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この作品は食べ物が出てくる作品を探し求めている途中で見つけて初めて購入した平喜多作品でした。
ここから怒涛の勢いで買い集めたので、思い出深い作品です。
【恋の微熱がさめなくて】萌
お弁当屋さんでバイトする大学生と、お弁当屋さんの常連客の話です。
恋に浮かれてふわふわしている若者の向う見ずなパワーと、過去の傷のせいで冷めている大人。番外編で柏谷のちょっと怖い部分を覗き見してしまったような…。
【キミとひみつの夏休み】神
他の皆様同様、こちらの方がよりおすすめです。
でも表題作がこっちだったら、食べ物目当てだったわたしは平喜多さんに出会えていなかったかもしれない…。
夏休み。
学校の寮から父の元には帰らずに、亡き母のふるさとへやってきた智宏を待っていたのは、おじいちゃんとおばあちゃん、それに見たことのない少年で…。
母親を亡くして、仕事に忙しい父親との接し方も分からない。学校でも長期休みに頻繁に連絡を取り合うような友人もいない。そんな少年にできた友達は人間ではなくて、という話でした。
母が恋しい智宏に寄り添う葵もまた母を亡くした子狐で、助けてくれた智宏の祖父母に恩返しをしたくて訪れるうちに智宏の存在を知っていったのです。
ふたりのやりとりが見事です。
仲良しはひみつを共有すると母から教えられた葵は、自分が人間に化けた狐だと智宏に告げるけれど、智宏からしたらやっとできたかも知れない友達が人間じゃなかったこと、騙されていたことで裏切られた気持ちから拒絶してしまう。親愛の情と裏切り。本来、両極端にあるものが表裏一体だったことが葵には分からない。もっと仲良くなりたくて明かしたひみつが智宏を傷付けるなんて思いもしない子供っぽさこそ、葵の魅力でもありました。
飾ることも取り繕うことも知らないから、智宏の父親にもぶつかっていくし、智宏にも全力でぶつかる。それしかやり方が分からないんですよね。
そうやって何度もぶつかってくる葵に、頑なだった智宏のこころの鎧が外れて、魂のぶつかり合いのようにキスをするシーンは胸にダイレクトにきました。
最後の夜に智宏の隣で手紙を書く葵の表情がまたいいんです。明日には離れてしまうのに、しあわせしかないような表情。駅で振り返る智宏の笑顔も最高でした。
鳥肌が立つようなシーンが何度もあって、本当にこの作品、好きです。
離れて暮らす時間の長さ、これからめまぐるしく変わっていくであろう智宏の環境。そういうものに負けずにずっと想い合って、いつか必ず約束を果たせる日が来ることを願ってやまない、可愛らしいふたりでした。好き。本当に好きです。
番外編では葵の様子にちょっと不安な気持ちにさせられますが、ミラクルが起きて人間にならないかなあ、ほんと。
「恋の微熱がさめなくて」
まあまあな恋愛物語でした。
「キミとひみつの夏休み」と「キミが恋しい冬休み」が、とても良かった。
母を亡くして、母の墓参りに帰省した少年、智宏と、少年の祖父母に助けられた子狐が人に化けて少年と友達になるお話。
純粋で優しい子狐の葵は、車にはねられて死んだ母の墓を作ってもらった恩返しをしたくて、祖父母が大事に想う孫の智宏に会いたかった。
素直になれない智宏は反抗期?、他人にどう接したらよいかわかっているのに、正直に態度に出せないトゲトゲした子。特に父親にきつく当たってしまう。
色々あって、葵と智宏は仲良しになって、友情から恋愛に近い感情を交わすようになる。
冬休みに帰省した智宏を迎えに行く葵。人化を長くしたら人になれるんじゃないかと思って試した後、疲れて狐に戻って智宏に抱かれて寝てしまう葵に、もう目を開けないんじゃないかと心配する智宏が涙する場面に・・惹きこまれてしまいました(泣けた)
こういう牧歌的な情景で、純粋な心を持つ狐の化身、葵と交流する物語は、好きです。もっと幸せになると良いなと思いながら読みました、心が洗われた。続きを読みたい。
葵ちゃんの方言、宮城の東北弁じゃないかなー?(石巻辺りが、あんな感じ)
絵が丁寧で綺麗、構成も読みやすい。神評価。
今回も平喜多さんのあったかくて優しい作品に癒されました☆
今回の本は2シリーズで構成。
お弁当屋さんバイトの大学生と、ちょっと陰のある薬剤師さん
それと高校生と田舎で出会った謎の少年との物語。
どっちもあったかくてよかったんですが、自分には2本目の田舎の話がベタでありながら、すごく気に入って思わず感動の涙しちゃいました!
