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アンバランスなネオンサイン

unbalance na neon sign

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表題作アンバランスなネオンサイン

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

音温(ねおん)はお前のことが好きらしいぜ」――
ある日バンドメンバーからそう聞かされた雷悟(らいご)。
あのクールなボーカルの音温が?
驚きつつも意識し始め、気づくとすっかり恋をしていた。
ところが、なんとそれは真っ赤な嘘だと発覚!!
でも気持ちはもう止められなくて!?
バンドをとるか恋をとるか…ドタバタ青春恋愛模様♥

作品情報

作品名
アンバランスなネオンサイン
著者
京山あつき 
媒体
漫画(コミック)
出版社
徳間書店
レーベル
Charaコミックス
発売日
ISBN
9784199605369
3.9

(47)

(15)

萌々

(20)

(8)

中立

(3)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
14
得点
182
評価数
47
平均
3.9 / 5
神率
31.9%

レビュー投稿数14

バンドの絆にうるっとしちった

最初、バンドものか〜と思ったんですよね。
音楽やバンド自体は好きなんだけど、漫画で描かれるとどうもカッコつけすぎというか、キザやくささを感じることが多く苦手意識が少しありまして。
でも、そこは京山先生ですよ。すみません、そんなん全くなかった。
逆に素朴で一生懸命で、ライブでもその辺のお兄ちゃんたちががんばってるよ、な感じで好感が持てました。

内容としては、雷悟が純情ボーイですね。
保のウソを疑うことなく信じて1年間、音温(すごい名前w)を思って。

ウソだとわかって自分が滑稽だとぐるぐるしても、音温は魅力的で、あきらめることはできず、好きでいるしかねぇじゃんて。
この夜中の公園のシーン好きです。
バンド仲間の絆あり、雷悟はやっぱり音温が好きだと思い至るとこ。

音温も雷悟に曲について説明する時の、すんごい恥ずかしがり方がめちゃくちゃかわいい。
後に、その曲への思いがわかって、そういうことだったのかと納得しました。

実家から戻ってこない音温に会いたいと思わず、そっちに行きたいと言う雷悟。
雷悟が何度も、会いたい、と思って切なさが伝わるところ、こういう見せ方が京山先生お上手で好きです。

音温が雷悟にいい仲間だといい話をした後、犬のウ○コを拾って、それで雷悟が「仲間だ」と言い(好きだ)と思うとこ。
すんごいおかしくて笑っちゃうんだけど、こういうとぼけたことをしれっと挟んでくるタッチがまた京山先生らしくて、たまらないですww

雷悟がギターの話、音温のお父さんの話とかも。

告白してしまった後の雷悟の号泣っぷりもいいし。
それを電話で聞く保の後ろでビックリ脱力するケイちゃんが最高です。京山先生こういうとこー!!

で、で、音温が雷悟に気持ちを伝えた場面、雷悟が大号泣しているのもいいし、何より、保とケイちゃんが肩組んで泣きそうな表情をしているのを見てうるっとしました。感動〜。

その後、ライジング・サンの曲をつくったきっかけを雷悟が話すと、3人が大爆笑していたのは笑いました。そう、いい話だけじゃなく、ちゃんと笑わせてくれるところがさすがです。

ラストは、保にエイプリルフールをやり返したのもナイスでした。

0

罪か僥倖か

 エイプリルフールにつかれた嘘を1年も信じ込む、というなかなかないであろうきっかけから始まる恋なんですが、京山先生の手に掛かると不思議と非日常的、夢物語的な空気が一切ない、とても現実味のある作品になるんですよね。1年間音温が自分に気があると信じていた間の雷悟の心情、それが嘘だったことを知ってからの心情、そして、1年間雷悟が自分に狙われていると思いながらもあからさまに態度を変えなかったことを知った音温の心情。一見するとカジュアルな会話が繰り広げられているように見える中で、これらの心情が実はとても繊細に描写されていて、そこでそうなるか?と不自然に思う展開や台詞がまったくないんです。

