「旦那様、抜かないで…もう一度、挿れてください!!」

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表題作男妾

堂島巌
亡き父の友人で陸軍大尉
白城速人
父を戦争で亡くした母子家庭の息子

同時収録作品名もなき君よ

隊長
兵士

同時収録作品斜陽華族

アダム
陸軍少尉、運転手兼ボディーガード
マイヤー/ルーク
アダムの使用人/伯爵家の息子

その他の収録作品

  • 斜陽華族 それから・・・

あらすじ

父が亡くなり、病弱な母を抱えた少年・速人は学校を辞め、働こうとするが、なかなか仕事が見つからず、途方に暮れていた。
そこに、知り合いの薬屋から、父の友人の軍人・堂島の世話係を紹介されるが、それは事実上の〈愛人〉であった。
母のためにその話を受ける速人だが、その日から、無垢な体を男を悦ばせる肢体に調教されていくのだった……。
表題作の他、主人と使用人が逆転する下克上ラブ『斜陽貴族』シリーズも収録!!

(出版社より)

作品情報

作品名
男妾
著者
水上シン 
媒体
漫画(コミック)
出版社
マガジン・マガジン
レーベル
ジュネットコミックス ピアスシリーズ
発売日
電子発売日
ISBN
9784864520553
3.7

(23)

(4)

萌々

(10)

(8)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
9
得点
85
評価数
23
平均
3.7 / 5
神率
17.4%

レビュー投稿数9

男妾

古きよき耽美作品という趣のある一冊だと思います。

短編集で、表題作の他、「斜陽華族」シリーズが収録されていますが、表題作がとてもツボな作品でした。

体格のいい軍人さんと、薄幸な美少年との甘いやりとりが、萌えポイントだと思います。話が急展開し、びっくりするところもありましたが、どんどん変わっていく少年の姿が、とってもよかったです。

レトロな雰囲気のお話で、雰囲気重視のお話かな、と思いますが、こういう話は好きです。

0

没落、妾奉公。身一つでできることとは?

2012年発表の水上シン先生作品。
「男妾」。おとこめかけ。
このタイトルの圧‼︎
BLタイトル大賞があったらノミネート確定でしょう。

「男妾」
父親が戦死、母親は病弱。
遺された15才の速人は貧困に直面する。
そこを助けるのが大尉・堂島。
堂島はよこしまな気持ちは無かったけれど、結果的に速人を囲うことになる…
健気な速人。
硬すぎる果実を拓かれる速人。
2人はある意味両想いなのです。それでも周囲からは「速人は男妾になった」と後ろ指を指される。
臥せっている母親もそれを知り…
リアルに差別の対象となる同性愛の形として描かれた、残酷でキツいBLです。

「名もなき君よ」
4ページのSS。
戦時中、激戦地の南洋の地。
この世の最後の思い出に、隊長に抱いて欲しいと願う一兵士。
名も知らず兵士を抱く隊長だが。
一匹の軍用犬は隊長に想いを寄せたのだろうか?彼の「特攻」がいつまでも忘れられない。

「斜陽華族」
元陸軍少尉・アダムは今運転手。サリマン伯爵家で働いていたが、家は没落してしまい子息・ルーク様が売られそうになり家に連れ帰る。
アダムの家も貧乏で、やりくりに苦労している使用人のマイヤーがいてルークを引き取るというアダムを責めるが…
マイヤーによるルークの調教、ルークを崇めているアダム…
ならマイヤーは?
ならルークは?
途中からエロ描写全開ながら非常に崇高なストーリー展開になっていくのです。非常に巧みです。
…とここで終わればキレイなんだけど、さすが水上シン先生。トンデモギャグも忘れていません。ラストはズッコケで終わりますよ。

2

「斜陽華族」が意外な決着の三角関係モノでイイ!

このコミックは表題作よりも、同時収録作品の「斜陽華族」を私は推したいです!
そう来るか!ってな三角関係で面白いうえに、水上さん流の麗しいエロスシーンが満載、お話も甘切ないラブストーリーで痛い要素はなく読みやすいです。

登場人物は、没落してしまった伯爵家の子息〔ルーク〕、軍人でルークのボディガード役〔アダム〕、アダムの家の執事〔マイヤー〕。
ショタっ子美少年、軍服筋肉、ノーブル美形と【ザ・水上キャラ】って感じの三つ巴で美味しい組み合わせでございます♪
アダムが軍人なんですけど漢漢してなくてちょっとヘタレなとこがいいし、ショタエロいルークはコイツ成長したら男前攻めになるな!って感じのギャップ萌えショタだし、何より執事のマイヤーさんがドエロかわいい♡♡♡
そして個人的に超超超大好物な萌えシチュである“2P+1”な3Pシーンまで読めてしまって滾るったらない(〃ω〃)♪♪
100ページほどのお話ですがギュギュッといい萌え詰まってます!

