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表題作この男を俺に下さい

獅子内,婚活アドバイザー
永野渉,絵本作家,38歳

その他の収録作品

  • この人を僕にください

あらすじ

結婚=打算と妥協…と信じる、イケメン婚活アドバイザー獅子内。
しかし、数年婚活しても結婚できない男・永野渉の担当となってしまう。

しかし、渉は収入や見た目には問題はないのに、
極度の上がり症だったために、結婚できないでいたことが判明。

しかし、とびきりピュアで一途な渉。
渉の婚活を助力する内に獅子内は……??

婚活業界を舞台に、
「でも運命の人を探す」ロマンチック物語、描き下ろし付き★

作品情報

作品名
この男を俺に下さい
著者
佳門サエコ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイコミックス~BE×BOYCOMICS~
発売日
ISBN
9784799713013
3.6

(84)

(18)

萌々

(31)

(23)

中立

(9)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
22
得点
292
評価数
84
平均
3.6 / 5
神率
21.4%

レビュー投稿数22

運命なんて馬鹿げてる

結婚なんて単なる紙切れでの契約と思って居る、結婚相談所勤務のイケメン・獅子内。
そして、自分の対人恐怖症を克服しようと何度でも頑張る38歳の絵本作家・渉。
その二人が、婚活アドバイザーと会員として出会うお話。

以前、「最近の佳門さんは『男と男』という感じの絵柄が増えて来た」というような事をどこかで思って居たのですが、今回も正にそうでした。
獅子内の格好よさは当然ながら光っているのですが、地味ながらもパーツが整っていて優しさすら滲み出ている面持ちの渉も男性的。
とっても大人の雰囲気が楽しめる二人が素敵でした♪

そしてこの渉。
佳門さんの魅力の一つと言えば、あちらこちらに散りばめられたとんでもないエロ!と私は思って居るのですが、今回は彼が彼なので最後でたっぷり致した位で終わり。
でも、その渉の足かせとなっている、『対人恐怖症』『敏感体質』というのがまるでエロへの伏線かと勝手に勘違いするほど(笑)、この作中では大事な設定になっています。

渉は大人しいながらも、ネガティブな自分を打ち破ってたった一人の運命の相手に出会えたら、と頑張る。
はじめは仕方ないという気持ちで接していた獅子内も、渉の笑顔の裏側を見てしまって――と進んでいきます。
この獅子内も、元々は「この婚活産業はニーズがある」と見越しての就職だった為か、さほどの仕事自体に思い入れがあるわけでもなかった筈。
渉と仕事上出会った時だって、面倒な男の担当になったな、くらいだったのだと思うのですが、素直で一生懸命なところ、一生懸命に取り繕う笑顔に潜む暗いカゲを知る事で、「この人の為に尽くしてやろう」と思い始めます。


声を押し殺して泣く渉を抱き締めてから、獅子内は彼を意識する訳ですが、それでも婚活アドバイザーとして渉には「女性とカップル」になって貰わなくてはならない。
元々は仕事として、自分のノルマ達成の為にそうなって欲しい筈だったものが、「自分の気持ちが退き返せなくなる前に」という意識が強くなってしまい、更にはその意識すら押し潰してしまう程の嫉妬も覚える。

こちらの作品はほぼ獅子内目線で進むんだけれど、嫉妬心丸出しで渉をベッドに押し倒したシーンは、獅子内なんかにコレっぽっちも同情出来なかった!
獅子内の痛い気持ち以上に、もっともっと渉の切なく苦しい気持ちが泣きながら吐露されていたので、そちらに気持ちが持って行かれました。


恋なんてしたことがなかった渉。
悩んで考えて真正面からぶつかってきてくれた獅子内が居て、彼に助けられて救われて気持ちが浮上した。
渉が選ぶ道は迷うことなくひとつしかなかっただろうなって思うと、何故かぎゅうっと心が締め付けられるんですよね。
人と接するのが怖くて、緊張して震えてしまってビクついて。
10代の頃にそれを馬鹿にされて嘲笑されて、自分は汚い人間なんだと思って生きて来て。
それが獅子内のおかげで38歳にしてようやく本当の一歩が踏み出せたんですもん。

