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表題作ドリーマーズハイ

親友の年上の彼氏 貴志
恋愛に興味のない高校3年生 郁也

同時収録作品この色のない世界で

尾見良太 25歳 ヤクザ準構成員
拓巳 会社員

同時収録作品夢のそのあと

マサユキ
大地 バンドメンバー デビュー間近

その他の収録作品

  • そして世界が終わるまで
  • あとがき

あらすじ

親友のカレシを、好きになってしまう。そんなのアリかーーー?
幼なじみの親友が、年上の彼氏を紹介してくれた。最初はとにかく彼が気に入らなかったのに……‼︎?
表題作を含む同居から始まるトシゴロ恋愛レポート‼︎

郁也は男相手でも女相手でも恋愛に興味がない。そんな郁也の幼なじみの大地に年上の男の恋人ができた。郁也が大地をうらやましく思うのは、恋人がいるからじゃなく、大地が幸せそうで、キラキラしているから。しかも、大地と恋人のベッドルームをうっかり覗いてしまってーー!? 表題シリーズを含む同居から始まるトシゴロ恋愛レポート!!

作品情報

作品名
ドリーマーズハイ
著者
宮本佳野 
媒体
漫画(コミック)
出版社
新書館
レーベル
Dear+コミックス
発売日
ISBN
9784403663406
2.7

(4)

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萌々

(1)

(1)

中立

(2)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
4
得点
9
評価数
4
平均
2.7 / 5
神率
0%

レビュー投稿数4

宮本風恋物語、2編

「ドリーマーズ・ハイ」
こういうのも「宮本節」とでも言うのかな…
だって、ずるい大人のいい加減なちょっかいで友情にヒビが入る友人関係も「寂しげな男同士の人間関係の揺らぎ」に読めてしまうのだから。
だってやっぱりこんな三角関係、ひどいでしょ?
なのに「繊細な人と人との関わり」に読めてしまうのだから。

母子家庭で母親の男性関係が安定せず、そんな母親を見ていて恋愛なんてしたくない、と頑なになっている高校生の郁也。
同級生で親友の大地に29才の男の恋人ができるが、その男・貴志(きし)はどこか冷たくて、大地のことも恋人じゃない、なんて言う。
大地の事を考えて複雑な気分でいる郁也に、貴志はなぜか大地抜きで部屋に誘い…
大地は親友だからこの事は言えない。なのにその後もズルズルと貴志と関係してしまう郁也。
…というように、郁也からすれば大切な親友の彼を寝取ってしまった形になって、非常に悩むわけです。大地に悪くて、でも貴志の事ばかり考えて、泣きながら抱かれる郁也の姿。
そう、悪いのは大人の貴志。しかも彼の職業ったら…!とんでもない大人だわ。
遂に大地にバレて、当然大地は怒ります。
でも郁也にも大地に対しての屈折したコンプレックスがあったんですよね…悩んで体調も崩していたことがわかり、大地もそれ以上郁也を責めない。
貴志!お前いっぺん土下座だろう!
でもね。
心は止められない。それが真実なんです。
この恋を通じて、郁也も大地も機微を知っていく。そして2人の友情は壊れません。

「この色のない世界で」
「そして世界が終わるまで」
家の前で雪の中、倒れていた男を助けたサラリーマン・拓巳。
だがその男・尾見は組のカネを持ち出して追われているヤクザで、拓巳が密かに行っていた株の違法行為をタテに家に居座ってしまった…しかも男が好きだといってカラダまで要求され。
だがどことなく優しい尾見に少しづつほだされる拓巳。
そのままズルズルと時が過ぎ、尾見はほとぼりが冷め、拓巳は違法取引もやめ、なんとなくうまく生活が回っていたのだが、後輩(♂)に飲みに誘われた拓巳が薬を盛られて無理矢理ヤられる事件が起こり…!
尾見が誤解して家を飛び出し、ヤクザに見つかって…と物語が急激に動きます。
奇妙な縁で出会った2人の、不思議な結びつき。

「夢のそのあと」
「ドリーマーズ・ハイ」5年後。
音楽を続ける大地はメジャーデビューを控えていた。優しい恋人は、メジャーになる大地に男の恋人がいては大地のお荷物になってしまう…と別れ話を持ち出す。でも大地は自分の恋を恥じてなどいない。
大地もいい恋ができているみたい。良かった…。

0

ほんとはズルイ主人公

初出を見てびっくりしました!05~06年の作品。
宮本さんの作品って絵柄の変化がそんなにわからないですね。
そして、ちょっと心がチクっとするものが底に流れてる、一本筋が通った作品を作られるのが好きです。

