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表題作もうこれ以上、愛せない

加地陽紘 31歳 パティシエ
穂波千明 31歳 社長秘書

あらすじ

七年前に恋人の誠樹を喪って以来、実業家の従弟、高階の秘書を務めながらひとり静かに生きてきた千明。
だが、そんな千明にはここ一年ほど密かに気になっている相手がいた。それは高階のビジネスパートナーである天才パティシエの加地だ。
最近は仕事の上だけでなく、プライベートでも美術館巡りをする仲。しかし、自分は再び誰かを愛せるのか、もしまた大切な存在を喪ったら…。
千明の心にブレーキがかかり…。雨色センシティブLOVE♪

イラスト:笹原亜美

(出版社より)

作品情報

作品名
もうこれ以上、愛せない
著者
牧山とも 
イラスト
笹原亜美 
媒体
小説
出版社
イースト・プレス
レーベル
アズ・ノベルズ
発売日
ISBN
9784781608488
3.3

(8)

(1)

萌々

(3)

(2)

中立

(2)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
5
得点
25
評価数
8
平均
3.3 / 5
神率
12.5%

レビュー投稿数5

泣きました(;_q)

超シリアスです。

牧山先生の得意な、コミカルな感じが、全くなく・・・違う人の小説を読んでいるようでした。

それにしても・・・受けの千明さん・・・あんな家庭環境で・・・おまけに最愛の恋人にも先立たれ・・・不幸全開でした。

千明ちゃんの絶望感や辛い気持ちも、うまく表現されてて、一生懸命さも垣間見えてて・・・
もう、浸りました・・・泣きました・・・一気読みしました・・・。

ちなみに・・・Hな場面はほぼありません。最後にちら~っとです。

攻めさんは・・・・・・・・・。
お話の最初から「恋のお相手はこの人ね~」と分かるんですが・・・凄い人だって分かるんですが、陰薄いです。
亡くなった恋人のインパクトが強かった~。

2

不幸受け

(本編より)
「ずっとそばにいるつもりだったのに、期間限定でごめんな」
この言葉で私、号泣 つД`)

受け様は親からは疎まれ、初めてできた恋人にも先立たれ
自分が愛したり欲した人間は手に入れられないし
今後、自分の手から離れるようならもう耐えられないと
一生独り身で静かに暮らしていましたが、
先立たれた恋人から「幸せになれ」と遺言の様に言われ
それを胸に静かに暮らしている方です

攻め様はそんな悲しみに倒れてしまいそうな受け様のイトコの友人で
仕事の付き合いもあり、休日一緒に出かける仲でもあります

前半はとにかく受け様の日ごろの生活や
どれだけ親から疎まれてるとかで苦しい展開
そして 初めての彼氏だった人との楽しい思い出と別れが
えがかれています

後半になり攻め様の猛攻がww始まりますが
ここまでどん底の受け様を救ってくれるのは
グイグイ来てくれる今回の攻め様が丁度良かったのではないでしょうか

不幸受けといいますか
とにかく可愛そうな受け様が好きな方必見です!
そして溺愛と執着w

1

愛されることって大切なのです

父親に愛されず、かつて愛した人は病気により他界し、愛し愛される事に怯えきった受けの千明が
攻めの加地や従弟に見守られながら愛する事に前向きになっていくストーリー。

牧山先生の物語はほとんど、受けと攻めの視点が交互に進んでいくイメージがあるんですけど
これは全部受け視点です。
なので加地と結ばれるまでは終始重い雰囲気が漂っています。
家族との不和、恋人との死別、加地に対する恋情への諦観などなど……

物語序盤で、千明の父親の暴虐ぶりに血管がぶち切れそうになります(怒)
父親の出番が序盤のみでよかった、ほんとに。

攻め視点が無いので想像するしかないのですが、読み返してみると「あ~この人頑張ってるなぁ」と分かります。
千明にじりじりと近づく加地w
大胆に近寄ったと思ったら、ちょっと間を置いてみたり(意図してではないんですけどね)

でも本当に、最後は思いが通じ合えて良かった!と思えるストーリーでした。
千明にはもっともっと愛を知っていって欲しい…と思えます。

ところで、牧山先生の書かれる一行が長いせいか、ちょっと最近読みにくい…
最近の電子書籍onlyのやつはそうでもなかったんで、この本だけかな??

