可愛い息子と可愛い恋人。この関係がずっと続くと思っていたのに…!?

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表題作マイ・ボーイ

秀雄,警察官
由起夫,バーの経営者

その他の収録作品

  • 描き下ろし
  • あとがき

あらすじ

「私の恋人が死んだ――」
恋人・欣太の訃報を受け、葬儀へと向かったゲイの由起夫。
そこで欣太の幼い息子・響と再会し、気丈にふるまう姿を見て引き取る決心をする。
――時は過ぎ、18歳となった響と穏やかに暮らす日々と、付き合って1年になる年下の恋人・英雄との関係も順調で幸せを感じていた。ところが響は由起夫に対してある思いを抱えていて…?

作品情報

作品名
マイ・ボーイ
著者
吉池マスコ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
道玄坂書房
レーベル
MIKE+comics
発売日
電子発売日
ISBN
9784846210021
4.4

(30)

(19)

萌々

(8)

(2)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
8
得点
133
評価数
30
平均
4.4 / 5
神率
63.3%

レビュー投稿数8

表紙のイメージと違った!

作家買いです!
表紙の印象から、三角関係?3Pもの?と思いましたが、
ちょっと違った。
三角関係にならない三角関係……
うーん、何言ってんだか分からないけど、優しい親子の話です。


死んだ恋人の息子・響を引き取った由起夫。
響も18歳になり、付き合って一年の恋人・秀雄にプロポーズされた由起夫はーー…!?

これ、とにかく響の由起夫への想いが切なくて泣ける(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
そして、由起夫の響に対する優しさ、親心にも涙がこみ上げてくるのです。
みんな優しい、みんな良い人。
すごく切ないけど温かくていいお話です。

恋人の英雄もとても思いやりのある男。
そんな秀雄の事が大好きな由起夫。
でも、響は由起夫が好きで……

小さい頃の響がクッソ可愛い♡
初見で「かわっ」と呟いてしまいました^^
寡黙で分かりにくいけど、思いやりがあるいい子。
そして、響のためなら大切なものを捨ててしまえる由起夫の親心が素敵。
親子って血の繋がりだけじゃないんですよね。
何よりも大切に思える、見返りなしの愛を与えられる。
由起夫が人として親として、とっても素敵な人間でした。

でも、いくら響のことを好きでも息子と恋愛には至らない。
義理の息子と恋愛するBLは数知れずありますが、本作ではそうならない。
ここがとても切ないんだけど、とっても尊くて……

響のためにアイデンティティである女装をやめた由起夫に、
もう二度と大切なものを捨てさせたくない響。
認めないたくないけど秀雄を認めるのは、由起夫のため。

とにかく、お互いを大切に思う親子に胸が熱くなりました。
響を好きな王ともしかして?と想像できるラストに、
響への救いを感じられたのもよかった。
どの登場人物も皆幸せになってほしいーーそう心から願いたくなる素敵な一冊でした。

15

由起夫が本当にすごい!

由起夫は、元恋人だったプロレスラーの子どもの幼い響を引き取って育てるのだけれど、その愛情がすごい!本当の親でも真似できないのではないかというくらい…。

響が由起夫の女装のことで友達とケンカになってしまった時には、由起夫がケンカした子ども達の家に謝って回って、それ以来大好きだった女装もやめてしまって…。

響は由起夫のことが大好きで、大きくなったら守って幸せにしてあげたいと思っていた所に、由起夫に同棲したいと思っている恋人がいるのを初めて知って、ショックで号泣して…。

由起夫と響の今まで築き上げてきた関係が、お互いのことをどれだけ思っているかが伝わってきて、読んでいて目がうるうるしっぱなしでした…。英雄くんという恋人の存在が霞んでしまいそうになるくらい…。
でも、クスッと笑える所もたくさんあって、ほんとずっと泣き笑いです!

由起夫は響のことが大好きだけど、はじめからずっと一貫して親目線だった。響はちょっと違う目線だったかもしれないけれど…。
でも、最後に、響は由起夫の気持ちを優先させてあげて偉かった!本当にいい子に育ったね…。天国で父親の欣太さんも安心しているだろうね…。

それから、幼い時の響がめちゃくちゃ可愛い!!
特に寝癖!愛おし過ぎます!!

4

BLの枠を越えた無償の愛ですね

久しぶりの吉池先生の作品です!シュールなギャグが笑えるHがとってもエロい息の長い作家様です

表紙見たとき、これは三角関係ものかな?とおもったのですが、ありがちな義親子が結ばれるパターンじゃないんですよね恋人の息子の響は由紀夫が好きなんだけど、由紀夫は響を実の息子のようにしか、思ってなくて響が泣くシーンは切なかったです。

でも親として響に、まさに無償の愛をかけて育てています響のためなら自分が大切にしているものを捨ててまで
由紀夫が、すごく愛情深くて優しいのです。そんな由紀夫だから英雄もプロポーズするくらい好きになったんだろうな

由紀夫の息子と恋人がいたら息子の方を取るのという由紀夫の言葉が忘れられません!普通の母親だったら恋人を取るか、譲歩して恋人と息子がうまくいくように画策しそうでも由紀夫は息子を取るとはっきりと言い切ります!そこがすごく感動しました
響はやっぱり形は違うけど由紀夫に一番愛されてると思う
そして響も英雄を認めて由紀夫と英雄は結ばれることができます!英雄良かったね~二人はもうダメかと思ってだけど、本当に良かった。

