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1985回分、その身で罪を償え――奇才・木原音瀬が贈る、衝撃のアラブロマンス!
まず、最初にことわっておくと、この作品、アラブものという形はとっていても
ちっともアラブものじゃない。もちろん、3P・複数モノでもないし。
あくまで木原音瀬のありがちパターン。
だから、アラブものや3P・複数もの好きが手にとって楽しめるわけではない。
うーん、強姦凌辱好きなら多少はあるかもしれないが。
人種差別用語と獣姦と輪姦をぶちまけてるだけ。
アラブものとか3P・複数の真髄にはちっとも触れてない。
壮大なお涙ちょうだいをやるために、
アラブものやら複数ものやらが利用されてるとしか思えない。
否、これは木原音瀬というブランドをひっさげているから評価されているだけで、
無名のアラブもの作家でやったなら、こうも話題にも評価にもならないだろう。
腹立つついでにネタバレ100%
煮ても焼いても食えない美形の金持ちが没落して、父親の敵の性奴隷になり、
そこで黒人の使用人に惚れる→意味のない凌辱進行→払い下げられて見世物小屋へ
→そして惚れていた相手に再会したが、口の悪い受けは盲目になっていた
なんじゃそりゃ!?「山椒大夫」か?「弱法師」か!?
エロス描写もとにかく汚い。ファンタジー度ゼロ。
正直、激怒レベル。
アラブものってパラパラめくって楽しいからアラブものなんだが、
胸糞悪くなるような主人公イジメしかない。
父親の罪を子供に償わせるというのも、どこに必然性があるのかわからん。
目には目を…で復讐を是とする「タリオ」シリーズのような爽快感もない。
さらに、アラブものとはいっても、どう考えても白人と黒人だし。
有色人種に対する差別意識がチラチラしてるのもいやだ。
BLはエンタメであり、ファンタジー。
マンディアルグやJ・ケッチャムみたいな残虐性は求めてない。
少なくとも自分はそういうスタンスだ。
主人公をいじめるのは自分野のセンシティブ系でやってくれよ~。
凌辱・複数系に入ったところで、匂うようなエロス書けてないし。
大物作家の複数凌辱系って、どーもピントが盛大にズレてることが多いんだが、
こういうのを中身ある凌辱とでも言うんだろうか?
だったら、W・バロウズでも読むよ、自分なら。
これを中身と言わなきゃならないなら、
頭空っぽだと言われるご都合アラブや複数・3P系好きでよかったと思う。
アホ上等です。しゅみじゃない×10ぐらいつけたい。
3部立てになっていて、2部までは同人誌、3部のみ描き下ろしとのことでした。
2部までは父親の代わりに罪を償えとファウジがラージンのもとで復讐を受けます。復讐を遂げるまでは生かしておかねばという理由から、ファウジに希望として与えられるのがハッサンがファウジに思いを寄せているという嘘。それを発端にお話は締めくくられていきます。
ファウジに与えられるのは復讐のための凌辱なので、それはそれはひどいことをされています。ファウジを貶めるために行われてはいますが、傍から見ればしている方も大差なくどっちもどっちとしか思えません。その虚しさに気づきながらも、復讐のためという正当性を言い訳にしていたラージンが途中で放り出したのはわかる気がします。
それと同時に、そんなくだらない凌辱シーンを喜んで読んでいる方も同じ穴のムジナではないかと問いかけられているような気がして、居心地の悪さを覚えました。
現実にそれを実行するのと空想・ファンタジーの世界で読むのとではまた別ではありますが、凌辱されるファウジを「他人事」として見ていられる神経は、父親の横で見ていたファウジのそれと同等なのかもしれないと思い、この前半はもしかして木原さんからの痛烈な皮肉なのかしら?と思ってしまいました。
これでもかというように非道さを増してゆくラージンの仕打ちには、恨みの深さを感じると同時に、人間の欲望とそれを生み出す感情の迷宮の闇を垣間見た気がして、やはり木原作品なのだなと感じさせられました。
3部ではどん底に落ちながらも、一人希望への道をあきらめていなかったファウジがやっと救済されるまでの様子が描かれています。
嘘から始まったうえ、ファウジがどうしても信じられず、それでも忘れることのできなかったハッサン。ファウジとハッサンは、相手を信じられないという部分で共通していて、ファウジはそれを暴言で、ハッサンは無言で対することしかできないでいます。どちらも臆病が故に、考えることの迷宮から出ることができずにずいぶんと遠回りをしています。
お互いの心にやっとたどり着いた時の感動は、これまでのすべてを浄化していくようでした。
極限状態の人をモチーフにして人の心のややこしさを紡いでいく部分は、木原作品の得意とするところなんでしょうね。この作品にもそれはしっかりと生きていて、読みごたえがありました。こういうイロモノ的なモチーフを使っても損なわれないそれに、作者さんの力量を感じさせられました。すごいです。
『FRAGILE』が08年で、この作品の同人発表が06,07年だとすると、ひょっとして『FRAGILE』はこの作品をたたき台にして出来たもの?
