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偏執病、SM、心中、×××……歪んだ愛を極めたメリーバッドエンドアンソロジー
やっぱりハッピーエンディングの方がいいよなぁと感じる今日この頃。ですがこれは「病みBL」。さてどんなものか。
漫画9作品、小説1作品収録。
以下、収録順にざっと。(作者様敬称略)
紺色ルナ「さよならバイバイまた会う日まで」
冒頭にコレはガツンとくる。このアンソロの方向性が示された感じ。
義父からのレイプと恋人との逃避行はまあ想定内だったけど…
(ネタバレ↓↓)
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死姦と恋人の方も死ぬとはね…のっけからズドーンと落ちるお話。
倫敦巴里子「俺は忘れない」
ストーカーに狙われる彼女に低温な大学生。彼の抱える秘密は?
オチが今ひとつわからん。殺人の後精神を病んだということ?
(原作)綺月陣x(漫画)山本小鉄子「アネモネ」
さすが綺月先生、という不気味さ。小鉄子先生とのタッグは意外!
ユキオを殺した、という部分がよくわからない。離人状態だった?
タカハシマコ「小鳥はとっても歌が好き」
これもわかりにくい…って3作品続けてわからないのは私の読解力がボケボケのせいか?
要は、小鳥も桃ちょ、グリン、すみれも全部日和だったという事でしょ?
絡め取り系。
(小説)六青みつみx(イラスト)緒川千世「アムネジア〜記憶改竄〜」
王子だと思い込んで護衛する近衛騎士と共に賊軍から逃げる侍従。
近衛騎士は愛する王子が陵辱の末死んだことを受け入れずに侍従を王子と思い込んでいるのか、読んでるうちによくわからなくなってきます。結末もそこははっきりさせないので消化不良。
SHOOWA「I will be with you forever」
これは最高だと思う。
内容はともかく、描写の作風は他の誰とも違う!言葉/セリフが無いからこそ本質の怖さが伝わる。
タクミユウ「下衆とあばずれ」
大学時代から暴力的な行為でつながる2人。今刑事とヤクザになってもずっとヒリつく関係性を続けて。
受けの方がより病んでるのかな。SM的なテーマも含んでいると思います。
大島彰子「崩落」
監禁、緊縛、陵辱を写真に撮られて、その後の関係を強要され…
…はいいけど、最初の1回目は何で脅迫された?婚約者と寝るのは別にいーじゃん。
それに、池内に協力してる人がいるのも不自然というか。
黒田屑「対岸の恋」
昭和初期、戦争で負傷して重体の弟と軍医の兄は…というお話。
病みというよりも可哀想。
麻生ミツ晃「青いカルテ」
ラスト作品として相応しい病みっぷり。
虐待され続けで暴力イコール愛と捉える高校生と、彼を救いたいカウンセラー。
救うと思いながらも取り込まれていくのはありがちだけど、救いの無さはピカいち。
昔は病みだの闇だのが好みで、ていうか「好みだ」って言うのがかっこいいような気がしてそんなポーズ取ってたけど、今はもうあまりにも病んでるのは辟易としてしまうな。
SHOOWA先生作品がダントツかな。
SHOOWAさんで検索かけた時に出てきて面白そうだったので買ってみました。
読む前からバッドエンド確定というのもどうなんだって感じですけど、バッドエンドと言っても色々あるので、好き嫌いはあれど飽きずに読めました。
メリーバッドエンドの解釈も作家様それぞれですね。面白いです。
全体的に血率、刃物率が高いので要注意です。
好きなのはやっぱりSHOOWAさんですね!
