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表題作ひとひらの祈り

那智正吾,弁護士
深津基,予備校生,高校生,大学一年生

その他の収録作品

  • けものの肌に我はふれ
  • みずから我が涙をぬぐいたまう日
  • ひとひらの祈り
  • かすかな光

あらすじ

学校でも家でも暴行を受ける基を救ってくれたのは、弁護士・那智。想いが通じ合い、那智とともに平穏に暮らす基は……。

(出版社より)

作品情報

作品名
ひとひらの祈り
著者
崎谷はるひ 
イラスト
冬乃郁也 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
シリーズ
鈍色の空、ひかりさす青
発売日
ISBN
9784344823235
3

(34)

(0)

萌々

(11)

(16)

中立

(4)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
11
得点
96
評価数
34
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数11

エロ濃度では

元が同人作品だけあって、﨑谷作品中でも屈指の物ではないかと、、、

巻頭の作品の、それもいきなり冒頭から、基君の淫夢。
これが大体35頁あたりまで続きまして、それから40頁分ほどはさんで、その後エチシーンがまた40頁分ほど続くという、、。

「鈍色の~」が、ヘビーだった分、その後話、2度目エチ編はエロさもヘビー級になったのね。

他に、那智の背中の刺青の話と、お正月プロポーズ、基大学生編の3本。

「鈍色~」の番外編とはいえ、「鈍色~」については、巻頭の「けものの肌に我はふれ」でうまく説明されているので、この本だけを読んでも大丈夫。
っていうか寧ろ、虐待とかいじめとか、ヘビーにドロドロ痛いトラウマ系は苦手、でも、崎谷さんの年下の健気で天然な受けにメロメロでついたがが外れるムッツリな攻めが朝までノンストップ系の濃厚エロは好きって方には、こちらだけを独立した作品で読む方がいいと思う。

特濃エロの中にはさまると、那智の壮絶過去話も適度な辛さでちょうどいい。

4

甘くてちょっぴり切なくて、二人の未来を祈りたくなりました。

短編集でした。前作があまりにも重く苦しいお話だったのですが、続編ということで甘~い!!の一色だったのですが、所々で涙を誘われて、歳の差カップルのその先・・・、という物悲しさも感じてしまいました。
いつか来るだろうその日がなるべく先でありますように!と私も思わず祈ってしまうほど、のめりこみました♪

基も壮絶な過去の持ち主だけれど、それにも劣らない那智の過去を読む事が出来たし、とても満足した1冊でした。

『けものの肌に我はふれ』
二度目のHに至るまでのお話なんですが、結構切なかったですね。
無事にカップルになって、これから甘~い同居生活が始まってると思っていたんですが、大人な那智は、やはり年齢的に子供で、それに壮絶な生活をしてきた基の精神に負担をかけないように考えていたけれど、自分の欲望にも自制出来る自信が持てない那智は仕事で紛らわして、基を避けて生活してしまったのです。

切ないんだけれど、酔った基に、困ったマサルはとっても可愛かったです♪夢だから何を言っても構わない!と那智に本音をぶつけて所はすごく切なくてきゅんきゅんしてしました。


『みずから我が涙をぬぐいたまう日』
那智の壮絶な過去のお話でした。
あの那智の背中の刺青のエピソードなのですが、これも前作さながら中々壮絶なお話でしたね。

父親の部下だった、工藤に最後は救われた形になったのですが、ずっと父親側の人間だと思っていた工藤だけれど、那智の存在に惹かれ那智の思うように生きて欲しいと願ったんでしょうね。
でもあの親父、かなりムカつきますよね!すっごい嫌な奴でした!

でもその事件をきっかけにいつも一緒につるんでいた、村瀬・島田も何かの為にと進路を堅く決めた所はすごく好きでした。だから今でも一緒にいられるんだろう仲間ですね。

『ひとひらの祈り』
こちらはプロポーズ!!なんだけれど、ものすごく切ないというかもの悲しい感じのお話でした。
プロポーズが遺言状っていうあたり那智らしいって感じなんだけれど、歳の差の定めというのでしょうか?
今まで色んな歳の差BLを読んできたけれど、まだ40代と19歳のカップルのお話で、病気という設定でもないのに、こんなに先の未来に死をいうものを感じさせられる作品っていうのは珍しい!!
この先の二人の幸せが長く続けばいいな~!と読者ながらに切実に祈ってしまいましたね。背中の刺青が那智の生命を短くしているのが原因だけれど、ずっと続いて欲しいですね。

村瀬のおばあちゃんがすっごく可愛かったです♪

『かすかな光』
大学に入学した基のお話。
モテる基の日常のお話なんですが、ちゃんと那智に報告しているあたり仲良し夫婦ですね~♪
そんな話を聞いて嫉妬してしまった那智にリビングで美味しく戴かれてしまう基です。

でもラストの背中に腕を回すあたりの3行がやっぱり物悲しさを感じさせられました。


もしかして物悲しい感じでその先の未来はそう長くはないと敢ていれているのか?と疑りたくなる文章がそこかしこに埋められていたように思ったのですが、私の勘違いでしょうか?

