台湾の人気BL作家が贈る、FBIを舞台にした本格心理サスペンス!!

  • 紙書籍【PR】

表題作ロスト・コントロール ~虚無仮説(1)~

その他の収録作品

  • 番外編
  • あとがき

あらすじ

Daria Series(ソフトカバー)

翻訳:黒木夏兒

FBI捜査官の藍沐恩(ラン・ムゥウァン)には二つの悩みがあった。ひとつは、とある過去により、局内の心理評価がパスしないこと。もうひとつは、金髪碧眼のワンマンな上司・ハイエルのことだ。相棒でもあるヘテロなハイエルに、藍は秘かに想いを寄せていた。望みもなく、伝えるつもりもないその想いさえ、カウンセラーは心理評価がパスしない原因だという。そして、仮説を立てる。「君には自殺傾向がある」と??…。そんな最中、ある誘拐事件から自分と同じような過去を持つ犯人と出会い、過去の自分と、ハイエルに向き合うことになるが??…。

作品情報

作品名
ロスト・コントロール ~虚無仮説(1)~
著者
蒔舞(シーウ) 
イラスト
yoco 
媒体
小説
出版社
フロンティアワークス
シリーズ
ロスト・コントロール
発売日
ISBN
9784861346644
4.1

(78)

(41)

萌々

(20)

(10)

中立

(4)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
14
得点
319
評価数
78
平均
4.1 / 5
神率
52.6%

レビュー投稿数14

電子書籍化希望。心理サスペンスBL。神。

夢中になって一気読み!面白かった!!

初翻訳ものBL。原書が中国語だからか、翻訳独特の原文が浮かぶ硬い雰囲気がなく、比較的読みやすかった。気になるのは、たまに誰のセリフか分からなくなることがあるくらい。
内容に引き込まれるように読めるので集中が切れることは無く、特に問題はなかった。

心理サスペンスBLと銘打つだけあって、特に主人公の藍の心理描写が濃厚だった。FBI捜査官のお話で、絡み合う事件を追いながら人物の内面が明かされていく。

一巻では事件の一つが解決するが、まだ謎は多く残されている。巻末の番外編で藍の過去も語られたが、それでも人物像を描く輪郭としては足りていない。何重にも練られているようで、彼への興味が尽きない。
藍の片思い相手であるハイエルもとても魅力的。チームのボスでありながら協調性が無く、飄々としてつかみどころがない。だが見え隠れする陰がとても気になるし、セリフや仕草をいちいちカッコ良く感じる。藍を通して彼を見るシーンが多くある点も影響しているかもしれない。
個性的な脇キャラたちもしっかり地に足がついていて、ストーリーや藍の人物描写に厚みを持たせてくれている。三次元のドラマを見ているように、キャラの心情や表情を鮮明に思い浮かべながら読むことができた。

まだ二人の恋愛模様に大きな動きはないが、ラストで藍はハイエルと――というBL的引きの場面で終わっている。次巻を読むのが楽しみで仕方ない。

表紙・挿絵ともに素晴らしかった。本編前にイラスト付きの人物紹介があり、カタカナ名ばかりでもすぐ覚えられて助かった。
今のところ入手方法が紙本しかない。ぜひ電子書籍化して欲しいと願う。Dariaに翻訳レーベルもできたことだし、この機会にどうか……。

0

あっという間に読んでしまった

FBIの物語で、スリル満点でドキドキしながら、あっという間に読んでしまいました。
主人公がかっこいいです。映画でも見ているみたいに、いろんなエピソードが絡まりあいながら進んでいきます。
攻めは、かっこいいですが、無鉄砲過ぎる気がしました。もう少し攻めの心境の変化を見たかった。
海外にこんなに面白いblがあるんだと驚きました。ぜひ読んでみてください。
イラストも素敵です。

0

迷っている方にも読んで欲しい 二冊通してのレビューです

初の海外BLでした。いや~面白かったです。購入前の自分と同じように迷っている方の参考になればいいなと思って、ストーリー全体のレビューを、購入前の方がご覧になるであろう1巻のレビューページに投稿します。なるべくネタバレはしないよう、抽象的に良かった点を述べるようにしようと思うので、迷っている方はよければ読んでみてください。

購入前にレビューでちらほらと文章が読みにくかったという声も聞いていたので、その点が少し不安でしたが、私は読みにくさは特に感じませんでした。説明的な文章が本当に苦手という方以外は心配する必要はないと思います。文章が読みにくくてストーリーに入りこめないなんてことは全くないので、まずその点は安心してください。

とにかく事件がよく捻られています。刑事物BLといえば、あくまでもメインは恋愛で事件はおまけなので、易易と先が読める展開の物も多々あると思います。読み手としても、ミステリーではなくBLを読もうというときにそういう作品を読むわけなので、それでいいとも思います。ですが、今作はミステリーを読もうという気分で読んでもかなり楽しめるレベルです。事件やそれを取り巻く人々の感情の奥が深い。何件か起きる事件が、ストーリーの進行の上で一つも無駄になるものがなく、主人公2人のそれぞれの過去も絡めつつ、最終的に全ての伏線が綺麗に回収されます。あーこれをするためにあれがあってこうしてああなるのねと納得のいく結末です。過去に囚われていた2人も、事件を通して精神的に大きく成長していきます。BLを読もうという気分で手に取ったのに、期待以上のミステリーや人間ドラマとしての完成度の高さに、二度美味しいという気分です。