表題は、親友の恋人を好きになってしまった主人公は親友に後ろめたいのに、彼の呼び出しに抗えなくて、、、
なあらすじになっていますが、その裏に隠されていた少し拗ねている主人公の心が見えた時、必ずしも一筋縄でいかない気持ちがそこにはあり、決してきっかけは純粋じゃないなと思います。
一見、自分が巻き込まれ的を装っている部分が、その外見や仕草や、主人公のためらいがクローズアップされていることで、、と言う部分のストーリーの、キャラ設定が絶妙だな!と思わせました。
主人公・郁也の家は母子家庭、母親が男に依存したような生活をしているので、それをとても嫌っていて、時々家に帰りたくない時があるのです。
その日もそうだったのですが、親友の大地には最近恋人が出来てその彼の家へ行くところ。
大地は親切にも郁也を一緒に彼氏の家へ連れて行くのです。
それが全ての始まりでした。
郁也はちょっとおかしい?
大地と年上の恋人・貴志がエッチしてるところを覗いてるのを知られると、「見ててもいい?」って言うんです!!
その後、貴志は大地の恋人じゃないという言葉に少し憤慨。
大地との待ち合わせにすれ違った時に貴志と鉢合わせた時、挑発するようにして、無理して貴志に抱かれる。
大地はまだ迷っているけど、将来なりたい事、やりたい事がきまっている。
そして恋人がいる。
貴志が最近冷たい事に悩む大地に、あの人はやめたほうがいいと言ってしまう郁也。
大地には一見いい人を装っているようで、嫉妬や羨望のまじったイヤな子になってるような姿を見せるんです。
一方、貴志との関係は、よくわからないままに関係が続いて、でもそれは郁也が愛情を求めているから。
本当だったら、アテ馬になるような子が主人公というのが意外性をもった話なんです!
貴志は、一見冷たい人のような感じもするけど、ひょっとしたら愛情に飢えている郁也を本能的に見抜いたのかな?
そう考えると、案外優しい人なのかもしれないですね。
多分、人によっては好みでない主人公設定なのかもしれません。
だけど、だからこそ物語なんだな、と思えるのです。
書下ろしで、大地は心底彼を愛してくれてる優しい人を恋人にしているようで、救われていてよかったです。

『そして世界がおわるまで』『夢のあとさき』は連作。
本当は関わりたくないほどボロボロになっている男を拾ってしまった主人公。
彼は何やら組に関係することで横領をして逃げいてるのだと言う。
人との付き合いが薄く、少しネガティブ目な主人公ですが、彼が家にいるのが何故か居心地がよく感じるようになる。
意外にも健気なバカワンコが、主人公に人間らしさを取り戻させるお話でした。

0

お巡りさん!それ犯罪です

親友の年上の彼氏の攻め様と身体の関係を持ってしまった受け様との
ちょっぴり切ない友情と恋愛を描いた作品でした。

受け様は飲んだくれで男癖の悪い母親と二人暮らしの高校3年生で
特に目立った才能もなく普通に過ごしてるんですが、親友はミュージシャン志望で
才能があり、人付き合いもよくてキラキラした存在なんです。
そんな親友はゲイで、ある日母親に嫌気がさして親友の所へ行こうとしたら
親友が攻め様の所へ行くと、流れで自分も連れて行かれ、初めて会った攻め様に
何故か不躾な視線を向けられる。
その夜に二人の情事を垣間見てしまう受け様、攻め様に優しくされる親友に・・・
受け様は何でも持ってる親友が羨ましのです。

そんな時に攻め様の家でお酒を飲んでしまい、流れで抱かれてしまう。
受け様は親友と攻め様の仲がうまく行っていない事を知りながら親友を欺く形で
攻め様との逢瀬を続けてしまうのです。
でも攻め様が親友は恋人では無いと言っていた事や自分と攻め様の関係にも
悩み始め、でも親友を裏切りつつも攻め様を好きになって行く心は止められない

う~ん、かなり友情部分に比重もあるんですが、攻め様が勝手な大人に見えちゃう
だって警官なのに高校生を抱いちゃうんですよ~それも親友同士の二人を・・・
きっちりけじめを付けてならなぁ~なんて思って読みました。

同時収録の2編はヤクザに追われてる男とエリートリーマンとのトラウマありの
シリアス展開のストーリーでした。
表題の親友のその後のラブストーリもあります。

0

う~ん

作家買いをしたので内容の下調べをしなかったのですが、苦手なかたも多いのでは…と思われる展開でした。
主人公で学生の郁也と親友の大地、大地の彼氏で警察官の貴志の三角関係ものです。
しかしそもそも、二人が一人を裏切って付き合ってる場合って、三角関係っていうのとも違うのかな?

三角関係ってもっと、二人が一人を好きだとか、誰が誰を好きなトライアングルになってるとか、そういう堂々としたものを言うような気もします。
大地と貴志は恋人だけど、郁也は貴志と寝てしまい、大地には内緒で二人は逢い引きを続ける…という内容でした。
これ、男女のお話にしても意味が通じてしまうので、広い定義でBLとしての必然性もちょっと薄いと感じます。

そもそも大地は貴志に夢中なのに、貴志は大地に特に愛情も持ってない風なのが気になりました。なんで付き合ってるんでしょう?
セフレなら、なぜ大地に恋人同士だという勘違いをさせてるのか?

とにかく貴志というキャラが大人でしかも警察官なのに一番よくわからなくて、最後の最後に大地にあやまらないとな、て言ってますがそれだけなのかと悶々としました。
大地が郁也に「彼氏が最近冷たい」「連絡がとれない」と落ち込んで相談しているのを横目に、育也はそうなんだ…という風で、なのにその彼氏に会って寝てるって…全く理解できない!;;自分には絶対こんなことできない。

もう既に郁也の「大地がキラキラしてて羨ましいから」とか「人を好きになる気持ちが知りたい」とか、そんな都合は頭に入ってきません。
大地が最終的に二人をあっさり許すのもなんだかもやもや。
自分なら彼氏と親友が自分を裏切ってたら人間不信になりそうです。

最後にその後の大地のお話が入っていたのが救いでした。
読み終えて、これは女性は共感できない方も多いんじゃないかなあ~と思ってしまいました。

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