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  • 本日、ご親族の皆様には。

本日、ご親族の皆様には。

honjitsu goshinzoku no minasama niwa

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表題作本日、ご親族の皆様には。

大学の同期生カメラマン 石橋桜・27歳
資産家の養子でモデル 八色(立野)恭吾・27歳

同時収録作品本日も、ご親族の皆様には。

加賀英之 元プロ野球選手(38歳)
八色(芝崎)史 弁護士(31歳)

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

資産数百億を有する一族の女帝・八色華(やいろはな)が急逝! 華とは遠戚の売れないカメラマン・石橋桜(いしばしさくら)は、遺言状の公開に出席する。そこで再会したのは、大学時代からの親友・立野恭吾(たてのきょうご)。しかも、なぜか親族でもないのに、莫大な遺産相続人の指名権を持っているらしい!? 彼の伴侶に選ばれれば遺産が転がり込むというのだ。実は、訳あって恭吾の告白を拒絶した桜。今さら名乗りを上げられず…。
遺産争奪戦の渦中で過去の恋が花開く――アダルトLOVEロマンス!
(出版社より)

作品情報

作品名
本日、ご親族の皆様には。
著者
水壬楓子 
イラスト
黒沢椎 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
ISBN
9784199006128
3.1

(9)

(0)

萌々

(2)

(6)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
4
得点
27
評価数
9
平均
3.1 / 5
神率
0%

レビュー投稿数4

重い表紙だけど、中身はコメディ

八色華という金持ちを親戚に持つ桜。
桜は、豪快に励ましてくれる華が好きだった。
華の訃報を聞き、華の告別式会場に行くと、相続人の発表があり、
華の養子になった恭吾の配偶者が全額相続するという遺言が公開される。

恭吾が選んだのは、桜。そして恭吾は相続を放棄する。
恭吾の代わりの相続人は、担当弁護士の磯崎史。

恭吾の後に史に群がる人達。
そこに予定通り、新婚旅行から戻った華が登場する段取り。
その前に秘書の英之が屋敷に来ていた。
唖然とする史。
といった具合のどんでん返しが数段にわたって仕込まれたコメディでした。

おでんのこんにゃく、美味しいので私も好きです。

0

意外にも誠実なコメディ?

題名からして「お葬式」が関係しているのかな?とは思いましたが
そうきましたか~www
意外にもコンパクトにまとまっており、本編の他にもう一編『本日も、ご親族の皆様には』で別カプがまとまる話が描かれており、一見短そうなお話ですが、それぞれにそれなりに満足な結末を得られることが出来ました。
この2本ともに、過去が関係しており、それが上手くいくという展開です。

一大美容王国を築いた八色華が亡くなったことで、その遺言を披露するために集められた親族たち。
遠縁にあたる桜も関係ないとは思いつつ、会社を経営する母親と参加すると、何と遺産は華の養子「八色恭吾を幸せにした男に贈る」というもの!
恭吾とは、大学が同じで彼の失恋から知り合い、それ以来居心地のよい関係を築いていたのが、4か月前恭吾が桜に「好きだ」と告白して桜が振ったことから会っていなかった男なのでした。
遺産欲しさに群がる男達、果たして桜と恭吾の行方は・・・?

このあらすじで大体が見えますよねv
ゲイである恭吾が、ノン気の桜への遠慮と、
恭吾の存在が居心地良く、本当は意識しているのに、好きと告白されたタイミングが悪くて逃げた桜。
二人の意地の張り合いというのでもなく、遺産争いで恭吾の周りに群がる男達を見ながら恭吾への気持ちを確認していく作業になるのです。
その過去の回想は、ごくごく自然な流れですっと入り込んできます。
むしろ、遺産目当ての親族達が狙うだけあってすごく酷い人々なのが思わず苦笑モノw
この仕掛けの裏には実は・・・な部分があり、華さんやり手ババァかもwwなんて思うかも♪

そして、恭吾が桜とめでたくくっついて遺産を放棄したことから、次に相続人となったのは、顧問弁護士の柴崎だったから、しかも柴崎は男も女もOKというから、またまた人々が群がるのです(爆!)
ここでは桜と恭吾はオブザーバーであまり登場しません。
すりよってくる遺産目当ての人々に辟易している柴崎にコンサルタント契約を日給15万で申し出てきた、もっさいおじさん・・・
彼も八色の親族で、過去柴崎が憧れた元野球選手の英之でした。

こちらのカプは、また本編カプと違う雰囲気でフェロモン親父と、一見お堅い弁護士先生が、色っぽく乱れるというギャップが
オヤジ好きアンテナを直撃しました(爆!)
こちらにも実は・・・な、裏があるんですがw
柴崎、固そうで意外にもユルいというか、やっぱりそこを唐突と思うか、そのギャップがいいのよ、と思うかでこのカプの好感度が違うでしょう。
自分は好き!

