BLコミック&BL小説、業界最大級の品揃え!
栗城先生の既刊作品を少しずつ追いかけています。
自分よりも大柄な男性と甘いものが苦手な主人公・瑞希は、ある日友人に連れられて行ったパティスリーで初恋の相手で幼馴染の「ごうくん」と再会して…と続きます。
あらすじの通り、幼馴染同士の再会ものです。
以下、ネタバレありの感想となります。
大柄な男性に限定しての男性恐怖症+当時のトラウマにより甘いもの全般に拒否反応が出てしまう瑞希。
そんな瑞希が再会した昔好きだった初恋の相手は、自分よりも大柄となり甘いものを作る人となっていた…
もう、幼い瑞希に恐怖を植え付けただけではなく、それをきっかけに弟の翼も、はたまた瑞希の両親も、矢波をも傷付けた名も知らぬ性犯罪者が罪深くて仕方がないです。
子供時代に…となると、ただでさえ胸が苦しくなるような出来事が更に重たく感じられます。
が、攻めの矢波と再会してからというもの、受けの瑞希がトラウマ克服に対して非常に前向き。
お相手の矢波も穏やかで優しい気性ですし、お話全体のトーンとしてはそこまで重たくなく、むしろ甘く優しい雰囲気ですね。
表題作では、元々好き同士な2人が大人になってから再会し、トラウマを克服して恋人同士になる。
と、確かに甘い雰囲気で後味良くはあるものの、これではあっさり克服し過ぎなのではないか?本当に大丈夫なのかい?なんて思ってしまう。
ディアプラスさんなので、表題作のページ数だとこうまとめるしかないだろうなとも思うのですが。
けれど、その後となる「スイート×スイート」で完全にはトラウマ克服が出来ていなかった事が判明します。
そりゃそうですよね。簡単にあんな重たい出来事を忘れられたらどんなに楽でしょうか。
トラウマが蘇った事によって、恋人を傷付けだけではなく気をつかわせてしまっている事に罪悪感を持ってしまう瑞希ですが、上記の通りとても前向きな子なので、ここでへこたれるのではなくダメなもの・大丈夫なものを自分で把握しておきたい!とポジティブに考えるのがとても良かった。
それを穏やかに見守る周囲と、しっかりと受け止める包容力のある矢波の図も◎
欲を言えばもうちょっと長めに読みたかった。
最後に入っている短編「フレール」
メインのお話よりも私はこちらが好きでした。
フレールとはフランス語で兄弟の意味。
タイトル通り、瑞希の弟・翼視点で描かれた兄弟のお話。
瑞希を守ろうとしていた翼も、いつしか瑞希よりも大きく成長し、恐怖の対象となってしまっていた。
これが、誰も悪くないだけにあまりにも切ない。
続いて綴られる父親についてのお話が更に切なくて、瑞希が矢波と出会った事によって少しでもトラウマから脱却出来て本当に良かったなと思える良エピソードでした。
これから先、2人と家族がより良い方向へ向かえますように。
トラウマ救済再会ものとしては重たくなりすぎず読みやすい作品だと思います。
重ための読み口がお好みの方には物足りないかもしれません。
軽い口どけの甘いお話をお求めの方、ポジティブな受けがお好きな方におすすめの作品です。
そして個人的に萌えたところ。
2人で思い出のお菓子を作るところが微笑ましくて好きでした。
それから、攻めの矢波が6歳も年上のはずなのに喋り方と正直ものっぷりがちょっと可愛らしくて。
包容力や優しさのある良い男なのですが、まだ付き合う前に目撃した、瑞希と瑞希の友人・怜央のじゃれあいを特別なものだと誤解し、自惚れていた自分に羞恥心し、「うわああ」「ひー」と顔を真っ赤にして悶える姿がなんと愛らしいことか。
大人の余裕と、愛する受けを前にしてたまにヘタれるギャップが良い攻めでした。
案外瑞希の方が男前なのかもしれません。
甘いものが大好きだった男の子が、
甘いにおいですら受け付けなくなってしまった理由に
それはそうだろうな酷い目に遭ったんだね…と気の毒に思いました。
でも再会した初恋相手に反発する態度がちょっといただけなかったかな。
恥ずかしい気持ちもわからなくはないのですが
矢波さんがいくら優しくても可哀想で。
瑞希の天使のような笑顔が見たくて再会を楽しみにしていたのに
あんな風に噛みつかれたら(物理的ではなく)悲しいです。
瑞希なりに努力して甘いものに慣れようと頑張ったのは健気ですが
全面的に解決できていなかったので萌えるより心配が勝ってしまいました。
いやもう本当に矢波さんが瑞希に負担をかけさせまいと気遣って
めちゃくちゃ思いやりのある恋人なんですけど
抱くのはもっと後の方が良かったんじゃないかなぁ…。
瑞希が求めても、好きだから触れたい気持ちもわかるけど
もう少し我慢するのもアリだった気がします。
それだとBL作品としては弱いかもしれませんが
トラウマって相当キツイんじゃないかと思うんです。
ご家族、特に兄より成長してしまった弟くんも胸を痛めていたし。
優しい周りの人達に支えられながら
きっといつか克服出来る日が来るといいですね。
子供の頃に男に襲われたことがトラウマとなり、自分より大きな男と甘いものが苦手になった瑞希(受け・20歳)。初恋だった矢波(攻め・パテイスリー)と再会して、という話です。
表題作「スイート×リスイート」で恋人同士になり、その続編「スイート×スイート」では前作では克服したと思っていたトラウマが完治していなかったと分かることになります。「フレール」は瑞希の弟・翼目線の話です。
設定も内容もとても良いです!簡単に治らないトラウマ。温かく見守る家族や友人と、その気遣いを感じている瑞希も、読んでいてほっとします。
ただ、「スイート×スイート」の序盤部分に、甘いものが嫌いだという瑞希の心中のくだりが繰り返しでてきて、鬱陶しかったです。話の内容に入ろうとする都度、意味ありげに出てくるので気がそがれてうんざりしました。
私は序盤部分を重要視しているので、惜しがりつつ萌にしました。全編が「スイート×スイート」みたいな感じだったら確実に萌2以上だったのですけれど。
題名に使われた「リスイート」(re・sweetと推測)という言葉も、内容が思い浮かんで素敵です。
この作者様の作品をまだ読んだことの無い方もぜひ!オススメです。
栗城さんの「今日も明日も会いたくて」が良かったので手にとりました。
受けの瑞希は小柄だけどけっこう漢気のある大学生。
過去のトラウマで、甘い物は香りだってダメ!大柄な男は弟だってダメ!
攻めの豪は瑞希の初恋の相手。
子供の頃はすごーく可愛くて瑞希が求婚しちゃうくらいだったのに、大きく成長し瑞希の鬼門、パティシエになって再会。
瑞希の過去のトラウマ話は先に想像がついてしまいました。
この原因自体はかなりヘビーですが、なんだろう、甘い物がやたら出てくるせいなのか、それとも瑞希が豪に再会してからかなり前向きに克服しようとしているせいなのか重くなり過ぎないです。
瑞希のトラウマはかなり重症だけれども、豪がいればたとえ克服出来なくても大丈夫だなと読後ホンワカしました。
トラウマを克服したと思っていた矢先の出来事や過去話は重いのに、不思議にさらーっとした感じでスイスイ読める作品です。
あともう少し、瑞希の豪への気持ちの移り変わりにページを割いて欲しかったとは思いますが。
瑞希の親友・怜央もイイ味出していました。
小柄で可愛いけど、中身漢!
(砂原糖子さんの「ミスター・ロマンチストの恋」の親友みたいな)
怜央の話も読みたい…
SSは、瑞希のトラウマの一端は自分のせいだと感じている弟くんのお話。
この話がラストにあることでこの作品を萌えにしました。
簡単に言ってしまえば幼馴染みの再会モノ。
再会するまでの間に受に大きなトラウマができていましたよ、みたいな感じでしょうか。
そのトラウマは結構大きなものだと思うんですけど、攻と再会して昔の気持ちとか思い出して前向きに取り組もうとしているようにも見えるんですが。
甘いものが食べれたらトラウマも克服!という逆説的な展開に「いやいや、それはちょっと…」と受の友人と一緒になってつっこみたい気分になりました。
結果的に甘いものも食べれるようになって、攻のこともこわくなくなってハッピーエンド?
表題作ではそんな感じで非常に物足りなさを感じました。
が。
2話目でその思いは払拭されました。
大きなトラウマは完治してなかったということ。
そのことが原因で2人の間が少しギクシャクというか、それぞれに傷を負った感じというか。
それでも、受が前向きだったり、攻も包容力のある大人?な感じだったので切り抜けていることになるのですが。
個人的にはもう少し自分の中でぐるぐるしてくれる方がツボです。
自己嫌悪の嵐みたいな。
あれだけのトラウマがあるにしては、受ってかなり前向きだと思うんですよね。
まぁ、攻がいるから変わりたいと思う部分が大きいのかもしれませんが。
あとはなんとなく最初に出てきた攻のイメージより全体的に甘いイメージが強かったなぁと。
年が離れてるから甘やかしたい部分とかも多々にあるのかもしれませんが。
最初の方読んだ時はもっと硬派?な感じかと思ってました。