君だけが僕の奇跡

kim idakega boku no kiseki

君だけが僕の奇跡
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神47
  • 萌×229
  • 萌8
  • 中立0
  • しゅみじゃない12

--

レビュー数
20
得点
375
評価数
96
平均
4 / 5
神率
49%
著者
千地イチ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
奈良千春 
媒体
BL小説
出版社
竹書房
レーベル
ラヴァーズ文庫
発売日
価格
¥590(税抜)  
ISBN
9784812495612

あらすじ

誰とも関わらず静かに暮らしたい――。
ひっそりと『お絵かき教室』を営む、武太一郎のところへ、ある音楽グループからCDジャケット用の絵の依頼が舞い込んでくる。しかし日頃から、子どもたち以外の人間と接することを嫌っている武は、その依頼をすぐに断ってしまう。だが、依頼主は簡単に諦めてはくれなかった。
「引き受けてくれるまで、先生の側を離れない」
突然現れた綺麗な青年、歌手の倉沢慎吾は、強引に人見知りの武に近づき、そのささやかな生活を乱し始める。10歳も年下の慎吾に、為す術もなく心も身体も翻弄されてゆく武だが、ある時、慎吾の重大な秘密を知ってしまい…!!

表題作君だけが僕の奇跡

倉沢慎吾,23歳,実力派R&Bグループ歌手
武太一郎,31歳,お絵かき教室の先生

その他の収録作品

  • あとがき

評価・レビューするAIの精度がアップいたします

レビュー投稿数20

言葉にならない・・・

すごく素敵なお話でした!
途中で目の奥がツーンとしてきちゃって。。。
病設定というのはいつも書くことですがズルイって思ってしまうのですが、それが故に相手が彼の必要とする存在になるという意味でとても重要な役割を担っていました。
この主人公となる二人の結びつきが一冊の中で紡がれていく様がラストの感動へ昇っていくストーリーと気持ちの変遷の仕方といい、登場人物の役割といい、モチーフといい、
全てがバランスよくそれぞれの役割を果たし物語の質の良さも感じたのでした。

また、このお話は23歳の年下攻めの31歳年上受け。
奈良さんのイラストにしては珍しくぽや~んとした感じの男性が描かれています。
そして、その性格を表わすように、エッチシーンで恥ずかしくて下半身丸出しなのに顔をクッションにうずめて隠している絵とか、萌え萌えしちゃいました♪

父から譲り受けた家で絵画教室を開いている武が、友人の依頼で音楽イベントのポスターを描いたのがきっかけで、
武の絵が気に入ったというR&Bバンドから新しいアルバムのジャケットの絵を頼まれる。
その音楽と歌声に感動を受けた武だがそうした作品発表をしない主義の為依頼は断るのだが、武の絵に執着し熱心に頼み込むメンバーの慎吾の熱意と彼の歌声と共感するものを感じた武はアルバムのイラストを描くことを了解する。

武が才能があるのに、絵画教室の先生で満足している理由。
慎吾が武の絵にこだわる理由。
これがそれぞれに切ないのですが、だからこそ彼等が成長するために必要なものだったと思います。


以下ネタバレします


慎吾は視力が弱く色の識別ができないのです。
ただ唯一色がわかったのが武の描く絵。だからこそ執着するのです。
色のない世界で生きる彼の生きている目印なのです、武の絵の表現する色が希望の星。
だから武を欲しいと思い、それが恋情へ進展していく。

そして武。彼は父親が有名な建築デザイナーで、元々絵の才能があったのですが親の七光で正統な評価をされないと思いこみ、自分を過少評価しているのです。人から受ける妬み嫉みから内向的になったが大学に入ってできた唯一の友達が、
彼には才能があると互いに刺激しあい、その時ばかりは本当に絵を描く事が楽しかったのだが、ある日突然武のアトリエでその友人が自殺を図り彼の前からいなくなってしまった。
だから彼は人をそんな思いにさせる自分の絵は世に出してはいけないというこだわりを強く持ってしまったのです。

それぞれが持つマイナス要素があるがゆえ、慎吾は武に希望を見、武は閉じ込めた心を揺さぶられ、
そして慎吾はメンバーからも恋をして変わったと聞いた人が誰もが感じる成長を遂げるのですが、武はCDジャケットは描いたものの、そこで終わりにしようとする。
それを変えるのが、初めて知る慎吾の目の事情なのです。

