• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作調教は媚酒の香り

宗司一鷹,ワインバーオーナーの調教師 
潤音,捨てられたM奴隷

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

SMサロンに住む潤音は、容赦ないSと噂の調教師・宗司一鷹に預けられることに。縛られ絶頂を止められ裸で歩かさる宗司の調教に、しだいにMの悦びを与えられどんどん磨かれていく潤音。宗司への畏怖はやがて――。本格SM官能ロマンス!

作品情報

作品名
調教は媚酒の香り
著者
砂床あい 
イラスト
小山田あみ 
媒体
小説
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイSLASHノベルズ
シリーズ
調教は媚酒の香り
発売日
ISBN
9784799713082
4.3

(149)

(91)

萌々

(32)

(17)

中立

(5)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
24
得点
639
評価数
149
平均
4.3 / 5
神率
61.1%

レビュー投稿数24

愛もありSMもありな作品

表紙で若干身構えたものの、蓋を開けてみればしっかと愛もあり、SMもありな作品でした。
調教と言ってもそこまでどぎついものはなく、むしろ宗司さんのところへくる前のご主人様のところにいた時の描写の方が痛々しいくらいでした。
虐待とSMの違いを潤音に教え、心も体も調教していく様は非常に萌えました。
調教といっても鞭や緊縛などを使った痛々しい調教ではなく、比較的優しい、という言い方はおかしいかもしれませんが、痛々しいSMではありませんでした。
小の方のスカ表現が少々ありましたのでそれについては好みが別れてしまうかもですが、個人的にはとても好きです。
ただ囲って調教していくだけではなく、一人の人として扱い、ワインという新しい知識を与えていくというのも、潤音にとってSM以外の世界を見せるきっかけになっていて非常に素敵でした。
二プルピアスや首輪などの定番もあり、非常に満足した一冊です。

19

純愛SM

SMものってことで、ちょっとハラハラしながら読んだんですが、すっごく胸キュンものでいい意味で予想を覆されました。Hシーン(というより調教シーンですけど)は多めだけど思いのほかソフトで、痛々しいのが苦手って人でもわりといけるんじゃないかなぁ?

なにせ攻めさんがカッコいいです。台詞にいちいちドキっとさせられます。単にドSってだけじゃなくて、なんか包み込んでくれる感があるのも不思議。プロのドSさんは、本当はこういう感じなのかもって思いました笑)
雑魚キャラに対しての台詞ですが、「豚が、生意気にひとの言葉をしゃべるんじゃない」が個人的にツボです笑)

受けちゃんは、最初の方はウジウジしてて生意気っぽく書かれてますけど、読んでいるうちに寂しい胸の内がどんどん見えてきて愛しく思えてくる。特に攻めさんへの恋心を抱いてからはすっごく可愛くて、最後のH場面なんか、もうきゅんときます。


話自体は、そんなに過酷な山場とかがあるわけじゃないんですけど、攻めと受けの関係の変化がメインになってて引きこまれます。砂床さんの筆力があるから余計に。SMのほかにも、ワインの知識がしっかり書かれているのも、読んでいて面白かったです。飲みたくなった!笑)

SMって、普通の感覚でいえば歪んだ愛情の形ですよね。どっちも共依存してるっていうか、そういうのってどうなんだろうって今まで思っていたんですけど、まさに覆された感じ。これはれっきとした純愛だ!って言いたくなる。そういう作品を生み出された砂床さんにザブトン百枚って感じですっ。

14

死んだら棺桶にこの本を入れてほしい

そもそもこの本を読んだきっかけは、ちるちるのソムリエさんに、オススメされたことでした。
その頃はまだBL小説ってあまり読んだことがなくて、SMにも特に興味はなく。でも、ソムリエさんに訊くとよく出てくるので、軽い気持ちで買ったんです。

で、まずこの表紙ですよ。とてもリビングに出しっぱなしにしておけない…!
淫靡、耽美としか言いようのない、小山田先生の美麗イラスト。素敵すぎる。

そして口絵がまた…宗司さんと潤音くんの初エッチの場面なのですが、乳首!
乳首責めに目がない私は、口絵イラストの乳首ピアスに期待感が高まりながら、ウッキウキで読みはじめたのですが。
序盤の調教シーンの、デキャンタボトルに放尿させられるあたりから、ページをめくる手が止まりがちになりました。
もう、なんというか、読み終わるのがもったいなくて。

舞台設定、題材、キャラクター、文体、そして挿絵。なにもかもが好みすぎると、萌えるどころじゃなくなるという経験を初めてした私は、エロい気分はその段階で吹き飛び、もう「尊い」しかなくなりました。
ドキドキして手がふるえ、作者様に「ありがとうございます…!」と言いたくなるあの感じ。こんなことってあるんですねえ…。

前の主人に捨てられた潤音くんは、叩かれたり鞭を受けたりすることを、愛だと思い込んでいます。
そんな彼にした宗司さんの最初の命令は、「私を信じなさい」。
調教は信頼がないと成り立たない、Sが欲望のまま一方的にMを鞭打つことは虐待でしかないのだと、潤音の間違った思い込みを正し、前のご主人様の痕跡を消すのが宗司の目的です。だから、潤音とはセックスをしない。
潤音はそんな宗司に反発するのだけど、だんだんと彼の考えを理解し、マスターとして受け入れていくようになる。

