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未練たらしい男たちの意地っ張りな駆け引き、カラダから始まる素直じゃない恋など、男と煙草のロマンス。
私、タクミユウさん大好きなんです。
どこか曖昧な、どこかウェットな、どこか残り香のような作風が好き。
本作は、「煙草」がキーとなる6作が収録された短編集。
「我慢できない」
探偵事務所の火野。バツイチ。
事務所の社長・鬼嶋とは腐れ縁。
2人はかつて関係があって、だが男同士の関係を恥じていた火野は見合いで結婚し、その後も仕事では距離を保ってきた。だが…
やめられない煙草の悪癖のように、甘くて苦いあの味が後を引く。結局元サヤの2人の、今までとは違う関係性。
鬼嶋は昔も今も火野に本気。事務所内でもまるで所有権を誇示するような物言い。一途で情熱的な鬼嶋と今度は向き合う決心の火野。
そしてこの作品、実はリバーシブルです。
「天国に一番近い」
惚れてる側が、何もかも我慢し言いなりになっている関係性。
嫌いな煙草もお構い無しに部屋で喫う男なのに。
かなりの短編で受けの報われる描写が無いのですが、多分攻めも「さみしい」という言葉を聞きたそうな素振り。
「煙草2本分のキス」
喫煙ルームでの意味深な目配せ。
女性たちの噂の的、美形の一色がある日誘ってきた。何も縛らない、何も詮索しない、それが一色のルールだった…
一色に恋をした斉藤が一歩進もうとして拒否られ…だが実は一色は斉藤に秘密を持っていた。
一色の臆病な可愛らしさ!
「Smokin' POP」
煙草擬人化もの。
舞泉(マイルドセブン?)、七星、マルボロ、平和、峰、 などなどが登場。
私は非喫煙者ですが、一応属性とかわかります。
カップリングは舞泉x七星。弟分としてしか見てくれない七星に苛立ち強引に七星を抱く。
こんなところがまだ若いんだよネ。
「Smokin'COOL」
煙草擬人化もの、その2。沖縄限定製品版〜!
アメリカからきたクールさんがビーチで見かけた宇留間くん。
ナンパするんだけど、ハイトーンさんとムラサキさんがお兄さん代わりで牽制してます。
でも宇留間に恋しちゃったクールは、本土に行かないかと誘うが…
一夏の恋、というよりはもうちょっと真面目なクールさん。沖縄の方言ものです。
「スモーキンライフ」
裏表紙の2人。作家と煙草です。
若き日の早熟な作家との出会い。それからずっと作家とは濃密な時間を共有してきた。
妻を持ったこともある。乱暴に喫われたこともある。
でも今は2人きり。
咳の続く作家。血を吐く作家。毒と言われる自分を手離さない作家。
わたしの名は「希望(ホープ)」。
タイトルが示す通り、「煙草」がキーになっている作品集です。
全部で6つの作品が収録されているのですが、そのうちの3つが煙草の擬人化のお話です。
表題作になっている短編は煙草の擬人化の一つで、収録作品中では一番切なく感じたお話でした。
和風でしっとりした雰囲気も好きでした。
今まで読んだタクミユウさんの作品の中では、かなり印象強く残りそうな作品集でした。
私は煙草は吸わないので、擬人化のお話はどうかな~?と思いながら読んだのですが、意外や意外、これが結構萌えました(笑)。
擬人化のお話は3つとも好きでしたね。
それ以外では「我慢できない」と「煙草2本分のキス」も好きだったので、萌x2にしようかとも思いましたが、萌x2寄りの萌評価ということにしました。
裏切られても一途なキャラと、ヘタレなのかと思ったけど最後には男前な所を見せてくれたノンケのキャラが良かったです。
タバコにまつわる短編が4つ入ってます。
1つ目と2つ目は普通に面白かったのですが、3つ目と4つ目はあんまり…。
特に3つ目は何人もの人が出てくるのですが、特に特徴がないので同じに見えてしまい、はっきり言って誰が誰だか解らず、話もさして興味を引くものではなかったし、短編という短さもあり、面白い前に話が解らず、つまらなかった。名前もタバコの銘柄にちなんでいるのですが、それをまったく意味なしてないし…うーん、逆にイライラしちゃいました…。
そのテンションのまま読み続けたからか、4つ目もつまらず…。
人によっては楽しめるのかもしれないけど、ごめんなさい、私は話がとにかく解らず、つまらなかったです…。
一言で言うなら「薄味」
久しぶりに読んだ作家さんでしたが、こんなものか・・・という雑感。
正直、ストーリー読ませる作家さんかな~な印章だったので
