気鋭の実力派・恋煩シビトさんのヤンキー三角関係

溺れる

oboreru

溺于爱

溺れる
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神36
  • 萌×230
  • 萌9
  • 中立6
  • しゅみじゃない4

--

レビュー数
18
得点
333
評価数
85
平均
4 / 5
神率
42.4%
著者
 
媒体
BL漫画(コミック)
出版社
祥伝社
レーベル
onBLUE comics
発売日
価格
¥619(税抜)  ¥669(税込)
ISBN
9784396783310

あらすじ

「俺の本能は、男ではなく既に」 

腐れ縁のヤンキーは不変の仲…と思いきや、馳男の幼なじみ・次郎に彼女ができた。
その日から、馳男の心中は嫉妬でヒリつき始める。

そんな馳男の変化に、仲間のハチだけが気づき
「なぐさめてやろう」と押し倒してきた。
なし崩しで始まった2人の関係は、次郎にも見せつけるように
自室やラブホテル、果ては教室…と奔放に続く。

女に奪われた親友を追ううちに、
女のように抱かれるようになった馳男の本性とはーーー。

描き下ろし後日談収録。

表題作溺れる

高校生 受とは中学からの仲良し 八田千陽(ハチ)
高校生 ラブホで清掃のバイト 朝比奈馳男

その他の収録作品

  • BONUS TRACK(描き下ろし)
  • あとがき

評価・レビューする

レビュー投稿数18

BLファンタジーと現実のはざま

幼馴染がずっと好きだった。
いつまでも変わらずに一緒にいられると思っていた。

BLに限らずよくある設定に、1/3の確率で予想しうる結末。
3つのうちどの結末を期待したかで評価が分かれる作品だと思います。

小学校からずっと一緒だった次郎と馳男。
中学から仲間に入ったハチと他の仲間たち。
ある日、次郎に彼女ができたことで均衡が崩れはじめて…。

という話ですが、次郎目線→馳男目線→ハチ目線→次郎目線→馳男目線とエピソードごとにストーリーテラーが変わっていきます。
おそらく誰もが「どの人物を推すか」見極めながら読み進めると思うのですが、だいたいこういう場合は「馳男」が多いのかな。わたしも馳男サポーターとして読みました。

この作品では三角関係に必須の当て馬という存在の立ち位置が微妙です。
3人の目線、3人それぞれのこれまでのことや今の想い。後半で比重が傾くものの、中盤までは平等に描かれているので、どの人物にも肩入れすることが可能になっています。そこがすごくトリッキー。
しかも全員の心理描写が本当に巧みなので、どの人物にも引き込まれるのです。
焦りや喪失感に混ざった狡さ。この作品では角度を変えて見ると、種類は違えどどの子も狡い。でも狡い人間というのがもともといるわけじゃなくて、狡くなるのは欲しいものがあるからだと気付かされる。やはり一筋縄ではいかない作者さんだなと思いました。

とにかく人物描写がとてもリアルです。
彼女ができた。でも親友とは今まで通りにつるみたい。「オレの彼女」「オレの一番の親友」というよくいるタイプ。ふつうなんです。普通すぎるからこそ次郎はBLの世界だと狡く見えてしまう。
ハチを利用したつもりが、そのせいで自分は「男に抱かれたい」人間だと馳男が自覚する場面も痛々しい。たぶんそれまでは「次郎の隣」という立場だけに執着していて、「次郎に抱かれる」ことまでは想像していなかった気がするのです。ハチに抱かれて、「抱かれたい」という欲求が出て、ハチに次郎を重ねていたことに受けた衝撃の強さが「メス」という言葉にこもっていて痛い。自分は人間以下だという嫌悪感がすごく伝わってきました。
それだけにその後の気持ちの変化の部分が急ぎ足だったのが残念でした。

