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一気に読めました。
なんという雄味?牡ですね攻めは。
受けの全てを手に入れる為の入念に練られた追いかけっこ。
組の若頭黒田と黒田にスカウトされ心酔し全身全霊で仕える二宮。
常々二宮は黒田を組長にさらには親組織の幹部にしたいと思っていた。
黒田はとんでもない牡ですね。
組事務所や自宅に男女問わず連れ込み相手が失神するまでやりたおし、それを二宮に見せつけて。
しかし黒田はある日突然組長息子を襲い薬を奪って姿を消します。
他の舎弟は連れていったのに一番の部下だと思っていた二宮は置いていかれ。
二宮が気の毒で。
しかしそれは実はな黒田の思惑があって。
確かに黒田のやり方は成功したのでしょうが。それに組を離れて天下を取るつもりでいたようですが。
なんだか二宮が不憫で。何も知らず置いていかれ無能な組長息子の下について黒田を追う日々。
そして捕まえたと思ったら逆に拉致されて散々黒田に蹂躙されて。
殺してやる!と思うもやはり二宮は黒田と組長息子の器の違いを思い、なぜ自分だけ置いていった?無能だったからかと思い悩み。
蹂躙された夢を毎晩見ては寝不足に。
あのままでは二人は結ばれなかった、黒田は本当の意味で二宮を手に入れる事はできなかった。
二宮も黒田を愛する事に気がつかなかった。
これが最良の方法だったとわかっても、やはり振り回された二宮が気の毒です。
でも黒田のここまでしてでも二宮を手に入れたいという強い想いと執着には痺れます。二宮の中でも黒田は男の中の男ですしまあハッピーエンドですね。
今回の攻めは中原作品の中でもわりと牡味が強くてちょい鬼畜気味ではないでしょうか。
中原さんのハードボイルドの一面が、
これでもかとてんこ盛りな男臭い作品。
全く甘い展開ではないのに、
立派なラブストーリーになっている所が凄い!
しかし、ラブストーリーなのに、
甘さなんて欠片もない!
それでも、そんじょそこらの恋人達には負けない
深い愛で繋がっていた二人。
時折、黒田さんひねくれ過ぎ!とか、
二宮さん鈍感過ぎ!とかツッコミ入れたくなりますが、
この男臭さを貫いた展開には圧倒されます。
ハードボイルド苦手な方にはお勧めしませんが、
殴り合って愛を確かめ合うような、
男同士の深い繋がりがお好きな方は是非v
これから始まる二人なので、続編が出ています。
二人の関係がどう昇華するのか楽しみですv
個人的に甘々至上主義なので、
評価は「萌×2」で!
ヤクザものはけっこう読んできましたが、ここまでワルな男はなかなかいない。
若頭の黒田。
傲慢で外道、他にも挙げればろくでもない単語ばかりを思い浮かべるんですが。
平気で色んな女・男に手を出すし、やることは無茶ばかり。
けれど惹かれてしまうのは、黒田の持つ溢れ出る魅力のせいなのか。
破天荒で非道だけど、それでも仲間に対する筋は通っており、ひとたびこの男の魅力に気づいてしまったら中毒になってしまいます。
一方二宮ですが、ストイックかと思いきやウチにたぎるものは熱く、黒田に対する忠誠心は半端じゃない。
その忠誠心は『男として』惚れていると本人は思っているようですが…そこが黒田は歯痒かったのでしょうか。
二宮に気づかせようと、黒田が取った行動は本当に無茶苦茶なものだったけれど、そうまでしないときっと二宮は気づかなかったんだろうなぁ。
黒田のベクトルはずっと二宮に向いていたところが、やはり一番ハマったポイント。
ある意味執念深い黒田。逃げられるわけがありません。
黒田、二宮はもちろん、二人を取り巻く男たちも本当にカッコ良く、『男』を感じた一冊でした。
捕まえてごらんとばかりに受け(だけじゃなく周りもだけど)を翻弄する攻め様が見事でございました。過去のせいでねじれていた受けを素直にするにはこのくらい滅茶苦茶に振り回さないとだめだった、ってことでしょう。いつでも余裕で翻弄してくれる攻め様、かっこいい!大人飼い主攻め×屈折ワンコ受けでした。
追いかけている間のワンコぶりがかわいかった~。受けが嫉妬したり焦ったり、一途に追いかけて翻弄される様が楽しかったです。
脇の迫田とか咲子がまたいいキャラで、かっこよかったです。要するに、受け以外の大人メンバーはわかってたってことなんですよね。で、飼い主が上手過ぎて混乱しているワンコに気付かせてあげようとみんなで協力してあげる。ほんとこのワンコがヘタレで、とっくに落ちてるのに10年たっても成長しないもんだから、飼い主ついに隠れてしまい、見失ったワンコがもうオロオロしまくり。それを覗き見ていた飼い主はさぞや楽しかったろうなぁと思います。
そうはいってもヤクザなので、迫田なんて大怪我をして大変な目に遭ってます(可哀相)。結局、ラブラブカップルの(つか、鈍感ワンコ?)イチャイチャに組巻き込んで大騒ぎ。もちろんハッピーエンドです。
そんな甘いお話をちょっとビターにくるんで、程よい加減が心地よい。
テンポも程よくストレス少な目で読めました。
続きも読みます。
ヤクザとしての若頭の男ぶりに惚れ込んで忠誠を誓う二宮と、彼の忠誠心だけでなく身体も想いも丸ごと支配したいヤクザの若頭・黒田。
名倉組内の後継者に不服がくすぶる中、黒田は他の信頼のおける舎弟を引き連れて反旗を翻す。
二宮は一人だけ置いていかれた事で屈辱感を持ったまま、不本意にもヤクザとしての器が小さい舎弟頭の指示に従いながら裏切り者となった黒田の後を追う。
それも全て策略の内とはいえ、穏やかでない組内の状況を逆に利用してプライドの高い二宮を手に入れようとする黒田は相当にしたたかで貪欲な男だ。
途中、二宮も黒田に捕えられて快楽に貪欲な有り様をたっぷり身を持って味わう羽目になり、その後彼を追い詰めようする中でも強引に体に染み込まされた感覚を思い出す程になってしまう。
そんな中原さんお馴染みの、ねちっこい濃厚なエロ加減は存分に味わえるが、黒田に切り捨てられたと思い込んでいた二宮が追い詰めた後の一発触発で修羅場的な、切羽詰まった気迫も感じたかったかも。
なにせ今まで黒田が抱いてきた他の男女同様に二宮も呆気なく堕ちた感じがしたから、もう少し溺れまいと踏ん張って欲しかったかな?
組内部の描写が敢えてリアルっぽく書かれている割に、話の成り行き上とはいえライバルの舎弟頭があまりにも情けないという点に関してスリル半減だったが、続篇ではヤクザ内の争いもがっつり読めるので、次巻もお薦め。