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表題作つまさきに火

レジス・ラヴァンシー
義兄、バレエ団ダンサー
友意(ユーイ)・ラヴァンシー
義弟、同じくダンサー

同時収録作品oritomori

オリヴィエ・フェヴリエ(オリエ)
バレエ団ダンサー
森隆文(モリ)
天才と呼ばれるバレエ団ダンサー

同時収録作品Au revoir 前編/後編

ティエリー・オゾン
バレエダンサー
クレマン・クレマン
バレエ・ダンサー、レジスの父

その他の収録作品

  • yulusuna
  • 500?(ユーロ)の嫉妬
  • reverence 前編
  • reverence 後編
  • encore(描き下ろし)
  • カバー下表紙1【表】~カバー下表紙4【裏】:無題後日譚

あらすじ

義兄弟、ともにバレエダンサー。
完璧主義の義兄×小悪魔な義弟

「僕の方が欲深いよ、兄さん」
舞台はパリ。幼い頃、両親の再婚がきっかけで義兄弟になったレジスと友意(ユーイ)は、トップバレエ団に所属するダンサーとなった。父母を失い、二人きりで暮らす日々の中で、やがて義兄(レジス)は深夜になると眠る義弟(ユーイ)の身体を欲するようになり──。貴公子的な義兄と蠱惑的な義弟が織りなす、華麗で淫靡な義兄弟ロマンス。

描き下ろし後日談収録!

作品情報

作品名
つまさきに火
著者
柳沢ゆきお 
媒体
漫画(コミック)
出版社
祥伝社
レーベル
on BLUE COMICS
発売日
ISBN
9784396783273
3.5

(44)

(6)

萌々

(15)

(19)

中立

(4)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
19
得点
151
評価数
44
平均
3.5 / 5
神率
13.6%

レビュー投稿数19

ユルスナ、と愛を語る

長編ではなく、オムニバス作品。
バレエが舞台の、義兄弟、団員同士、父の世代、などなどの群像劇的な。
テーマが重い「僕が君を殺すまで」の後に読んだので、本作のかなりの読みやすさに驚きました。

ひとつのバレエ団の中の人々の話で。
名ダンサー・クレマンの息子レジスと、後妻の連れ子ユーイ(日本人)の義兄弟。
ダンサー同士、オリヴィエと彼との稽古中に大怪我をしたモリ(日本人)。
バレエ団代表のティエリーとクレマンの若き日々。

バレエダンサーというのは思考もドラマチックなのかな。踊りの才能と感受性が比例しているようです。
レジスxユーイ、オリヴィエxモリのCPは若い焦燥や性急さ、恋の甘さがあるけれど、ティエリーとクレマンは恋とは違う苦さ、バレエに囚われた心、究極のエゴイズム、気付かずに他人を傷つける傲慢さ、全てを凌駕する踊りの美しさと才能が交差する。

一筋縄ではいかない愛情を「ユルスナ(許すな)」という演目で昇華する…そんな視点がどこかカッコいい。
ベタベタはしてないけどどこかwetで人間臭い、そんな個性的な作品。

0

人物描写がいい

柳沢先生作品を読むのは「僕が君を殺すまで」「猫、22歳」に続き3作目です。
本作はファンタジー要素はなく、全編バレエBLでした。
ユーイ「僕にとって許すと忘れるは同意語なんだ」に共感。
レジス「だけどお前は俺を許すべきじゃない」は愛の告白のようです。

クレマン・クレマン(名前がツボ)が悪い男で、しっかり罰を受けた最期でしたが。
ティエリーの「未だにクレマンを許せていないんだからな はははは」は愛ですね。

ユーイがすねていたコートの件がくだらないけどわかってしまう面があり。
納豆をぐちぐちするのがそういう人なんだなと納得感がありました。
もさかった長髪を切ってスッキリ短髪が似合っていました。

それぞれの人物、CPの特徴や物語の語り口が説明的にならず、好きな描写でおもしろかったです。

0

バレエに励む男達の美しさと、複雑な感情の絡み合いに引き込まれる

◆yulusuna〜等(レジス×ユーイ)
 義兄弟の一筋縄ではいかない複雑な感情の絡み合いが、読み応えありました。父親譲りの誰もが認める才能を持つ兄のレジス。最初はすごくクールな人間なのかと思ったのだけど、彼の内面は実に繊細で、特に弟のユーイには常日頃からメンタルを左右されているんですよね。そういうところが彼を完璧にはさせずに、ある意味バランスがとれているなぁと感じました。ユーイもなかなか達観しているけれど、些細なことで嫉妬するのは年相応で可愛かったです。

