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最初は萌2にしていたんだけど、冒頭の先輩ですから!がしばらく経っても変わらず大好きなので、神に変更します。
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一番気に入ったのは、表題作よりも冒頭に収録されていた作品。
「先輩ですから!」
ネタバレしてます。この作品だけ詳しく書きます。
コンビニのバイト先の年上新人仙波(攻め)と、一緒の時間帯で働いている高校生バイトくん 高間(受け)とのお話。
ちゃらそうに見えて仕事ぶりはしっかりしていて、年上にも関わらず年下の高間のことを「高間さん」とと呼び敬語を使う仙波。
ときどきやってくるゲイカップルがコンドームを買っても、高間は動じず特に話題にもしない様子を見て「普通っすねー。」と仙波が言うんです。
それを聞いて、仙波さんはああいう人らのこと、好きじゃなさそうだなぁ・・・と思ってしまった高間は、話を合わせようとして彼らを否定するようなことを言ってしまいます。
ちょっと傷ついた様子をみせる仙波だけど、それ以降は特に気にする様子もありません。
途中、高間がバイトを辞めることを知った仙波と高間の携帯電話のアドレス交換時のやり取りがたまらなくいいんです。
メアド交換の後、一度電話かけてみてくださいといって高間から電話を掛けてもらうんですが、目の前にいるにも関わらず高間さんから初電話なので、と嬉しそうに電話に話す仙波(攻め)
そしてじーっと高間を見つめて「雪人(ゆきひと)」とでへっと笑いながら名前を呼ぶ仙波。今度から大学の先輩になるんで・・と言い訳してるのがカワイイ。
そして高間が仙波の下の名前を教えてもらって「春彦さん」とそのままお返しのつもりで真面目な高間は名前呼びをするんです。
それを聞いた仙波は画面をじーっと見て、「録音しとけば良かったぁ」って真っ赤になりながら満面の笑みをする仙波。
この携帯&名前やり取りは見開き2ページの画面なんだけど、ここ大好き。私にとっては神ページです。
そして高間のバイトの最終日、最後のお客さんになりにきました、と言って、仙波がやってきます。
いつものゲイのサラリーマンが買っている商品の数々と最後にコンドームを差し出して自分も彼らと同じだった、ごめんなさいとカミングアウトするんです・・・。
そこで高間は、かつて自分の本意ではないけど言ってしまった「マジ?って感じでちょっと怖い」を思い出します。
そんなこと全然思っていなかったのに、仙波にちょっと良く思われたくて言ってしまった言葉だったのにまさか・・・せつないです。
4月になってレジに立つ仙波の前に高間がやってきます。
ここもいいんです、名前を呼びあって もう一回そういうふうに呼びたかったっ!という仙波がなんともいい。名前の呼び合いに実感がこもっていてここのシーンも大好き。
ただし手書き文字がかなり小さくて読みづらいのが難。(他作品だが、読みづらいとされる恋するインテリジェンスよりも小さい)
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「先輩ですから!2」もあって、仙波の元彼である佐田が登場。佐田は仙波とヨリを戻したがっているのかとおもいきや、まさかの地味メン好きで高間狙い。
イケメンだけど、癖のある元彼でした。
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表題作「つまらない二宮さん」仙波の元彼とつまらないと言われていつも振られてしまう地味男子とのお話。
お話自体は予想通りでしたが、書き下ろしの「友達ですから!」が良かった。地味&似た雰囲気どおしの高間と二宮が仲良くなってお互いの彼氏の愚痴を言い合ってるところがツボでした。
それを見ている二人の彼氏、仙波と佐田の反応の違いも笑えました。
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「ルーフトップ・アナザーヘブン」
猫耳みたいなのと、ファンタジー系があまり好きではないので読むのをどうしようか迷いましたが、読んでみたらなかなかせつないお話で良かったです。
表紙ふたりの組み合わせより、「先輩ですから!」のふたりが好きです。
というか、さんざん「地味」分類されてる雪人くんと二宮さんが好き。かわいいな~。
「友人ですから!」で良き友として邂逅したふたりが笑えるほどツボにはまりました。
そして違う進化を遂げたふたつの世界が折り重なる、そんなお話も素敵でした。
逃げるようにして見出したお互いが、いつのまにか「そこにいて」、なんの約束も未来もなくても、いつだって「そこにいる」。
ジノが見えたり聞こえたりする幻が、「そこにいる」誰かと繋がりたい、自分が変わりたいと思うからこそ形を得たようにも思えます。それも良かった。
これはかわいい。好き。
①表題作+「先輩ですから!」
②「ルーフトップ・アナザーヘブン」
大きく分けてこれら2つの舞台で繰り広げられる、4CPのお話です。
私は表紙の寝っ転がってる佐田くんがすーーーごく好き(平眞さん作品の主要CPでこれくらいの短髪イケメンはレアなので)。
「先輩ですから!」が大好きなレビュワーさんが何人かいらっしゃいますが、私にとって同じくらい衝撃を受けた大好きな短編が「夏が来たのでキスしませんか」に収録された「秘密のコイビト作戦」だったので、皆さんのお気持ち、ものすご~~~くわかります。
素晴らしい作家さんなんですよね・・・平眞さん。
2013年発売なのに全然色あせないし、もともとこの頃から画力も高くキレイです。
しかもなんとこれ出版日だけで言ったらデビューコミックスか!
