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もっと優しい人に恋すればよかった。 でも優しい人は、貴方じゃない。
同シリーズの「春恋」「秋色」を先に読んでいました。ですので余計に物語を楽しめたような気がします。物語の後半に出てくる、あのアキが目に浮かぶようで、とても良かったです。
朝丘戻先生は本当に切なさや苦しさの表現がお上手ですよね。それから攻めが受けをからかうような場面のセリフも、思わずニヤけてしまうくらい大好きです。
今回の2人もどちらも真面目で、真っ直ぐ。だからすれ違ってしまったり、相手を思うが故に苦しくなったりするんですよね。
旭も十希もどちらも大好きです!!
自分の父親を看病しながら、沢山の生きるすべ、そして父親が想いを寄せた人の話を教えて貰った十希。身近な人の闘病を見守るって辛いことなのに、幸せだったと言い、日々を日記に残していた十希が、本当に優しくてしっかりした子なのだと感じました。
でも、完璧じゃない。潰れそうになった時に、心の拠があったからいられた。それが、『春へつぐ』と言う絵。
『春へつぐ』を描いた旭に惹かれ、来るなと言われながらも、料理を作りに通う十希が可愛くて健気でたまりません!
でも、思うままに突っ走らない。一度考えて行動する姿は、大人びて見える。
人生の分岐点に立った時に、自分はこんなに冷静でいられるかなぁと、色々考えてしまいました。
旭は、ほだされましたね。通い妻みたいな十希の手料理を食べ、自分の作品を理解してくれる。好きになるのは早かったけれど、十希の両親や彼の将来を考えると、踏み出せない葛藤がもどかしく、それを受け入れて離れる覚悟をした十希の潔さがせつない。
結果、離れられるわけないですよね旭。ここからは、ニヤニヤが止まりませんでした。
なんやかんやで、読むと幸せになる朝丘先生の作品は、やはり自分の好みに合っているんだなぁと思いました。
「春へ」のCDですが、ドラマCDではなくダリアさんとリブレさん共同フェアの特典朗読CDです。
「春へ」に出てくる画家の旭が高校生の恋人、十希に「遺言」のような気持ちで声のメッセージを残すという設定です。
冒頭から何を話そうかそわそわする鳥海さんにかわいさを覚えてしまいます。
でも落ち着いたらちゃんと年上で頼りがいがある所を聞かせてくれます。
自分が天国に行き十希の両親に会ったらこう話すつもりだってこと。
(内容は聞いてのお楽しみ)
色々な事情から人間不信になって、絵に対する焦りや不安から落ち込んでいたのを
救ってくれた十希を「特別」だから、離れない。幸せにするという。
旭の十希への深い愛がこちらにも伝わってきます。
極めつけは「泣くなよ・・死んだって俺は幸せなんだから。」
あとは、是非CDを聞いてみて下さい。
これでもだいぶ省いたのですが、十希が聞いている所を想像するとうるっときます。
そして本編「春へ」を読んでもらえるともっと旭の性格がわかり、
どれだけこの告白を頑張ったかがわかると思います。十希もいい子ですよ。
他の方が「攻め視点の話しが聞きたい」と書かれていたので これはぴったりです。
あーーーー
読んでいる最中も、読後感も、
頭の中をこだまするフレーズは
・・・・・・・・ああ・・・朝丘戻。
モノローグで語られる、十希の想い。
文章的にはとっても切なきれいで、
文章からきれいな映像イメージがキラキラサラサラあふれ出てくる。
テーマが絵画だし、この絵画的な世界は、それはそれで素晴らしい。
で、そんな映像世界に酔っている分にはいいんだけども、ふと、思うんだ、
この高校生・十希、、ヤバイよね、っつか、できすぎ。
そして頭の中を駆けめぐる、ああ・・・朝丘戻。のフレーズ。
少なくとも、一度でも朝丘作品に地雷感じたことのある方にはオススメできない
と、言っておいた方がいいと思った。
そして、この際だから絵のことも。
小椋ムクさん、とっても人気があって、特にカバーのカラーイラストとか、とってもきれいで雰囲気あって、私も表紙買いすること多いけど、結構な確率で読むと三点リーダーの嵐的な、レビューに苦労する作品にぶち当たるの。
なんでだろう。
しっとりしていていいお話だったと思います。
文章が瑞々しくて、キャラクターに合っていました。
引き込まれて一気に読みきるのではなく、
なる前に一日少しずつ読み進めていったので
最後まで読んで章のタイトルのからくりを知ると
とってもじんわりしました。
途中ちょっとキャラクターが掴みづらかったので
萌×2にしたけど、お話は神評価です。
主人公(受)がしっかりしているからなのか
年の差をあまり感じなかったのが残念だったかな(´・ω・`)