本編カプは誠実で、それなりにさわやかで気持ちのいい恋愛だったし、
片方は、大人な感じでエロいのがいいし
違う味を2種類味わえるので、お得な感じの作品でした。
一度目に読んだ時は、今一つな感じだったのですが、読み返すと意外にも味がある!・・・と思います。

2

設定はともかく『ラブ』は地味。

CP違いで2編ですが、緩やかに繋がっていますので、1編目のラストに少々触れています(それを受けての2編目なので)。未読の方はご注意ください。

1編目・表題作は、美容王国の女帝と言われた華さんの遺言で、集められた親族の中から『(華さんの養子となった)恭吾(受)を幸せにしてくれる男に遺産を相続させる』ということに。

恭吾とは大学時代からの友人で、彼に告白され断ったことから疎遠になっていた桜(攻)も、華さんの親族として遺言公開の場に居合わせたんです。桜も恭吾を好きだったのに、なぜ振ったのか、そして・・・

仕掛けが派手なわりに、ストーリー(ラブ)は地味です。同級生CPだからこその矜持、本当に大事なものは何か。

2編目は、桜とCPになった恭吾が遺産を放棄したため、『もう1人の華さんの養子』である顧問弁護士(の孫)の史(受)に遺産相続の焦点が移ります。新たに登場したのが、元プロ野球選手で華さんの親族の英之(攻)です。

1編目CPも27歳同士と大人なんですが、こちらはさらに上。史が31歳、英之は38歳です。これはオヤジなんでしょうか?間違いなく『エロオヤジ』なんですが、くたびれたという意味でのオヤジではないかな。

このCPは結構よかったです。ただ、あのラストは『ここで終わり!?』と思ってしまいました。ちょっと駆け足っぽくて残念でしたね。

これに限ったことではなく、1冊に2CP(2作)ってどうも物足りないんですよ。まあ、ストーリーは冒頭にも言ったように繋がっているというか、リレー方式(?)のような感じで、舞台もキャラクターもほぼ共通していますが。2編ともコンパクトに纏まってはいるんですが、その分ちょっとあっさり気味に感じました。

どちらのCP・ストーリーも結構面白かったので、余計にそれぞれのCPを1冊で読みたかったですね。

しかし、なんと言っても『BLなのに、女性キャラクター(華さん&桜の母親・泉)の存在感がスゴすぎ!』これに尽きます。

2

2カップルの話

1冊に主人公の違う中編2作品、2カップルの話があります。
読み終えた後で、あらすじを読み直してうなりました。お葬式じゃなくて「遺言状の公開」なんですよね。見事です!

「本日、ご親族の皆様には。」は、名前のわりにゴツい桜(攻め)が主人公。恭吾(受け)が好きだけれど、事情があって恭吾をフリます。それが、華の養子として思いがけない再会を果たします。遺言状は、恭吾を幸せにする男に遺産を譲るというもので…という話です。

「本日も、ご親族の皆様には。」は前作では傍観者であった史(受け)が主人公。前作で恭吾と恋人になった桜が遺産放棄してしまったため、史が選んだ親族が遺産相続人となります。その前に英之(攻め)が姿を現し…という話です。

どちらも再会モノです。
過去の経緯もあり、2カップルとも恋人同士になる過程は甘やかで自然なものなのですが、恭吾を養子にした理由と、英之を史に使わした理由を華にハッキリ発言して欲しかったです。
再婚相手の孫の史を養子にしたのは納得できるのですが、恭吾の場合は桜と仲直りさせようという狙いが当初からあったというのなら、なおさら女帝らしくて良かったのではと思いました。
史と英之も過去の時点では恋愛感情があったわけではないので、何がしら思惑があって欲しかったです。

華もインパクトがありますが、桜の母親の泉も強烈なキャラでした。他にも強気な女性が登場しますが、いずれも「嫌な女」ではなくて好感が持てたのが嬉しかったです。

擦れ違いはあっても、全体的に甘い雰囲気の作品ですし、安心して読めます。イラストも作品に合ったもので素敵でした。

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