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泣き虫ライバルには敵わないv
案丸先生のデビューコミックスはコミカル、シリアス、ほのぼのと、バラエティに富んでいて、どの話も意外に思えるポイントがあるのが新鮮でおもしろい。
そして私が好きな苦みが残るテイストは「飼われるひと」、ペットとしてただ飼われるだけじゃないのがすごくイイ!
「鳥が先か玉子が先か」「言い間違いは聞き手の粗相」
万年2位でやんちゃな勇介と学年1位でイケメン優等生のさつき、ライバルの二人はなにかっていうと争ってるけど、さつきには頑張る切ない理由が…
二人は幼い頃に会って、勇介は可憐なさつきに一目惚れしたのに、お風呂に入ったら、さつきにもアレがついていて…そこから勇介はさつきを拒絶、二人は犬猿の仲に。
さつきは「ずっと一緒にいよう」と言ってくれた勇介が変わってしまったのが悲しくて、もう一度振り向いて欲しくて、勉強もスポーツも頑張ってきたっていうのが健気!ギャラリーの前ではツンツンしてるのに、勇介と二人になると、昔の可憐な泣き虫に戻ってしまうのがかわいい!
攻めの勇介視点で語られますが、昔のままのさつきの泣き顔に読者も勇介と同じくほだされちゃいます。
相変わらずケンカップルな二人だけど、最後の一コマから二人の気持ちが読み取れて爽やかな読後感。
「飼われるひと」「最終的には飼われるひと」
大学生の律は、親の工場のお手伝いもする健気な良い子。
工場には借金があって、律は借金取りの永江に6千万円で買われ、ペットとして永江にすべてを所有される。
鬼畜な飼い主と哀れなペット、これはこれで見物なのだけど、この話にはその先があるのがたまらなくイイ!
永江に中途半端さを指摘され、自分を売ったことを何とも思ってない親を目の当たりにした律は、飼われる側から飼う側になってやると野望を秘めた冷酷なリアリストに変わってしまう。
そして永江が本当に欲していたものまで見抜き、鬼畜の飼い主を手玉にとる律の魔性ぶりにはゾクゾクさせられます!
「ヒミツのハーレム」
シスコン兄のヒミツは、妹のアカリを王に差し出すのが許せず、自分が身代わりになって「実は男でした!」と、側室話をぶっこわそうとするけれど、王・イディオムはアカリの身辺調査に一緒に写っているヒミツのほうが気になっていて…
イディオムは王のわりに自分の望みを押し通そうとしない温和な優しさがあって、でもヒミツのカラダを奪うところはちょっと強引。そんなイディオムのキャラがイイ!
「米田思い煩う!」「米田は今も思い煩っている!」
毎晩、同級生の広田に抱かれる夢を見る米田。
目立たない広田とは話したこともないのに。
でも夢が気になって話してみると、広田は物静かだけど気づかいのある優しい奴で。
そして広田は元気で明るい米田のことが前から好きで、夢のことを知った広田は夢と同じことを…広田はなかなか強引!
広田の嫉妬深さと、それに悩んじゃう米田のかわいさがおもしろい。
「ヒミツのハーレム」だけは絵に拙さがあるけど、他の話は絵もストーリー展開もデビューコミックスとは思えないクォリティの高さです。
「飼われるひと」は案丸作品の中で1・2を争うほど大好きな作品です。
大好きな幼馴染物ということで期待して借りましたが、とても萌えました。
表題作のストーリーは小さい頃に女の子と間違えていたり片方が長い間片思いしていたりと良くあるパターンなんですが、この作者さんの描く表情がとっても好きです。
王子くんの泣き顔にドキドキした鳥坂くんの気持ちが分かります。
とはいえ2話分あったのに付き合うまでいかなかったのにはヤキモキしました。10年も王子くんは頑張ったのだから10年分の想いが報われて欲しいです。
★飼われる人
こちらは中々ダークで読んだ後に記憶に残る感じでした。
救われた面とこの人に出会わなければそうならないで済んだ面があり、メリーバットエンドといった感じでしょうか。
★ヒミツのハーレム
ファンタジーで短編ながら良かったです。
受けがとても可愛らしかった。
★米田、思い煩う
米田くんのギャップにやられました。
人には仲良くなって初めて分かる二面性がありますね。
表題作は、学園で勉強も運動も1・2位を争うライバル同士…という設定。
ライバルやケンカばかりの2人、という設定は大好きです。
けどこの2人は、表から見たら対等な関係に見えるけど、裏側は上下がはっきりしていて対等ではない感じ。
王子は鳥坂に好きになって欲しくて頑張ってきたのに、鳥坂はそうとは知らずに敵対心をむき出しにしているわけです。
両思いになった後も、表向きはいつものライバルですが、やっぱりはっきり好きだと口に出しているのは王子のほうなので、鳥坂の言うことに従ってしまう。いい加減はっきり言って安心させてやらないと…って鳥坂も言ってますが、ホントだよ!可哀想だよ!って感じです。
けれど普段すましてる王子の泣き顔が凄く可愛いので、この先もこういう関係で行くのかなあ。それはそれでいいのかも。
もう一作品中篇が入っていて、残りは短編です。
こちらの中篇は借金のカタにペットとして買われた大学生の話。
最後もハッピーエンドと言えない終わり方で、表題作とのギャップに頭が切り替わらない…。
この2人の間に「愛」みたいなものは見受けられないので、よくある「借金のかたに売られて愛し合っていく」みたいな作品には分類できず、ストーリーもちょっと複雑で何とも言い表せないのですが、お話としては良く出来ていると思いました。
ただ、飼い主である永江のキャラクターが今一掴めなかったのと(それがオチなのかもしれないけど)最初嫌がっていた律の変貌っぷりについていけるほど元々の律のキャラクターがどういうものか分からず、何だか話が上滑りしているようにも感じました。あとやっぱり個人的にはこういうドロっとしたのが苦手です。
初コミックと書かれている割に完成度が高くて、全体的にはよかったです。
あらすじを読んで、ケンカップルな幼馴染みが気になって購入。
表題作はまあ、好きかなあという感じでした。
ひねりはないので、本当に「両片想いなケンカップルです。以上!」という感じでした。
読後感は悪くないので、こういうカプが好きな方にはおすすめかも?
