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一緒にいないと、寂しくて死んじゃう
虎のような四肢に鋭い爪を持ち、本来ならば尾が生えているではずの位置には蛇が。
なんとも不思議としか言いようがない姿をした、本作の主人公である妖の鵺が愛らしくてたまらないお話でした。
破戒僧と妖…いわば妖怪の組み合わせとは、はたしてどんなお話になるのか?と思っていたのですが、これが終始とても読み心地が良かったのです。
もっとシリアスなトーンなのかと思いきやそうでもなく、むしろ全体的に柔らかくてまろやかな雰囲気を纏っているのだけれど、合間にほんのり切ないスパイスも溶け込んでいて、さらりと読めるのになんだか魅力的な味付けでした。
派手な出来事や大きな山あり谷ありがあるかというと、決してそういうお話ではないのです。
和風ファンタジーではあってもファンタジーすぎない温度の中で、孤独を知る者たちが出逢い、ともに暮らし、やがて恋しいが愛しいに変わっていく…と、題材的にはかなりシンプル。
でもこのシンプルさが良かったです。おもしろかった。
この世の中でひとりぼっちの鵺と寛慶。
はじめは異なる種族への物珍しい興味から、だんだんとグラデーションがかっていく2人の関係が微笑ましいです。
鵺が本当に愛らしい子で、あまりの純粋無垢さに寛慶も読み手も悶絶すること多々。
寛慶が何度も無敵の無垢パワーの前で立ち止まりそうになる図は、おかしいやらその心中を察するやらでした。
同時収録されている迅雷視点の短編も非常に良く、彼が語る背景を知ると、知ったうえでもう1度本編を読みたくなりますね。
鵺は同時に2体は現れないということは…切ないなあ。
ずっと探していたパズルのピースが見つかった。
そんな言葉がぴったりの、救いがある優しいお話でした。
栗城先生の文章が読みやすいのはもちろん、キャラクターの数が少なめに絞られていたことも、作品に入り込みやすく感じたポイントのひとつかもしれません。
しかしながら、元々はアンソロジーに掲載されていた作品を加筆修正したとのことで、寛慶の過去は?もう終わってしまった?と感じたところも。
もう少し先まで読みたかったなあ…と、不完全燃焼にも思え、今回はこちらの評価に。
迅雷視点の短編の結びはいろいろと想像を膨らませたくなりました。
鵺って何?とネットで調べてしまいました。そこには、お世辞にも可愛いと言えない、妖怪が載っていました。でも、このお話の鵺は純粋で健気で可愛いです。
鵺には仲間がいないし、姿形のせいで他の妖から避けられていて、孤独を感じています。脚を射られたことで知り合った人間の寛慶も、出生さえ望まれなかったような悲しい生い立ちで、孤独と共に生きてきました。そんな二人が一緒に暮らすようになって、ゆっくりと育まれる愛情が良かったです。
鵺は寛慶に名前をもらって、人間界のことを少しずつ知っていきます。鵺が純情で嫉妬さえも知らなくて、寛慶が振り回される様子が微笑ましかったです。できれば、二人がイチャイチャしてるその後も読みたかったと思いました。
迅雷と前の鵺との話では、切なくてキュンとなりました。この話も好きです。
BLというより、おとぎ話のような世界観に引き込まれて楽しめました。
ミナヅキ先生のイラスト見たさと、もふもふが絶品との情報につられて買いました。
期待を上回る可愛さでした。
まず、表紙で何分か手が止まります。私の「表紙手が止まり時間」最長記録です。
ここで600円のもとは取れました。
さらに、本文に入って一行目で、可愛いのはイラストだけではないと予感します。
痛い目に会う受の鵺の描写が、かわいそう萌えの心を鷲掴みです。
哀れな受が好きなくせに、痛々しすぎるのは苦手な私にとって、丁度良い加減の寂しくて痛い描写が最高です。
すぐに攻の寛慶が登場して、最初から100パーセント鵺の味方になるところが、安心して「かわいそう」に浸れる要因ですね。
筋がものすごく単純で、登場人物も少ないところが、余計なことを考えず可愛さを堪能できて良い反面、せっかくの素晴らしい道具立てがもったいない気もしましたので、「萌×2」にしましたが、そのうち考え直して「神」にするかもしれません。
追記
読み返して、柚丸の可愛さに、やはり評価は「神」がふさわしいと思い直しました。
泣き顔や垂れ耳のイラスト、「痛いよう」「寂しいよう」というせりふから、「ぎゃあ」「むふー」(吐息)などのちょっとした擬音まで、かわいさの宝庫のような本です。
人間と妖の交情…しかも、その妖が鵺(ぬえ)とは!
鵺って、こんな可愛い生き物だったん…で…しょうか?
61ページのお腹を見せて寝転ぶ鵺たん、な、なんて可愛い…
仲間を探そうと夜な夜な京の都で鳴いていた孤独な鵺、
討伐に来た僧の寛慶は、何故か彼を助けて矢傷の手当をして家に置く…
タイトルと表紙から、もっと重たく暗い話を想像していたのだが、
設定の割にほんわかした物語だった。
連作で三つの話が入っており、それぞれ短いのでサラリサラリと読める感じ。
攻めの背景や、魅力的な脇役迅雷の話、
気になる部分を残しながらのエンドなので、ちょっとそこは物足りない。
しかし。
Hシーンは人型なのか…ちぇ。
世の中にひとりしかいない誰からも愛されない鵺と家族と離れ離れに暮らさなければいけない孤独な僧、寛慶の話です。
鵺は寂しくて寂しくて自分の仲間を探したくて毎日京の町で泣いていたら捕らえられ、殺されるところだったのに寛慶が助けてくれます。それから二人はお互い孤独である事を知り、二人で一緒にいる事を決めます。そうしている内に二人はお互いがなくてはならない存在になっていくお話。鵺の仲間が一人もいない孤独感、沢山人間がいるのに愛する人が誰もいない寛慶。二人は種族も環境も全く異なりますが、孤独が寂しいという気持ちは同じだったんですねぇ。切ない話でしたが、お互いがいてよかったなぁとしみじみ感じました。
気になるところは鵺の寿命と人間の寿命が異なるのではないか?という点。そうだとすると前代の鵺のようになってしまわないか、心配になってしまいました。
なんだか独り身が身にしみるお話でした。