いろいろ書き過ぎましたが、一度読んで損はない作品だと思います。

1

萌えるはずの三角関係がなんとも言えない読後感

おーこうきたかーーーという予想外の展開で、なんとも言えない読後感でした。
受けを巡っての三角関係は大好きで、当て馬くんが健気なイイ奴だったりすると、むしろそっちを応援したくなっちゃうタイプなのですが、この作品の当て馬くんは終始裏がありそうで好きになれない。。最終的にそれは誤解で、いい奴なのでしょうが。。
また、受けの本性っていうのも、コレ?と思うとなんとも言えない気分に。。
受けの想い人の勝手感も凄い。。
セクシャリティに悩むことはよく分かるのですが、作品全体から女への嫌悪感?のようなものが感じられて、読んでいてあまり心地良くありませんでした。
作品としてのクオリティやメッセージ性はとても高いのだと思います。
ただ、個人的にはキャラクターの魅力より、弱いところばかりが目に付いてしまい、BLとしてはあまり萌えられませんでした。

1

恋情と友情、と、独占欲と性欲、と。

恋情と友情、独占欲と性欲。
そんなキーワードが高校生という囲いの中でネットリサワヤカに描かれていました。
ノンケだけどお前のことは好きだとか、お前は俺のものだから友情の延長線上でセックスもして恋人同士になるとか、ってのはBLでよくある話だけどいつもそんな簡単な話ではなくて。
独占欲なんて恋情でも友情でも抱く、性欲だって恋情でも友情でも抱く。
恋情と友情に明確な境目なんかないんだろうな。
性嗜好が同性なら特に。
好き合うだけでも恋人同士じゃないし、セックスするだけでも恋人同士じゃない。
付き合うとか恋人同士になるとかっていうのは単に二人の周りにその境目をあえてひくってだけのことなのかもしれない。
結局馳男はハチを好きになって恋人同士になったけど、次郎への気持ちは単なる独占欲だったのか?
馳男の初恋は間違いなく次郎だったけど恋人になったのはハチ、というただそれだけのこと、だと思います。
今後、馳男もハチもまた誰かに恋情や友情や性欲や独占欲を抱くことがあるでしょう。(あと次郎も)
でも馳男とハチの二人でひいた境目を大事にしていって欲しいなと思いました。(一応ついでに次郎も)

蛇足
この話最後まで誰と誰がくっつくのかドキドキしながら読みました。
次郎なのか!?ハチなのか!?と。
でも読み返すとこりゃハチだわと思うんです。
第一話のモノローグが次郎視点だからなのかな。
一話では次郎はさとみちゃんを思うより強く馳男に対して独占欲を抱いていてるし、馳男は次郎が大好きなのがわかる。
そしてハチはほぼ空気w
くっつかない当て馬が一話のモノローグって……!
うまい!うまい構成です。
そして全編通してこの話モノローグがとてもうまいです。
この話のモノローグは誰視点なのか考えながらモノローグだけ読んでもおもしろい。
!とか!?の使い方一つに感動しました。

これぞ神!って作品でした!

3

せつない…

仲良し四人組の一人、次郎に彼女ができてから、四人のバランスが崩れてしまいました。

ハチは馳男が好き
馳男は次郎が好き
次郎は彼女が好き
と、危うい関係。
仲間の一人、脇田は…特に何もありませんでした。

途中、次郎は彼女より馳男の方が好きだということに気づいたんじゃ…と思われるシーンがあったのですが、それは親友としての好きでした。(残念!)
陰ながら次郎を想う馳男が最後まで可哀相で可哀相で…
でもハチがいたから救われた面もあったので、ハチがいてくれて良かった…のかな。
ラストはハッピーエンドなのでしょうが、馳男のことを思うとかなりせつなかったです。

馳男はハチに絆されただけなのかと思いましたが、その後の書き下ろしでハチのことをちゃんと好きだということが確認できました。
書き下ろしでようやく良い読後感が得られました。

2

当て馬とは

高校生、三角関係と大好きなワードで出てきたこの作品。作者の恋煩シビトさんが当て馬好きで書いたとあとがきに残してましたが、本当に当て馬が光を浴びた作品でした。
大抵の作品は当て馬が可哀想で終わるとか当て馬が嫌なやつとかだと思うのですが、これは最後にスカッとする!親友の次郎も、きちんとキスを拒んだり、彼女に悪いと言ってくれるから、モヤモヤせずに終われたし。
はじめの方は爛れてるとか、当て馬役のハチがずる賢くて嫌なやつに思えたのですが、ハチにはハチなりのトラウマとか経験があって…ときちんと三方向から描かれているので、どのキャラのことも冷静に読めました。
テーマは重いのですが後味スッキリの上手いこと出来てる作品です。