期待していた乳首ピアスですが、そこに至るまでの潤音の気持ちの揺れ動きがもう、可愛いとしか言いようがなく、悶えました。
宗司に認められたい、褒められたいと思うようになった彼は、やはりMなだけあって、同時にお仕置きしてもらいたい、と思ってしまう。その結果が、あのピアスです。
で、言葉が厳しいから宗司の気持ちは伝わってはいないんだけど、彼も潤音を大事に思っているのがわかる。
調教後は身体のメンテナンスをしてやり、ひとりで眠るのを不安がる潤音に、自分の寝室にベッドを用意してやる(同衾はしないのです。そこがまたいい!)。
体を売ることしかできなかった彼に、ソムリエの教育を施し、まともな仕事ができるようにしてやる。
この作品が他のSMものと一線を画しているのはそこで、宗司は調教を通して潤音の才能を引き出し、社会人として一人前に育てようとする。
セックスをあえてふたりの関係から排除したことによって、純粋に相手の幸福を想う、深い愛情をそこに感じずにはいられません。
調教で信頼と絆を育み、ワインを通して愛情が生まれていく過程、潤音の人間としての成長が、恋愛小説として読み応えがありました。
そして! 声を大にして言いたい。宗司さん、意外とムッツリです。そこがいい!

私にとっては、他の神作品よりも更に上の評価をつけたい。自分が死んだらあの世に持っていってまた読みたい。それくらい尊い作品です。

タグについてひと言。
「スカトロ」とありますが、小のみです。痛いシーンはピアス貫通の場面くらいで、「異物挿入」も、デカくて痛そうなものではありませんのでご安心を(ワインに関するあるものをねじ込まれますが、あまり痛そうではなかったです)。

13

痛みは伴いますが、極上の純愛だと思う

新たなお気に入りの作家さんを発掘すべく、目についた作品を読み漁って見つけた一冊なのですが、こうまで自分の性癖にドンピシャの作品を見つけてしまうと、嬉しくて嬉しくて読みながらプルプルしてしまい、たて続けに続編の『調教は淫酒に濡れて』と、緊縛繋がりで『心まで縛りたい』も一気に読んでしまいました。ただ、お仕置き描写は小スカやスパンキングなどあるので、万人受けではありませんが私にはめちゃくちゃツボでした!

緊縛物やSM物は滾るテーマなので好んで読んでいましたが、受けが自らも気づいていなかったり、ひた隠しにしている被虐嗜好を、攻めによって暴かれて辱しめられながら責められるところに萌えを感じていたのに、この作品でさらにもう一歩深~い世界にまで踏み込んでしまいました。

不幸な生い立ちの受け潤音は、性格も災いして、人間関係もうまくいかずに、結果、ウリをすることで何とか行き長らえていたところを「ご主人様」に拾われ、愛という言葉のもとに家畜同然の扱いで散々の虐待をされ、捨てられ、すがるように本格的SMクラブに逃げ込んできます。そこで新たな主となる一流の調教師、宗司と出会い、ボトム(愛奴)として預けられることから二人の関係は始まりまるのですが、新たなマスターとなったこの宗司がめちゃくちゃイイ〰️(泣)

主従関係に対してはとても厳格で、調教もかなり厳しいのですが、罰を与えるにしても、鞭や道具で一方的に痛め付けるのではなく、直接掌で叩くことでボトムと同じ痛みを感じて調教したり、もとの主に付けられた傷に自ら薬をつけたりと最初から端々に優しさが見えるのですが、潤音にワインの才能を見出だし、潤音自身も少しずつ従順になっていくと、宗司の方もどんどん気持ちが傾いていき、求めるものは厳しいながらも、ますます『飴』が甘々になってきて、もう〰️っ身悶えするほどでした。

さらには体を売ることでしか生きられなかった潤音に新しい道を拓かせるために、働く場所を作ってあげるとか、がんばったご褒美はお膝で頂くワインとか、慈しむように頭なぜなぜとか、もうなんなの〰️(泣)そのうえ主人の仕事として、日々、潤音をお風呂ですみずみまで洗い上げ、ドライヤーで髪を乾かし、さらに入浴後はボディマッサージとか…マスターによる至れり尽くせりのお手入れも半端ないです(笑)

愛に飢えていた潤音なので、そんな愛情深いマスターに調教されることで、どんどん惹かれて、ボトムとしてだけではなくて、さらにそれ以上の愛情を与えられる存在になりたいとひたむきに頑張るのもわかるし、一途で健気な姿はめちゃくちゃ可愛いいんだろうなぁ~、ワインにしか興味のなかった宗司がズブズブ嵌まっていくのも理解できる。

極上の飴と厳しい鞭を使い分ける宗司ですが、意外にも一番初めにした要求が「私を信じなさい」だったのが、とても印象的でした。迷いなく信じることで、どんなに苦しい責めにも立ち向かえるし、セーフワードで苦しみから逃れることもできるのに、耐えきって相手の期待に応えたいと健気にも思わせてしまう。

SMってただ単に痛みや羞恥を与えたり、与えられたりすることで快楽を得る性的嗜好だと考えていましたが、それだけでなくむしろ体以上に精神的繋がりが重要で、ここまで信じきれる、信じさせる二人の関係ってすごい純愛だなぁ…と、じ~んときてしまいました。巡りあえて本当によかった、めちゃくちゃ嵌まった一冊でした!

11

久々に良かった

SM物で、正直期待してなかったけど。読んだら、途中で泣いてました(笑)
主人公が健気というか。痛々しいというか。

途中から、調教関係なくなってしまったので物足りなさは有りましたが、ハッピーエンドなら良し。という事で。

8

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP