【新死刑法】人が故意に人を死亡させたときは、如何なる理由があろうと死刑とする――。

僕が君を殺すまで (上)

boku ga kimi wo korosu made

僕が君を殺すまで (上)
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神9
  • 萌×26
  • 萌1
  • 中立1
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
4
得点
73
評価数
17
平均
4.4 / 5
神率
52.9%
著者
柳沢ゆきお 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
竹書房
レーベル
バンブーコミックス 麗人セレクション
発売日
電子発売日
価格
¥680(税抜)  
ISBN
9784801971189

あらすじ

殺人犯を擬似的に作られた町の中に閉じ込め、死を迎えるまでを生中継し、エンターテイメントとして消費される世界。
そんな閉鎖空間の中に、あらたに送り込まれた死刑囚の織田 薫と執行官の水谷航平(渡瀬)は、殺すものと殺されるものとして共同生活を始めることに。
織田の犯行動機は男性の同僚との痴情のもつれとされており、同性愛に免疫のない水谷は動揺するのだが…。

表題作僕が君を殺すまで (上)

水谷航平(渡瀬),34歳,刑務官
織田薫,28歳,元刑事で死刑囚

その他の収録作品

  • カバー下・人物紹介
  • 描き下ろし

レビュー投稿数4

加害者への感情移入は避けられない

 ものすごい世界観だなぁというのが一番の印象。目には目を、歯には歯を。こういう思想は誰しも持ちうるものだと思います。私も正直、冤罪の可能性が1ミリもないのなら、被害者を苦しめたのとまったく同じ方法で加害者に罰を与えるべきだと、という考えは常に頭の隅っこにあります。残虐非道なことをした犯人なら尚更。たとえ死刑執行の日まで怯えながら暮らそうと、それまでは衣食住も人権も保証され、結局最期は一瞬で死ねるのだから、被害者の苦しみの割に合わないだろうと思ってしまうのです。でも、織田という人間を見ていると、果たしてそれを一律に適用することが本当に正しいのだろうか?と考えさせられました。

 まだ、彼と生前の渡瀬との関係性がすべて見えてきたわけではないけれど、少なくとも水谷と過ごす彼を見ていると、ただただ穏やかな気持ちしか感じないんです。何でもない会話、何でもない視線のやりとり…。水谷が心を許していくのも分かるなぁと。衝動的に人を殺してしまった事実がある人間に、そんなことを感じるのは危ないかもしれませんが、必ずしも元々心に残虐性を秘めているとは限らないのではないか、と希望的観測を抱いてしまうんですよね。下巻の展開がまったく読めませんが、こういう刑が認められた場合の未来の可能性の1つとして、楽しみです。

2

凄い世界観を放つ作品。

タイトルと、ちるちるさんで掲載された作家インタビューを拝見して手に取りました。

基本的にBLってジャンル分けするならば恋愛ものだと思っていますが、今作品はなんて言うのかな。骨太な、あるいは社会派な?

モラルとは。
正義とは。
愛とは。

正解は一つではなく、人によって、時代によって、あるいは社会によって変貌を遂げるそれらについて、「あなたはどう思う?」という問を投げられた気分になりました。

ネタバレ含んでいます。ご注意ください。





人を故意に死に至らしめたものは「死刑」。
そして、その死刑に至る過程を、動画で配信される。

という世界が舞台。

死刑という判決を受けた囚人は作られた世界で、シナリオ通りに日々過ごす。囚人が心の底から反省した、と思われたその時に、刑が執行される。

囚人に反省を促すために送り込まれる人物=刑の執行官は、囚人の琴線に触れる人物でなくてはならない。そのために執行官は整形し、その人物になりきって囚人のもとに派遣され、そして最終的には刑を執行する。

今作品は死刑囚・織田と、織田に刑を執行するために織田のもとへ派遣された刑務官・水谷を主人公にした作品です。

「死刑囚」が主人公のお話なので、バックボーンとしてはドシリアスと言って良いでしょう。が、それだけではない。死刑に至るまでの過程が、エンターテインメントとして配信されている。

凄惨な事件が起こるたびに、被害者への哀悼の意を感じると同時に、加害者に対して強い憤りを感じざるを得ませんが、それでも、犯人の「死に至る過程」を娯楽として楽しんで良いわけがない。そんな悍ましさも、抱えた作品です。

自分が被害者遺族であったなら、犯人には重い刑を課してほしいと願うと思います。
けれど、それが「死刑」だった時、その刑を施行するのが自分であったなら。当たり前のように刑を施行できるだろうか。

これほどまでに深く「罪」について考えさせられるBLもなかなかないと思われます。

囚人と刑の執行官という立場である二人なので、BL展開になりづらい。なりづらいバックボーンでありながら、一人の被害者を通して、彼らは少しずつ心を通わせていく描写が素晴らしい。