 自分に気があると聞かされて、ノンケなのにすっかり音温を意識するようになった雷悟。優しくしたい、格好良くありたい。他の男より自分を見て欲しい。ようやっと自分の方から告白しようとした折に嘘だと知って、頽れる。でも、1年間も観察してきた音温のことをいきなり意識しないようにするのは無理で。いつの間にか彼にどっぷりハマっているのは自分。一方で音温の方は、1年も騙されていた雷悟に最初はただ驚いていたのが、騙されていた間の彼の態度を思い返し、ただそっと寄り添ってくれていた彼の性格を愛しく思い始める。

 神評価にできなかったのは最後くっつくところまではっきりとは描かれなかったからなのですが、残念な結末だとは思ったわけではありません。愛おしいという気持ちが、簡単に恋に繋がらない場合もままあると思います。雰囲気に流されない誠実な音温の態度も好ましかったです。彼の雷悟に対する気持ちは、単なる恋よりもずっと多くのものを孕んでいる。それこそ、俺も好きだと告白するよりもっと熱いと言えるんじゃないでしょうか。2人のそんな渦巻く感情が終始丁寧に描写されていて、印象的なシーンばかりでした。ぽろんと零れ落ちたみたいに告白した雷悟のシーンが一番好きかな。希望も持てる終わり方でした。

0

セッションとセックスの近くて遠い関係性

「あさってのジジョウ」が個人的にヒットだったので、即日作家買い。
雷悟(らいご)と音温(ねおん)の顔は「あさっての~」のカプと見た目クリソツ~(笑)にも見えますが、ストーリーはまた違った味わい。「萌えるセンシティブ」っぷりも「あさっての~」に負けず劣らず!
京山さんの作品に出会えて、自分の意外な萌えツボを発見できた気分。この出会いはちるちるのおかげです。

相手に好かれてると思って意識してるうちに、その相手を好きになってしまう――
しかも、それがまた全くの勘違い。
相当恥ずかしいパターンですが、これは、そのイタい勘違いから始まる物語です。
もっとも、勘違いが勘違いと分かるところからストーリーが始まるため、描かれてるのは勘違い中のイタさではなく、勘違いと分かった瞬間、両想い妄想から片想いの現実に突き落されるイタさ。
似た経験がある(恥)だけに、ハンパなくリアリティーを感じます。
雷悟の揺れ動いていく感情の捉え方も鮮やか。雰囲気はゆるいのですが、その実、文字通りセンシティブで繊細な作品だと思います。

さてこのお話、ただの片想い以上に切ないのは、同じバンドのメンバー同士ゆえに、絶対に関係を壊すわけにはいかないこと。そして、雷悟と音温が、音楽の面ではすごくいい感じに共鳴し合ってるということ。
音温に好かれてると勘違いした雷悟が、音温を想いつつ作った曲「ライジング・サン」(←勘違い中だけにタイトルもイタいw)が、音温は大好き。しかも、雨の夜、雷悟と二人だけでドライブした時に、今までにない恋の歌のインスピレーションを得る音温…

音楽のセッションはよくセックスに例えられますが、音温の雷悟に対する気持ちも、限りなく恋愛に近く見えます。でも、彼の中ではあくまでもそれは恋愛じゃあないらしく。
雷悟の気持ちを知らない音温に罪はないものの、それだけに、音温の一挙手一投足が、雷悟にとっては残酷なんですよね。
そんな切ない想いで雷悟が見つめる音温は、やたらエロティック。Gパンの破れ目からのぞく膝頭にさえゾクッとさせられて…

結局雷悟はたまりかねて音温に自分の想いをぶちまけてしまうのですが、関係崩壊は免れたものの、音温の気持ちは(対読者には)最後まで見えないままで終わります。
二人にとって大切なものはたくさんあって、それは、音楽だったり、気持ちの通いあったバンドメンバーだったり、家族だったり…恋愛だけに突っ走るのではなく、いろんなものを大切にしながら関係を温めていく大人のストーリーなので、性急に答えを見せない結末にも納得できました。
癒えない痛みは癒えないまま?でも二人の関係が進展してる可能性も残しつつ…そんなリアルな余韻の漂わせ方が好きです。(でも本当~は真実が気になってます!)