最後、二人が致すシーン。
……やっぱり敏感体質はこの時の為の伏線だったんでしょう佳門さん!
と叫びたくなった(笑)
(それまで一度もそんなシーンが無かったので焦らされた気分だった?)
描き下ろしは渉目線でのお話だったのだけれど、
「朝まで何度も、獅子内さん若い」
なんて思いつつ、彼を想うと幸せで笑顔になれて、そしてまた渉から求める――という甘いお話でした♪


ただ待ってるだけじゃ運命の人なんて現れる訳がない。
どんだけ辛くても前に進んで、自分で悩みやトラウマから脱却しなくては出会える訳がない。
都合のいいお話かもしれないけれど、渉の一生懸命さと、獅子内の必死さからはそんなことが伝わって来ました。

5

この攻めと受けを私に下さい。

新刊チェックの時に何故か見逃していました。
特典ペーパーなど特に無いため、中古で買える機会が出来るまで
待つ予定でしたが、色々あって、急遽、新刊で購入しました。


受けの永野さんに惹かれて婚活に失敗してほしいという思いと、
今まで頑張ってきた婚活が成功してほしいと仕事として思う
攻めの獅子内さんの葛藤が綺麗に描かれていて、
分かりやすく伝わってきました。
婚活パーティで永野さんが倒れる寸前に駆けつけて体を支える
獅子内さんがカッコ良かったです。

極度の対人恐怖症で、それを克服しようと前向きに行動に移している
永野さんに好感を持ちました。
とても38歳には見えないけど、38歳の喪男という設定に
とても萌えました。
30歳前後だと、まだまだ若すぎる感じがして、
婚活が難航しているのが伝わってこなかったように思います。
この微妙な年齢だったからこそ、作品に味わいが出せたのでは
ないかと思いました。

永野さんも獅子内さんも、とても誠実な人だなと思いました。
このお二人とぜひお友達になって、二人の今後を傍で見てみたいと、
応援したいなと思いました。
(レビューのタイトルは友達になりたいという意味で付けました。)

永野さんは会員なので、下の名前や年齢も書かれていますが、
獅子内さんの下の名前や年齢がどこにも書いていなくて、
それがずっと気になって仕方がありませんでした。
レビューを書くにあたって何度か読み返していたら、
年齢に関しては1話目の初めに、「大学卒業後、入社5年目」と
書いてあったので、大体27歳 前後だということが分かって
少しスッキリしました。
下の名前は見当たらなかったので、どんな名前なのかが気になります。

実際の、現実の婚活は全く興味がありませんが、この作品のような婚活には憧れました。
婚活で結婚相手を見つけることが一番ですが、相性の良い担当のアドバイザーを
見つけることも非常に重要だと思いました。


今回の評価は「神」と「萌×2」で非常に迷いました。
今も まだ迷っています。
永野さん視点のお話や、今後の二人の様子など、まだ物足りない、
読み足りないような気がして、その点が少し引っかかっています。
もっと続きが読みたいと強く願っています。
それ以外は、人物設定が安定していて、物語や心境の流れが分かりやすく
流れるように描かれていて、絵も綺麗で安定しているので、
これらの評価に関しては、あまり迷わず「神」だと思いました。
今回は総合的に判断して「神」評価にしました。