1

一般にも薦められそう

幼馴染みの友達と恋人の違いを揺れ動く三角関係の物語。三者の心情が1冊で上手に表現されています。

馳男と次郎は初めての変化に自身や相手の気持ちがわからず苦悩している。ハチは過去から両者の気持ちがわかり、愛し合う同性を求めている。「変わらない」はないのだ。変化を受け入れ、どう行動するか。ハチにほだされた馳男はメスと気づき関係の着地点を決める。「俺をこんな風にしやがって」。ヒトは他者を通さないと自身の事がわからない。そして、相手を理解できるようになる。

BLに興味ない人へもお薦めできそう。

1

異性の存在が壊す同性間の友情

これは完全女性目線で読んでこそ面白い♪
女友達間でいつも一緒にいた友達に彼氏が出来て、親友をその男に取られたような気持ちになったことってきっと誰しもが経験あると思うんですけど、それを「女子より友達同士の距離感が近い男子グループに当てはめたら?」ってお話。
これぞ女子が大好きな生唾妄想って感じがします。
「THE 妄想」ですね!
シビトさんテイストで描かれると一層萌えます。

仲良し四人組の四者四様のキャラ設定が良いです。
〔次郎〕はノンケ
〔馳男〕は「オンナ」だけど、まだ気付いてない
〔ハチ〕はセクシャリティ自覚済みのゲイ
〔脇田〕は普通にいそうなおバカ男子高校生
なんてよく出来た四人組!
超脇役脇田がまたこれイイ味出してるんですよw
こいつの存在がこの四人組を実際いそうな仲良しDKグループに錯覚させてくれますし、今にもバラけそうな不穏な三人の友情をイイ感じの脱力っぷりで繋ぎ止めています。

ことの始まりは、次郎に彼女が出来たこと。
それによって露わになった、四人の中でも特に仲の良かった次郎と馳男の、お互いへの似て非なる気持ちを描いたお話です。

次郎の「ハチに一番の親友の馳男を取られた」と、馳男の「さとみちゃん(次郎の彼女)に次郎を取られた」は、感情の種類的には全く別物なんですけど、セクシャリティとはまた別に人間なら誰しもが持つ「独占欲」とか「嫉妬心」もごちゃ混ぜになって、次郎は次郎でよく分からなくなってるし、馳男も馳男でよく分からなくなってる。
だから所々ではこの二人の混沌とした感情が同じようにも見えたりするんだけど、でもやっぱり別物で。
違うんだけど似ていて、似ているんだけど違う。
その描かれ方が絶妙にリアリティがあってすっごく面白い!
二人の感情の泥沼に一緒になってズブズブとハマりました。
「溺れる」とはまさに言い得て妙。

でもって腐女子目線で読むと、でもやっぱり次郎もひょっとしたらこれひょっとするんじゃね?って妄想したくなる仕上がりがまた巧いな~と思いました。
次郎くんはその後もちゃんとさとみちゃんと仲良く出来てるのかしらね?とついつい邪推したくなりますw

2

溺れてるわぁ

恋煩シビトさん初読みです。

予想外に良かった。すごく。

とても仲の良かった友達同士がふとしたきっかけで気になる存在になる所が非常にうまく描けているのと、そうなるきっかけを作った次郎の性格が最後まで肝だったってとこが良いですね。ハチもふとしたきっかけでそうなった一人だけど、馳男を振り向かせようとする行動の仕方が独特というか、狡いけど色っぽさがある。なんというか、こんなに深い三角関係を見たことがないですね(正確には四角関係だけど)。漫画的ではないリアルな人間模様って感じでした。見方によっては終わり方がすっきりしないと思う方もいるかもしれません。馳男が強く想っていた次郎と結ばれないからですね。それに加え、次郎は彼女がいるのに馳男とハチの仲に嫉妬し出すので(そこがおもしろいんですけど)。次郎は結局友情に関してただ独占欲の強い男だった、という流れで最後は落ち着いているように見えますが、そう見せかけて馳男に対する密かな感情を覗かせる場面があり、真意がわからないところがいい味出してます。私としてはたぶん次郎自身も気づいていないって感じなのかなと思いました。バッドエンドといえばバッドエンド、ハッピーエンドといえばハッピーエンドな作品。馳男の気持ちが最後まで結局は次郎なんですよ。そこがスッキリしないけど、でも、なんか良い。本来こういう作品は好みじゃないんですけど、世界で2番目に好きな人と結ばれたら案外しっくりきちゃった感覚ですかね。描き下ろしの二人のその後がそれを物語っているようでした。
とにかくキャラクターがすごく個性がはっきりしていてわかりやすかったです。

