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表題作囚われの愛を殺せ

李秀瑛,香港マフィアのトップ
須王征文,25歳,組長の弟で秘書

あらすじ

ヤクザの愛人の子として、人生を諦めたように生きる須王は、兄の策略で香港マフィアの李のもとに差し出されることに・・・。恥辱に満ちた陵辱行為を受け、身体は淫らに反応するも心は凍りついたままだったハズが・・・?香港マフィア×ヤクザのギリギリ限界ラブ!!
(出版社より)

作品情報

作品名
囚われの愛を殺せ
著者
藤森ちひろ 
イラスト
稲荷家房之介 
媒体
小説
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイSLASHノベルズ
シリーズ
したたかに愛を奪え
発売日
ISBN
9784862639233
3.2

(10)

(1)

萌々

(3)

(4)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
2
得点
30
評価数
10
平均
3.2 / 5
神率
10%

レビュー投稿数2

藤森さんの作品ではおなじみの九曜会絡みのヤクザものです。

お話は『冷酷な香港マフィアトップと義兄を盲目的に信じるヤクザの凌辱愛』といったところでしょうか。
組で経営しているカジノでのごたごた処理の為に兄とともに渡った香港で、以前パーティで初めて顔を合わしたマフィア・李秀瑛の元を訪れた須王征文。
以前出会った時、征文は秀瑛に対して得体のしれないものを感じていた。
それはあまり良い印象ではなくて、ぞくりと後を引くようなもの。

この、攻めの第一印象をあまり良く思わないという導入部分は『蜜愛契約』と同じ流れでした。
うーんちょっと嫌な予感、同じ作者さんの作品なので、同じような話ってのはよくあるけれど・・・で、最後は同じく、好きだから苛めちゃったという攻めの告白が用意されています。
・・・本作品と『蜜愛契約』は続けて読まない方がいいかもですね。

とは言っても、登場する攻めと受けのタイプと立場や話の設定等は違うのでどちらも楽しめました。
問題を起こした組員を探し見つけ出すまでの間、建て前では『見習い』本当は『人質』として兄に媚薬をしこまれ差し出された征文。
抵抗しても、抑え込まれ無慈悲に香港へ置き去りにされてしまうけれど、それでも兄を信じている。
征文にとって義兄は唯一無二の人、信じそしてそして、常に兄の役に立ちたいと思っていた。それは幼い頃母を亡くし、父親のもとに引き取られ辛く当られる中で唯一自分に優しく接してくれた人、という擦り込みによるもので。
ひょっとして、いや兄がそんな筈は・・・と悩むのが切なく、それでも最後まで信じようとした姿が本当に幼い頃優しくされたのが心の拠り所だったんだな、とじんとする。
なのに、その優しさは嘘だったと分った時の征文の憔悴ぶりはこれまた切なく胸がぎゅっとなります。

秀瑛もまた冷酷なマフィアのトップではなく、彼自身も肉親との情に薄い。父親が愛人たちに産ませた子供たちと骨肉の争いをして今の地位を手に入れた。一応、自分に忠誠を誓う弟にNo.2の地位を与えているけれど、いつ裏切るかは分からない信用の置けない状態。親は幼い頃に父と離婚し、愛にいけば祖父母(母の両親)に門前払い。母への時簿を断ち切るように黒社会に身を投じたという経緯もある。
そんなふたりが出会って、恋をして・・・とロマンティックに話は進みません。
あっちとこっちの陰謀が手を結び、二人を陥れようとしつけ狙います。方や兄を蹴落としたい弟、方や全てを知っている弟を消したい兄。
何か知っていそうな征文に口を割らせたくて凌辱する秀瑛、酷く責められても口を割らない征文。
征文の、一本芯の通った強さもまたツボでした。
強いから、折れた時はとことん折れ萎れてしまう姿が儚いのですが・・・。

SLASHレーベルなので、イタすシーンは大変濃いです。
回数が多い訳ではないのですが、一回一回が濃厚で征文が秀英に存分に可愛がられ喘がされております。
手首を拘束されたり、媚薬を使われたり、万年筆を入れられたり、真珠のネックレスを小さな穴に入れられたりとこれでもかと嬲られています。
久々にこういう『嬲り倒す』という話を読んだ気がします。流石、マフィアのトップ!でした。
後半、秀瑛が征文みせる優しさがツボです。こういう鞭→鞭→鞭→優しさ・・・という流れはお約束ながら猛烈に萌えます。

1

既視感

ヤクザもの。美しい弟分をだまして香港のボスに売るが、実はボスがいいやつで兄が敵という構図。なんか、設定がみたことあるなと思ったが、「隷属の闇」かな?

あんまり好みじゃない設定だった。香港マフィアのボスにいいようにされる健気受けも一興か、と、半ば賭で手に取ってみたが、やっぱり最後まではまれなかった。

兄が急にそんなに悪くなれるのかという豹変ぶり(最初は慕うほどいい人だったわけで、極悪非道な人間が優しいふりを何年もは難しいだろうという)や、顔を見初めただけのボスがカラダの関係を続ける内、実はいい人で、みたいな無理筋感が否めなかった。

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