読む前は古本でも良いかなと思っていたけど、
読んでみて、古本ではなく新本で買って良かったと思いました。

5

結局お似合いの二人

まるまる1冊、ひとつのお話です。

『恋愛が錯覚なら結婚は打算』わかる気がします。

結婚アドバイザーのイケメン獅子内と絵本作家38歳永野渉。

永野渉さんは極度のあがり症おまけに感じやすい・・・^_^;
それが原因でなかなか良い縁に恵まれず、知り合った女性とも結婚とまではいかない。
その渉さんがなんとかあがり症を克服して良い人を見つけたいと入会したのが
獅子内が務める、結婚相談所。
渉さんのために、悪戦苦闘する獅子内だがいつのまにか
渉さんが女性と会っているのを見ると嫉妬している自分に気づき・・・
幸せになって欲しいという思いが、いつしか恋に。
仕事と恋に挟まれ苦悩する獅子内。
獅子内に告白されるも感じやすいことを知られたくない渉さんは
キスを拒否してしまい・・・

ピュアな渉さんは真面目に、日々自分のコンプレックスを克服するため努力します。
それを応援し、見守る獅子内と渉さんの少しづつ揺れ動く心の内や
相手のことを真剣に大事に想う、大人同士の愛が細かく表現されています。

好きだからこそ、嫉妬から相手を傷つけるようなことをしてしまう。
最低だとわかっていても、心はブレーキがきかない。
なんだかすごくわかります。
心で「違う違う・・何言ってんだ俺」て思っていても
口ではまったく逆のことを言ってしまったり
そんな気持ちの動きが、手に取るようにわかる作品でした。

想いが叶い、晴れて恋人になった獅子内と渉さん。
Hシーンは、かなり濃くてエロチックでした。
渉さんがものすごい感じまくりで、
もう、いろんな汁だらけでえらいことになってました。(恥)
2人がhappyで38歳の渉さんがあまりにも可愛いラストだったので
読んでいるこっちまで、幸せな気持ちにさせてくれるお話でした。

4

えちシーンが!!

ここの所控えめだった佳門先生の作品ですが、久々にえちシーンの描写がたっぷり…っ!!
と言っても、そこまで多くはないですが。
受の渉さんが「感じやすい」体質らしく、書き下ろしでは攻の獅子内と一緒にいるだけで
体が反応してしまいます。
佳門先生の描く表情がまた色っぽいので、エロい!エロいです!

お話は、さすがにベテランの作家さんなので見せ方がうまいです。
絵もブレがなく、安心して読めます。
渉が絵本作家なんですが、獅子内に今までのお礼にと描いた絵がすごくよくて
ページをめくった瞬間、心にズキューンときました。
そりゃ、これをみれば獅子内も告白しちゃいますね。

くっついた後の2人のラブラブっぷりを、もっと読みたい!と思えた作品でした☆

7

大変なお仕事ですね。

結婚相談所へ登録するだけでも、かなり勇気のいる事ですよね。
それだけでもう、渉さん、あんたは偉い!と思います。
そして、そんな渉さんの良さに気付いたものの、結婚相手を探してあげなければならない獅子内さんも偉い!
気持ちをおさえながらも、仕事頑張ったはりますもん。
ええやっちゃな~と思います。

私が好きなシーンは。
渉さんのアトリエで「墓場までつきあいます」と言った獅子内さん。
そして、バーで他の客(ホモはキモいと笑った男)に頭から酒をかける獅子内さん。
クリスマス、キスに怯える渉さんに、ちゃんと誠意を示して欲をおさえるところなんかも。
獅子内さんの男前シーンはかなりグッときました。

渉さんは、部屋がお洒落で綺麗なところとか。
料理がめちゃくちゃ豪華でうまいとか。
その、どちらかと言えば嫁スキルの高さにグッときました。
しかも、対人恐怖症が獅子内さんとの交流でどんどん良くなっていく。
自分が、相手の長年患っている病気を良くしていたら、そらもう惚れてまうやろう。

とてもキュンとなる二人の、最後にやっと結ばれるエロがまた濃くて。
その昼と夜のメリハリも楽しかったです。
二人は多分十才くらい年も離れていますし。
渉さん、身体に気をつけてね!
なんて余計な心配をしてしまいましたf(^_^)

7

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