2匹の狐神と過ごす不思議な毎日

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表題作狐神と千年の恋わずらい

鎮守神天狐の荒御霊 クロ(科戸)
神社に下宿することになった大学生 坂木直 20歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

美しい狐神・科戸に守られた天狐の里・蒼葉町。その神様が祀られた由緒正しい蒼葉神社に下宿することになった視える体質の直は、そこで二匹の狐神と出会う。優しく優雅な和御霊のシロと、ぶっきらぼうでいじわるな荒御霊のクロ。直はシロへ恋心を抱くが、強引なクロの存在にも心を揺さぶられていく。そんなある日、白蛇の霊・ミツワに憑りつかれてしまい!? 
 狐神との千年にわたる運命の恋?

作品情報

作品名
狐神と千年の恋わずらい
著者
田知花千夏 
イラスト
緒田涼歌 
媒体
小説
出版社
アスキー・メディアワークス(角川グループパブリッシング)
レーベル
B-PRINCE文庫
発売日
ISBN
9784048915038
2.4

(9)

(0)

萌々

(1)

(3)

中立

(4)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
3
得点
17
評価数
9
平均
2.4 / 5
神率
0%

レビュー投稿数3

一つの魂なんだけど

鎮守神天狐、狐の神様が攻め様として登場するお話で、輪廻転生ものでもあります。
この手の神様ものファンタジーは得てしてハッピー展開に見えるけれど実は違うなんて
ことが多々あるのですが、この作品もハッピーな終わり方をしているけれど、
実は何もハッピーではないのではと個人的に思ってしまうのです。

内容は物の怪や妖怪、幽霊なんかが物心つく前から視える受け様が主役。
両親の転勤で一人になる受け様は父親の知人宅に居候して大学に通う事になります。
しかし、そこは神社で、天狐様を祀っているのですが、その神様は人の姿で神社で
手伝いをしている、そんなとんでも設定。

ケモノ耳にシッポもふもふの美形神様で受け様は初対面で見惚れドキドキ。
妖怪が怖くていつも見えにように避けていた受け様は天狐の科戸様(シロ)との出会いで
物の怪に対する怖さが少し無くなる感じになるのですが、ある日科戸様に襲われる。
でもいつもの優しくて白いイメージの科戸様ではないと気が付きそれが同じ科戸様でも
荒御霊だと気が付く、同じ一人の神だけど、簡単に言えば優しく癒す神と罰する激しい神が
一つの器に入っている感じでしょうか。
受け様は人間で言うなら二重人格のような神様にシロ、クロとあだ名を付けて区別する。

この狐神様は元はこの神社の始祖にあたる陰陽師で受け様の前世だと言う人の式をしてて
主従関係だったりするのですが、その受け様の前世の人物との約束で今でもこの地を
護りながら受け様の輪廻転生を待っていた設定。
同じ魂を持って生まれた受け様ですが前世の記憶は無く、最後まで無し。

主従愛かと思えば、クロは受け様が前世の記憶が無いと腹を立て怒りで犯す。
この辺りが納得出来ない展開で、受け様の前世と恋愛的なものも無かったようなので
再会して直ぐって意味が解らないし、まぁその後は交流を持ちながら愛情が育つのは
流れ的にはOKだと思うのですが、元は一人の狐神なのに、分離して一方と相愛になるのも
なんだかおかしい感じなのですよね。

それにきっと受け様の寿命が来ればまた同じ悲しみが続くかと思うといくら輪廻転生でも
やっぱりハッピーだとは思えない気がしてしまうのです。
それでもそれはそれで突っ込みどころはあるけれど読んでて面白くないって事は無く
不自然さを流せば楽しめるし、もふもふ子ぎつねも可愛い萌えもありました。

3

えっ、そっち?

ケモミミモフモフ、しかも表紙は多分攻め2×受け1と見た!3Pですか!?
いや、このレーベルはビープリだ。
しかもデビュー作品からちょっと自分の趣味的にはずしてきている作家さんだし。
しかし好奇心が勝ちました。
作者さん初挑戦というファンタジー人外モノだそうです。
しかして、結末に至るに・・・がっくり・・・やはりそうだったか~
期待した自分が悪かったのです(泣)

両親の海外赴任に付いて行かなかった為に知り合いという神社に下宿することになった大学生の直。
彼は実は人でないものが見えるのです。
駅で迎えをまっていると、その土地はそんなモノがうようよと、危うく女性の霊に取りつかれそうになったところを救ってくれたのは御使の子狐と、神社の鎮守神として祭られているという天狐の科戸でした。
この神社には心霊兼研究をしている宮司と人に見える姿で出て来てくれる科戸様を使ってガッツリ金儲けをしている息子の二人暮らし。
直も、しっかりと掃除くらいですが神社のバイトとして使われる日々。
優しくてきれいな和御霊の科戸にほのかな想いを寄せる直ですが、彼と身体を共にしながらもう一つの魂である荒御霊であるクロ(直が命名)が出てきたことで、直は翻弄されてしまいます。
そんな時、ヘビの霊に取りつかれ彼の想いにひきこまれてしまう直。
そして直を助けるために・・・

ここでとても気になるのは、直の気持ちです。
優しい科戸が好きという感情は早々に持ちます。
荒御霊のクロに強姦のように襲われてしまうのですが、流されるというよりはやんちゃな彼がちょっと気になるけど、やっぱりシロ(優しい科戸の方)が好きと思っています。
だけど、彼の選ぶのは・・・
いや、二人で一人の科戸である以上、どうみても直がどうしてクロだけ選ぶのかわかりませんでした。
ここは、普通3人というか3Pというか精神的3Pだよね?
あと、この科戸が直にこだわる理由というのがあるのですが、その感情の由来についての説得力が薄かったのです。
そんなに思うほどに、愛と言ってしまうほどに過去に何かあったのか?
ただの主従じゃなかったってこと?
言葉で縛るだけ?それが約束だったとしても、そのあたり納得できるようなエピソードにしておいてほしかったな~
黄泉の国なんてイザナミとイザナギの伝説みたいな話を挿入するよりそっちをはっきりさせておいてほしかったです。
何だか神様とかそういうものにこだわりすぎて範囲がひろくなってしまって肝心のポイントがおさえられず、無理矢理一人とくっつけたような印象を受けてしまいました。

4

メインキャラ以外は魅力的なのに・・

二重人格の狐神さま×霊感持ち視える大学生

おいしい設定が盛りだくさんなのですが、期待値が高すぎたかな?
もふもふはあまりなかったし、攻め様二人の対立関係もゆるゆるで萌が薄かったです。

キャラは魅力的なのですが、それが受け様や本命の攻め様でないことがなんとも残念です。
シロ様(当て馬)は神社のお仕事を顕現して手伝う超絶フレンドリーな神様、超美形の神官様として高齢の女性陣にキャーキャー囲まれて、一緒に写真も撮らせてくれる。にっこり穏やか、いい神様。

サブキャラですが宮司の息子ががめつくて元気があって、この子が一番好きです。シロ様のご尊顔入りのお守りを売ったりして、商魂たくましい!
罰当たりでは?との受け様の問いに「貧乏より怖い罰なんてないね」と答えるシーンはうっかり萌えてしまった。あ、上記のお写真も有料でした。天然の父に代わって神社を運営する孝行息子でもあります。

狐神をお頭と慕う妖怪達はヤクザの三下みたいで笑っちゃいましたw
神使の子狐たん達はかわいいです。



お馬鹿な受けは決して嫌いではないのですが、この受け様はダメでした。
優しいと見せかけて優柔不断なだけだし、状況に流されるままで決断力も無い、自ら起こした行動は強姦された後に居候先から出て行くこと、それすら未遂のまま。攻め様が自分の我儘で死んで悲しんでも反省はしない。あれもない、これもないままお話は進み受け様は何の成長もないまま生き返った攻め様と結ばれハッピーエンド。ってなんだそりゃ・・。
行動力も責任感もない馬鹿は好きになれませんでした。


攻め様は前世やら魂やら関係なく受け様が好きだと言うけど、そこ以外のどこで好きになったのだろう???

メインカプに萌えがなく、なんかすっきりしませんでした。

2

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