そう思えるほどに、主人公が重なります。
しかし舞台がアラブだけに、その内容は日本が舞台のものとは比べ物にならないくらい残酷で容赦なく、徹底して救いがないように思えます。
しかし、書き下ろしが付いた事でその最後の最後に訪れるほんのわずかの未来への光にとてもとても救われるモノを感じるのです。
そして、日頃アラブはちょっと苦手といいつつちょこちょこ見てはおりますが、この容赦なさと残酷な現実を突きつける展開は、自分がアラブものに求める本当のアラブだったのです。
そう思えたのは、主人公のファウジを買ったファウジの父を仇とし復讐をしたいと思っていた買主のラージンにブレが一切なかったところにあると思います。
彼はファウジを抱きません。
彼の側近であるハッサンを中心にその双子の弟であるアントン、宴の客達やその奴隷たち、果ては数々の生き物などに相手をさせ、
絶望から死を望もうとするファウジに、復讐を成し遂げるまで生きながらえさせる為だけの扱いであり、そこに情けは一切存在しないからです。
そして、ファウジにはだれ一人味方はいないのです。
ファウジもまたブレがありません。
徹底的に自分の事しか考えず、どんなに酷い目に遭っても自己憐憫の感情しか持ち合わせず、文句ばかり言い酷い罵り言葉を吐く。
確かに父親の所業のとばっちりでここまでとは思いますが、賢くない外見しか取り柄のない人間だったたけに、同情の余地は一切なかったです。
そしてハッサン。
彼がキーマンでした。
復讐を成し遂げるまで、ファウジを生かしておくには希望を与えるしかない。
そこへ「恋愛」という感情を偽物であれ与えれば・・・ということでハッサンが仕掛けるのです。
それに対するファウジの酷い言動、他の黒人奴隷を誘惑して見せつけるやり方、媚び方、実に浅はかでバカで丸解りで、誰かの庇護がないと生きていけないまるきりの子供の様子に決してハッサンはほだされてはっきりした愛情をもったわけではないとは思うのですが。。。
描き下ろしの展開は見事でした。
目の見えないファウジ、声を出さず身を偽ったハッサン。
愚かでバカなファウジを愛おしく感じるその瞬間。
これだ、この瞬間を求めていたのだと・・・
笠井あゆみさんのイラストがとても素敵でした。
ファウジの容姿といい、ハッサンとアントンがアラブ混血の黒人で坊主(超短髪)という設定も、見事にその雰囲気を伝えていてよかったのでした。(ダチョウ怖かった!)
茶鬼さん!明確なレビュー待ってました。
勝手ながら、いつもいつも茶鬼さんのレビューには、お世話になってます。
私もこんなレビューが書きたかったのですが、とても力及ばず、早々に自分は感想のみを書いて、きっと茶鬼さんがやってくれるだろうと密かに待ってました!
こちらをたたき台にして大河内が生まれたかと思うと、ますますファウジにもほの暗い愛着が湧いてきます。
あのゴ○○リ並みの生命力と精神と体の丈夫さ!BLにはなかなか見られない受けで、本当に癖になります。
元々は陵辱や過激なプレイを読みたくて選んだ作品でしたが、木原先生の力量でとても引き込まれやすく、かつ登場人物の心情の変化などがとても上手く伝わってきてとてもストーリーも面白かったです。
本は三部に分かれていて、ⅠとⅡは性悪の受けファウジが愛のない過激な行為強いられる場面がメインでとてもドロドロしている感じです。
読む人をとても選ぶと思います。
その時点では救いや萌えがあるなんて思ってもいなかったのですが、Ⅲからは何気に萌えましたし、受けのファウジもやっと少し好きになれました。
受けが性奴隷だったころ世話係で恋仲(?)だった攻めのハッサンが、一度アメリカへ渡ったのにもかかわらず受けのことを忘れられずにトメニスタンへ戻るところから始まる感じです。
娼館で働くファウジを見つける攻め。自分のことが別に好きではなかったのだ、忘れてしまったのだと諦めるハッサンですが、ファウジの目が見えないと聞き、名前を偽り喋れないふりをしてその娼館で働くようになります。
そうして少しずつファウジがそこで働く本当の理由を知ることとなります。それがなんと、お金を貯めてアメリカにいるハッサンに会いに行くため。相変わらず過激な行為に駆り出され、仕事仲間からの嫌がらせに耐えながらも攻めに会うことを切望するファウジが、なんだかとても健気で一途に見えてしまいました。
