• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作カウンターの男

蟠蛇竜人・受様に助けられ恋人を演じるヤクザ風の男
安積静・小さなバーを経営する物静かなバーテンダー

その他の収録作品

  • 甘い男
  • 店の中 雨の中

あらすじ

バーテンダーの安積は、ひょんなことから助けたヤクザのような男・播蛇に恋人のふりをしてほしいと頼むはめになるが…。
(出版社より)

作品情報

作品名
カウンターの男
著者
火崎勇 
イラスト
こあき 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
発売日
ISBN
9784344822351
3.6

(16)

(4)

萌々

(4)

(6)

中立

(2)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
5
得点
56
評価数
16
平均
3.6 / 5
神率
25%

レビュー投稿数5

元ヤン男前受けがドストライク!

不本意な客からの言い寄りに、恋人がいると嘘をついたバーテン。
この嘘が誠になるお話は、いつもの火崎さんの後半でドドドーと秘密が明かされてというジレッタイ進行ではなかったのと、何と言っても主人公達の性格、そして在り様が見事に自分の萌えツボドストライク入りまして、とっても大好きなお話となりました。
イラストのこあきさん、初出?荒っぽい印象の筆なんですが、媚びた感じがしなくて、男らしさの雰囲気が良く出ていてこれも自分の好みでした。

自分の店の前にケガをして落ちていたヤクザ風の男を手当てしたバーテンの安積。
ちょっと好みだと思ったけど、その男はそのまま姿を消す。
バーの常連に言い寄られて困っている時、ふと思い出したこの男を自分の恋人だと想像して客に話していると突然、その男がバーに現れる。
客を振るために恋人の振りをして欲しいと言うと、怪我の手当てのお礼だからと、それ以来恋人の振りをして店にかよいだすようになるその男・蟠蛇(ばんだ)。

普通、こんな話だとスジ者であろう蟠田が傲慢な俺様でバーテンを手篭めに、、なんてことがよくあると思うのですが、
このバーテンの安積滅茶強い男!!
この男前に惚れますって♪♪
いつも冷静な態度と、ポーカーフェイスで、客あしらいもうまく会話も上手い。
淡々として感情が薄いのかな?なんて思えば、その実は元ヤン!!
腕っ節も強くて、蟠田の件で絡んできたチンピラ4人を一人で片づけちゃう!!
並の強さじゃないですよーーーー!
その一見冷たい風も、実は自分を抑え込んでいてという女々しさに通じるものでは一切なくて、本当に男デス。
かといって、蟠田とガチなわけでもなくてちゃんとゲイだけに快楽も知っているという、すごく男な男前なんです。
もう、惚れちゃいますこんな受け!

また蟠田もスジの人だけど、優しくて強くて何か無骨さも漂わせながら、ちゃんと安積に一目置いて大人な接し方をしている。
男臭さがたまりませんv
男性とは経験がないけれど、女性とは違う安積の男としての魅力と、やはり何と言ってもそのギャップにやられた感が大きいと思います。
絶対、こんな男なら女よりいいに決まってる!!
そう思わせるに納得する二人だっただけに、この好感度はハンパないです。
キャラクターに惚れるっていうのは一年に1本あればいいところな感じなんで、今年のまず一番の入れ込みキャラになりました。

書き下ろしに、安積に振られた坂下という常連と、坂下が好きなのに安積が好きなふりをしていた小鹿という男の、その後がついていて、彼等がちょっと救われてよかったってほっとします。

作者さんのいつもの妄想後書きに、今回ほどそれを読ませろよーーー!と熱望したことはありません。
もっと安積の男前が見たい!ですww

6

フリが本気になる瞬間

今回は受様に助けられ恋人を演じるヤクザ風の男と
小さなバーを経営する物静かなバーテンダーのお話です。

受様の事情を背景にして二人がまとまるまでと
お互いに手探りで近寄って行くその後の二人の様子と
攻様に言い寄っていた店の客達のその後を収録。

受様は
駅から少し離れた飲み屋街で
こじんまりしたバーを経営するバーテンダーです。

ある日、出勤した受様は
店の入口を占拠していたボロボロな男を助けます。

どう見ても関わるとロクな事のなさそうな
ギラつく視線の持ち主こそ今回の攻様になります♪

手当のためにさらされた攻様の身体は
使うための筋肉で覆われ
男でも惹かれるモノがありましたが

手当を理由に招き入れたは良いモノの
どう見ても平穏とは程遠いオーラを放つ攻様を
もてあましてしまいます。

そんな受様を気遣ったのか、
他に理由があったのか・・・

攻様は受様が着替えを理由に奥に入った隙に
分厚い札の入った財布を残して消えてしまいます。

危険から遠ざれたと判ると
好みの男だったのにと少し残念な受様でしたが
思いがけない事で関係を持つ事になるのです♪

1ケ月後、受様は
バーの常連で真面目で落ち着いた会社員に告白され
店に来る度口説かれるようになります。

彼は身なりも良くて金払いも良い上客ですが
はっきり言って受様の好みではない上に
彼を好きな常連客にも牽制のために
口説かれる羽目になって辟易していました。

そこで受様
は彼らが敵わない様なタイプの男が恋人だと
うそぶく事にします。

その時、受様が
恋人の具体像として浮かべたのが
野生的で堅気に見えない攻様だったのですが

運が良いのか、悪いのか

礼を言いにきて攻様が
受様と二人の前に現れてしまうのです(笑)

攻様は礼かわりだと
受様の恋人役を引受けてくれますが

攻様は表向きは会社勤めをしているモノの
本物のヤクザだったので

受様の恋人という芝居に付合ううちに
二人はお互いに惹かれていくのですが

件の常連はなかなか
受様を諦めてくれないばかりか

攻様への交渉材料として
受様が敵対者に狙われてしまうのです!!

