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小説家キャラ好きなんです。
エゴイスト、プライドが高い、偏屈、口が悪い、才能がある…こうでなくっちゃと思います(ステレオタイプかもだけど)
そして、担当との腐れ縁のような関係がいい。
金春と田ノ原が出会ってすぐ意気投合してノリノリになるのがおもしろかったです。
でも金春は安田への未練が断ち切れずに田ノ原とはなかなか始まらない。
それでも見せ方がお上手で楽しめました。
ピンポンの独特な鳴らし方で安田だとわかる、安田に見てもらえる小説を書くと決意する、俺は大丈夫と繰り返し自分に言い聞かせる夜の公園での後ろ姿が悲しい…全部見応えある好きな場面でした。
マネージャーとして田ノ原がやって来て金春とギャーギャーやり合うのもいいし、それを蛇原が「面白ぇ」と真顔で思うのがツボでした。
1人でやっていこうと決意した金春だけどつぶれてしまうことを心配して蛇原が強引めにマネージャーを紹介するところがいい人だなと。
そして田ノ原なら支えになりますもんね。
田ノ原が甲斐甲斐しく金春のお世話するのがかわいいし。
金春がなんやかんや言いながら「田ノ原」と呼ぶのが内心喜んでいるんだなと思えて萌えでした。
田ノ原の元カノが陰口で「頭カタイし 話つまんねーし」って言ってたの辛辣w
ケチだとか生活習慣が合わないとか行動の否定ではなく、言われてたのはめちゃくちゃ中身の話で、これは言われる方はきついな〜と思いました。あるあるでしょうけども。こういうところも鋭い描写で好きです。
吉池マスコ先生の切ない系テッパン作品!
まずタイトルからわかるでしょ。黄昏よ、たそがれ。
何もかもうまくいかない。恋愛も。
恋愛がダメになるから心が病んで、仕事も滞る。
…の負のスパイラルに陥る小説家・金春。
でもね、彼は公私混同してるの。
編集者が恋人で。そして彼が編集者を降りて会社を辞める。
だから自分も書けなくなる。
そんな事は知らずに新しい担当者になる田ノ原。
書けない…書けない。どうしても書けない金春。
金春の女々しさ。
虚しさ、哀しさ。負の気分。
…はともかくも、金春の大スランプを知って元恋人で元編集者の安田が金春の部屋に来るんだよ。
なに?この残酷!
安田は何事もないように原稿チェックして、何気ない会話して。
金春はまた追い詰められる。
一度別れたのに、なんで優しくするの…なんでまた抱くの?
こんな残酷って、ありますか?
…って、一瞬思うの。だけどさ。
安田には安田の家庭の事情があるのよ。嫌いで別れるんじゃないのよ。
で。
金春が女だったら?
こういう別れはあるの?それともないの?結婚でオールハッピーなの?
そう考えると、女だってもし著名小説家だったらさ。やっぱ別れると思うの。
だからこれは金春が「男だったから」別れたお話じゃないのよね。
お互いの事情。どうにもならない事情。
そこが切ないの!そこがマスコ節なのよぉ〜…!
そして芽生えそうな田ノ原とも一筋縄ではいかない。ここがまた…
でもネ。
多分2人は「そうなった」と思いますよ。でも描写はありません。そこがいいのよね〜。
丸ごとマスコ節に浸れる所が最高!の作品です。
失恋から始まる出会いと恋がテーマの作品。
ちょっとモヤっとする終わり方なんだけど、全体的には雰囲気がありつつコミカルで面白かったです。
20年も寄り添った安田と別れた作家・金春。
この安田との別れが切ない。
お互いの気持ちが離れたわけじゃないからね……
どうせ別れるならもっと早く……と、いう金春の言葉に対して、編集バイトの田ノ原が言った一言に納得。
〝いつ別れても悲しい〟って、ホントそれね。
安田に見てもらいたいから書き続けるという金春が健気で泣ける。
偏屈作家に見えて可愛いところあるのよね。
順調にくっつくかと思ったら、あっさり編集を辞めてしまった田ノ原。
この時の田ノ原の気持ちはよく分からんし、ちょっと腹立ったし、悲しくなったよ。
金春のことが好きなのに、偶然の再会に身を任せるっていうのがねー
ちょっと残念。
ラストもコミカル。
このくらいお気楽な田ノ原相手じゃないと、金春は安田を忘れられないのかもね;
はっきりしない終わり方だけど、明らかに金春の気持ちが動いてるのが分かるから納得できた。
切なさと面白さのバランが絶妙でした。
なんでもお見通しの編集長もいい味出してましたね!
再読ですヽ(・∀・)ノ
吉池作品って、基本「アホ」で「エロス」なイメージしかなかったんですが
このあたりの作品からですかね~
レーベルがストーリー重視なのもあるんでしょうが
エロを抑えてストーリーに力を入れるというあれです。
なんというか、エロでアホでの期待を裏切られたのと同じだけ
ストーリーの見せ方、作り方にいい意味での裏切りを受けました。
思わずキュンとする。キュンとするじゃないかっ!
これにいつものドエロ表現があればなお嬉しかったかな=というか
これで完結なの?な最後でしたが、作品としての好感度は高めです。
20年連れ添った相方にサヨナラされてしまった受
10年愛していた彼女にサヨナラされた攻
傷の舐めあいから生まれた新しい愛?!
前の恋の傷は新しい恋でwというやつですな。
激しく燃え立つような!とは行きませんが、ゆっくりと
亀のあゆみな二人の掛け合いは面白い。
若いワンコな攻に少しずつ侵食されていく受なラストが好きでした。
安田も結局嫌いで別れたわけじゃない。
想いは人一倍なのを・・・な部分。思わずグッときた。
ここで安田とハッピーエンドにしないもなんだかにくいなと思うのでした
帯『失恋して、そしてまた恋をする』
20年来の恋人と別れた小説家の金春先生〔受〕、そんな矢先にやってくるのがやたらに元気でバイタリティのあるバイトの田ノ原〔攻〕
田ノ原は、傍にいる内に金春先生が男とつきあっていた事、等を知って驚いたりもするんですが偏見無く、ともかく先生の為に先生の為に!と頑張ります。
ただやはり20年の長い時間は金春を苦しめているので、次の恋愛に直ぐ行くとかはないのです。
ただ苦しんで、そして自分の前に現れた恋人の安田がやっぱり嬉しくて抱かれちゃたりもするけれど、でも別れた事には変わりない。
安田も悪い人ではないので憎しみさえ抱かせてくれない。
そんな彼を田ノ原が慰めたりと、序所にじっくりじっくり先生の気持ちが田ノ原に向き始めます。
ラブ手前位で終わり。
もうちょいラブカップルも読みたかった気もしますが、この話の主軸は金春が失恋して新しい恋に顔を上げる様になるまで、だと思うのでこれで良いんだと思う。
じっくりじっくり単行本1冊使ってじっくり失恋から次の恋に行くまでを描かれた作品でした。