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超ケダモノ男子×草食系男子のあぶないラブ・バトル!
男性恐怖症の御曹司をオカン系が面倒を見ることになり…というストーリーです。
男に裏切られた過去があり、嫌煙する攻め。
そんな態度に受けが怒って殴られてからコロッと信じるあたり、某少女漫画の御曹司を彷彿させました(笑)
作家買いでほとんどの作品を持っていますが、久しぶりに読んだら少し違和感がありました。
急にコマが飛ばされてたり、説明がなかったり急展開もあり読み手が少し困る場面がチラホラ…。
攻めが急に怪我を負っているのは、何度読んでも分からずモヤモヤ…。
構図もアップが多めで、キャラの感情や情景がいまいち分かりづらいところがありました。
キャラ設定やストーリーがいいだけに、ちょっと残念…。
また、途中で絵柄が変わります。
ケダモノ攻めというわりにはエッチは少なめで、「肉食」「野生の野獣」に関しては”受けに一途にアタックする”という方がしっくりきます。
ちなみに最後のあとがきにのみ、ちゃんとしたエッチシーンがありました。
【彼が花嫁】
服飾専門学生のデザイナーと、縫製する子の学生同士の物語。
全体の1割程度の短編作品なので、経緯などはすっ飛ばして大事な所だけを切り取ったお話でした。
ウエディングドレスを制作する際、アイデアが湧かないという攻めにウエディングドレスを試着して協力する受け。
ちょっとゴツめで黒髪男子のウエディングドレス姿が拝めます。
勉強は出来るけれど、貧乏な法学部3回生の國場。
女遊びには長けているけれど、勉強はからきしダメな金持ちの1回生・来栖。
正反対の2人が恋に落ちるまでを描いた、逆マイフェアレディです。
國場が友人から紹介された高額バイトは、お金で入学したともっぱらの噂の来栖が進級するための家庭教師でした。
男嫌いで女たらし、金で買えるものに労力は払わないという國場に苛立ちつつも、アパートの家賃は既に2ヶ月滞納中で、背に腹は変えられない状況に腹を括ります。
誰にも手をつけられない猛獣をしつける/手懐けるというパターンは『発情アニマル』(2010)でも見られましたが、あっちの野獣よりも一癖も二癖もあるのが来栖。
男嫌いになった理由は、「男は裏切る」から。
女たらしになったのは、「女は金と顔だけで分かりやすい」から。
こう見ると、結局女は好きというわけでもなくて、ただ人間不信なんですよね。
その状態から心の扉をこじ開けつつ、勉強も教えつつ、という苦行です。
真っ直ぐで嘘のない國場に、結構早い段階で来栖が執着心を抱き始めるので、受けが先に落ちてもだもだするパターンより読みやすいです。
初め感じる独占欲に戸惑いながら、どうやって言いなりにならない國場にやきもきするイケメンを見るのは楽しい。
母子家庭で、母に楽をさせたいということだけ考えて勉強だけをしてきた國場は、誰かに甘えることも、自分の気持ち向き合うこともしてこなかったから、自分に芽生えた感情が何なのかをはっきりさせるの怖がる辺りの心理描写も巧い。
ただ、肝心の部分はぼかしたままなんです。
ロシア人とのハーフという設定、妾腹で、実家が複雑そうという断片は出てきます。
女装してまで来栖に執着していた弟も登場するけれど、わりとあっさり去っていく。
「男は裏切る」と思うようになった決定的なエピソードがないんです。
國場がゲイというのも、友人(来栖の従兄弟)に頭を撫でられて頬を染める國場を見た来栖が決めつけただけで、そのまま勢いでなぜか國場も否定しないまま、最終的に「ゲイ」ということに定着しているけれど、友人へ切ない思いを抱いていた描写はなく。
そういう決定的な何かが欠けているせいで、中まで踏み込めない物足りなさがありました。
そういう物足りなさはあるものの、「攻めは肉食がいい」という作者さんの言葉に完全同意なわたしは、結構萌えました。
さて、最後に。
アパートを追い出されて来栖の家に住むことになる國場が、「貧乏メシ」を来栖に振る舞うシーンがあるのですが、味見をさせているのが明らかに海老。
しかも比較的安く手に入る冷凍の海老のサイズではなくて、5尾くらいで400円は超えそうなサイズの海老。
