赦されない関係ゆえに追いつめられていくふたりは!?

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表題作神花異聞

三門衛
東京暮らしの作家で弟,24歳
三門泰正
家業のミカン農家を手伝う兄,25歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

本当は兄さん、やめたいんじゃないの。俺との関係ー

四国で家族と暮らす三門泰正にとって、なによりも大事なものは家族の存在だった。両親に祖父、それに弟の衛はかけがえのない存在であり、家族のためならなんでもできると思っていた。
ただひとつ気がかりなのは、弟の衛だった。
兄と弟でありながら、禁忌の関係を持っていたのだ。情熱的に泰正を求める衛に対し、泰正は兄として衛を大切に思っていた。だから、兄弟以上の関係であっても、ふたりだけの秘密ならいいのではないかー
そう考えていた泰正だが、幼馴染みにふたりの関係を知られてしまい……⁉︎
(出版社より)

作品情報

作品名
神花異聞
著者
夜光花 
イラスト
水名瀬雅良 
媒体
小説
出版社
大洋図書
レーベル
SHYノベルス
シリーズ
堕ちる花
発売日
ISBN
9784813012733
3.7

(37)

(10)

萌々

(13)

(12)

中立

(0)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
8
得点
138
評価数
37
平均
3.7 / 5
神率
27%

レビュー投稿数8

山神の子供、家に帰る?

既刊「鬼花異聞」の続編にして最終巻になる花シリーズのスピンオフの匂いがする
もう一つの花シリーズでしょうか。

前作の内容は、幼い時には神童とまで言われた天才的な頭脳を持っていた兄が、
神隠しにあったように1年間行方知れずになり、戻って来た時には、同じ年頃の
子供よりさらに幼く、そして元気に野山を駆け回る野性児として帰ってくる。
そしていつしか弟は兄を欲情を抱く存在、兄以外には欲情しないところまでなり、
兄を求めて、兄は可愛い弟を受け入れる、それも恋愛的なドロドロ感を感じさせない
単に弟の欲望をあっさり受け入れる感じで天然とも違う大らかすぎる家族愛の延長。

それ故に罪悪感を抱かない主人公の兄泰正ですが、弟の衛は身体を手に入れても
心が手に入らないように感じ精神的に追い詰められるような前作でした。

本当にこの泰正の無邪気と言うか愛されキャラがツボにハマってしまうのです。
頭の出来が少々?悪くて、でもいつも朗らか元気、でも抜けてる事が多くて周りに
心配かけるけど、泰正だから仕方ないで終わる。かと思えば全てを受け止める大きな
度量がある男前ブリと魅力的な主人公ですよね。

でもそんなピュアピュアな泰正の真実の姿がラストで明らかになるのですが、
それは既にどっぷりファンタジーの世界、異世界に入り込んでる設定でしたね。
既刊でも泰正だけに人には見えないものが視える不思議設定でしたが、続編はもっと
その濃度が濃くなって、そのせいで余計に兄弟での禁忌の関係なんてあっさり
吹っ飛んでしまうし、泰正の母親のことも明るみになるので異世界ファンタジーとして
幕を閉じてしまったのねと言う終わり方でした。
まぁ、異世界もファンタジーも狐も妖怪なんてものも大好きだから個人的には
面白かったと思える1冊です。

1

最後の最後、過去の独白で話がぎゅっ!と締まって良かった

本屋でたまたま目に付き、兄弟モノ大好き!なので買いました。
後で知りましたが、これは続編だったのですね。
でも最後まで続きモノだとは気が付かずに読み切りとして読めました。

兄弟モノが大好きなので、これの前に「堕ちる花」シリーズを読んでいましたが、巻数を重ねるごとに兄弟モノの醍醐味から大きく逸れて行って、私が嫌いなジャンルSMとか恥辱色が濃くなっていきガッカリしました。
でもこの「神花異聞」は2作品目なのに最後まで禁忌とか秘密が薄れず良かったです。