決して目の事情があったから武がほだされて同情で彼の愛情に応えたわけではない。
ちゃんとそれ以前に、出会いから始まり物語の過程の中で特別になっていく要素は落ちているのです。
バンドのメンバーもしかり。一見奔放な椎名と、冷静なまとめ役の川久保。
慎吾の同居人である金持ち嫌いのカメラマン、最初の出会いのきっかけになる武の友人も、そして武が才能を封印した元になった友人も。
全ての存在が意味をなし、彼等に影響をしていて誰一人として余分な存在じゃないのです。
この人物バランスも絶妙でした。

クライマックスの武の言葉も胸アツになりました。
「喜びで歌って下さい、僕がたくさんあげますから」「眠るのが怖いならこれからは眠る瞬間も目覚める瞬間も僕のそばにいて」
思わず胸が熱くなる、これ以上の愛の告白はあるでしょうか。
たくさんの心に残るセリフがありました、もうあげきれないくらい。
二人は、何があってもずっと繋がっていて慎吾に武は色を与え続けるんだと。
本当、ステキでした☆☆☆

13

ミリオンカラーズ

すごかった、圧倒された。
でもBLとしてちゃんと萌える。

千地さんのキャラ(脇役も含め)は生きている。
傷や歪なとこを抱えている部分の描写が上手く、上滑りな記号じゃなく血が通ってる感じ。
そして恋愛も含めて色々考え葛藤して成長するところを描く。
だから恋が成就するってとこが自分や相手の世界や価値観を受け入れて前に進む力強さみたいなものを感じる。
今回はアーティスト同士だったから余計にその部分がはっきりしてた。

終盤の武の意外な決断がでっかいなあと思った、あんなに卑屈だったのにね。

著者は今のところ王道とは受攻逆に感じるようなCPを書いているけど、キャラ造形も物語の構成も説得力があるからその組み合わせもすごくすとんと落ちてくる。
今回千地さんでは初めての両者視点もすごく意味のある形式だった。

奈良さんの表紙もぴったり過ぎで、読む前からわくわくさせてくれたけど、読み終わってまた表紙を見たらこれ以外にないと思った。
中の挿絵も武の家を初めて訪ねる場面で慎吾が懐中電灯持ってるのに感動。
前後の文には無いんですよ、ずっと後の場面で彼が夜道を歩くときに懐中電灯を使うって分かるんですけどそこまで読み込んでるんですよね。

…タイトルは仮タイトルのミリオンカラーズのが合ってたと思うんだけど。

慎吾のまだ子供と大人の狭間で自分の才能と運命を持て余している感じの危うさ。
武の卑屈で草食系の枯れた風情。
全然違う世界で全く違う軌跡を描いてきた彼ら。
でも互いの軌跡が交わって互いの才能に魅かれてスパークするような感じ。
そういえば千地さんってデザイナーや料理人、役者、歌手、画家とか右脳系の職業(味覚は左脳だったΣ(´Д`; ))を描くことが多いけど、そういう世界をちゃんと左脳で文章で表現できるのがすごいなあ。

モノトーンの世界で生きてきたにしては慎吾が色の名前の知識があり過ぎなんじゃね?とか引っかかるところが無いわけじゃないのですが。

武の「尽くすタイプ」とかもうかわい過ぎた。あと「あかん」エロかったw
慎吾の買物に笑った、若いのうw

互いが奇跡で、二人が手をとって選んだ世界がこの先も極彩色に彩られているのが想像できる。
読後感がとても気持ち良かった。

11

これぞ運命、奇跡の色が視える

もう一言素敵です!感動です!タイトルの奇跡の言葉がこれほど心に響くなんて
本当に惹かれる作品で読み終えた後も永遠にこの奇跡が続く事を願うばかりです。

色の無い世界、それはきっと味気ない世界なのでしょう、そんな日々が
ある一瞬から色鮮やかな極彩色の世界に踏み込んでしまったら、誰だってその色が
欲しいと思ってしまうだろうと思わせる。
生まれつき目が悪く色を視る事が出来ない、まるで神様の悪戯みたいだけど、
その代りなのか、人を魅了する声を持っていたりするドラマーで歌も歌う慎吾。
澄んだ高音を硬質な玲瓏さで響かせる歌声、しかし彼は色を視る事も感じる事も
出来ない、それがある告知ポスターを見た瞬間に運命の奇跡みたいにそのポスターだけが
色鮮やかに目の前に現れる。

そんな絵を書いた武は、過去の友人とのトラウマで大好きな絵を書きながらも
その絵を世に出す事を頑なに拒み、大好きな子供たちに絵を教える先生として
のんびり暮らしている。
友人で先輩でもある人物にどうしてもと請われポスターを書いた事でこちらもまた
運命的な奇跡に入り込むことになります。

慎吾は武の描く絵に、武はその歌声に心を動かされ、簡単な恋愛話に留まらず
奇跡と呼ぶにふさわしい内容で武が描くキラキラと光が降り注ぐような絵を
読みながら読み手も感じられるような素敵な作品でした。

7

まさに君だけが僕の奇跡

表紙のカラフルさが全部を物語ってる気がします。ピッタリ!!

普段の世界が白黒にしか見えない歌手の真悟とお絵かき教室の先生である武の話

真悟は見えているものが全部白黒にしか見えない目の病気を持っています。
そして武先生にも自分の書いた絵を表に出したくないという過去を持っています。

そんな二人の最初の出会いもまさに奇跡!!そして真悟には武先生が描いたものにだけ色が見えるというこれまた奇跡!!これが先生に執着するきっかけになるのですが、武先生もまた真悟の歌声に感動を受けます。そして名前を公表しない事を条件にCDジャケットの仕事を引き受けます。それから二人の交流が始まります。

とにかく真悟はまっすぐです。そして武先生は本当に良い人で可愛い人でした。
とっさに出てきた関西弁に萌えました☆
最後の方は2人のやりとりに感動しました。目がいずれ見えなくなる真悟に「僕が、あなたの世界を暗闇にしません」といった武。心に残ったセリフがたくさんありました。

また脇役であるバンドのメンバーや、真悟が居候しているフクオも良いキャラをしていました。この人たちがいなかったら成り立たない部分もあり物語をうまく盛り上げてたように思います。

心が温かくなる素敵な作品でした♪♪

5

色が溢れてくる

読んでる間、色がもう溢れてこぼれてきそうだった。
表紙の奈良さんの絵と色も綺麗で、ホントに色が溢れてた。
まさに極彩色。
色に溢れた本だった。

先生の「あかん」っていう関西弁に萌えたw
慎吾の今後が気にはなるけれど、きっと先生の色で暗闇に染まることはないだろうと思ってる。
奇跡で運命のふたりだから。

苦手でダメな年下攻めだけど、これは大丈夫だった!!
あ、あとフクオが気になる。
彼のこともう少し知りたい。

1

世界が一変する奇跡

カラフルな表紙が目を惹きます。
沢山のお花や星が散りばめられていて鮮やか。
読後にこの表紙をジックリ見返すと涙腺が緩みます(;///;)

表紙の鮮やかさに反して、ストーリーは色のないモノクロの世界。
けれど時折極彩色がブワッと舞うのです。文字の中に。
その瞬間に色のある世界に生きていられる幸せを噛みしめました。

歌手と絵描き。
色を持たない者と持つ者。
弱さを抱え息を潜めてる中、奇跡と出会い、動く。

ストレートにガツンと心に響くお話でとても良かったです(;///;)
作中で医者が全否定してたように現実ではありえないのですが
こんな奇跡があればこれ以上無い幸せ、まさに運命だなと思いました。


さてさて。
攻めの慎吾は実力派の歌手です。一回り上のメンバーと共に活動中。
視力が弱く、慎吾の世界はどこまでもモノトーンが広がるばかり。
派手な服をよく着てるのですが、そもそも"派手"が見えないので明度で判断してただけという…(泣)
周囲が大人ばかりのせいか気が強く少年っぽさが残る攻めでした。

受けの武はお絵かき教室の先生です。
有り余る才能を家の中に閉じ込め、老いるまでひっそりと生きるだけが彼の望み。
というのも、自分の描いた絵にトラウマを持っていました。
31歳というには若々しさがあまり感じられない受けです(ФωФ)