最後、ファウジは『アリー』(ハッサンの偽名) にパスポートを作ってもらい、アメリカへ渡らせてくれと願いますが、ハッサンはイギリスへ行くと頑なにそのねだりを拒みます。ハッサンに会うためにそんな『アリー』を殺そうとして失敗するファウジですが、そこでやっと漏れたハッサンへの愛がとても印象的でした。
失明した自分に唯一できる仕事をしようと娼館での劣悪な環境に耐え、殺人まで犯し、自分のことを覚えている確証もないハッサンにそれでもと会う覚悟があったファウジに、最終的には惹かれてしまいました、私。
そして、最終的には結ばれたこの二人をなんだかんだ全力で祝福してしまいました。
以前、木原さんが出した同人誌『冷血』『冷血2』とその続きが載っている。
その同人誌のテーマがタイトル通り冷血なのだが、何が冷血かって、そこで受けのファウジに対して行われる性奴隷に対する様々なショーが冷血なのではなくて、この作品の根幹である高飛車・口悪・根性悪のファウジが冷血なのではないのかと思った。
ちょっとヒヤヒヤするような、侮蔑的な言葉や差別用語を惜しげもなくポンポンと吐き出し、彼の父親が行っていた奴隷への非道な様々な行為を平然と指差し笑っていたり、「助けて」と自分へすがり付いてきた奴隷がいたこと自体を忘れているのである。
ラージンがファウジに向かい「1985回分、その身で罪を償え」と言っていることを、本当に償わさせてやりたくなる。
しかしラージンたちは奴隷に身を落したファウジといえど、最低限の食事や身体のケアをしており、ハッサンやその弟・アントンやその他の奴隷だった人々がファウジの父親より受けた酷い扱いを思うと、何ともその身勝手な発言に怒りを覚える。
アントンの方で王道冷血ものを一本余裕で出来そうな程に、受けた扱いがファウジに比べて酷かった。(アントンは不幸・健気・賢く従順という感じだし)
それに比べて、ファウジときたら自分のしてきたことを考えもしないで、ポンポンと文句や差別用語やら、人の気持ちを弄ぼうとするし、この辺がなんとも大河内感満載。
大河内とは木原さんの作品の『FRAGILE』という作品の受けである。
終盤も大河内~!と思わせてくれる見せ場が待っている。
ハッサンのことが本当に好きだったいうことがわかり、「ハッサンにもう一度会うために、どんなに辛くても生きてきた」と言い、この時点で視力が失われているのだが「見えなくてもハッサンが現れたら絶対にわかる」と言う。
別人に成りすまし、ファウジの世話係としてずっとそばにいて、今もファウジに襲い掛かっているハッサンに向かって豪語するのである。
そうなのだ、彼はまったく気づかなかったのである。
普通のBLなら気づく感動的な場面で、ハッサンも少し期待もしていたのに、目に見えなく声も発しなければ、ファウジは気づかなかったのである。
彼が愛おしいと本当に思っているその存在に。
ああ、何とも愚かなファウジ。
愚かで、根性悪で、殺しても死なないような生命力に溢れたファウジがなんとも病み付きになる。
『FRAJILE』の続きが読みたい、続きが読みたい!と思っていたら、アラブ版がここにあるではないか!大河内ってばここに姿を変えていたじゃない!
そんな発見だった。
たまゆままさま、こんにちは
こちらこそ、たまゆままさまのレビューと同じ事を感じましてそうそう!って役にたったボタンを連打したくなりましたよv
私書くことないや、って思っちゃったです(^_^;)
ファウジと大河内、この図太い神経の持ち主である受けは実にアッパレでした。
本当にその点、アントンなんかはすごく悲劇のヒロイン(?)の物語ができそうでしたよね♪
密かに、アメリカに渡ったから宗教も緩くなるしラージンと・・・?なんて妄想をしておりました。

ofnotice
ありがとうございます。
天下の木原音瀬に喧嘩売ってんのか!?と叩かれるの覚悟でレビューつけたら(繊細チンピラな絡まれ方されるのは慣れてるし)、すごいことになってるなぁと(笑)
ちなみに木原音瀬は好きでも嫌いでもないんですが。FRAGILEは好きな作品ですが、コレはあまりに腑に落ちない点がありすぎた、というのが理由です。
一言でいえば、こういうジャンルの空気を読んでほしかったなァ。
あき
同感です!
思っていたことをすべて言葉にして下さっているので私も拝見していて気持ちの良いレビューでした。
ofnotice
ありがとうございます。ラクダだの馬だの蛇だのダチョウだの動物園状態で、怒りのヒューズが…。エログロは好物ですがここまでやらないかん理由がわからんのですよ…。