1

死んだら後を追って欲しいっ!!

牧山先生のシリアス作品、たまに忘れていた頃にぽん!って感じで出てきます。
恋人を病気で亡くし、自分の分まで生きて幸せになって欲しいと言い残した元彼。
亡くなる寸前にまた、逢いに来ると言ったのに、果たせなかった約束。
だから、最後に元彼と約束した幸せになる事だけは諦めないで約束を果たせるように
ひたすら生きる受け様。
そして、そんな健気な受け様に対する心無い家族、父親がかなりいっちゃってます。
こんな健気で繊細な息子の父親とは思えないような悪辣オヤジに怒りがメラメラです。
でも、今回のこの作品、攻め様の存在感が中盤位までかなり薄いですね。
中盤部分までは、受け様と元彼、その家族と受け様の家族や、元カレが亡くなってからの
いざこざなどが描かれている感じで、二人の恋愛的なものは、中盤以降になってから。

元彼を忘れられないって言うより、新しい恋をするのが怖い、その相手が目の前から
消えてしまったらと思うと前に進む事が出来ない、そんな感じですね。
それが、半分あきらめてしまうかもと言う時点で、受け様のナイスな従兄弟がお節介
おお~い、受け様を追い込むなって内容ですが、受け様には後を押してくれるものが
必要だと思える内容でした。
亡くなった元彼は、受け様に生きる事を願うのですが、攻め様はそれとは真逆の事を
受け様に告げる。
心が狭くて自分意外と幸せになんて願えないから、後を追って欲しい、かなりグッと
くるフレーズでしたね。
後半になって牧山ワールドの優しいけど強引なんて風味が攻め様に出て来て
やっぱり攻め様はこうでなきゃなんて思いながら楽しませて頂きました。

0

丁寧敬語攻め

大学生のときに恋人を亡くし、大事な人をつくることに臆病になっている穂波。そのうえ、同性と付き合っていたことがばれて親から勘当されています。

お相手は従兄弟に紹介された有名パティシエの加地。
物腰が柔らかく敬語の攻めです。
この人が穂波に好意があるのはわかりやすいのですが、どうにも前半は亡くした恋人とのエピソードがしっかりしていた分、気持ちをそっちに持って行かれて、加地と穂波の恋愛ものというのに入り込めませんでした。

恋人を亡くしたり親に勘当されたりと、穂波の境遇は不敏なのですが、反対にお金持ちの従兄弟が後ろ盾についてくれて、才能を活かした仕事やいいマンションも用意してくれ、誰もが見とれる容姿をしていて、有名パティシエに口説かれて…と、不幸受けというのもちょっと違うかな?と思います。
卑屈な言い方ですが、わりと現状は恵まれている感じがするのに対して、「欲しいものは手に入らない」「自分は幸せになれない」など、ストーリがどうも穂波の境遇を卑屈にもっていきたい感じがするのが頭の中でしっくりこなかったかも。

恋人を亡くした過去というのはインパクトがあり、お別れするシーンは涙ものでしたが、それだけで一冊展開させるにはちょっとストーリーは弱かったかもしれません。
そこからどうなるか、というとやはり設定云々より受けと攻めのキャラクターとしての魅力が大事だと思います。
どうにも、加地にも穂波にも当たり障りがないというか、穂波は健気で臆病、加地は物腰の柔らかいイケメン・・・ですが、惹かれるという魅力や個性が薄かったように感じました。

加地の落ち着いた敬語攻めはなんだかいそうでいない攻めタイプに思えたので、そのあたりがよかったと思います。
挿絵はすごく綺麗でした。

0

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