(実際は本作より古い頃の作品集が「in portrait」になります)
すごいな・・・末恐ろしい才能・・・。
「ルーフトップ~」はファンタジーなんですが、ケモ耳と人間が共存する世界観っていろんな作家さんで見るし、その際あまりにも現実とかけ離れていたので感情移入できなかったりもしたけれど、あ~そうか!たとえばこんな風に世界ができた、と考えるのも一案だなぁ、と腑に落ちました。
その始まり方を描いた作品は初めて見ましたので、それだけでも本短編集に手を出した価値は大いにありました。
(本レビュータイトルの○○は「共存」です)
これなら感情移入して楽しめる。イヤほんとにすごい人だ。
(他にもそういう作家さんがいらっしゃれば、ぜひ教えてください)
平眞さん作品では「僕にも恋がやってきました!?」と「夏が来たのでキスしませんか」が一番好きなんですが(一つに絞れないw)、大好きな作家さんなので皆さんに少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです。
出版順で言うとこの本が平眞さんのデビュー単行本と
言う事になります。
……デビュー単行本からこの調子ですか。末恐ろしい。
短編映画を2本見終えて余りの余りに席を立てずにいる、
そう言う読後感です。
ドヤ顔を押し付ける様な決めゴマが無い分すっと気持ちの
隙間に入ってきて、静かに心をえぐって過ぎてゆく物語。
それは行き当たりばったりに積み重ねられた結果物語に
なったと言うものではなく、一度きちんと図面に沿って
組み上げられた上で手頃になる様に再構築された小品なの
でしょう。
先にレビューした『まほろばの日々』よりも前に読んでいた作品。初読みの作家様でしたが、つまらないと言われる二宮さんがどんな二宮さんに変わるのか知ってみたくて買ってしまいました。タイトルにやられました!
・『先輩ですから!』
コンビニで長くバイトしている高校生の高間と、新人バイトの大学生の仙波。仙波は派手な見た目で軽そうに見えるのに、年下の高間にも敬語(~っす、だけどw)を使い、仕事も出来るわきまえた男で、地味で真面目な高間の好感度もUP。更にノリの良さでどんどん高間に近づいていきます。この仙波がすごくいい男でした。
仙波の方が年上だしチャラそうなので、ウブで真面目な高間相手にグイグイ行くのかなーと思っていたら、高間のことをノンケだと思っているし、困らせたくないって気持ちもあるのでしょう。高間の最後のバイトの日のカミングアウト=告白が切なかった。
高間がウブなので恋人になってからも、仙波は無理に先に進もうとはしないのですが、元彼が二人の仲を引っかき回してくれたおかげで、無事に結ばれますよ!この元彼が次の『つまらない二宮さん』のお相手です。
・『つまらない二宮さん』
1話で仙波にストーカーしているかと思えば、実は地味男子好きで高間狙いだったと言う佐田と、いつも「(一緒にいても)つまらない」と振られてしまう地味な塾講師の二宮。面白味のある人間になろうと友人と出かけたゲイバーで、佐田に声を掛けられて…。
佐田の好みど真ん中な地味な二宮。いわゆるありのままのキミが好きってお話です。必死になる二宮は充分可愛かった。佐田が一貫してクールなので、もっと振り回されて欲しかったな。結局の所、二宮のこれまでの相手はお互いに本気の相手ではなかったんだろうなと思います。
・『ルーフトップ・アナザーヘブン』
二つのそっくりだけど異なった世界。それぞれの世界で暮らすジノとナカノ。彼らは子供のころから、見えないものが見え存在しないものを感じることで、嘘つきだと気持ち悪がられ、いじめにあっていた…。
絶対に別の世界があるって思いこんでる子供だった私は、こういうファンタジーが大好きです。近くにいたってすれ違ってしまうのが人間なのに、「見えなくてもここにいる」という言葉が力強くて泣けました。彼らの未来が見られて良かった。