そんな2人の出会いは武が描いた1枚の絵。
自分の絵を表に出したくはなかったけれど長年の友人の頼みを断り切れずに描いたものでした。
慎吾がその絵を見た瞬間、モノクロの世界に一気に流れ込む極彩色。

不思議なことに、武が描いた絵だけは慎吾の目に色が見えたのです。
描いてる武自身の姿はモノクロなのに武が筆を滑らせる先から溢れる色・色・色。
武の描く絵の虜になった慎吾でしたが、次第に絵だけでなく武自身を想うようになり…。


慎吾が恋愛感情を自覚したキッカケが"苛立ち"だったのが少年っぽいなぁと。
8歳の年の差は大きく、ましてや武は先生をしているので良くも悪くも子供扱いが上手いw
なんの意味も持たない武の優しさが、慎吾にとっては非常に面白くないのですね。

慎吾がギュッと抱きついても武は子供が構われたがってるぐらいにしか思っておらず、
胸の鼓動の違いで悲しくなってる慎吾に萌えました(;///;)
↑このシーンの表現がすごく好き。

で、前半の武は慎吾を子供として扱いあやしてるようなんですが
男と意識してからは態度が一変して子供扱いをしないところがすごく良かった。
子供だと思ってた相手から"雄"を見せつけられて戸惑う姿が良きです///
年の差BLの年上受けのこういうところってほんと萌えますね…!!!

そしてそして…!
初エッチで慎吾がガッツく気持を抑えながら愛撫してるのにニヤニヤ爆発。
自分がウンと年下なのが気になって、余裕ぶった態度をとる年下攻め…!(∩´///`∩)
【冷静に見えるなら、無理してる甲斐がある】の一文がグッときます///

慎吾のモノクロの世界の描写は切なくて泣けました。
とくに夜はすぐ目の前さえも見えない。
武を追いかけたくても追いかけられず
色の欠片を必死に掴もうとする場面は胸が痛かった…。

現実にはありえないような不思議な奇跡。
2人が出会えた巡り合わせが心に沁みます。
慎吾の目に映る色が少しでも長く続くよう願わずにはいられない…。

1

星の奇跡

前作『雨の下の君に捧ぐ』でも思いましたが、
この作家さんの大人のほろ苦青春物語はかなりツボ!

今回は、23歳の新人歌手×31歳の絵画講師で
二人の歌声と絵が星のようにキラキラした魅力をもって互いに訴えかけ、
それぞれの鬱屈した世界を変えていく様が感動的。
例によって年下ワンコ攻ですが、
今回は背負うものの重さから、若いのに達観せざるをえない悲しい若者。
奈良さんの描く眩しすぎる表紙絵と、寂寥としたモノクロ絵とのギャップが
彼の見る世界を映し出したようで、なんか泣けてきます。。。


お絵かき教室の先生・武。
美大時代、自分の描く絵が友人の夢を打ちのめした経験に心を痛め、
表舞台に出ることなくひっそり暮らしている。
CDジャケット絵の依頼をきっかけに出会ったのは、
新進気鋭のR&Bコーラスグループの最年少メンバー・慎吾。
先天的に色彩を判別できない彼だが、
武の絵に生まれて初めて色を見ることができた。
慎吾が武の家に通い、
そばで作業を眺めるようになったことで始まる二人の関係は・・・。


灰色の世界に生きる慎吾が、武が見せてくれる色にいかに救われているか。
何も見えない暗闇で、
武のジーンズの絵の具の汚れを「星」だと思うシーン。
そしてラストの、目が見えなくなる恐怖に怯える慎吾に
「あなたが歌ってくれるなら、僕はいくらでも描きます」と言う武。
人と関わること、自分を変えることを放棄していた武もまた、
流星のように煌く慎吾の歌声と、まっすぐ自分にぶつかってくる姿に心打たれ、
変わる決意をしたのだと思います。

武に救われる慎吾と、慎吾のため生き方を変えた武。
相手じゃなきゃダメという強い愛情に、激しく心を揺さぶられます。
その愛は、互いさえいればいいという狭い視野のものでなく、
彼らを支えるバンドメンバーや友人たちとの関係の上に成り立っている。
リアルな日常の厚みと熱を感じさせる世界でした。