響の子供のときがめちゃかわでした。寝坊した由紀夫に代わってサンドイッチ作ったり寝癖がかわいかったり椅子の上に正座~ナニソレかわいい抱きしめたくなります

あとチームバカ舌笑いました。最後ほのぼのとして素敵なお話でした。

3

幸せだけど、ほろ苦い。

はぁ~。なんでしょうか、この感情。幸せなんだけどほろ苦くて、あったかいんだけど、せつない。

吉池マスコさんは、シリアス一辺倒じゃなくて、笑いもベースに、ちょっと(?)激しい絡みを挟んだりしながら、沁みるような優しい話を描くのが上手い作家さんですが、またひとつ、いい話だなぁと何度も読み返してしまう作品に出会えました。本当によかったです。

主人公は、恋人の遺した幼い子どもを引き取って育てているゲイの由紀夫と、由紀夫に引き取られた響、そして現在の由紀夫の恋人である英雄の3人。

由紀夫をめぐって息子と恋人が鞘当てとなるのですが、どちらが『マイボーイ』なのか見どころの1つなので、未読の方はぜひ先に読まれることをオススメします。




まず、由紀夫に引き取られた響くん。ちっちゃい頃はもちろんのこと、18才に成長してもめちゃくちゃ可愛くて、にやにやしながら応援しちゃいました。

自分のために由紀夫に女装をやめさせてしまったことや、子どもだから頼らなくては生きていけないことを、ずっと申し訳なくも、悔しくも思っていて、大人になったら1人の男として、由紀夫を身も心も支えて守っていくって考えてるくせに、面と向かうと男ババーとか言っちゃう。そのくせ由紀夫のためにしっかり家事をこなしてる高校生。このちぐはぐな感じがたまらない。かわいいなぁ~思春期だわ。

一方の英雄は、年は由紀夫より若いながらも堅実で落ち着いた大人。由紀夫を一生涯ずっと支えていきたいと同棲を考え、プロポーズする程の真剣交際中。

そのうえ、由紀夫の同棲発言で、やさぐれ中の響に対しても、年上だからと上から目線で話すでもなく、相手の気持ちに寄り添いながら会話を進めていくあたり、本当にすごいイイ男。できた男の英雄ですが、由紀夫の不穏な姿に、言葉ではなく身体で自分の想いを激しくぶつけるあたり、ギャップにもう…ドキドキしました。

そんな二人に板挟みの由紀夫ですが、あっさりと響の方を選んでしまいます。

響にとって、由紀夫は大好きでかけがえのない大切な人だけど(父)親ではなかったのに対し、由紀夫は、自分自身を犠牲にすることも厭わないくらい響が大切で大事な息子で家族だったということが、愛情の向け方の違いなんだろうなぁと感じました。

借金ばかりで、お酒ばっかり飲んで、女にだらしない、そんなどうしようもない男を好きになって、やっと恋人になった矢先に旅立たれてしまい、ひとりぼっちになった由紀夫は悲しみにくれて暮らしてもおかしくなかったと思います。

それが、ゲイの自分には授かることのない愛する人の子どもを遺してもらって、育てることができること、家族として暮らせることにすごく幸せを感じていたんだと思う。だから、由紀夫にとって響は恋人との間の子どもであって、恋愛感情なんて思いもつかなかったと思うし、今後もきっと気がつかないんじゃないかな。

そんな由紀夫の家族としての深い愛情を改めて示されてしまったから、響は恋心としてではなく〈息子〉として、最初に伝えようとしていた、ずっと傍にいてあげる、由紀夫を守ってあげる、今よりずっと幸せにしてあげるって想いを伝えたんじゃないかと思う。だから由紀夫も思いきって英雄の元に行けたんじゃないかなぁ。

かけがえのない家族として愛される喜びを得たのと同時に、秘めた想いは絶対に手が届かないと突き付けられてしまった響の、ほろ苦い恋がなんともせつない、心に残るいい作品でした。

2

ハートフルなお話

私は、育ての親が成長した息子に喰われてみたいなのって、正直あんまり得意ではないんです。
ガチ親子ものが超地雷なので、血が繋がっていなかろうと「親」という立場を自覚してたら、成長したからといって「子」が性的対象になるというやつに、うわぁ……と思うところがあって。
(かなり耐性が出来たので、義理なら読めるようになったし、中には好きな作品もあるけど)

だからこのお話の結末がすごーーーーくいいと思いました。

由起夫をめぐって、由起夫が我が子同然に育てた響と由起夫の恋人による三角関係のお話になるかと思いきや、そうではないところが好き。

由起夫が親として1ミリもブレないところが良かった。
まったく揺らがない。
親だからこそ、由起夫は響の恋愛感情に気づかないし、今後も気づかない。
響もその気持ちは永遠にしまっておくんじゃないかな。
たとえその感情が過去のものになったとしても、実はあの頃……みたいな打ち明け話もしないでほしいなぁと思います。
親子だからこそ。

「俺は由起夫の息子」と改めて気づく響のシーン。
けっして「俺は由起夫の息子でしかない」という嘆きではないんですね。
由起夫から「恋愛の愛」を永遠に得ることができないという切なさはあるものの、「親の愛」という深くて無限大の愛を得られている自分に気づけた。
「由起夫の息子」である自分に与えられてきた掛け値無しの愛情の重みみたいなのを感じられるここが好きです。

2

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