あと、真ん中に箸休め的に収録されている4ページの掌編が4ページと侮るなかれな作品です。
意味が分かった瞬間に襲ってくる悲しさ、犬好きには耐え難いものがあります……(T_T)
こんなの泣いてしまう。。なんてお話描いてくれちゃうのですか水上先生…。

0

永井荷風「墨東綺譚」へのオマージュ??「男妾」

”ごっつあんです”久しぶりに美味しいお寿司か会席料理を食べたようです。
軽い感じの作品が多いBLにあって、かなり特異な作品だと思います。
まずは表題の「男妾」~永井荷風「墨東綺譚」へのオマージュ?
時代はシナ事変が始まった昭和10年代~でしょうか。(父親が戦死、攻め役の堂島大尉の軍服から判断するとそうなります。)主人公は15才の中学生、病気の母親のために男色趣味の軍人、堂島大尉の妾になる事で生活費を手に入れようとします。この時代公娼制度がありましたから、女性なら生活のために身を売るのは当たり前の事でありました。ゲイバーはすでに大正時代にありましたから、おそらく吉原や玉野井といった色町には、少年を置いている陰間茶屋があったものと思われます。ウリセン=男娼をおいた秘密倶楽部や、私娼窟もあったと思います。
物語は小雨の降りしきる場面が何回も出てきますので、初夏~梅雨の時期ーあの永井荷風の恋愛小説「墨東綺譚」を思わせますね・・特に主人公と相手役の堂島大尉が雨の日に道ばた出会うシーン・永井荷風のオマージュのように感じます。
主人公の回りにいるお節介な男色家の薬屋の親父と、その愛人の役者くずれの若い男・・色々と世話をやくこの二人は、どこか牧歌的な昭和の時代を象徴しているようです。体が大きくがっしりとした風貌の堂島は、おそらく九州出身の薩摩隼人でしょう。(明治~昭和の初めの同性愛をテーマにした小説には、攻め役はだいたい薩摩(九州)出身なんです。)華奢でか細い、美少年の主人公と相手役の対比が余計この物語の艶やかさと、なまめかしさを出しているんです。プライベートでは、和室で着物でくつろぐ堂島大尉、小雨のふる初夏の蒸しっとした季節、華奢な美少年との戯れ・・そして世間に知られれば、後ろ指さされる陰の世界・・それでも相手の堂島との愛を貫こうとする主人公の葛藤と悲しみ・・独特の雰囲気とリアルな時代設定 これは水上ワールドでも1位2位争う素晴らしい作品だと思います。続編があるのなら、ぜひ書いていただきたい。

「名もなき君よ」
戦場につれていかれ、人間と同じく特攻作戦に利用された軍用犬に対するレクイエムだと思います。短い作品ですが、犬の擬人化・一夜の関係を描いたこの作品は、たった4ページの作品なのにすぐれた反戦漫画だと思います。

「斜陽華族」
落ちぶれた貴族の生活サバイバルを描いたコメディータッチの作品です。
男3人という、エロ度満開の設定は女性ならみな萌えると思います。この作品は、リアルさというよりも内容と設定を楽しむ作品だと思います。
水上さんの作品の登場人物はどちらかというと、日本を舞台にする和風物よりも、欧米を舞台にした作品の方が本領を発揮すると思います。個人的にはごく平均的なBLボーイズラブ漫画だと思います。あまり特異な作品ではなく、単純に美青年・美少年の絡みで萌えたい女性には最適だと思います。


3

ファンタジーを求む!

 水上先生の軍服作品ですが、戦場は出てきません。戦争で父を亡くした速人が父の友人である堂島の愛人になるという、ありがちな設定のお話で、エロの時の「旦那さまぁ」とか萌えポイントも多いのですが、速人と堂島の体格差が大きすぎるし、堂島をけしかける隣の住人とその男妾は気持ち悪く、そしてストーリーが妙にリアルで、なんだか考え込んでしまいました。
 水上軍服はシリアスでもコミカルでも、男同士の関係がまわりからは黙認されていたり、認められている場合が多いのですが、これは違います。速人は友人たちからも近所からも、ましてや母親には母子共々自害するとまで言われます。
 世間からどんなに後ろ指を指されても一緒にいたい、堂島も人目をはばからず速人を愛している。二人が相思相愛ならそれでいいというラスト。私はもう少しファンタジーな方が良かったなぁ。

・『名もなき君よ』
 「この世の最後の想い出に」と隊長に抱かれる名もなき兵士。一体お前は誰だ?と思いながらもひと時を過ごすのですが…。軍用犬の擬人化です。沢山の手榴弾を背負って飛び出す軍用犬。たったの4ページで泣いた。私、犬には弱いんです。

・『斜陽華族』
 ちょっと風変わりな三角関係。没落貴族のルークと、彼を引き取る元運転手のアダム。アダムが昔引き取った、こちらも没落貴族だったマイヤー。
 マイヤーはアダムのために、ルークはマイヤーのために、それぞれが好きな相手のために自分の想いを隠して頑張ります。アダムは流されながらも自分の本当の気持ちに気が付きます。3人で一緒のベッドに乗りますが、3Pと言う程ではありません。アダム×マイヤーをちょこっと手助けするルークです。
 数年後、成長して現れたルークは攻めの香りがしましたよ( ´艸`)クフ

 水上先生はこの作品の後は商業の執筆はお休み中なのでしょうか?たしか子育てをしてらしたので、それがひと段落ついた頃に復活して欲しいなぁと思います。水上先生みたいな作風って中々無いですよね。もっと読みたいです!

1

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