あと、萌えたのは仙人のような(?)武の造形!
長めの髪に長身痩躯、ジョギングが日課で、年下の慎吾にも丁寧な言葉使い。
31歳とは思えない枯れた魅力がありました。
しかし成長していく年下攻にドキドキして、
最後の絡みでは乙女のように可愛くなってしまう♪
慎吾の、大人と子供の過度期にあるような不安定な色気もステキでした。
脇キャラも、ちょっとの出番で風貌や生き方がイキイキと伝わってきて、
魅力ある人物造形が大変うまい作家さんだなぁと思います。

11

象徴としての 色と音

鮮やかな色が遊ぶ表紙が語るような、色彩を巡るファンタジー。

目の病気で、色彩のない世界に生きているミュージシャンの慎吾。
過去の傷みから、できるだけ外にでないように
ひっそりと生きようとしている絵画教室の先生・武。
この物語は、その二人の色にまつわる不思議な物語だ。

友人に乞われて、一度だけ名前を出さないことを条件に
武が引き受けたポスター。
渋谷の駅に張り巡らされたポスターを前に、
そこにだけ踊る色彩に魅せられた慎吾は、
思わずポスターに手を延ばし……


人は色に意味を見いだす。
「バラ色の人生」「黄色い声」「I'm in blue.」などの言葉に表されるように
国籍を問わず、色は感情とダイレクトに結びついている。
そしてまた、トーンやハーモニーという言い方が色にも使われるように、
音楽と共通する点が多く、それらは深く関わっているものだ。


この物語は、現代の東京に実在しそうな設定ではありながら
決してリアルではない、比喩と象徴のファンタジックな物語なのだと思う。
舞台であるシブヤやジユウガオカも、イメージとしてのそれであって
生活の実感があるその場所ではない。
シモキタの時(『下北沢カフェ・エモート』)にも思ったのだが、
こういうバーチャルな感じと言おうか
記号化された感じが、この作者の特徴なのかもしれない。


さて。
武の絵によって慎吾の世界は広がり、
慎吾の歌と存在によって、武もまた変わっていく……
(慎吾にとっての「色」ばかりが前景に出ているが
武にとっての「音」もまた物語に大きな意味を持っている。)

真悟の前には試練が広るのだが、
それに対して武が自分ができることをしようとする下りは胸を打つ。
それぞれが、心の深いところを動かされて、
そして行動や生き方も動かされて深い絆ができていくという話が、
色と音を通して美しく描かれていく。

現実的に考えると突っ込みどころは沢山ある。
音と色があっても匂いや温度と言った生活感がなく、
泥臭さは一切排除されているのに、どこか心の生の部分に触れてくるのが
この作者の醍醐味なのかもしれないと思いながら、
ここちよく読み終わった。

6

色のある世界

奈良さん描く、このカバーの極彩色の花畑!!
奈良さんとキラキラのお花っていう取り合わせがとっても意外なこの本のお話は、
「運命の出会い」のお話でした。

お話に関しては、他の方のわかりやすいレビューを読んで頂くとして、
読後に、ちょっと冷静になっちゃうと、まあ、根本的なところにツッコミ所はあるけど、
まず奈良さんのカバー絵のインパクトと、導入部のつかみと、何より、音楽と絵っていう取り合わせとで、ぐいぐい読まされた。
トラウマに病気にファンタジー、こういうお話は半端にインターバルを置いちゃってうっかり冷めたりしないように一気に読んだ方がいい。
年上受けだけど、武の方が変にカマトトだったりオトメだったりしないで、受け入れるとなったら腹をくくって、恥ずかしながらも積極的に快楽を分かち合おうとするところもよかった。

6

これこそ奇跡!

表紙もタイトルもお話しにピッタリで、読後色鮮やかお花畑で満天の星空を見上げている気分になります。
満ち足りてるのに、どこか切ない。そんなお話しでした。

受けのトラウマが弱かったり、攻めの病気設定の甘さ、結末のご都合主義は少し気になります。
でもそれを上回る感動がここにはありました!
初めて絵を見た時の衝撃。
初めて歌声を聴いた時の星空が降るような体験。
雨の中言葉にならず全身全霊ですがりつきたくなる思い。
色鮮やかに広がる世界と呼応する歌声。
出会えたこの奇跡の相手に恋い焦がれずにどーする!
これこそが運命!
才能の他に与えられた神様からのプレゼントでしょ⁉︎

久々に引きずり込まれる作品でした!

6

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