。ただ、できればユーゴの2人に対する感情もきちんと知っておきたかったですね。少し彼のことが引っかかったまま読み終えてしまいました。

1

この作品が収納されている本棚

レビューランキング

漫画(コミック)

人気シリーズ

  • 買う