「あさってのジジョウ」のレビューにも書きましたが、京山さんならではの等身大で切ないストーリーと、この独特の絵が醸し出す世界観、ほんとクセになります。また近いうちに新しい作品が読めることを楽しみにしています。

4

また会おう!!

はじまりのごく2ページに片思い独特のうっすらとした切なさが漂うのに、直後から始まる真逆の展開で一気に引き込まれます。
雷悟としては思い悩んだすえの言葉でしたのに、気が付いてしまうんですものね【騙された…!】と。
そりゃあタモツも殴られて当然です。いやいや勘違いしたほうが悪い、のかもしれませんがどうやら騙されやすかったらしい雷悟に無茶な嘘をついたタモツが圧倒的に悪いと思います(笑)

雷悟としては、思い違いを継続させるだけの要素が、そう勘違いできてしまうだけの言葉が、ネオンからあったのですよね。
すると、その裏を考えてしまうと思うんです。
それこそ『雷悟としゃべってるほうが楽しい』と言われれば、これはアプローチのひとつなんだろうか? とか。たとえネオンにその気がなかろうとも。
【自分(雷悟)が思いを知っている、ということをネオンは知らない】と思っていることもまた、ここまで事態を長引かせた要因です。たち振る舞いを迷いますし、バンドは続けたいし、ネオンからの告白はない(当たり前)し……そう思うと雷悟にとっての1年間ってものすごく悶々と迷いに迷いを重ねて押しつぶされそうになった(お陰で曲もできてしまった)長い期間だったのですね。

これまたネオンも良い子で、雷悟が気にして気にしてまた悶々としているなかでもネオンは優しく気遣ってくれる。なかなかそういうことはできないと思います。
別にそれが同性だからということではなく、異性間の勘違いでも同じように気まずくなることは必至です。
だからこそ雷悟の不思議な勘違いが育っていく理由にもなったんだろうなぁとよくよく分かります。
1話終了後から片思いのはじまりですが、それからいくつもネオンには魅せられます。性格だけではなくルックス自体もたしかに、線が細くて…どうやらソチラにも好かれるようですし、有り得るのでしょうね。
なかでも、雷悟とレンタカーを返しに行った際にできた曲、あの曲のことについてのネオンはとても魅力的でした。照れるのは仕方ないですよね、だって【雷悟から雷悟のことを好きだと思われていた】うえでのちょっとセクシーな曲をその雷悟との雨のエピソードとくっついているのですもの。雷悟にとっては嬉しいけれども(笑)

単行本内では終了後も片思い続行のままですし、ふたりの間で密接に繋がることはありませんでしたし、終始ひたすら雷悟が悶々としているお話なのですがとても楽しい一冊です。
バンドメンバーひとりひとりも魅力的で、お互いそれぞれが皆のことを大事に、そして必要不可欠なものとして捉えているし、そして事実そうですし。楽器、じゃなくて人として、メンバーとして大切なんだなと伝わってきました。
雷悟が抜けるどうのこうのになったときも、皆揃って泣いたり喜んだり…。ネオンの雷悟に対する尊敬込みでの別の意味の愛しているも聞けて満足です。

京山先生の漫画は展開もリズミカルですし、心理描写のなかでも葛藤や悩みといった延々思考回路を埋め尽くような感情の表現がとても好みで、読んでいるとページを捲る手が止まらなくなります。
サラッと描かれたようなタッチですが、このタッチが京山先生の作風に非常にマッチしているんだと思います。だからこそより一層入り込んでしまう。
描き下ろしも満載です。また彼らにどこか、他作品内の雑誌のなかとかでも、会えたらいいなぁと思う素敵な作品でした。

6

ノンケ×ノンケの照れくささとか…萌たぎる!!