というか…
自分が思ってる、狂った愛の究極はこれでしょ!ってのがまんま描かれてて逆にびっくりしました。
メリバアンソロジーすげーな。こんなの描いちゃって良いんだw
『I will be with you forever』
だから、
「eat(=一体化)」
分かりやすいです。
でもってこの方だけは、このアンソロの中で異色なんですよね。
他の方々はみんな光を求めて結果闇に向かってしまうのですが、SHOOWAさんだけは闇から光に向かってく感じです。
ネガティブな出来事にポジティブに(?)対応してるので、暗さがない。
本当の意味でズバ抜けてクレイジーだと思います。
こういうの大好き!たまらん。
紺色ルナさんの『さよならバイバイまた会う日まで』と、黒田屑さんの『対岸の恋』は、輪廻転生を信じ来世に託して現世を終わらせるもの。
片方は訳あって触れ合えない恋人達、片方は正常な倫理観が結ばれることを躊躇わせる実兄弟。
自ら死を選ぶ生き方には賛成も共感も出来ませんが、真っ直ぐであるが故の行き着く先という感じがしました。
悲恋であって、病みとか歪み愛とはまたちょっと別な気がします。
読後、猛烈なやるせなさに襲われます。
紺色ルナさんの方は特にやるせないです。
歪んでるなーと思ったのは、麻生ミツ晃さんの『青いカルテ』。
スクールカウンセラーと虐待されて育った生徒のイビツな愛。
これぞメリバという感じの、ある意味お手本のようなメリバ作品です。
誰かに必要とされたい願望に囚われているカウンセラーの空虚感も怖いし、母親からの暴力を愛情と曲解して育った少年の無自覚の異常性も怖い。
アンソロの締め括りに相応しい後味の悪さでした。
病み+究極の愛ということで、共依存のような関係はやはり多めです。
そういうのがお好きな方には良いかも。
上の麻生ミツ晃さんの他、倫敦巴里子さんの『僕は忘れない』、綺月陣さん×山本小鉄子さんの『アネモネ』あたりがそんな感じでした。
大島彰子さんの『崩落』は、レイプの末、快楽に堕ちていくもの。
男らしい受けがギャグボールとバンドで拘束されて、可愛らしい攻めに犯されてます。
電子版はコラムページの収録は無しでした。
個人的な嗜好としては、SHOOWAさん的な狂気をはらんでるものがもうちょっと入ってて欲しかったかな。
SHOOWAさん以外ではタカハシマコさんの『小鳥はとっても歌が好き』がそんな感じでしたが、これはオチが読めてしまうせいかちょっと物足りなかったです。
率直に言えばどのケースも一途なだけで
驚く程の病みではないかな、と言う印象です。
一途が過ぎて突き抜けたという場合も見受けられますが、
それをもって病みと言うならば納得かなと。
究極の寸前と言う感じでしょうか。
どのケースにしても好きな気持ちを標榜する側には
それなりの理が通っていて、そこに一切のブレは
感じられません。
それを受け止める側がどう解するかによって
ラストシーンが左右される気がします。
評者はラストシーンの味わいをもって
各話の完成度を測りたいと思います。
病みっていうよりは、「痛々しい」って感じ?全体的にものすごく病んでいる作品はないと思いますが、読後は微妙な気持ちになりました。
「さよならバイバイまた会う日まで」
いちばん好きです。最後の生身でのチューとか、涙です。病みっていうより、ほんと切ないです。
「対岸の恋」
兄弟もの、ウマーです。切ない感じもありつつ、兄の弟への想いに涙。
「青いカルテ」
こういう彼氏、欲しい。「彼にとって暴力とは=愛情」とか。私も殴って欲しい。
知ってる方が執筆しているし、好きな作家さんも描いているし、メリバ好きだからいいかな?と、表紙が何か怖かったんですが購入。
甘かったです。
どうしましょう。此処まで外れだと、もう何を云っていいのか分からないくらいにいいところが見付かりません。
これが世間でいうメリバなんでしょうか。
自分が思っていたものと大分違うので、困惑しました。
作家さんは好きな方が数人描いているにも関わらず、本当に当たりがなかったです。
矢張り、自分はBLはファンタジー、ある程度救いがないと読めないようです。
私には合わなかっただけだと思うので、お好きな方は好きかもです。
ご参考までに。