ところで夜行花さんに限らずBL作家さん、それと他のジャンルのエロありは読まないので知らないのですが、もしかしてエロいシーンを書く作家さんの殆ど多くが露出プレイが好きなんですかね?
「見られちゃう!」「聞かれちゃう!」とかいうのがエロシーンの定番で出てきますが。
私はそういうのが大嫌いなのでことのほか違和感を感じるのかもしれません。
本人たちはそれで盛り上がるのかもしれませんが、強制的にそんなモン見せられたり聞かされたりしたら、私はケーサツに速攻公然わいせつで通報するか、「キモッ!粗末なモン見ちゃった!サイテー!」と聞こえるように言うし、壁を殴りまくるかドアを蹴りまくるか、不動産屋に苦情を入れる。
他人の生々しい下半身行為なんか知りたくないです。
お互いのプライベートタイムは尊重しましょうよ。
どうしても見せたかったり聞かせたかったりしたら同じ趣味の人同士でやってください。
一般人への強制参加は罪に問われます。(私が問います)

0

天真爛漫な愛されキャラ

受け様が突き抜けたセリフを言うたびにシリアスムードから一気に力抜けたぞ。
BL的にはイマイチでしたが、愉快な妖怪の仲間たちや、家族愛、受け様の言動が意表をついて面白かったぞ。

脇キャラの峰っちも良かったけど、私はようちゃんが好きだぞ。
東京でいい人見つけて幸せになってほしいぞ。
じいちゃんも良かったぞ。受け様と二人で合い言葉作ってるとか!笑っちゃったぞ!


2

兄のキャラがインパクト強かった

やはり読み進むにつれ、面白くなりました。ゆっくりとお話が転がり始めるので、それまでは忍耐。転がりだしたら存分に楽しむ作品だと思いました。

もともと好きなのもあって、ファンタジー設定がツボにはまり、途中からはラブそっちのけになりました。受けがものすごーく変わったキャラで、言葉尻もどこかおかしいし最後まで不思議ちゃんだったのに、だんだん可愛くなってくるから不思議。周りの人たちに愛されるのも分かる気がしてきました。

異世界のパートは昔話や百鬼夜行抄、夏目友人帳、雨柳堂奇譚などを思い出してほのぼのとなごみました。

鬼沢村の兄弟とは反対に、なごやかなラストだったのは鬼と神との対比のためでしょうか。萌え度としては鬼沢兄弟に軍配ですが、神谷兄弟(というか兄)もなかなかだったと思います。

BLとしての萌えはどうしても兄のキャラで打ち砕かれてしまい(笑)今一つだったんですが、ほのぼの好きだし兄が可愛かったので評価は萌えです。
次の主人公となる長峰がすごくいい人でした。長峰読みたさに次も読んでしまうと思います。

2

お山の子の大きな愛情。異色BL

「鬼花異聞」続編です。

読み終わっての感想は「異色だった〜…!」の一言に尽きる感じです。
「ファンタジー系」の括りになるのだと思いますが、単純に妖怪ものとも言えず、なんというか非常に土俗的というか、フォークロア、村の言い伝えと現代が地続きのような世界観というか…

「鬼花異聞」に引き続き、弟との禁断の肉体関係が柱にはなっています。
本作では、幼馴染の洋平に衛との関係がバレる展開。
同時に、より怪異のモノたちが泰正に近しくて、山で妖狐の子狐を託されたり(里では犬に変身する)。この辺りは、もうBLというより民話を読む感じで楽しむのがいいような気がします。
中盤にはお山のヒトならざるものの世界で、自分の居場所、家族への想い、衛への想いを再確認する泰正の姿。
そして前作にも出てきた編集者の長峰の力を借りてまたこちらの世界に戻り、衛も家族もお山も全て大切だというほのぼの的なラストへ…………

と思いきや!の最終章。
泰正のモノローグが来て、物語の色が一変しました…ゾクゾクゾク〜っ
オチとかそういうのとは別に民話の怪異譚としての薄暗さがきて、この作品の異色さが際立ちました。

2

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