で、表題作以外は、個人的にはピンと来ませんでした。
ファンタジー調な話は、そもそもファンタジーBLが不得手な所為もあるのですが、王子がなんで双子の兄が好きだったみたいなご都合設定なのか、もう少し偶然に頼らない話が欲しかったです。
借金の代わりにペットになったこのお話は、この中で一番苦手でした。悲惨ではないのですが、何か救いがないなあと。
最後に載っていた話は雰囲気的には表題作に近いですが、毎日夢で関係を持っているクラスメイトを意識してしまうだけならいいのですが、夢に出てくるなって云ってやる!みたいなDQN思考が怖いです(笑)
全体的に悪くないのですが、色々詰めが甘い感じが。
詰めが甘いのは悪い事ではなくて、それを読ませる勢いやら構成やらが必要なのかもしれません。
今後に期待。
『鳥が先か玉子が先か』『言い間違いは聞き手の粗相』
鳥坂がどこか抜けてて“り”を取って“トサカ”、
王子だけど泣き黒子があるから“玉子”、
呼び名からケンカふっかけてんのかと思うほど犬猿の仲!?の二人が
実は意識しまくっていて…というどっちもツンデレラブです☆
校内のテストでも争い、スポーツ大会でも無茶ぶりし、
7歳で母親同士が友人だった為引き合わせられた二人でしたが
その頃は素直ですぐ打ち解けたというのに
玉子(さつき)が女の子だと誤解して恋をしたトサカ(勇介)が
打ちのめされてそれ以来拒絶!!
うーん、悲しい過去…w
会えばケンカをするのが日常だったのに
あるテストで玉子の成績がガタ落ちして…。
十年、もう一度好きになって欲しくて頑張ったけど
振り向かせられなかったから止める、だなんて…健気な黒髪泣き黒子玉子!!
(ここ重要!w)
「一度させろ」とそれで終わりにするつもりのさつきは
勇介に形勢逆転されて抱かれてしまいます。
さつきの泣き顔は勇介の欲望に火をつけ、
感じさせられめちゃくちゃ泣かされ勇介が勝ったのかな?と思いきや、
次のテストでは満点を叩きだしたさつき!!w
好きになってもらえるように十年頑張ると赤面したのに
次の瞬間にはまたいつものツン全開!!
健気だし、振り回される勇介も可愛かったです。
まだまだ勝負は終わりそうにない、というか永遠に終わらないのかも…?w
『飼われる人』『最終的には飼われる人』
親の借金のカタに、永江という男に売られてしまった律は
自分の無力を味わわされながら永江に抱かれ
飼われる身となってしまう…はずだったですが
永江は隠れていた律の意志の強さとS気質を見抜き
手の内にしたのです。
抱かれているようで抱いている律、というのが
薄暗くて良かったです!
シリアスもイけるなぁ、案丸さん!
『ヒミツのハーレム』
双子の妹が王室の側室として身請けさせられることになり、
かわいい妹を助けたいと思うあまり身代りになって乗り込む“ヒミツ”。
でもお相手のイディオム陛下は最初からヒミツが気になっていて…。
ベタ惚れされたら情も湧きますねw
『米田、思い煩う!』『米田は今も思い煩っている!』
これ好きだなぁ!!
毎日見る夢で、目立たなくてどんくさいクラスメイトの広田に抱かれ
感じまくってしまう米田は
その夢がきっかけで意識しすぎて、話すようになります
自分とは違い、明るくて友達が沢山いる米田に憧れていたと告白する広田に
つい毎日の夢の事を話してしまって、現実でも抱かれてしまいます。
脱がされる手順も触り方も夢と同じなのに
感じる熱は全然違う、なんてエロいー!!w
夢の自分に嫉妬する広田の、普段の穏やかさにないギャップがいい!!
Hではちょっといじわるってなかなか好みだったので
もっとヤッて欲しかったです(ストレートに言いすぎ!?)
次のコミックスも期待させていただきます♪