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と思ってしまうくらい、今まで読んだCJ Michalskiさんの作品とは作風の違う作品集でした。
ご本人もあとがきで仰っていますが、「CJブラック作品」が詰まった1冊だと思います。
全部で5つの作品が収録されていますが、好みの作品と中立評価の作品とがきっちり分かれました。
好みの作品は切なくて痛かったとしても希望があったり感動した作品で、表題作と『白い蝶』です。
『床屋さん』は短いですが日常の一コマのような作品で、まだ形となっていない淡い恋心がほのぼのとしていて一番ほっこりしました。
残念ながら好みでなかったのは『暗闇のソナタ』と『二三』です。
この2作品には理不尽さや悪がまかり通っていて、ブラックはブラックでもこの手のブラックさは好みでないかなぁと思いました。
でもこういう作品はこの作家さんでは初めて読んだので、こういう作品も描かれることがあるのだと興味深かったです。
表紙の絵、いいですね。
とても可愛らしい。
表題作はラストはともかくまあ、表紙通りのお話でした。可愛い。
でも全てにゃんこにもっていかれてしまったので、二人をメインにしてにゃんこはいるだけで良かったような。
すっかり霞んでしまいました。
で、一番良かったのが床屋さんの話で、他はちょっと………。
可愛い絵と後味悪い内容のギャップが悪い方向に働いていたような。
撃ち殺されたラストとか、せめてもっとなかったのか。救いようがなさすぎる気がします。
表題作と床屋さん以外だと下手すると「しゅみじゃない」ですが、中間とって「萌え」で。
表題の「玄関先で」は、ほのぼのした先輩後輩の大学生の恋愛もの。初めて読む作家さんなので、こんな作風なのかぁと楽しんでいたら、やられた!残りの4作品は、すべて私的には無理でした。どれも、主人公の二人はお互いを好きで相思相愛なのですが、他の人にやられたり、暴力があったりとどれもバッドエンドで、最初がほのぼのだけにショックも大きかったです。しゅみじゃない!にしなかったのは、表題作がよかったから。
そんなに、急展開ではなくなったけど、表題作の二人より猫のミータが中心なのか。
もう二度と帰らない人をずっと待ってる猫のミータ。そしたら、雪が降って飼い主のお迎えが来た。切なかった。
どうせなら、先輩と佐藤くんの恋人同士になった後も読みたかった。そこで、終わりか悲しすぎるよって思った。
他の話は、感じがガラッと変わったダークな展開だけど、ダークになりきれてない気がする。バッドエンドも死ネタも嫌いじゃないけど。
四作品読んだ中で一番この作品がマシだった。猫のミータが居たからかもしれないけど。
この作家さん好きで、また表紙が良い感じだったので購入しましたが
ちょっと私には合いませんでした。
作家さん自身も「ブラックテイストの1冊」と意図的に作られたと書いておられましたが
どれもこれも、ショッキングな内容でした。
こういうブラックなBLを好まれる方もいるということですよね。
表題作は、最後ねこちゃんが飼い主さんのところへ旅立つ
ファンタジックである意味Happyendな結末でした。
レイプもあまり好きですないですが・・・(好みもありますが)
死はあっても殺しはあってほしくない・・
ピストルで頭ぶち抜かれるなんて、それも恋人の前で。
ちと悲しすぎました。
ストーリーは凝っていて、読み方によっては響いてくるものなのかもしれませんが
単純な話でお腹いっぱいになるタイプの私には
一ひねりも二ひねりもしないと、内容が消化できないものもありました。
『二三』は、本当はお互いに好きだったのに、ちょっとしたすれ違いと
意地と欲望で一度外れたレールに戻ることができなかった義兄弟。
後悔先に立たず・・・
最後に弟の祭壇の前で兄が泣き崩れて終わりますが
なんで、死んだんだ??病気?事故?自殺?
と思い始めると消化不良になってしまいます。
いろんなタイプのストーリーがあり、こういうBLもあるんだな・・
と、学んだ1冊でした。
この作家さんも学園物など明るい作品もたくさんあるので
まさに、考えて作られた1冊なんですね。