まず表題。
主人公・原田のバイトする弁当屋にいつも買いに来る常連さん。
いつも魚ばかり頼むのでおまけに肉を一切れれてあげたら、偶然出会った夜道で「もうサービスは結構ですから」とOヘンリーの小説を引き合いにだして釘をさしてくる・・・実は肉が苦手だった(笑)
そんなでちょっと近づいた二人。
そして原田が風邪をひいたとき、薬局の薬剤師として働く柏谷を見つけます。
熱があるのに、一人暮らしの為コンビニに買い物に出てきたところ、柏谷と鉢合わせ、具合が悪くなった原田を家まで送る羽目になった柏谷。
そこで、同郷の出身で、原田の姉の友人が柏谷の妹だったという繋がりがわかります。
そこで、口にした柏谷の暗い発言・・・
柏谷が暗めで過去をひきずって少しヤンデレ風味です。
原田はそんな彼を励ましてあげたいと前向きです。
年下のまっすぐ一途が年上を包み込んで心を開かせてあげるといった風な優しいお話でした。
そして、そして、自分が感動したのは、田舎のお話!!
母親がいなくて、父と二人暮らしだけど、学校の寮にはいっていて、父もあまり構ってくれなくて寂しい想いをしている主人公の高校生。
夏休みに祖父母のいる田舎へ墓参りにやってくると、見慣れない葵という少年が祖父母の手伝いをしに訪れてきていて、主人公に逢いたかった~♪と懐いてきます。
そんな主人公と葵の夏休みの出来事。
実は葵に秘密があるのです。
祖父母に助けられたので、その恩返しをしているのだと。
このまっすぐ向けてくる愛情は、表題にも通じているとても優しくて愛しくてかわいらしい愛情です。
天真爛漫で、純粋で、健気で、それがとっても胸をうつんです!
一方、主人公もびっくりするけど彼が愛おしくなっていくんです。
でも夏休みは限られているからお別れしなければならない。
その為に手紙を書いて文通する提案をするのですが、主人公が渡したレポート用紙に描かれた文章、一体何が書いてあったんだろう?
平喜多さんのほのぼのした絵が田舎の風景にマッチしてとても素敵でした。
全編通してエッチがないのに、何気に受け攻めがわかってしまうというかちゃんと決まっているのが見事ですww
優しい気持ちになりたい時にぴったり♪
キツネ耳の純情な可愛い子に、あんな風に、健気に懐かれちゃったら、
もう、
二人の関係が、一夏の出来事で終わらずに続いてて、
文通、っていうのも、いい。
そして、冬休みの話が、特に好き。
この二人が、この先どうなるのか、
ケモノと人間の異婚譚、待っている未来はけして明るいとは限らないけど、このほのぼのとあったかい時が、いつまでも続くといいと願わずにはいられない。
そんな、ほっこりとした読後感。
オマケ
裏表紙の尻尾を出している葵のズボンの下がり方がと、智宏の目線が、なんともいえない。
カバー下の、葵の人間への初変身シーンも可愛い。
表紙買いの作品です
表題の作品は、バイト先に買い物にくる
お客さんと店員として知り合い好きになる
好きな相手は過去がある
ぐるぐるして結ばれる話しでした
こちらの話はあまり好みじゃなかったです
過去があるというのは嫌いじゃないですが
暗い
この作品だけなら間違いなく好みじゃないでした
良かったのは、次の作品で
・キミとひみつの夏休み
動物ものです
狐が人間化してます
動物設定になると話の展開がある程度みえますが
それでもなお、今回の作品はキュンとしました
狐である彼も相手の子も素朴で
かわいいです
狐の彼が最高にキュートです
沢山我慢と努力をします
切ない
どんな想いで彼をまっていたのだろう
過去形ではないですね
彼のいない生活を彼を知ってしまった生活を
どうやって待っているのだろう
作者の意図とは違うかもしれませんが
私は切なくて仕方なかったです
非常によかった