一緒にいないと、寂しくて死んじゃう

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表題作地角の衆生

鵺を保護した僧 寛慶
鵺(柚丸)

その他の収録作品

  • 無明長夜
  • 薫習
  • あとがき

あらすじ

夜ごと仲間を探して啼いていた鵺は、人間に足を射られてしまう。ところがその人間は、痛みと怯えで泣く鵺を連れ帰り、手当てをしてくれた。その人間、寛慶は鵺を厭わなかった。傍に置いて、頭を撫でたりしてくれる。ずっと欲しかった温もりが嬉しくて、鵺は彼の傍にいたいと思い始める。そして、寛慶もまた癒えない寂しさを抱いていると知った鵺は、思わず彼を抱きしめて……。

〈編集部より〉
破戒僧×鵺!?
でお、ものすっごく可愛らしい恋物語です!! 殉数無垢な鵺が一途に寛慶を慕い、癒します。
ミナヅキ先生のもふもふ鵺イラストにも萌え転がりますよv

作品情報

作品名
地角の衆生
著者
栗城偲 
イラスト
ミナヅキアキラ 
媒体
小説
出版社
プランタン出版
レーベル
プラチナ文庫
発売日
ISBN
9784829625422
3.8

(35)

(9)

萌々

(14)

(11)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
9
得点
135
評価数
35
平均
3.8 / 5
神率
25.7%

レビュー投稿数9

孤独同士の恋

鵺って何?とネットで調べてしまいました。そこには、お世辞にも可愛いと言えない、妖怪が載っていました。でも、このお話の鵺は純粋で健気で可愛いです。

鵺には仲間がいないし、姿形のせいで他の妖から避けられていて、孤独を感じています。脚を射られたことで知り合った人間の寛慶も、出生さえ望まれなかったような悲しい生い立ちで、孤独と共に生きてきました。そんな二人が一緒に暮らすようになって、ゆっくりと育まれる愛情が良かったです。

鵺は寛慶に名前をもらって、人間界のことを少しずつ知っていきます。鵺が純情で嫉妬さえも知らなくて、寛慶が振り回される様子が微笑ましかったです。できれば、二人がイチャイチャしてるその後も読みたかったと思いました。

迅雷と前の鵺との話では、切なくてキュンとなりました。この話も好きです。
BLというより、おとぎ話のような世界観に引き込まれて楽しめました。

3

今年一番の可愛い受

ミナヅキ先生のイラスト見たさと、もふもふが絶品との情報につられて買いました。

期待を上回る可愛さでした。

まず、表紙で何分か手が止まります。私の「表紙手が止まり時間」最長記録です。
ここで600円のもとは取れました。

さらに、本文に入って一行目で、可愛いのはイラストだけではないと予感します。
痛い目に会う受の鵺の描写が、かわいそう萌えの心を鷲掴みです。

哀れな受が好きなくせに、痛々しすぎるのは苦手な私にとって、丁度良い加減の寂しくて痛い描写が最高です。
すぐに攻の寛慶が登場して、最初から100パーセント鵺の味方になるところが、安心して「かわいそう」に浸れる要因ですね。

筋がものすごく単純で、登場人物も少ないところが、余計なことを考えず可愛さを堪能できて良い反面、せっかくの素晴らしい道具立てがもったいない気もしましたので、「萌×2」にしましたが、そのうち考え直して「神」にするかもしれません。

追記
読み返して、柚丸の可愛さに、やはり評価は「神」がふさわしいと思い直しました。
泣き顔や垂れ耳のイラスト、「痛いよう」「寂しいよう」というせりふから、「ぎゃあ」「むふー」(吐息)などのちょっとした擬音まで、かわいさの宝庫のような本です。

8

昔話のような…

人間と妖の交情…しかも、その妖が鵺(ぬえ)とは!
鵺って、こんな可愛い生き物だったん…で…しょうか?
61ページのお腹を見せて寝転ぶ鵺たん、な、なんて可愛い…

仲間を探そうと夜な夜な京の都で鳴いていた孤独な鵺、
討伐に来た僧の寛慶は、何故か彼を助けて矢傷の手当をして家に置く…

タイトルと表紙から、もっと重たく暗い話を想像していたのだが、
設定の割にほんわかした物語だった。
連作で三つの話が入っており、それぞれ短いのでサラリサラリと読める感じ。

攻めの背景や、魅力的な脇役迅雷の話、
気になる部分を残しながらのエンドなので、ちょっとそこは物足りない。

しかし。
Hシーンは人型なのか…ちぇ。

3

寂しさがしみる話

世の中にひとりしかいない誰からも愛されない鵺と家族と離れ離れに暮らさなければいけない孤独な僧、寛慶の話です。
鵺は寂しくて寂しくて自分の仲間を探したくて毎日京の町で泣いていたら捕らえられ、殺されるところだったのに寛慶が助けてくれます。それから二人はお互い孤独である事を知り、二人で一緒にいる事を決めます。そうしている内に二人はお互いがなくてはならない存在になっていくお話。鵺の仲間が一人もいない孤独感、沢山人間がいるのに愛する人が誰もいない寛慶。二人は種族も環境も全く異なりますが、孤独が寂しいという気持ちは同じだったんですねぇ。切ない話でしたが、お互いがいてよかったなぁとしみじみ感じました。
気になるところは鵺の寿命と人間の寿命が異なるのではないか?という点。そうだとすると前代の鵺のようになってしまわないか、心配になってしまいました。
なんだか独り身が身にしみるお話でした。

3

愛しい作品です。それにしても最近涙腺が・・・

また人外で泣かされました・・・
栗城先生は結構面白い作品を書かれる作家様として認識しておりましたが、
こんなお話も書けるのかと!拍手です。
人外ものとしても『鵺』という題材を主とした作品は初めて読みました。
『鵺』(ぬえ)自体知らなかったのですが日本の妖怪でいるんですね。
表紙を見て、もふもふみたいだけど尻尾は蛇だし一体・・・?と思っておりましたが妖怪でしたか。
途中までこれは獣姦になってしまうのか?と、まあそれでもありかな。この可愛い生き物では。
と思っておりましたが、攻様に人型に上手に変化できたら京に一緒に行って砂糖水(甘いものが好き)を飲ませてくれるというので頑張って変化しちゃいます。
攻様は『鵺』の姿でも人型でも受様を好きなんですがね。
あーこの作品はレビューが難しい!というか読んで見て下さいっとしかいいようがないです。
もうBLとかで括れないお話です。
この世に一人しかいないという『鵺』と孤独を背負った『人間』の出会いを通じて
せつなくも愛しいお話になっていて、こんな難しいお題に係わらずこれがまた、凄く自然な
ストーリーになってるんですよね。
嫌われものだった『鵺』に愛情を与えてくれて、本当の孤独というものに気づくきっかけを
作った攻様に拒絶されて、山に泣いて帰る『鵺』こと柚丸(ゆずまる)の場面が何回読んでも胸が痛くうるうるしてしまいます。
お迎えにくる攻様・寛慶(かんけい)ですが栗城先生の文章が上手すぎて映像のように感じます。
イラストのミナヅキ先生がまた、本当に表現がお上手でですね。
ベストコラボな作品だと思います。
すべて読み終えてからもう1度読み直すと、そういうことだったのかと、理解できる場面があり
また違った印象で捉えることができます。
何回でも読める作品だと思いますので是非手にとって見て欲しいです。
短編をつないでいるので大きく3つに別れておりますが、最後にショートでいいから
寛慶と柚丸の幸せのひとときを垣間見れたら尚、良かったかなと思います。

5

この作品が収納されている本棚

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