バンドものという理由だけで買った一冊です。
この作品笑えた&ちょっぴりあったかい気持ちになりました!
バンドメンバーのタモツから、「ネオンがお前のこと好きらしいぜ」と言われた雷悟。
それはエイプリルフールのウソだったのに、雷悟はネオンが自分のことを好きなんだと一年間も信じていました。
バカですね~(笑)でも同時に純粋な人なんだろうな、って感じます。
だけどお腹よじれましたw
バンドさんでブログやツイッターでエイプリル企画する人たちもいるし、こういうノリは分かるなぁ。

雷悟はもともとノンケなのにメンバーのウソに衝撃を受けて、
そこからネオンのことを気にし始めて、嘘が誠になってしまったんですよね。
この展開が最高にツボです。
ネオンのほうも「自分が雷悟のことを好きって思われてたのが、キョーレツすぎて…」と言っていて彼もノンケなんですが。
なのでノンケ×ノンケですからここからが色々大変なのです!!

ネオンは自分のことを好きじゃないのか、そうなのか~とショックを受けつつもグルグルしてしまい、
「ネオンが好きだ」とタモツに告白する雷悟(笑)だから!告白する相手を間違えてるし;

そして雷悟がネオンのことを思って作った歌が「ライジングサン」www
EXCILEと被っとる(笑)

ライブ遠征に皆で車に乗り込んで~とか、インディーズの雰囲気出てますね~ニヨニヨ。
あー!いい!京山さん分かってる!分かってるよ~!!

そしてどんな歌を作るかって言う時に、セックスだとかエロスだとか狂気だとか言っていましたが、
結局ネオンは自分の気持ちをそのまま歌詞にします。
思うに、歌は自分に嘘をついたら魂込めて歌えないから等身大を書けばそれでいいんだと思うんですよね。
それが情けない内容の歌詞になってしまったり格好悪い内容だったりすることがありますが、
等身大の歌だからこそ聴いてる側には色々伝わるし共感もするんですよね。ネオンは正しい。
そしてネオンが作った歌は「BL的なアレは全くないから安心してくれ」www
だめだこりゃ!

でもそのあと、何となくネオンとの雰囲気が良くなったので、
雷悟は言うつもりはなかったのに間違えてネオンに好きだと言ってしまうんですよね。
そしてネオンに何度も「ごめん」と謝りながら去って行きます。
家に帰って号泣きする雷悟がなんだか可哀想でした。

色々大嵐が吹きましたが、最初は戸惑ったネオンでしたが、雷悟の本気の気持ちにネオンもきちんと答えることが出来て…。
ふぅぅ。雷悟良かったね~!!思わず私もホッとしました。
しかし同じバンド内でデキたら他の人たちやりずらくない!?とか思いましたが、とりあえずハピエンで良しとしましょう(笑)
そして二人がラブラブとかエロエロとかの描写が一切なく、本当に付き合っているかどうか分からない感じの終わり方でしたが、ノンケ×ノンケ好きの私としてはこれがむしろ丁度良かったです!!ラストは私の中では良いラストでした。

作者さんがあとがきにて音楽活動とマンガ活動のインディーズ時代は似ているとおっしゃっていましたが、分かります!全く一緒とは言いませんが、共通するところ割とあると思います。
ご自分の体験を音楽設定にシフトして、リアル感を出しておられたのがとても良かったです。
あと、バンドさんのBL的な二次創作もの、本編にもあとがきにもお話が出てきましたが、
あれ、私も怖いもの見たさで自分の好きなバンドさんの同人誌読んだことあります。
同じ腐女子ながら「腐女子パねぇ!!」と思ったものです。メンバーで妄想したことがなかったので結構な衝撃でしたね(笑)
おそるべし腐女子の愛の創作!!
それをネタにしてくれる心の広い某バンドさんに感謝だよ…。

全体的にコミカルで楽しかったです。
このバンドのノリが分かる人はハマるとすごく面白い作品になると思います。

9

雨降って地かたまった…のか?

合体はおろかキスもない…なのに、なぜこんなに萌えるんだ!?

