電子限定描き下ろし漫画付き
【新死刑法】人が故意に人を死亡させたときは、如何なる理由があろうと死刑とする――。
柳沢先生作品初読みです。
目力がすごいですね。
設定がフィクションならでは。
地下に町一つ作っちゃうって予算どれだけかかってるんだろうと変なことを考えてしまいました。
そのための契約チャンネル、CMの多さですねきっと。
JUST DO ITというチャンネル名が悪趣味というかふざけているというか。
ま、この独特の死刑執行をエンタメにしている時点で悪趣味だし、これが許される世界ってどんなの?となりますが。
24時間LIVE放送って、本当に死刑執行まで放送するんですかね。
独特の空間と設定での2人のやりとりで、言葉にせずとも心の揺らぎが伝わってくる描き方好きです。
イミテイション(シナノ)ゴールドはおもしろいタイトルだなと思いました。
元ネタ?の歌詞は「声が違う 年が違う」「夢が違う ほくろが違う」「ごめんね 去年の人とまた比べている」等で本作とシンクロしますもんね。
その林檎を上手に剥く織田を見て水谷が微笑む。
水谷の笑顔を見て手元がくるい包丁で手を切ってしまう織田。
ここから物語が動き、よりおもしろくなってきました。
絆創膏を貼ってくれた「渡瀬」に織田が「お前」「誰だ?」と言うのがいいし
織田が屋上で見る夢もいい。
織田がキスをした「渡瀬」が渡瀬と違うと思うところもいい。
絆創膏を貼ってくれた水谷を「とても優しい」と思うのも渡瀬との違いなんだろうな。
「俺は今の渡瀬に殺されたい」は水谷ならいいってことで、愛だなぁと思う。
水谷が知りたがるように織田の殺人の動機が気になります。
下巻楽しみです。
BLサスペンスという大好物ジャンル、しかもシリアスなストーリーに定評のある先生とあって注目していた作品です。
でもタイトルが重いのでしばらく積ん読してました。。
ようやく決心して読んでみると、そこまで重くなくて大丈夫だった。もっと早く読んでいればよかった。このレーベルにしては各話HではなくむしろHないんですが、お話が面白いので全然良かったです。
サスペンスが大好物なのでちょっと甘めの評価になっているかもしれません。
仮想未来の設定で、殺人罪が確定すると、同じ状況で死刑にされるという結構物騒な世の中になっています。
主人公は、2つの殺人罪で死刑が確定しています。
2つ目の殺人では、パートナーの男性を殺してしまう。動機がわからないまま、同じ状況を作るために全てがお膳立てされた街で暮らしている。街の住人は全て警察関係者。街には見えない境界があり出られないようになっている。。
実際には、全ての殺人に対してこんなに労力をかけられないだろうとは思います。
さて、パートナー役となった警官の水谷は、整形までして役を演じている。しかし、同棲するうちにだんだんと相手の本当の姿が見え隠れし。。
というストーリー。
事件ものとしても面白いですが、二人の関係性がどのように変わるのか、下巻に期待です。
死刑制度が「人を故意に殺したら必ず死刑」というように改変された世界でのお話。
"一殺一死"だなんて上手いこと言うなぁ、と軽い気持ちで読み進めたものの、重たい展開にちょっと苦しくなった上巻でした。
被害者と同じように殺される再現執行だったり、24時間生放送で死刑囚の生活を中継していたり。
現実味のない設定に戸惑いつつ、水谷(渡瀬)と織田のやり取りは先が読めずドキドキする場面も。
水谷が渡瀬を演じている時も、水谷自身で織田を見ているようなところがあって。
その意図はなんなのか?織田が起こした事件の真相は…??
今後の展開がどうなるのか全く読めないのですごくハラハラしたし、冷静な織田を見ていると逆に心がかき乱されるような不思議な感覚になりました。
下巻ではどうなるのか…その結末を見るのがちょっと怖い気もしますが、楽しみに読みたいと思います。
あまりに酷い犯罪をみたときに
「同じ方法で殺してやればいいのに」なんて思うことがありますが
現実になったら~なお話がございました。
1人殺したら同じ設定で同じように殺される
そんな死刑方式が現実に採用され、24時間監視の上
全国民にライブ放送されるという人権無視なトンデモ設定。
刑事の主人公は背格好が似ているからという理由で
一人の死刑囚の執行人に指名される
殺された相手の顔に整形し、人となりを学んで死刑囚のもとに
一緒に暮らしそして・・・・
少々ダークな展開
ものすごい世界観だなぁというのが一番の印象。目には目を、歯には歯を。こういう思想は誰しも持ちうるものだと思います。私も正直、冤罪の可能性が1ミリもないのなら、被害者を苦しめたのとまったく同じ方法で加害者に罰を与えるべきだと、という考えは常に頭の隅っこにあります。残虐非道なことをした犯人なら尚更。たとえ死刑執行の日まで怯えながら暮らそうと、それまでは衣食住も人権も保証され、結局最期は一瞬で死ねるのだから、被害者の苦しみの割に合わないだろうと思ってしまうのです。でも、織田という人間を見ていると、果たしてそれを一律に適用することが本当に正しいのだろうか?と考えさせられました。
まだ、彼と生前の渡瀬との関係性がすべて見えてきたわけではないけれど、少なくとも水谷と過ごす彼を見ていると、ただただ穏やかな気持ちしか感じないんです。何でもない会話、何でもない視線のやりとり…。水谷が心を許していくのも分かるなぁと。衝動的に人を殺してしまった事実がある人間に、そんなことを感じるのは危ないかもしれませんが、必ずしも元々心に残虐性を秘めているとは限らないのではないか、と希望的観測を抱いてしまうんですよね。下巻の展開がまったく読めませんが、こういう刑が認められた場合の未来の可能性の1つとして、楽しみです。