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表題作狂愛

廓「桜屋」の楼主 佐倉顕史
自ら身売りした陰間 睦月(輝夜) 16歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

遊郭の禁忌――主人と男娼は、愛し、交わってはいけない――。
養父達のために自らを身売りしにきた睦月は、媚薬と知らずに飲んだ薬により、疼く躯を持て余す。その痴態を治めるため、睦月の初めてを奪う遊郭の主人・佐倉。禁を破りその後も秘密の関係を続ける2人。冷酷な佐倉に商品として扱われ、後孔を嬲られ乳首を開発され、熟れていく睦月の躯。日ごと激しさを増す佐倉の執着とは裏腹に、睦月は彼への禁断の想いを深めて…。
許されざる愛と官能の蜜欲!!

作品情報

作品名
狂愛
著者
櫛野ゆい 
イラスト
陸裕千景子 
媒体
小説
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイノベルズ
発売日
ISBN
9784799713198
2.6

(6)

(0)

萌々

(1)

(3)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
3
得点
14
評価数
6
平均
2.6 / 5
神率
0%

レビュー投稿数3

狂ってはいるんだろうけども

うーん。
正直まったく惹かれなかったー。

受けが天使のようにピュアなドジ系いい子ちゃんなんですけど、それがとても人間離れしているように感じて…健気だな~(感涙)を通り越して、いやさすがに怒ろう?と勝手にヘイトをためてました。

思いのほかクズな義兄の出番があり…痛い目あってもまだ近辺うろついてるんかいっていう(笑)

攻めの気持ちの流れもいまいちインパクトがないというか…
狂愛…とタイトルにつけた意味は分かるのですが、その部分にまったく心動かされずに読みきってしまいました。

告白の場面も台詞での説明が多くてこのシーン長いな…とぼんやりしてしまった。

1

ある意味悲劇的な狂愛

このラストをハッピーエンドと捉えるか、悲劇と捉えるか、かなり微妙だと感じる。
執着愛であり、相愛でもあるのに、思いがすれ違ってしまい、相手の言葉を
信じきれない悲しさが切なくもあります。

受けになる、睦月はとても健気で小さな幸せを素直に感じる事が出来るピュアちゃん。
両親亡き後育ててくれた義理の両親の為に義兄から請われ、自ら陰間として
身売りすることになるのですが、その相手が過去に迷子になった睦月を助けてくれた
相手が身売り先の楼主の佐倉。
過去の恩人との再会に喜ぶけれど、佐倉は人違いと冷たい態度。
実際にラストの方で明かされるその真実が悲しくもあります。

初めは陰間と楼主の関係なのですが、次第に佐倉が睦月に執着していく様が描かれ
それが狂気的な独占欲になっていきます。
そして睦月は佐倉に恋をするのですが、睦月もまた楼主との関係は佐倉にとって
マイナスにしかならないと思い詰めます。
読んでいると本当に相愛なのに、歯車が一つズレてしまったみたいにすれ違う二人が
もどかしいやら、切ないやらで可哀想になります。
そして、決定打となるのが睦月の義兄の悪さですね。
もっとも、最後はどんなにあくどい義兄でも心優しい睦月は助けようとしますが、
佐倉への思いを信じてもらうために睦月も狂気の愛へ身を落すことになります。
明るいイメージとは正反対の世界は二人の為に存在するみたいなラスト。
これはハッピーエンドなのかと悩みどころでもありますが、二人が決して離れない
そんなラストになったことは言うまでもない展開でした。

3

愛が狂わせる

前作『凶愛』と同じ遊郭を舞台にその10年程前の設定。
その作品で主人公だった雅もちょこっと登場してますが、10年前設定って!?雅は幼くして客を取っていたのかと、ちょっと憐れに。
さておきこの題名、まさに”狂う程の愛”なのか”愛ゆえに狂ってしまった”なのか
読み終えてそのどちらも存在していたように思います。
本当は想いが通じ合っていたはずなのに、
過去にこだわり歪んでしまった攻めと、純粋がゆえに狂わざるを得なかった受け。
最後の選択をした受けに、そこまでする必要は?とも無理感を覚えるのではありますが、彼が純粋すぎた故と思えばその選択もありなのか。
主人公達の性格がもっと違ったら、もっと違うもっとハッピーな結末があったろうに、と思わずにいられません。


家の稼業が倒産して義妹の代わりに義兄に遊郭に売られるところはぐれてしまった主人公の睦月。
通りかかった遊郭で、自ら自分を買ってくれと申し出たのが物語の始まり。
気のいい太夫・吉野によって楼主である佐倉と対面した睦月は驚く。
6年前、両親を失くし叔父叔母の元へ身を寄せる時連れ添いの男性とはぐれたところを助けてくれた男性だったからです。
元来”よかった探し”の上手い睦月は、佐倉の嫌味もいいように解釈し、この桜屋に買ってもらえることになります。

この睦月がとても純粋で健気で人を信じていてという濁りのない青年、そしてチョッピリどじっ子な面が最初はほのぼのしています。
身体を検分される時、兄に渡された媚薬を飲んでしまいどうしようもなくなり、本来御法度な楼主に抱かれるという関係を持ってしまう。
そこでは薬のせいもあるが、かなりエロエロな描写がされ健気な純粋な子であるだけにいたぶり感のあるギャップというか嗜虐感を煽ります。
そんな事もあったので、中々顔見せまでいかないのだとは思いますが、ドジをすれば三助にお仕置きをさせ、それを佐倉が見て、見られて興奮する睦月という場面もエロ的見せ場にはなっています。

しかしやはり何と言っても佐倉の歪み具合ですね!
睦月をかわいいと思っているのか、うっとうしいと思っているのか、憎いとおもっているのか、そんな色々な面が垣間見えるのです。
でも、全体を通して見るとどう見ても睦月は特別でしょ?
ところが彼にはこだわりがあって、それでひねくれているのです。
それが、睦月が6年前助けてもらったという佐倉という存在。
これにこだわり続けていた佐倉はすごくネガティブだと思います。
楼主としての鬼畜な部分は、仕事柄そういう部分もあっても仕方ないよねと思えますが、歪んだ愛情になってしまっている部分が救いようがないです。

睦月の義兄も酷いものがあり、それによって物語の波瀾が生まれクライマックスに繋がりますが、こういうとことん悪い奴には極上の仕置きだったでしょう。
閉じ込めて自分だけのものにしたいという佐倉の執着愛、いびつでも愛されていることには違いないのに、狂わざるを得なかった睦月の純粋さが憐れです。

前作の凶愛より、よかったかも、です。

2

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