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心と体に甘く響く純度100%ラブ!
やはり砂原作品は心に屈折や痛みを抱えてる人を描くと途端に輝きを増します。シリアスになり過ぎずにコメディーな箇所も散りばめられてあり緩急が効いてバランスが良いです。宇宙人的思考の御曹司(攻)×美少年の馬鹿校の高校生(受)の二人共が育った家庭環境に問題があるが故に一筋縄ではいきません。よくあるシンデレラストーリー身分違い萌えでないのがこの物語に奥行きを見せています。だからこそもどかしいけど、出会うべくして出逢ったという特別感があってとてもキュンときました。ディズニーを出すのは著作権やら難しいのかも知れませんが、架空の夢の遊園地は楽しそうでした。
甘くて可愛いラブコメ、でも二人の過去はけっこうヘビー。
砂原作品はぶっとんだコメディもあれば、シリアスものもありますが、
この作品はそれらを6:4でミックスしたくらいのテイスト。
思わず噴き出して、にやにやして、でもちょっと泣けて、しっかりBL。
「あーBL読みたいなー」って時に、安心して読める良作だと思いました。
「世間知らずの御曹司」なんてBLの王道中の王道設定ですが、
今作の攻・杏藤は、砂原さんらしい味付けと、日常のエピソードがもういちいち可愛くて!
一見よくある設定でも、使い古された感じがせず新鮮でした。
コンビニでのやり取りには思わず声を出して笑ってしまった。
受の珠希も「生い立ち故にスレている美形高校生」と、これまた王道タイプ。
でも本質的には賢く、容姿を利用して上手く立ち回ることはしていても、
それに甘えてただ享楽的に生きていたら未来がないことはちゃんとわかっている。
そのあたりが苦労人ゆえというか、地に足がついてるというか…
過剰にひねくれたり露悪的にならないところが、かえってリアルに感じました。
書き下ろしの後半も、前半に比べると一見地味ですが私はとても好きです。
付き合ってからひっかかりそうなトゲや、過去のトゲを丁寧に拾ってる印象。
母親とのぎこちないやり取りも好きでした。
この人はすごく愚かで身勝手だったけれど、でもずっと女一人で稼いで、
周囲に対しても突っ張って生きていて、考える余裕もなかったんだろうという気がします。
もちろん親として許されることではないけれど。
たぶん彼女にも、珠希にとっての杏藤みたいな出会いがあったんじゃないのかな。
まともな結婚相手ができて初めて余裕ができて、急にぎこちなく母親になろうと振る舞う…
その行動は勝手かもしれませんが、心情としてはリアルに思えます。
惜しいのは、杏藤の仕事や過去に触れるエピソードが少ないこと。
それゆえにタイトルがちょっとこじつけっぽく感じてしまう。
そこまで拾うにはページが足りないだろうけど、杏藤視点の短編とかも読んでみたかった。
その点でちょっと迷ったけど、でも何度も読み返したくなる可愛さだったので、神評価で。
大企業の御曹司 × 美少年高校生
というBLの王道ど真ん中の設定なのに、ぜんぜん王道に見えないのは何故でしょう; やはりキャラクターwのせいなのでしょうか。
攻めの杏藤は御曹司ですが、超箱入り(これには事情があったのですが)のため言動が宇宙人です。
受けの珠希は高校生でも、経験豊富(これにも事情が…)。スレた子でした。
……完全に立場逆転です。
御曹司×美少年なら、オレ様な攻めを、受けの純粋な心が落とすとか……大抵は、純粋とか純情なのは受けな気がします。
しかし、本書では立場逆転。超純粋で天然なのは杏藤の方です。告白するためにパンについてくるシール集めちゃうくらい純情な奴です。
この時点で、うっかりカワイイとか思ってしまった私はダメですね……。
後は完全に珠希に感情輸入して泣いてしまいました。
珠希も一見スレた感じですが、コンビニのバイトは真面目にやっているし、グズグズの母親を見捨てられなかったりと、本当はいい奴です。
二宮悦巳先生の絵も素敵でした!!! 特に、カラーと、一枚目の美少年珠希とぽ~っとする杏藤の絵が大好きです。大好きな先生方の作品が一気に読めて、かなりお得でした〃
この話、続編とか出ないんでしょうか? 王道であれば、この後「同棲」とか「入籍」いう展開になってもおかしくないですが……。宇宙一鈍い杏藤のことです。一筋縄ではいかなそうです(^^;ゞ
本当に面白かったです。
砂原さんの作品は最近手にとるものの当たり外れが激しく(すみません、でも好きでつい買ってしまうのですが)、これもどうなのかなーとドキドキしながら読みました。
受けの珠希は、水商売をする母とふたりきりな美形高校生。
ある理由で家を飛び出し一人暮らし。
自分で生計を立てているためバイトをかけ持ちし、金払いの良さそうな相手となら誰とでもつきあったりとちょっとハスッパな子。
攻めは正反対な生まれ育ちの杏籐、25歳。
彼は、製菓やレストラン等を手広く展開する大企業の御曹司。
性格は温厚で疑うことを知らず、当たり前だが金払いも良いカモネギ体質。
お坊ちゃまなため世間知らず(わけはあるのですが…)な自分を変えるため一念発起し、杏籐がやってきたのが珠希のバイト先のコンビニ。しかも初体験!