果たして受様の運命はいかに?!

雑誌掲載作に書き下ろしを加えて
ノベライズされた一冊になります。

火崎勇作品では
ヤクザな攻様設定って結構多いのですが
受様が攻様に負けない程に男前揃い♪

今回の受様は
達観した感じのクールビューティですが
実は昔取ったなんとやらで
腕っ節が強い!強い!!

受様を拉致ろうとした相手4人を
1人でのしちゃうんですよ(笑)

そんな攻様事情も微妙に絡めつつ
常連客を諦めさせて二人がまとまるまで
とっても楽しく読めました♪

続編は近付いた事で見えてきた
お互いの事情と周辺人物に
それぞれがヤキモキするお話です。

本編で受様に迫っていた
常連客二人のその後を描いた短編は
もうちょっと続きが読みたいところで
終わっちゃってるのが残念です(笑)

後書きの妄想アラブ拉致話、
実現はしないだろうけど読んでみたいです。

今回はヤクザ繋がりで火崎さんの既刊
『ただ一人の男』をお奨めします。

ちなみに本作と『ただ一人の男』は
同人誌でコラボ済みです♪

その中で本作の受様は
『ただ一人の男』の攻様に迫られてますが
当然というかやっぱりというか
全く落ちません(笑)

やっぱり受様にとっては
自分の相手こそ最高な男!!みたいです。

3

カウンター側からのお話

今個人的に火崎勇先生ブームが来てるのでいろいろ取り寄せて読み始めようとしてるのですが、この本もその中の1冊。
受けの安積がめっちゃ男前でステキでした。
昔、やんちゃしてたと言ってますが、あの強さからするとやんちゃもかなりすごかったのでは…と想像。
安積のやんちゃ時代気になります。
読むまでまさかこんなに男前受けとは思ってもみなかったので、予想以上に楽しめました。
攻めの蟠蛇も男臭くていいー。
しかし、安積があまり彼に深入りしないようにとガードしてるので、こちらも蟠蛇の事が掴みきれずに、安積と一緒に翻弄されてしまいました。
あとがきにも書かれてますが、蟠蛇がヤクザと言っても抗争とかそういうのがない、タイトル通りカウンター側のお話と言う事で。
こういうのも大好きなので問題なしでした。

2

ドライすぎる主人公

表題作と続編の中編2本と、スピンオフSSが収録されています。ヤクザ×バーテンダーですが、主人公であるバーテンダー(安積)が予想以上の男です。

「カウンターの男」
安積(受け)は自分の店の前で負傷したヤクザみたいな男・蟠蛇(攻め)を発見し、手当てをする。後日、店で言い寄っている客をかわそうと、そのヤクザを恋人に仕立てて話していたところ、偶然にも蟠蛇が店に入ってきてしまい、恋人の振りをして欲しいと頼む羽目になり…。
店での情事(しかも目撃者あり)に萌えました。

「甘い男」
恋人同士になった二人…なのに、蟠蛇が女とラブホテルに入る所を目撃して…。蟠蛇が安積に惚れている感が垣間見えるのが良かったです。

「店の中 雨の中」
23ページ。「カウンターの男」の終盤、安積達に追い出された坂下達の話です。子鹿君の救済SSです。

綺麗に1冊まとまっています。
「カウンターの男」は「カウンターの中」の話ですし、「店の中 雨の中」 はそのまんま蟠蛇×安積、坂下×子鹿のいる場所を意味しています。そういう意味では「甘い男」だけが蟠蛇を意味していても場所ではない仲間はずれな題かなぁと思いました。

安積は若い頃「ヤンチャ」だったとのことで、チンピラ4人を当たり前に倒す男前です。蟠蛇に醜態をさらしたくないというプライドが高く、優しくされるのが怖い、自分だけが特別なんて期待しない、と自制が過ぎてクールにも程があり、蟠蛇でなくても戸惑ってしまいました。安積の目線でストーリーが進んでいくので心情が分かりますが、これが蟠蛇の目線だったらワケが分からず振り回されっぱなしになると思います。

二人の会話がお洒落だと思うか、「ああ言えば、こう言う」で鬱陶しく感じるかが気に入るポイントだと思います。仕事のために女と寝た蟠蛇に、「気づかなかったら黙っていたことを言い訳しなくてもいい」「私が上客を手放さないために寝ても、文句を言う権利がなくなったと覚えていて」と安積が丁寧語でぴしゃりと言うのが私は好きでした。

蟠蛇が萎えないようにうつ伏せで服を脱ぐとか、浮気を責めなかったのは捨てられるのが怖いとか、それほど蟠蛇が好きなのに、ラストでは眉間に一発食らわせてもいいかと真剣に尋ねる安積が面白いです。

暴力や脅し場面のないヤクザ攻め、アクションシーンのあるバーテンダー受け、クールツンデレ受けがお好きな方にお勧めです。

1

一本筋の通った受けがよい

抑揚が効いて物腰柔らかなバーテンダーと、危険なにおいのするヤクザの恋。
相変わらず設定がとてもいいです。ある日、店の前で傷ついた男性を助ける主人公、安積。このときすでに、男性の野性味あふれる様子に惹かれていたのでしょうか。男はサイフを置いて行きますが、安積は後日返します。そのかわり、客に言い寄られて困っているので、恋人のふりをして欲しいと。。。

ところどころ、日本語がこなれていないところがあって興ざめしますが、お話しの流れは面白かったです。

安積が昔やんちゃをしていて、腕が立つという設定もよかった。ヤクザの彼氏に頼らない、自分の足で立った男同士、というのがいいですね。

1

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP