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表題作風と杜神

結城道鷹・結城郷の新しい領主
伊織・杜神であり龍の化身

あらすじ

緑深い早岐咲山の杜神、伊織は深夜の泉に佇む少年を見つけた。彼の名は結城道鷹。伊織の治める結城郷の新しい領主だという。少年は彼にある申し出をした。そして数年が経った。成長した道鷹と、変わらぬ伊織。伊織の力ではなく、伊織そのものを真っすぐに見つめる道鷹を、伊織が受けとめかねているうちに、道鷹の身辺は次第に慌ただしくなっていった。

作品情報

作品名
風と杜神
著者
久能千明 
イラスト
尾崎芳美 
媒体
小説
出版社
桜桃書房
レーベル
Eclipse novel
発売日
ISBN
9784871839266
3

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萌々

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中立

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趣味じゃない

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レビュー数
1
得点
3
評価数
1
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数1

時代物ファンタジー

ファンタジーな時代物が読みたいとちるちるさんで検索していた時に見つけた作品です。
表紙の日本的な雰囲気と龍が登場するということに惹かれました。
久能さんも挿絵の尾崎さんも初めて目にする作家さんでした。

ストーリーは結城郷の杜神である伊織のもとへ父親が死んで新しく領主になったという10歳の少年が新領主としての挨拶にやってきた所から始まります。
結城道鷹と名乗るこの少年はわずか10歳とは思えない剣の腕と鋭利な思考の持ち主で、正に生まれて来てから領主となるべく育てられたのだろうということが伺えます。
気性も激しく、すぐにカッとなる短気な所も持ち合わせていますが、自分に非があるという時にはきちんと認める男らしさもある道鷹を伊織はすぐに気に入ります。
伊織と同族の祇王や伊織の身の回りの世話をする泉と森の精の玉藻とあげはも加わり、人の世界と人あらざる者の世界が融合した、よいファンタジーでした。
はっきりした時代設定は分からないのですが、武士の世界の権力争いも加わって、かなり緊迫したシーンもあり、読みごたえがありました。
伊織と道鷹は生きる時間の長さが違ったり、伊織が人の感情とは全く別の感覚の持ち主であることが恋愛モノとしても切ない要素になっています。
落ち着いた文体で、情景描写も多く風景が浮かんでくるような文章が好みでした。

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