※女性との絡みシーンがあるので苦手な方は注意が必要です。

3

macy

☆詩雪様☆

コメントありがとうございます!詩雪さんのツボを突けて光栄です(笑)

そうなんですよね、何か作者の世界観に飲まれるような感覚で、私も読後抜け出せなくて何回も読み返しました。
最近ちょっと変わった感じの三角関係のお話はチョコチョコ出てたりしますけど、こういったリアルな感情のものってありきたりになっちゃったりしがちなのに独自のストーリーになっている所が惹きつけられるポイントですよね。

それありますよね!わかったうえで受け入れてるハチが馳男も恐らく愛しくてたまらないはず!最後お洋服買ってって会いたかったって言うところでズキュンとやられてしまいました。

そうなんですか、あとで試してみますね!
ありがとうございました(*´∀`)

燃えるだけが恋じゃない。

「前に何かの雑誌で見かけた漫画、誰の何て作品なんだろう。読みたいな」。
ふと過ぎる疑問に『これかもしれないよ』と手を差し伸べてくれた友人に心底感謝。
少ない情報と曖昧な記憶でありながら、ピンポイントでこの作品だと知れたとき、異常な鳥肌が立ちました。
単にこの作品と再会できただけじゃなく、何とも言えない感情が湧き上がる感動にも。

中学からの仲間。多感な時期の高校生。
幼馴染を好きな馳男。
はじめての恋人が出来た次郎。
馳男の視線の雰囲気に、自分と同じ空気を感じ取ったハチ。
はじめ、この3人によるドロドロの三角関係なのかと思っていたが、そうではなく拍子抜けしたのが第一印象。
馳男を中心としつつ、次郎、ハチ目線でも話が進み、時折すんなりと解釈できないときがあったのだが、その為何度も読み返した。
その『読み返し』が、徐々に効いてくるのだ。

愛する男に彼女ができ、ずっと隣に居たはずのポジションをいとも簡単に奪われた馳男。
本当は俺の場所だったのに。
お前じゃなく俺だったのに。
幼馴染という特権が、馳男のココロに揺さぶりをかける。
なぜなら次郎こそが、『幼馴染』という言葉にしがみついているのを分かっていたから。

馳男に肩入れをすると、次郎がいやらしい男に見えなくもないが、実はシンプルで幼いバカなだけだった。
自分以外の人間と目の前で仲良くなっていくことに、ヤダヤダと駄々をこねているだけ。
それをハチは「ずるい」と言うが、何の事はなく、次郎の立場で見ると、何もズルくはなかった。単なる幼稚な考えなだけなのだから。

ハチは早い段階で自身の性癖を分かっていたし、馳男にトキメキを感じたし、そして馳男の視線の先に気付き――と、3人の中では1番細い光に希望を見出した男なのではないかなと思う。
だからこそ、どんな手を使ってでも馳男のココロの中に潜り込もうとしたんだろう、と。
それが最初は恋じゃなくたっていい。
ただ、気になるようにさせるだけでいい。
それさえできれば、あとはこっちのもの。
どう考えたって、もう最初から勝負は見えていたのかもしれない。

馳男は次郎に彼女が出来て、いやで、焦って、振り切ってでも本当は自分の場所を取り戻したかった。
ハチは、ただひたすら静かに静かに、馳男の気持ちの中に自分を沁み込ませて、僅かな希望を持ち続けた。

心がちりちりして熱くなるのも、燃えるのも焦がれるのも散るのもいいけれど。
地に足つけて、両手広げて堕ちて来るのを待つ。
そんなのも恋なのだと、改めて気付く1冊。

体の関係から始まった馳男とハチだけれど、改めて彼を見た時に感じた
「恥ずかしい」
こそ、彼に堕ちた証拠なのだと思う。

自分だけじゃなく、相手を自然と思い、会いたくなること。
どれが愛で恋で友情か。
『三角関係』という言葉は私自身の中ではちょっと当てはまらない言葉かな、としっくりは来なかったのだけれど、それすら吹き飛ばす余韻に頭がぼうっとします。