仲間の嘘から始まって、一年もの間、相手を傷つけないように気を使って、意識して、カッコ良くあろうと頑張って…気がついたら恋心を育てていた雷悟。

…なのに嘘発覚と共に笑い話にすり替わってしまった想いは行き場を失った。

これって『かっこ悪ッ』とか『滑稽』の一言で片付けちゃうこともできるんですよ。

京山さんの投げやり一歩手前の線がマイナスな姿をおどけた感じに描いているからユーモラスで実際、クスっと笑ってしまう。

感情が最高潮の瞬間、バカッと崩された表情の可愛さとあっけらかんとした姿に口元は緩む。

なのに、読んでるうちに泣けるんですよ、ハラハラと涙が落ちる。

雨の日のドライブ、ジャングルジムで語る音温を見つめる雷悟の純情と切なさがヒリヒリ伝わってくるんです。

音温の中には自分と同じ『好き』はないと知っても、自分の『好き』はなくならない。

置き去りの想いを抱えた雷悟が音温に告白した帰りの電車で一目もはばからず泣き崩れる姿に、こちらもボロ泣きです。

大きな体躯を丸めて震わす肩の頼りなさにどうしようもなく引きこまれてしまう。

ネオンも素直ないい子で嘘はつかない。
疑似恋愛のような気持ちはあっても雷悟の言う意味ではない、と言っています。

だから、あのラストは賛否別れるんでしょうね。目に見えるかたちで報われてほしいもの雷悟の純情。

最初に読んだとき、実は私は疑うことなくハピエンだと思ったんです。
でも、読み返すうちに『あれ?あれれ?』と。

でも、あれはあのラストで良かったです。
あそこでloveっぽいのは無理がある。

でも、音温だって意識し始めたら気持ちに変化があるかもしれない。

小さな変化を重ねていって、何年後かのある日、嘘から真が出るかもしれない。
その時は流れ込んでくる新しい気持ちを彼らが楽しめればいいな、と語られない姿を願っています。

-----

で、やっぱり脇役スキーはケイちゃんが気になります(笑)
冷静な役回りの彼が同人誌化された自分たちの本に「オレのは?」って探してる姿とか可愛い。

そして可愛いといえば音温実家のわんこ。
へにゃりんとした手足をニギニギしたい!


7

面白いけど解らない

同じバンド仲間のエイプリルフールの嘘を本気で信じ込んで1年、自分を好きだと
思っているらしい相手に今でも好きか、なんて聞いてるけれど、実は全てが嘘だった。
しかし、その嘘を本気にしていたから、1年も相手の事を考え続けてしまった為に
好かれていると思い込んでいた方が本気で好きになる立場になってしまう。
なんとも罪作りな友人のせいで、同じバンド仲間のボーカルとギター担当が
互いに意識し合い、これから恋になるのか、それともならずに友情で終わるのか、
はっきりした結果が見えないながらもそれまでの過程がリアルで、あるかも知れないと
思わずニヤリしちゃうような展開でした。

それでも、最後もエイプリルフールで終わるので、いったいどうなったのかと
気になりながらも現在進行形で二人の時間が少しずつ動いて行くのだろうと思える作品。
白黒つけてはっきりさせたい人には不向きかもしれない。

4

男の子という生き物。

なんかすごい好きだ。
BLで見たいと思ってるものが詰まってる気がする。
薄っぺらくてひょろっとした身体の男の子たちが、ワイワイしてる感じ。
アホっぽさと、クサすぎない詩情と、恋のような友情のような連帯感。
他の誰ともヤらないでいてくれるなら、二人がつき合ってもつき合ってなくてもいいやと思える。
京山さんの作品は、たぶん地味な部類に入るんだろうけど、たまに人が色っぽくてドキドキする。
雨がひどく降ってるシーンが秀逸。

5

久々の京山さん!

…と、鼻息荒く読んだけど…
最後の方でもしかしたらこれ続き物?と思ってしまったほどで…どっちつかずはやめてほしかったというのが正直な感想です…。

ちゃらんぽらんなようでけっこう繊細なタモツ、素直でピュアなネオン、えっと名前も忘れちゃったけどまったく影が薄かったドラムのコ(笑)、不器用だけど健気な雷悟とキャラはみんな良かったし、雷悟の訥々としたモノローグによって恋心の浮き沈みが手に取るようにわかって入り込めた分、この終わりはちょっと残念。