それでもこの二人の幸せが少しでも長く続いて欲しいなと思いました。甘~いだけではなくてとても良かったです。

1

挿絵がなぁー……

「鈍色の空、ひかりさす青」の番外編短編集です。
本編で辛いいきさつの果てにやっと結ばれた二人が、その後幸せになっているのを見ることができるのは、読んでいるこちらも幸せになります。
崎谷作品の中でも群を抜いて「この子には幸せになってもらいたい!」と思わせる受けだけに、読後の幸福感もひとしおです。短編集の醍醐味ですね。

ただ、本編のときも思っていたのですが、この作品にこの絵師様はあわないんじゃないかと思います。絵師様は作者のご友人だそうで、この作品もお二人で作り上げた感が強いらしく、この作品にはこの絵師様でないといけないと作者様は思ってらっしゃるようですが、それにしてはあまりにも文字から受ける受けの印象と、挿絵の受けがちぐはぐで、正直、読むのに苦痛を感じるほどです。
例えば、作中では受けがとても幼く見えるというのが何度も何度も強調される描写が出てくるのですが(外見や性器の幼さなど)、挿絵の受けはそれほど幼い外見はしていないし、むしろ大人びていて、とてもパイパン包茎にはとても見えないんです。
それから、受けと攻めは20歳ほどの歳の差があるのですが、それも見えません。受けがとても大人びていて、攻めが若々しく描かれているので、せいぜい5歳かそこらの歳の差にしか見えません。
本編で受けが17歳だったときもとても未成年には見えなかったし(ハタチ越してるように見えます)、この番外編で攻めが40代になったあとも、せいぜい20代後半にしか見えない。
思うに、この絵師さん、20代の顔しか描けないんじゃないのかな。崎谷作品でしか知らないですけども。
私が個人的に苦手なだけで、もしかしたら他の読者さんは違和感なく思っているのかもしれませんが、崎谷作品の世界観にはそぐわない絵師さんだと、むしろ世界観を壊す絵師さんだとしか思えないので(他の崎谷作品を見ても)、あまりこの方に挿絵をつけてもらいたくないなぁと思いました。
ほんとは萌×2なんですが、絵師さんが苦痛だったので、萌1つで。

6

番外編は甘エロ三昧と背中の経緯

前作の鈍色の空、ひかりさす青の番外編のような内容です。
前作を読んでいなくても、何とか読めるとは思いますが、
本編を読んでからこちらを読むと楽しさ理解度倍増です!
前作は痛いなんてもんじゃなかったし、ラブラブな雰囲気も
あまり無かったので、今作は無口な二人なりの甘ぁ~い様子も堪能出来ます。
けものの肌に我はふれ ~は、初めて肌を重ねてから1か月が経過してます。
さぞや、ラブかと思えば基君・・・ほったらかしで日々淫夢に悩まされてます。
常識的な大人の理論に振り回されてるって内容ですね。
みずから我が涙をぬぐいたまう日~は、那智さんがまだやくざの実家で
学生をしている時のお話で、あの背中の入れ墨を入れるにいたった背景と
経過が描かれています。はるひ先生お得意のちょっと女性が絡むエロもあり
那智さんの父親の外道具合が光ります!
まぁ、プロポーズ編とでもいった方がいいかも知れませね。
かすかな光~では、基君が精神的も少し成長した様子と蜜月カップルのような
甘いお話になってます。基君、幸せになって良かったよ~。


3

新妻基くんv

「鈍色の空、ひかりさす青」の同人短編と書き下ろしが1本が入った作品でした。
本編で、悲惨な過去を持つ基にやっと幸せが訪れてよかったな~という、崎谷作品の中でも好きな上位に入る作品だったので、同人再録とはいえこの続編は愉しみなものでした。

もう何も言うことはありますまい。
基は確実に幸せになりました。
恋人の那智をはじめ、彼の親友の大人たち、そして友達になったマサルと、彼等に見守られて、心配されて、世話を焼かれて、
親に縁の薄い、愛情に縁の薄かった基には、恋人の存在の他に家族がたくさんできたみたいな感じがします。
『けものの~』では、性衝動に戸惑い悩む基の姿に、思わず、何だすごいかわいい!と思ったり。
2回目のエッチよかったよねwwしかし、それから那智もタガがはずれたでしょうにwwww
『ひとひらの祈り』では、那智は先々の事を考えてとうとう基を籍に入れることにしてというお話。
よかったよかった、、と一筋縄で実は喜べない。
那智のその寿命の心配があるからこその(涙)
『かすかな光』では大学生になった基と那智の新婚生活がw
基は過去の事もあり、やはり人との交わりがあまり上手じゃないみたいだけど、でも、彼の奥さんぶりがなんかニヤニヤさせます。
ただ・・・やっぱりここでも女子の扱いが!!
どんだけ酷い女子の見本を出すんだ?こんな中2病みたいな女子ださなくてもいいのに、崎谷さん嫌な女子出すのよほど好きなんだな~と、ちょっとそこがげんなりしてしまったのですが、、、

この本は基と那智の入籍の話が表題になってますが、一番インパクトがあって一番よかった話は、那智が背中に夜桜の刺青を入れることになった過去の話の『みずから我が~』です!!!
那智と基はもう、アマアマなのはわかりきっているので、こちらのほうがすごく興味を惹かれます。
冒頭の描きだし、、、中2病全開の文面で面くらいましたwww
でも、青少年の悩みや苦悩を表わすには的確な表現でしょう。
ヤクザの息子であることに、あがいてもどうしようもできなく、でも精一杯何とかしようと強がる那智の強さだけど、それに付け入る父親のずるさ。
この苦しみから解放されるならと、ノッてしまった過ちが刺青であったと。
彼が正気にもどって絶望し、怒りに変わった時の姿が壮絶でした。
しかし、それによって、那智の、そして友人の村瀬と島田の将来が決まって、そして基と出会うのです。
こじつけかもしれないけど、必然の運命だったのだ、重くて痛すぎるものだけど、この一連の作品を読んでそう思えたのです。
この那智の過去編だけなら神評価です。

那智と基って何となく人間が似てるような気がする。

2

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