この「被害者」の設定がとにかくお上手です。
織田に殺害された、被害者。

なぜ、織田は彼を殺したのか。
被害者はどんな人物だったのか。
二人の関係は―。

今作品は犯人捜しのストーリーではなく、ミステリーではない。ないのですが、とにかくこれからどうなるのかが気になり、ページを捲る手が止められませんでした。

死刑囚の織田。
織田に刑を執行するために赴いた水谷(渡瀬)。
水谷の同僚の及川をはじめとする刑事たち。
織田を崇拝する女の子たち。
織田の死刑をエンターテインメントとして操作する脚本家の船越。
警察組織と国のトップに立つ、お偉いさん。

登場するキャラはさほど多くはありません。
場所も、織田の住む住宅の近くと、捜査員たちが詰めている部屋くらいしか描かれていません。

が、すごく臨場感に溢れた作品で、まるで映画を見ているかのよう。

誰に感情移入するか、誰の立場で、このストーリーを読むか。
自分の持つ正義とは。

それによって、読後の感想は変わってきそうです。
上巻に至ってはほぼほぼBL的な萌はないのですが、とにかくこの作品の持つ世界観に引き込まれました。

12

電子限定描き下ろし4ページに心が揺れる

分冊版で、完結迄読んだ後、「第1話~第7話※電子限定で第1話~第7話※電子限定で描き下ろしの漫画が4ページ収録収録」のコミック版が出ると・・悶々と悩んでしまう。貸本屋を利用するしかないかな。

訓:コミック版が出るまで、待つべきだった。

著者は推理系の作品が主の人で、社会派要素濃厚。社会に対しての皮肉を込めたものが多いです。この作品は、死刑についてを考える、というテーマだと思いました。冤罪や、犯罪に至る動機、などなど情状酌量すべき要素があっても、一度結審したら覆す事は困難、法に対しての無力・不条理を描いた作品です。

特に、この作品の主人公、織田は本人が「愛」を理由に裁きの死を望んでいるので、どうしようもない。織田に、裁きの死は必要か? 読者の心が揺れるように追い込む構成で、とても上手いです。

粗筋:
この作品は、異世界の日本。娯楽が死刑執行の番組、犯人が犯罪を犯すまでの経緯を再現するドラマを死刑執行人と共に再現される。
水谷が身長がほぼ同じという理由で、選ばれた。
織田と再現ドラマで接していると、供述に矛盾がある事に気づいた担当官たち。

が、上巻の概要です。
下巻で、調べるとやはり冤罪だった。織田自身が、事件の経緯と真実を語ります。
死刑執行を延期して、再審を求めようとするけれど・・・本人が死にたがってる。
執行が決まってから事実を述べても、国民の総意が反対をしても、・・・
★情交シーンは一度しか有りません。「情交→死刑執行」というGOサインを上が決めているから。ゲイに対して冷たい設定を置く政治家。

この作品は冤罪にも触れていて、死刑とまた別の課題を含んでいます。死刑制度を考える作品なので、興味を持ってほしい作品です。
私は、不完全な人が人を裁く行為は、間違いがゼロでは無いので極力避けるべきと思います。遺伝子書き換えなどで、犯罪の根本を見つめる方法に変えることが出来る時期が来ているので、そろそろ動物的な罰で対応する事は廃止して、何故犯罪を起こすのか、遺伝子レベルで解決をしてほしい。(早く研究を実用してほしい)
同じ遺伝子情報を持つ人が居る間は、場の条件次第でまた犯罪は起こります。
特に、この作品の死刑は、娯楽扱い。死刑囚が増える事を待っているようなもんです、共食いみたいな話で、愚かしい。
・・空虚な理想論ですけど。

5

引き込まれる世界観

なかなかダークな世界観です。
倫理とかプライバシーとか、そんなものはありません。
 
死刑制度が見直され、故意に人を死なせたものには必ず「死」を。
さらに、被害者がやられた通りのことをやり返す、『再現執行』も施行され……と、いう世界。
しかも、死刑囚の生活は24時間生放送で国民に提供され、死刑囚の「死」はエンターテイメント化されています。

ここまでやると、犯罪は激減するんですね。
現存する死刑囚はただ一人……それが、主人公の織田です。
恋人含め、2人を殺めた元警察官でゲイのイケメン死刑囚は、もはやアイドル扱いの人気者。
この織田に刑を執行する刑務官として選ばれたのが、水谷です。
水谷は、織田の元恋人・渡瀬になりきって、シナリオ通りに織田に近付きます。

ドラマでありながらリアル。
そして、作られた世界の中でポロリと見せる素の人物像……ここにドキッとさせられました。
渡瀬じゃなくて水谷。死刑囚ではない素顔の織田。
予想外の行動をする2人に人間らしさを見、そこに希望を感じました。

織田が渡瀬を殺害した理由とはーー…?
まだ明かされていない、この事実が作品のキモだと思う。

遊び人だけど、本当は優しくて誠実な水谷。
渡瀬とは違う水谷に、織田は絆されているのかも。
水谷と暮らし始め、織田がようやく「今」を生き始めたような気がします。

この先どうなるのー?と、気になって気になってあっという間に読んでしまいました。
これは、上下巻一気読み必至!
ただ、内容が内容なだけに、好みは分かれると思いますが。

上巻にエロはなく、キスのみ。
ラブに発展していくのか、下巻はそこも注目です‼︎

2

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