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表題作義弟~青蛇の虜~

再婚相手の息子 菅原彰久・17歳
落ち目女優の大学4年の息子 二ノ宮朔也・22歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

母の突然の再婚で、義父の連れ子で暗い目をした義弟・彰久と暮らすことになった朔也は、ある日突然犯され、監禁調教の地獄の日々に突き落とされる。どうやら彰久は危険な組織と関係があるようで…。

作品情報

作品名
義弟~青蛇の虜~
著者
真宮藍璃 
イラスト
東野裕 
媒体
小説
出版社
白泉社
レーベル
花丸文庫black
発売日
ISBN
9784592851059
3

(14)

(0)

萌々

(6)

(4)

中立

(2)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
6
得点
38
評価数
14
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数6

先が読めない面白さ!

最近の作家さんてホント、レベル高い人多いなぁ。
予定調和と雰囲気だけで乗り切れた時代とは隔世の感があります。
これもBL離れした骨太なストーリーと、
先が読めない展開にしてやられた感じ。

「義弟」というタイトルと、肌色率高い表紙につられて購入。
しかも、イラストは東野裕センセイだし!

芸能人同士の結婚により、息子同士が北鎌倉の屋敷で出会う。
主人公の名前が二ノ宮朔也、といういかにもイカニモなネーミングにワロタw

芸能人の息子同士っていう、いかにもお軽そうな設定に
「ふーむふむふむ」と序盤はボーッと読んでいたんですが
なかなか先が予測しにくい展開です。
BL的予定調和がない!!!!
ありがち強姦凌辱エロエロものと見せかけて、
結構なハードボイルド。

ま、ハードボイルドとして読むには人間模様が甘いところはあるが
謎がどんどん深まる構造は悪くありません。
ことに、元・俳優である朔也が、「演技」をしているうちに
演技ではない部分、さらにはストックホルム症候群を疑いはじめる
心理描写はなかなか読みごたえあります。
おそらくは犯罪部分も、ガッチリ書ける人でしょうが、
あえてそこまでは踏み込まなかった、という自重ムードすらあります。

ここまで書ける作者さん、ぜひ、本格的にBL枠をとっぱらった
レーベルでも書いてほしいです。

5

終わりよければいいのです

たいがいレイプからスタートしてもそんなに重たい印象の無い真宮作品ですが
このお話に関しては全体的にダークな色が漂っておりましたね。
嫌いじゃない(´∀`∩イエスv

母親の何度目かの再婚。
毎度繰り返されることにちょっぴり慣れっこだった。
新しくできた弟ともなんとかやっていける気がしてた。
それなのに唐突にグイグイ迫ってきた年の割にガタイのいい義弟に犯されてしまう。
繰り返しの行為に身体だけは馴らされていくが・・・!?
というところ。
簡単に気持ちはやらないってスタンスは好きです。
殺してやると思った相手に犯されるとか萌えです。
最近はレイプされてもすぐ快楽にほだされて好きになっちゃう子が多いのでそこは評価。

義弟の謎の行動と怪我。
恋愛面に関しては年相応に初心な反応を見せるなど
ちょいちょいかわいい面もいい。

後半明かされた真実と~な部分。
個人的には幼い義弟も・・・という設定に萌えました。
むしろ父親に売られて怪しげな施設で・・なダークサイドが見たいww
犯される立場から犯す立場に(強制とはいえ)というのも燃える。
毎度言いますが、作品自体が俯瞰で見ている部分が多いので
個人的にはもう少しキャラクター双方の気持ちの揺れ動きが見れれば
もう少し評価上がったのかなと思いました。

終わりよければすべてよし。
ラストの持って生き方も私は嫌いじゃないです。
なんだかんだまだ若いのでこれからを楽しく幸せに生きてほしいと願い読了

5

作られた17歳

義理だけど兄弟モノ。
しかし、この話は禁忌をテーマにしたものではなくて、辛くて苦しい胸の内がサスペンス風味満載に展開されており、この作家さんの過去作品が自分的に今一つだったのですが、中々に今回は読み応えがありました。
義理の弟となった17歳と思えないとんでもない姿にビックリしたのもつかの間、垣間見せる17歳の素顔のギャップとか、彼の苦悩とか
兄となった22歳の賢さと、酷い目にあわされながらもやはり悩み苦しみながら試行錯誤して冷静に考えるその男前な、いかにも年上らしい態度。
そこに生まれた感情は、吊り橋効果もなきにしもですが、結末に幸せになれよと思わずにいられない。
若干悪人のスケールがちんまくて(w)え?とは思わなくもないが、ま、それは物語を勧める上での重要なところなんで、あえてスルーして…

かつては大河女優をはった母親も落ち目で、次々と男を変えては再婚して、そんな女優の息子・朔也は新たに母親の再婚によって弟ができることになります。
その弟は彰久17歳。しかし、学校へは通っておらず同居するようになってもほとんど家から出ず、出かければ数日帰ってこなかったり。
ある日傷だらけになって帰宅した彰久の足の付け根に蛇の刺青を見つけた朔也は、激情した彰久に犯され、それから部屋に監禁されて彼に犯され続けます。
何とか逃げ出そうと朔也の考えた策は、彼が以前名子役として俳優をしていたその前歴を生かし、彰久に心が移った演技をして、彼の弱味を探ろうとするものでした。
その中で普段傲慢で鬼畜を装っているものの、本来持つ17歳の少年らしい素顔を見つけた朔也は、彰久に何かあるに違いないと確信するのでした。
そしてわかった真実とは!?