◆oritomori
 一番短かったけれど、純粋にカプだけでいうとこの2人が一番好みかも。天才ダンサーのモリに怪我をさせてしまったと自責するオリ。お前のせいじゃない、と何度モリが言っても、オリの気持ちは晴れない。けれど、淡々と怪我を受け入れているように見えたモリが、本当はオリへの気持ちですごく葛藤していたことを知り、オリも私も彼の涙に胸を衝かれました。優男なオリも、モリへの独占欲は深いところがいいですね。

◆Au revoir
 レジスの父・クレマンと、その友人・ティエリーの物語。クレマンが一言でいうとクズなんですが、本人には一般的に悪いとされることを自分がしている自覚がないというか、そういう価値観の人と言ってしまえばそれまでなんですよね。人を散々誑かしておいて、釣った魚には餌をやらない、けれど周りを平等に愛しているというのは本心という非常に厄介なキャラ。そんな彼に翻弄されたティエリーが、クレマンの死後も許さないと誓っているところに、逆に愛を感じます。

1

「マイム」の「あなたを愛しています」

姪がバレエを趣味でやっているので、バレエを扱う漫画は大好きです。
バレエの「マイム」は、手話と同じで、夫々ポーズと意味があって、台詞の代わりにジェスチャー(しぐさ)である「マイム」で意思表示を語るので、マイムが分かるとバレエ鑑賞の面白さが増します。

「つま先」に火、のタイトルが示すものは何だろう。
作品にマイムの場面が少ないのは、ユーイたちがモダンバレエのダンサーになっているからですね。モダンバレエはシューズを履かないので、「つま先に火」をタイトルにしたのかな?
是非続編を出して欲しい。
★巻末のユーイに向けて、古典バレエに戻った兄が示したマイムは「私はあなたを愛しています」の意味、愛の告白。ロマンチック。
柳沢先生は、読者に画像から読み解いてもらう描写が好きみたい。台詞より絵で物語る方法。

この作品の登場人物で印象深いのは、レジスとユーイの父=クレマン、恨まれることばかりする人。産む人と、踊りのパートナーを機能別に割り切って愛しているし、好きな人しか名前も憶えない、傷つけたロジェに刺されても名前すら憶えていない。このぐらい自己中でないと、芸術を極められないのかも。

あらすじや演目については、他の方が過去に投稿されているので、マイムを調べました。

---絵から読み解きたくて、調べたもの
・でも作品は、モダンバレエが主で、マイムを読み解く場面が少なくて残念。
▼バレエ(仏: ballet)の歴史:
ルネッサンス期のイタリアに起源を発する。宮廷で余興として詩の朗読、演劇などが演じられ、バロ(Ballo)と呼ばれるダンスが生まれた。1533年、イタリア、フィレンツェのメディチ家からフランス王室に嫁いだカトリーヌ・ド・メディシスによりバレッティ(Balletti)がフランスにもたらされ、バレ(Ballet)と呼ばれた。

▽モダンバレエ:
モダン・バレエは、決まった曲も振付も存在せず、トゥ・シューズを履かず素足で踊ることや、華やかな衣装を着用しないのが特徴。マイムなどあらゆるものをそぎ落としている

▼古典バレエの技法:<マイム(mime)>
〈からだの方向・あしの位置・うでのポジション〉を自由に組み合わせる。/立ち方は6つに分類、ポジション(fr. position)と呼ぶ。/バレエ舞踏の技法は跳躍と回転。/物語り進行上の感情を表すのには「マイム」を用いる。
バレエ専用劇場では、ダンサーの足元が見られるように、舞台床が客席に向かって斜めになっている。

▼マイムの意味:
「バレエ「マイム」のポーズと意味|バレエ発表会のプログラム専門店」の解説が詳しいです。
私 手のひらを胸にあてる
あなた 手のひらを上にして相手を指す
愛している 両手で心臓の位置を包む

1

珍しい題材だけに勿体ない。

ずっと読みたいと思っていて、やっと読めました。
巴里のバレエ団に所属するダンサー義兄弟の話で一冊と思っていたら、まあ、全部関係はあるものの3つのカプの話でした。
なのでどれも短編で、雰囲気はいいのに尺が足りない感じが。
一冊で表紙の二人の話でも良かったのではないでしょうか。
尺の所為か、折角バレエの話なのに、あまり踊ってるシーンがなかったような。
もっと舞台や練習のシーンがあってもいい気がします。
珍しい題材だけに勿体ない。
兄弟、義兄弟ネタが大好物なので、ここらももっと掘り下げて欲しかった。
それでもまた次に新作が出たら気になってしまうと思うので、何だかんだいって作者さんの漫画は好みなんだと思います。

3

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