野球シリーズのあの胸をかきむしられるほどの切なさや、テニスボーイの腹がよじれるほどのおもろさを期待した私がいけなかったのか…。

4

多分理解の為のマジックワード

不思議なテイストの作品ですよ…そう言う言葉と
ともに薦められたこの一冊。
BL評論子の手にかかればきっとニューウェーブの
真骨頂とでもラベリングされてしまうのでしょう。
でも評者が感じたのは全く別のものでした。
評者が感じたのは音楽とJUNEが限りなく親密だった
時代…大JUNEがこの界隈のカルチャー紹介誌だった頃の
何気ない一言に潜ませた秘密を嗅ぎとろうとしている、
そう言う空間に流れている照れ臭さを含んだ日常の気配。

類型を提示するとするならば、杉本亜未さんの描かれる
世界が一番近しい様な気がします。
耽美ではないJUNEを体感できる一冊ではないかと、
評者は感じます。

11

嘘から始まることもある?

なんてマヌケw
なんてヘッポコw
1年前のエイプリルフール。
「あいつおまえのこと好きらしいぜ」
な一言から始まったこの物語。
結局のところ、「エイプリルフール」の日の言葉は
嘘か真か。というところですが、真にしてしまえば嘘ではなくなるのでしょうか。

とはいえ、「あいつはオレの事を好き」と意識するほどに
胸が高鳴り、一人上手に気持ちを育てて行った結果~というなんとも
なお話が面白くて可愛かった。
同じバンドの仲間であるがゆえに、更なる葛藤。
打ち明けた言葉、投げかけた言葉、場面でのなんともなんとも
最終的にはどっちつかず?な雰囲気もありましたが
個人的にはハッピーエンドだと思うわけで
「俺達~」のエイプリルフールの二人みたいにべたべたしていないまでも
カップリングされてる。。と思うことにしておきます

6

積みあげた想いの行方は・・・

「おまえのこと、好きらしいぜ」
エイプリルフールの嘘だと気づかずに1年前からずっ~と、
同じバンドのクールなボーカルが、自分(ギター)のことを好きなのだと思っていた・・・
そんなカンチガイ男の不器用な恋の話。

ず――っとイシキして、
ず――っと気をつかって、
そのうち告白でもされるんだろうかと、待ちかまえたり、
期待を持たせたらダメだとか、
でも冷たくされたら悲しいだろうなとか、思い巡らしたり、
カッコ良くあらねば!そう望まれている!
と思ってギターを猛練習したり、
他のヤツと仲良くしているのを見て、なんか寂しくなったり、
もう、オレのこと好きじゃないのか?とぐるぐる考えたり・・・・・・

そうやって1年という長い時間の中で積みあげてきた想いは、
カンチガイだった――そんなんじゃ、簡単になかったことになんてできない。

エイプリルフールの嘘を1年も信じ続けるなんて、かなりトンチキ☆
でも、そのトンチキな片想いの様子がすごく滑稽だけど、すごく切ない。

なんだか皆しゃべる言葉がちょっと、たどたどしいんですよ。
でもそれが、言いたいコトは音楽や歌詞やステージで表現するんだ!!
というバンドマンらしい、不器用さや熱い想いの表れでもあって、なんかとってもよかった。
バンド内の様子も変にベタベタしてないけど、ちゃんと繋がっててリアルっぽい。

でも、絵はかなりあっさりした感じなので、好みが分かれそう。
個人的には好きな絵柄じゃないです。
でも、この絵だがら素朴ないい空気感が出たり、切なさがグッときたりするのかも・・・
いやでも、良かったのに萌えきれなかったのは、やっぱり絵に要因がある気もする・・・
どっちなの!!というツッコミがきそうですね、すみません。
ぜひ、読んでみてご判断ください(逃げ・・・)。
でも読んだら「ああ~分かるわ~~」となってくれそうな気がするんですよ、いやホントに!w

5

あとがきが

いろいろ盛りだくさんで楽しかった。

この、バンドやっている男の子達の体格が好き。
ぺたんこのお腹に薄い胸。
京山せんせの、ぺたんとくたっとしたキャラクターとバンド男子って凄く相性がいいみたい。
打ち上げの、みんなでワチャワチャしてるシーンとか、見ていてニコニコしたくなっちゃう。