正直、萌えとは違うのだけれど。
読めば読むほど言葉では言い表せられない気持ちに包まれました。
神以外、考えられません。

6

崩れそうで崩れない、微妙なバランス感覚が絶妙

◆あらすじ◆

馳男(表紙絵)・ハチ・次郎・脇田のヤンキーDK4人組。悪事も遊びもいつもつるんでたのに、或る時次郎に彼女が出来て、馳男の心に、次郎を奪われたという嫉妬心がふつふつと…
これは、恋?――
そんな馳男の心の隙間を突いて、なし崩し的にセフレな関係に持ち込むハチ。
実はゲイのハチは、馳男を狙ってた??
次郎の気を引きたくて、ハチとの関係を見せつける馳男、利用されてるのを知りつつ、それを逆手に取って馳男を絡めとろうとするハチ、馳男とハチの関係が面白くない次郎…
三角関係のようで、そうでないような?
友情と恋の境目を右往左往する、セイシュンの三つ巴バトル。

◆レビュー◆

男同士で友情と恋の境目を右往左往?ンなわけあるかい!!…と、一歩外界に出ればサンンドバッグ状態にされて即死確実なところですが、腐界ではDKの友情はボーイズラブと当然に地続き。
その境目地帯では日々紛争が繰り広げられているわけです。
腐女子の妄想と笑うなかれ。これが意外にリアリティーたっぷりに描かれています。

悪友4人組の話ですが、脇田は名前の通りのモブキャラ(ワキだーw)なので、実質はハチ・馳男・次郎の3人の物語。
3人は、ハチと次郎で馳男を取り合う三角関係。
ただ、ノンケの次郎が馳男に求めているのは友達。ハチが馳男に、馳男が次郎に求めているのは恋人。
つまり恋愛という切り口で見れば三角関係は不成立で、ハチも馳男も片思い同士というわけです。
傷ついた二人が、傷を舐め合い、利用し合い、傷つけあっていくうち、いつしか同情なのか妥協なのかはたまたこれが愛なのか?な感情が、二人を結び付けていきます。

まだ自分のセクシャリティーにはっきりした自覚がなく、自分の気持ちに戸惑っている馳男を、自分のほうへと巧妙に絡めとっていくハチ。
高校生らしくない冷静さと、何を考えてるのか分からないチャラけた雰囲気で、最初は感情移入しにくいキャラなんですが、彼の過去の失恋の回想シーンを読んだ後、ハチに対する見方が変わった気がします。
好きな相手が、自分を決して恋愛対象として見ることはないと悟った瞬間も、相手に笑顔を見せるハチ。
いつも笑ってるハチの内面の苦しみが、このシーンでさらっと表現されているのがイイ。

なんだろう? すごく完成度が高いとか、そういう良さとはちょっと違うんですよね。
でも、馳男・ハチ・次郎の、微妙な心理が、少し混沌とした部分を残したまま淡々と描かれていく中に、すごくリアリティーを感じる。
整理されすぎてない構成が、逆に生々しくて。

微妙に微妙が重なり合って、辛くも「絶妙」を作り上げてるような…そういう危ういバランスの上に成立している絶妙感が、センシティブなテーマともとても相性がいい気がします。

馳男の次郎に対する恋は叶わなかったけど、馳男が失恋したことで、ハチの恋は成就する――ハッピーエンドだけど、その裏に苦い喪失感もこびりついてる、表も裏もある描き方。
馳男のハチへの気持ちは、妥協なのか同情なのか、愛なのか性欲なのか――白黒渾然一体なまま終わる(*)辺りが、未完成な高校生の物語らしくて好きです。

でも、何よりも好きなのは、馳男のルックス!
切れ長の眼に薄い唇の、酷薄そうな顔立ちの馳男が受けで、ボブで可愛い系のハチが攻めというバランスも凄くイイ。
やっぱり黒髪受けは最高です(*゜∀゜)=3!!

*多分シビトさん的にはちゃんと愛に変わってる綺麗な終わり方なんだと思いますが、個人的に疑問符が残ったので…

6

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