1巻なんて、メインが事件で恋愛がおまけかと思う程です。でも安心してください。2巻からBLを読もうという気持ちの方も大満足の怒濤の萌え展開がやってきます。だからこそ、1巻も途中で投げ出さずに最後まで読んで欲しいです。1巻をしっかりと読むことで、受けのランという人物像に関してはバックボーンとともにかなり深く理解できると思うので、2巻での心情の変化もつかみやすく、萌え展開でもより萌えを享受できることと思います。

キャラクターについて。私は女の子みたいな女々しくて弱っちい受けや、存在を疑うような、何でも出来る上に性格までパーフェクトな聖人スパダリ攻めは苦手なのですが、今作は受け攻めともにそのパターンに当てはまることがなかったのもよかったです。ランはしっかりと男らしさがあり、終盤でもそれを発揮して犯人を追い詰めます。ハイエルは、幼稚で少し狡いところもちゃんとあって人間らしいです。ランとハイエルは仕事上のバディとしても信頼し合っています。私は、こういうBLだからこそというお話を読むのが好きです。

yoco先生のイラストも世界観に合っていて素晴らしかったです。yoco先生の描かれる絵の雰囲気は東洋人より、西洋人の方が合う気がします。

翻訳の黒木先生が、台湾旅行の際に今作を読んで、中国語のわからない人にも読んで欲しいという思いから翻訳してくださったということをあとがきで知り、この作品が読めたのは黒木先生のおかげだなと思います。蒔舞先生の他の作品もぜひ読んでみたいので、また機会があれば翻訳していただけたら嬉しいなと思いました。

とにかく迷っている方にはおすすめです。ぜひ読んでみてください。

2

読中に抱く感想と主人公が客観的に顧みる辺りの合致具合に驚く

海外版BLはまだ僅かしか読めていないが、この小説は格段に読み易く、すぐに話に入り込めた。
海外翻訳ものによくある独特の言い回しを敬遠して、何年も積んで置いたのを勿体ない事をしていたと後悔する程の良作だった。

話は、短時間で立て続けに起こった銀行強盗事件と、同時刻に行方不明になった少女失踪事件の捜査をFBI捜査官のハイエル班の四人が追っていく形で進行していく。
自分には話を読み進めながら真相を推理していく頭がないので、読み手に徹して展開を追っていくのを優先させたのだった。
1巻では、ハイエルと藍の絡みといえば銃撃戦から身を守る際に押し倒される、宥める為にキスされる位の描写しかない。
にも関わらず、キャラクターの色気を抑えている分一場面のみのキスシーンには大いに萌えたし、周りの脇役達も含めて、彼らがどう動いていくか引き込まれていく。

登場人物にはヘビーな過去を抱えている者が多く、中でも主人公・藍は成人してFBI捜査官となってからも定期的にカウンセリングを受ける義務がある程の凄惨な幼少期の持ち主だ。
といっても、周りが心配する程に病んでいない雰囲気だと感じるのだが…
むしろ、細かい観察眼やふとした引っ掛かりからヒントを得る勘の良さから、捜査官として優秀だと思う。
過去の経験に絡んでくるせいか、今回の事件で『子供に無関心になってしまった母親』ってのに過敏に反応するってのはまぁ想像できる範疇ではあるが。

事件の容疑者達と同じような過去を経験していながら、何故自分自身と人生が違ってきているのかと客観的に顧みる辺りに、まさに読んでいてこちら側がふと感じた感想との合致具合に驚いた。

巻末には、藍が二人の母親と暮らしていた頃の話も載っていて、藍のカウンセリング義務に至った過去の出来事が伺える番外編も収録されている。
1巻を読み終わった時は、この藍の過去がどう影響するかってよりも、藍がハイエルに引き寄せられていったその後の展開のほうが大いに気になったのだった。

1

どうしても受け付けなかった部分がある

翻訳本なので最初に文章で躓くと中々スムーズに読めません。
この翻訳は私はあまり好みではなかったので(誰が会話してるのか、誰の動きなのかが迷子になることがある)読み終わるのに時間が掛かりました。
内容はFBI捜査官の上司(攻)と部下(受)ものです。
ある幼女の失踪事件や別の場所で起こった銀行強盗事件を追って捜査をする中で、受の過去やら何やらを絡めながら微妙にBL的展開をする、という感じで1巻終了。

内容は面白かったですが今の所BL? という状態なので、そのあたりを期待されると退屈に感じるかもしれません。
私はこの何を考えているかよく分からない攻が今の所あまり好感が持てず。
そして受がなぜ攻のことを好きになったのかがあまり文章から伝わってこないので、どうにも感情移入できませんでした。

それと大きなネタバレになるので気になる方は以下は読まないで欲しいのですが、私が中立にした最大の理由が「人の死」の扱い方でした。
この作品はFBI捜査官という仕事なので、ある程度の内容は想像していましたが、幼女の殺害はどうにも受け入れがたかったです。
幼女を取り巻く家族(母親や兄)についても詳細に描写しているので、そういった感情面を考えた時に読みながら胸が痛くなり、幼女の遺体が見つかったシーンでは吐き気を催してしまった程。
私は時期的にマズかったのですが、ダメな方は徹底的にダメだと思います。

2

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