いきなりオラオラの鬼畜を見せた17歳に仰天しました。
こんな17歳っているの?って、朔也と同じ意見ですw
だけど、それは怒りをぶつけているようでもあるかもしれないので、後で事情がわかるとなんだかかわいそうで。
本来は酷い目にあわされているのは、朔也なんですが彰久が理不尽すぎて、彼があまりかわいそうに思えない、
むしろ、男前で彼には考える時間もあるし賢かったので、閭辱シーンが頻繁に出現しても客観的になれる分、痛さが緩和されているかもしれません。
ただ、クライマックス。
真実が明かされて、その魔の手から逃げようとしたところをつかまって絶体絶命になった時、一体誰が二人を助けてくれるの?
普通だと攻めがスーパーヒーローで受けを救いに…とかがよくある展開ですが、この場合二人とも現場にいて危機にひんしているのです。
そんなクライマックスはハラハラしてしまいました。

全てが解明された時、たった朔也一人の為にこんなに手間取って、そして解決を見るのには、それには17歳の彰久が、彼なりに必死で守ろうとしていた、彼の影の努力があったのがわかります。
彰久は本来の一番の犠牲者で、一番可哀相な人だったのです。
あまり甘さはないのですが、ひと時の二人の穏やかな会話、ヘミングウェイを原書で読むのを教えてくれとか、野生の動物に餌をやっているのを知られた時の彰久の様子とか、ハードの中に見せる彰久のギャップがほっとさせる部分だと思われます。

東野さんのハードな男イラストは話の作風にピッタリだったと思います。
あとがきの後に短編でその後の二人『そこにある幸福』が描かれています。
ここでは本編と違い、年相応の彰久の姿と、朔也が彰久の兄・親・恋人と、いくつもの役割をして、彰久に幸せをあたえているという、とっても甘い話が展開されておりました。
この短編に、照れてる強面の彰久の絵なんかあったら面白かったのに~なんておもってみたり♪

7

犯罪の痛さが大きい

義兄弟ものなのですが、単純な親の再婚同士で兄弟になって云々では無いストーリー。
そこに幼児の人身売買、児童ポルノなどの犯罪が背景にあり、シリアスで重い。
そしてその犠牲者で被害者である者が加害者にならざる得ない暴力的な楔。
花丸blackなのでエロエロですが、恋愛とはかけ離れた痛いエロ凌辱系ですね。

主役二人の両親は華やかな芸能界の人間で受けである朔也も子供時代に名子役として
名前が売れていた人物、母親は2流女優で恋多き女で、再婚を繰り返しているのですが
今度の再婚相手が芸能プロの社長で、その連れ子が攻めである17才の彰久。
初対面の時から朔也は彰久の暗く澱んだ瞳や年齢にそぐわない雰囲気に不安を感じる。
再婚後都内で新婚生活を送る両親二人、連れ子同士は二人で暮らす事になる。

彰久はとにかく病んでいる感じで、同居して間もなく朔也は義弟の彰久に監禁され、
凌辱され始めるのですが、外見は美形で大人しい感じの朔也がかなり強気、
過去に自分が出た映画の台本を思い出し、演技で彰久を自分に夢中にさせ、
隙を見つけて逃げる事を画策するくらい以外にも冷静だったりする。

そして、その演技で確かに彰久の心に変化は訪れるが、朔也の企みは失敗に終わる。
そもそもの、この凌辱監禁が彰久が朔也に欲情したからと言うものでは無かったから・・・
朔也を服従させるために凌辱し、朔也からラブトラップを仕掛けられる、
心を開いたと思ったら裏切られ、被害者なのに罪悪感にもにた感情が朔也を襲う。
そして、何か彰久には人には言えない秘密を抱えて苦悩しているように見える。
単純な好きや嫌いだけの義兄弟二人の問題では無かったことが次第に明かされる。

彰久の背負った壮絶な過去と現在進行形の死を願う程の苦しみ、それを知った時に
朔也がとる行動、ラストの展開は一応全てが解決する感じであるが、17才の少年が
背負ってしまった心の傷は簡単に癒える気がしないと思える内容。
書下ろしの短編は別の意味でどこか切なくて悲しいと思ってしまう内容でした。
読み終わって明るい気持ちになれるような作品では無いと思います。
愛の介在しない凌辱系が苦手な人にはおススメ出来ない作品かも知れませんね。

5

陵辱監禁ものですが

彰久と朔也の始まりが、愛も何もない陵辱と監禁。
受にとっては突然の陵辱でも攻は昔から受のことを愛していた、もしくは執着していた、憎かった等、少なくとも攻は受に対して何かしらの感情を持っていると思うのですが、彰久は最初、朔也のことを何とも思っていない。敢えて言うなら、憐れんでるんです。
さらに、受である朔也は監禁から逃げ出す為に、彰久に絆されたという芝居をします。
それが演技だと気付いているのに、彰久は朔也に好意を持ち始め、素を見せ始めた彰久に朔也も心を許し始め、そして裏切られ、彰久も傷つき・・・と二人の気持ちが近づいては離れてを繰り返します。
最終的に二人は恋人になりますが、正直私には朔也の彰久への気持ちが、恋人としての愛なのか、家族としての愛なのか判断がつきませんでした。
やることやってるし、朔也自身は愛だと言っています。愛に恋や家族を付けて区分すること自体間違っているのかもしれませんが、朔也の彰久への想いはどちらかと言えば、家族愛に近いのではないかと。だから、あとがき後の「そこにある幸福」という短編がこんなにも温かい雰囲気なのだと思いました。
二人のその後が幸せな空気に包まれているのが、何よりの救いでした。

母親の再婚相手の連れ子、義弟となった男に監禁され犯されて・・・という話なのですが、「義弟」というタイトルから想像する内容とは違うかもしれません。
彰久が背負っているものはとても重たいですし、表紙もがっつりエロいので、気軽に手に取れる作品ではないかもしれませんが、読み応えのある一冊です。

2

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