待て、と。
その贅沢な海老、来栖の冷蔵庫にあったものかもしれないけれど、「貧乏メシ」と言うからにはそれをピックアップしちゃだめだろうと。
しかもそんな海老がメインのおかずじゃなくて、サラダの具のひとつ。贅沢か。
あそこはせめてきゅうりにしてほしかった…思う主婦なのでした。
表題作の他に短編が1作品収録されています。
ほとんど1冊表題作なので、1つの作品をじっくり読めました。
表紙も中の絵も美しく、表題作の主人公の一人、来栖君はロシア人とのクォーターで派手な外見なのですが、華がある佳門さんの絵柄がピッタリでした。
主人公は同じ大学の1回生と3回生で後輩と先輩という間柄です。
遊び人の1回生の来栖君がちゃんと試験で単位を取れるように勉強を見るというバイトを紹介された3回生の國場君。
有名メーカーの御曹司で傲慢で俺様、しかも男性が苦手という来栖君にどうやって勉強を教えるか…國場君の苦難の日々が始まるのですが…。
人に心を許していない獣が一人の調教師と出会って躾けられていく…という印象のお話でした。
年下で俺様なキャラが一人の人にしか懐かない、その上独占欲も強いというのは結構好みです。
その俺様が他の人からも注目を浴びているような人だと特別感も増して尚良しですね。
色々好きな設定が詰まったお話でした。
同時収録作品は服飾専門学校に通う学生のお話です。
卒業制作にウェディングドレスを作る事になって…という始まりなのですが、ちょっとアホでコミカルな作品でした。
またまた変な設定。男嫌いで、男子がワサワサ居ると気持ち悪くなっちゃう女好きで、獰猛なアキ。そんな彼に唯一懐かれた國場さん。「年上には敬語を使え。」「自己管理をしろ。」「講義にちゃんと出ろ。」國場さんはアキの面倒をみる羽目になるのですが…
「もう降参か?それじゃあこの俺はやれんぞ。」って⁈國場さん、自分の言ってる意味ちゃんと分かってます⁈あなた犯されるんですよ‼︎っていう。天然か‼︎
「いや、俺はただお前に一人前になって欲しかっただけだ!」などという言い逃れが届く筈も無く。美味しく頂かれてしまいます。まぁ、気持ちも持ってかれてしまうのですが。
また、アキの生い立ちや家族、國場さんの育ちからなる責任感など。2人の境遇も丁寧に描かれて行きます。獰猛に迫られていた國場さんですが、気持ちも通じ合ってからのほだされエチはすごく良さそう♡なのにページの関係か?佳門先生にしてはアッサリめに描かれており。妄想で補う感じです。
他、テーマの違うショートストーリー「彼が花嫁」収録。
ドレスデザイナーを目指す沖方を発奮させる為に、試作品のドレスの試着をする美月。
笑われて終わり、恥ずかしい思いをする美月。ところが、沖方が発奮したのはドレスのフリルから覗いた美月の太ももの内側で…
え〜⁈終わり⁈そこのところ、もっと詳しく‼︎っと、これまた妄想で補わないと‼︎っていう。
続きは望めない(おそらく先生も忘れていらっしゃる。)様ですが、妄想の糧にはなります♡
男が嫌いなワガママお坊ちゃまに振り回される、大学主席の頭脳を持つ貧乏学生の、ケダモノ男子と草食男子の恋のお話です。
國場が頼まれた家庭教師の相手は、有名メーカーの御曹司でロシア人とのクォーターで女好きケダモノと噂される来栖でした。おまけに、男が大っ嫌いで。
断りたいけど、お金のためにやるしかない國場に、案の定生意気な態度の来栖。そんな来栖に、國場は辞めるのを覚悟して、殴って怒ります。
そんな態度を取っても約束を果たす國場に、来栖も心を許していきます。
それからの来栖の、國場を手に入れようとする姿が、ケダモノっぽくて良かったです。昔の遊び相手から國場を守って、國場への想いをはっきりと言った時には、カッコ良くてキュンとなります。國場のために、一生懸命自分を変えようとした姿にもジンとくるし。
國場も、自分にだけ懐く来栖が可愛くなってきます。ちょっと素直になるのが遅いとモンモンとなる時もあったけど、意外と男らしくて好きです。特に、来栖が悪口を言われた時にかばったところで、キュンとなります。
加門さんの作品の中ではエロさが少ないけど、たまには内容重視なこういうのもイイなと思える1冊です。