とにかく何も知らない杏籐へ店員マニュアルにあるような対応をし続けてきただけの珠希でしたが、「秀樹感激!」ならぬ「杏籐感激!」となり、告白しちゃうんですよね。
うーん、世間知らずってある意味最強…
最初は珠希も杏籐のお金に食いつき、いつもの調子でたかってやれとばかりに友達を引き連れて奢らせたりしているんです。
でも次第に、杏籐があまりに純粋に自分を信じ褒め称え、壊れ物のごとく大切にあつかってくることに戸惑いはじめるんですね。
この辺り、ハスッパな仮面をかぶり自分で自分を守ってきた珠希の純な部分が、徐々に杏籐へ傾いていって顔を出し出すのがとても可愛らしいのです。
が、初めての杏籐とのベッドシーンで(杏籐はチェリーさん)珠希の今まで軽々しくしてきた行為が垣間見えてしまい、杏籐にショックを与えてしまうのです。
その瞬間珠希はひどく傷つき、自分を恥じ、再び弱い部分を覆い隠して逃げ連絡を一切絶ってしまいました。
実際、珠希のやってきたことには原因となった事件があって、それははやい段階からそうなんだろうなーと思ってはいましたが、それがいつバレたり、母親に突きつけることになるのかが気になり読み進めました。
母親は軽率な人間ですが、珠希を愛しているんですよね。
心配もしています。唐揚げのシーンはジンときます。
喧嘩別れしたその後、半分ストーカー入った杏籐のおかげでことなきを得た珠希の軽率な行動も、杏籐は深い心で受けとめるんですね。
じゃあ最初に受けとめとけ!とおばさんツッコミますよ。
や、でも25歳のチェリーさんなら仕方ない反応なのか?
久しぶりに砂原さんのわたしの中の当たり作品で、最後まですんなり読めました。
受けにも攻めにもツンツン嫌な子がいなかったからかしら。
次回も楽しめると良いなと思ってます。
題名からして甘そうv
でも砂原さんだからどっか痛いんだよ、、と用心しながら読み始めると。。
何とヤンチャで蓮っ葉をふるまう高校生と、宇宙人のような天然社会人。
え、コメディなの?
でもね~、大体高校生の設定も宇宙人みたいな性格っていう設定も一つ裏返せば痛い性格ってことだよね。
等と思いながらもグイグイ引き込まれる面白さ!
むしろ、それぞれの言動のすれ違い、気持ちの取り違えが胸に痛くて、切なくて、何だー!これ、キュンキュンするじゃないか!
よくありそうな王道的(?)設定なのに、さすが!ツボ(性格からエチまで)は押さえられていて、こうきたか!な展開にとても満足なのです。
バイト先にやってきた、まるで初めて日本にやってきたような誰もが知っているコンビニのシステムを全く知らない男・杏藤にセオリー通りに対応しただけなのに、ものすごく感謝&感動されて好かれてしまった高校生・珠希。
家庭の事情もあり、歪んだ遊び人のような風を装っている珠希は、杏藤が金持ちなのを知り、最初は金づると思い付き合いをOKするのだが、段々と彼の事が特別になり始めて今までの付き合った男女のような態度はとれなくなります。
好きだからセックスしたいと思う珠希と、すきだから大事にしたいと思う杏藤の気持ちはすれ違い・・・
今まで出会ったどの人とも違う杏藤に、珠希は大人の汚い面ばかり見て生きてきてしまった為に、すごく新鮮だったんじゃないかな?
彼の色々なまるで深窓の御坊ちゃまみたいな面を馬鹿にしていたのに、初めて彼の家に行ってゲームを思い切り子供みたいに二人で愉しんだことから、その時、彼の事情を知った事により、彼が一段階珠希にとって身近になったんですね。
歳の近い友達みたいな感覚でいたのに、ある時、理屈をこねる大人のような発言をする杏藤に珠希は失望してしまったり。
それは、珠希の抱える事情と過去を杏藤が知らないから仕方ないことですよね。
だから二人が、それぞれを知り、理解しあうことで、近づいたり離れたりしながら、結果距離を縮めていく姿は、すごくまっとうに感じるのです。
杏藤、世間知らずなのに、何故か会社ではしっかり仕事して、社会適応できているのにビックリです!
きっと人と交わらずに育ったということなので、人の気持ちや裏を読んだりという、そういう機微に疎いというのはあるかもしれません。
そこが彼の宇宙人たる最たる部分なのかもしれませんね。
二人で行く遊園地のシーンが最も気持ちが寄り添う部分。
しかし、そこで驚愕の!?
そこでもまた訪れるすれ違い、、、何か悲しかった。
珠希、わかってるんだけど、杏藤が純粋であるだけに、世を知らないだけに彼が一人で勝手に深く傷付いてしまう様、知らず知らずのうちに傷つけてしまう杏藤が、せつなかったです。
ラストのまとまるシーンについては、ちょっと都合よかったかな?とも思うのですが、そのくらいの強引な持って行き方がなければ杏藤は積極的になれないし、珠希もさらけ出すことができなかったんですよね。
もう!初めてのエチなのに、濃厚でしたww
『スイーツキングダムの生活』においても、再び二人はすれ違います。
しかし、杏藤の天然ぶりに思わず苦笑。
でも年相応の珠希の姿が何だか可愛らしくて、愛おしかったのです。
母親と何故か和解してしまうのには、母親がまるで今まで長年暮らしてきた生活と性格を、相手が変わっただけでこんなにも変わるもんか?というのがどうにもガテンがいかないのではありますが・・・
それでも、杏藤の摩訶不思議な「家族」理論に笑わせてもらいましたw
何だろう、それぞれに複雑なモノを持っているのに、すごくあったかくて、優しくて、居心地の良いお話でした。
余り痛いと構えたのも少し空振り?
安心して読めます。