ネオンとライゴの二人の関係は、エロなしでまだ恋愛未満だけど、愛があって、
萌える。
この二人、この先本当に恋人同士になるがどうかといえばかなり微妙で、
でも、たとえセックスするような関係にならなかったとしても、それでもかまわない。
むしろ、この展開の中で、無理矢理エチになだれ込んだりしないで、こんな風に曖昧なまま余韻を残して終わって、そこが、かえって良かったわ。

で、後書きに、いろいろ脇設定やら何やら書いてらして、その中の、別バンドの子達の話、京山先生の芸風じゃないからご自身で描かれることはけしてないだろうけど、でも、読んでみたいよね。

6

嘘から出たマコト、さいこー!

この萌え萌えを、この胸を掴んで離さないギュンギュンを、この熱い想いを、オイラは叫びたいーーー♪
って、自分が歌ってしまってどうするんだって、ほどにもうっ!「たまんないっ!」としか言い様がないのですが、言葉にできないーーー♪
この一冊、本編から作者さんのあとがきまで、隅から隅まで120%堪能できます。

で、本題・・・何がこんなにゴロンゴロンと人間モップになって身悶えているかというと、そうきっかけはエイプリルフールの一言の「嘘」
ベースの保に聞かされた”ボーカルのネオンがギターのライゴが好きらしいぜ”という言葉。
きっとそんな事はつゆとも思ってなかっただろうライゴが1年間ネオンをそういう目で見続けて、そしてそれを確認して「好きだ」と言いそうになったその時!
それは保のエイプリルフールの嘘だったという事がわかる(涙)
それは笑い話として、ライブのMCのネタになり、話題を読んでBL雑誌の取材を受けたり、変な連中が乱入してきたり、生モノの対象になってみたり。
そんなバンドとしての活動もありながら、育ってしまった気持ちを弄び悩んでヘタレて悶々とするライゴの姿が非常にスレてなくて、誠実で、好青年で、彼のトンチキ片思いが非常に愛おしいのです!
ネオンがアパートの更新のために実家に帰ったまま帰ってこない時、彼を迎えに言ったライゴがとうとう告白してしまい、そしてひとりで勝手に玉砕して、帰ってしまう電車の中での大泣きのシーン、
泣く男の魅力に溢れてます。思わず一緒になってウルウルウル、、、、

一方ネオンはよくわかりません。
でも、どこかで彼を意識して、変わらない表情のポーカーフェイスの下にあるその気持ちの切れ端を、チラっと見せる場面もあるのです。
でも、まだまだ謎。
ライブの帰りのレンタカーを返しに行く車の中でライゴと一緒に話すシーン、そこのインスピレーションから生まれた、今まで書いたことのないような色気を含む歌。
バンドが舞台らしく、ライゴが勘違いしていた頃に作った曲と、このネオンの曲。
二人のキャラクターが出てるような、楽しいバンドならではの設定。

バンドのメンバーもそれでも皆仲が良くて、それぞれにそれぞれを茶化したりしながらもこのメンバーじゃなくちゃ!っていう強い絆で結ばれてる。
そんな男子の友情部分も見られるのが素敵☆
このバンドは、もしかしてBLバンドを地で行くバンド?(爆!)

設定がバンドということで、その格好いいとかカリスマとかアイドル扱いみたいなバンドじゃなくて、とても地に足のついた身近な雰囲気のするバンドだけに、自分の昔のバンドでの体験が重なって、うんうん!ってすごくうなづくような場面やシーンがいっぱい。
これも激しく同調する一因になってるかもしれません。
ライブの帰りの大雨のシーン、ワイパーが効かない前方が真っ白になってしまう体験も、丁度ライブ帰りの車で全く同じ体験をしました!?

自らの青春時代を重ねるシーンがいっぱいだったから、かなりスカート履いた評価かもしれないんですが、
でも、でも、でも!!
ライゴのキャラクター、彼の気持ちの変遷、行動、発言、想い、とってもとっても萌え増す!!
上手く伝えられなくて御免なさいーーー(汗)

8

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