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1998年出版の作品なのかー!
ワープロ?!となった箇所はあるけれど、時代を感じたのはその点のみで、作品全体に古臭さは微塵もありませんでした。
変人揃いで知られる大学寮に住む事になってしまった織田君の受難(笑)
そこで出会ったのは、浮世離れした美貌(雪女の男版みたいだそう)が印象的な杜司。
掃き溜めに鶴のような杜司に一目惚れするも、杜司もやはりどこか変わっていて……。
BがLしているので確かにBL小説ではあるけれど、BがLに終始しているわけではないんですよね。
まともな織田君をからかうことをこの上なく楽しみにしている喰えない先輩三人組のキャラが強烈で、脇役でありながら主役を食いそうになる個性(笑)
変人の巣窟である吉田寮に入寮することになってしまった織田青年を主人公とした青春小説って感じで、好きだー。
山田章博 さんの表紙絵に惹かれて購入。黒猫がチャーミング。
挿絵なしだった、凄く残念。
ネットで紙本を購入すると、中を確認できないので不便。
物語の舞台は、「京都の有名国立大学がモデルではないか?」と多くの読者は推測していて、
あとがきに「そうじゃない」と著者は必死で否定している。
でも、「左京文化」の象徴で、日本最古の学生寄宿舎、そこしかない?と思う。
モデルにしたらしい寮は、知的で自由かつ猥雑な雰囲気を醸す梁山泊のようなボロボロアパートで、左翼の学生アジト。
ボロすぎて、取り壊しと「退去」問題で訴訟が起きている所。
挿絵が無いので、男子寮は、あんな感じ、と脳内妄想しながら読みました。 面白かった。
ボロい男子寮に、掃きだめに鶴といった風の男子、杜司篁嗣,24歳の院生がいた。
そして、杜司に一目ぼれする年下の院生、織田和祐,22歳が居て、
バンカラ寮生たちの普通じゃない日常生活がある。
BLというより、
青春バンカラ・コメディといった風の内容で 面白かった。
かわい先生の京都シリーズコレクションとして…。
スマホが普及していなかった時代の青春、よきアナログ交流がありました。ゆるやか~に、各々が各々の時間の流れに身を置いている不思議な吉田寮、デリカシーもプライバシーもないけど、それなりに居心地のよさそうな共同体で、ノンケイケメンが不思議系美人に恋しちゃう日常系の作品です。
紙版入手したのですが(なんとまだ新本流通してました)挿絵が入ってなくて、文章が端正で文芸みが強かったので、青春小説が好きな人なら誰でも読めるような気がしてしまうほど、”青春”>”萌”の印象でした。(…BL読みの錯覚かもしれませんけど。)
なんといってもインパクトあったのが、杜司に対して、”蒸留水を飲んで育ったような”という表現。ノンケイケメンが魂持っていかれるレベルの美人で、実家は奈良の伝統ある神職の名家(モデルになってるとこ有名ですよね)ということで、それは”蒸留水”感あるな…と妙に納得してしまいました。杜司の”白いくるぶし”に心をうばわれて、織田が執着するところがとても官能的で大好きです。
杜司という受さんは、24歳という年齢の割にはちょっと情緒が乏しいところのある人なんですが、そこから無垢さを見出すと、彼の醸し出している雰囲気とのちぐはぐさが、まさにノンケを狂わす魔性に見えるのでした。織田の一目惚れからはじまって、徐々に徐々に、互いに恋心を募らせていく気持ちの描写が丁寧に描かれていて、織田と杜司が恋人になる過程はすごく自然にみえました。
舞台は京都ですけど、大学院生同士なのでコミュニティは寮の中がメインになっており、町の描写も方言も少な目でしたが、それでも初めてのデートで、受を酔いつぶそうと先斗町の飲み屋に連れていく描写には、鴨川からの風を感じましたね(笑)。
古めかしいひとつの寮の中で繰り広げられる日常を切り取ったような作品です。
大きな事は何も起こりません。
しかし定期的に読み返してしまう…味があるといいますか、そんな不思議な魅力が溢れる作品です。
カバーイラストの山田章博先生の1枚絵がイメージにぴったりで非常に素敵です。
吉田寮というとても狭い世界で繰り広げられる日常生活。
攻めの織田目線で語られて行きますが、これがまたどの人もこの人も変わり者だらけで、住人達のやり取りが本当に面白い。
どこか淡々としているようにも感じるかわい先生の文体がこの作品を更に魅力的にしています。
寮描写も、どのキャラクター達のやり取りも終始読んでいて想像力が掻き立てられるんですよね。
そこに生きている感じがするというか。
これが初期作品なのが本当にすごいです。
変わり者だらけの寮の中でも、群を抜いて変わり者とされている杜司に惚れ込んでしまった織田。
蒸留水を飲んで育った、霞を食べて生きているようなどの表現がありますが、ふと触れれば消えてしまいそうな透明感のある物静かな青年です。
しかしながらその実態は汚部屋で暮らす生活能力が皆無の不思議系美人。
彼の現実の姿を見ても、男同士だとか細かなことをすっ飛ばして夢中になり、何かと世話を焼くようになる織田なのでした。
なんだか絵に描いたような爽やかな好青年です。
そんな織田と出会う事によって、何にも興味がなく、恋をしたことすらもなかった杜司の無機質な感情にじわりと少しずつ色が着いていく様子が可愛らしい。
浮世離れしている美人が一生懸命たどたどしく喋るギャップに庇護欲が湧いてしまう…
性描写に関しても直接的ではない描写が多く、2人とこの作品に流れる空気にぴったりだと思いました。
初々しい2人の淡い恋模様が、癖のある住人達も交えつつゆっくりゆっくりと紡がれて行きます。
この曲者だらけの寮内で1番権力を持っていそうなのが杜司というのが面白いですね。
まだまだ始まったばかりの恋の行方が気になった方は続編もぜひ。
山田さんの古いファンで、BLにはまる前から絵が欲しくて所有していました。京都が無駄にマイブームなので、今更読んだのですが………なぜ読まなかったの?4年前の私よ!
今さんもアマチュアの頃から大好きなので、今さんが表紙の方も持ってます(笑)
特に凄い事件もないのですが、バンカラものみたいな寮の雰囲気いいですね。そもそもそこからして大好きなのに、受けが!めっさ好みなんですけれども!!!!
人間的に欠陥だらけの生活能力のない美人さん、たまりません!
面倒見がいい攻めも好きです。
ふと気付きましたが、大好きな「恋を綴るひと」も似た雰囲気のカプかも。
こういう二人が好きみたいです。
ああ、本当に杜司さんが可愛らしい。
最後の方、我に返っちゃう織田くんは、正直なところ「なんで?」と思わないでもないですが、変に意固地になって杜氏さん捨てなくてよかった(泪)もう!最初からおかしいって分かってたじゃないか、何を今更。
あのシーン、何もなかったのにあったように見せかけたことが理解できなくて離れたんですよね?あれ、自分だったら逆に「そこまで自分のこと好きだったの?」って舞い上がるところのような気がするんですが、どうなんでしょうか。
あと本来はBLにありがちな皆がゲイに理解ある話はリアリティがなくて嫌なのですが、この話は平気でした。ゲイに理解があるというよりも、面白ければいいやという感じなんですかね?
賭けの対象にしたり、「本懐を遂げた祝賀会」みたいなデリカシーのない飲み会をしたりするのがたまらんです。青春小説ですなあ。
続きも買ってありますが、勿体ないから明日読みます。楽しみ!