長編で、もうすこししっかり読める作品だったら、評価もうちょい上だったかなという気がしなくもない。
本編「スモーキンライフ」
腐れ縁の二人。一時は体の関係を持っていたものの
世間体、周囲の目。気にして別れてしまった。
その後、二転三転あって、再び・・・というお話。
賞味、まわりの目は昔よりはwwという感じがなくもないというのが
今風な感じがします。
そして何気なリバーシブル。+(=゚ω゚)ノ+。
おいしいネタはあるものの、エロスも弱めで残念。
男前な二人のあれこれは嫌いじゃないんだがな~
「天国に一番近い」
俺が寂しいの~からの、
その言葉にうれしそうな攻だったりがかわいい短編。
画的にタバコって絵になるけど、さほど興味はないんだな~というのが
雑感な今回でした。
煙草を喫む仕草にはなんともいえないセクシーさがありますよね。
その昔当方が学生時代の話。階下でもくもくと実験を続けるとてもダンディで物静かな教授が、あまり見かけない煙草を嗜んでいました。それ以外は嫌だといつもカートンで購入しており、時々友人もおつかいをお願いされていました。ちょっと休憩、と喫煙室でたばこを吸っていた横顔に、そこはかとない大人の色香を感じた、そんな思い出です。
閑話休題。
表紙のふたりが表題作のカップリングではありません。スーツで喫煙者、なキャラクタ―がたくさん出てきます。また、煙草の擬人化ストーリーに関してですが、銘柄を知らない方でも十分楽しめると思います。
全編煙草のお話です。おおきくわけて6作、うち煙草擬人化は3作でした。
【我慢できない】
ふたりにしか分からない合言葉っていうのもまたエロティックですね。朝まで、なんてところは隠語にしきれていないけれども、鬼嶋はずっと待っているというか望んでいたんだなと感じました。
またこの鬼嶋社長の愛の深さというのは、火野相手ならばネコもこなすというところです。「まずはエサをやって逃げられなくしてやる」を軽く言っているけれど、もしかしたらそうしてでも繋ぎとめていたかったのかな…
と、思うと うらぎりもの! と火野が罵られても仕方が無いかなぁと思います。覚悟と決心が必要ですよね。もう曖昧な態度で鬼嶋社長を翻弄しないで、ちゃんと誰が好きで誰が欲しいかを胸に刻んで、その情熱的な愛を受け止めてほしいなと思いました。
【天国に一番近い】
ラッキーストライクを吸っている人のイメージ、確かに智郎みたいな感じです(笑)
惚れた弱みですね、イニシアチブを握られているし、抗えないし。なにより嫌われて遠ざけられるのは、一番嫌ですものね。
すこし切ないお話でした。ちゃんと智郎、イチを大切にしてほしいな。
【煙草2本分のキス】
目は口ほどに物を語る…アイコンタクト、あなどれません。
思い出づくりならばたった一度で良かったはずです。でも、一度きりじゃなくて二度三度となれば情も愛も芽生えます。
個人的にこちらの作品が一番好きでした。斎藤さんももちろん素敵ですが、一色さんがいじらしくて可愛いです。
【Smokin'POP】
タスポまで!(笑)
マイ●ドセブンとセブン●ターでなるほど納得です。峰のデザインも素敵ですね。
いやでも、まさか自販機飛び出して野外っていうのは驚きました、若さすさまじい。
【Smokin'COOL】
口絵カラーのふたりです。
私事ですが、沖縄旅行へ行った際は、喫煙者向けのお土産にうるまを買って帰ります。こんな可愛い子を携えて飛行機に乗っていたかと思うとちょっとニヤけてしまいますね。
ひと夏のアヴァンチュールで運命の人に出会ったんですね。大人だらけの作品のなかで、ひときわ可愛らしさが引き立つ作品でした。
【スモーキンライフ】
表題作。切ない。
煙草を喫む仕草を、キスに変えてあることがまた切ない。彼は人間、でも彼は煙草。
死が二人を別つまで…が頭をよぎりました。そして願わくば、来世では人と人として隣り合わせで歩いていられるふたりでありますように。
一番最後に収録されている表題作がこの一冊をギュッと締めくくっています。
でも、侘しさも広がる読後でした。
ふばば
あ・あ・ありがとうございます!
ユー太郎
相変わらずコメントがステキでキレイにまとめてらっしゃる!過不足なくて「ふばば」さんのコメントはいつも参考にさせてもらっています。本作に引っ掛けて「希望」をコメントの最後にもってくるなんて!文章を生業とされるかたなのかしら?ご本人もステキな方なんだろーなー。色々と想像してしまいます!