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表題作ブルーワールド 下

優が羨む才能のある同級生 三浦征司
専学イラストレーション科の学生 金田優

同時収録作品house mannequine

同時収録作品疾走デイズ

その他の収録作品

  • ブルーフィルムナイト
  • カバー下:あとがき

あらすじ

自分のせいで右手を怪我し、絵が描けなくなった征司に自暴自棄になるスグル。
しかしそんなスグルも受け入れようとする征司にスグルは段々と落ち着きを取り戻していく──

だがそんなときに征司の元カレだと名乗る陽一があらわれて…!?
自分といたころのほうが征司はいい絵を描いていたと指摘されたスグルは自分と向き直ることを余儀なくされる。

母との確執に悩む征司、征司との関係に悩むスグル…
葛藤の末に結ばれる、二人の心の行き着く先は──

作品情報

作品名
ブルーワールド 下
著者
茨芽ヒサ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
一迅社
レーベル
gateauコミックス
発売日
ISBN
9784758072823
3.3

(3)

(1)

萌々

(0)

(1)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
9
評価数
3
平均
3.3 / 5
神率
33.3%

レビュー投稿数2

陽一くん

上巻では、絵の軽さがストーリーの重さと上手くバランスとっていると好感触だったのですが、、、

この下巻では、三浦の怪我の後遺症、三浦の元彼樋口の登場、そして、いよいよ三浦母子の直接対決、金田の方も自分の心の海底での自己との対話と、山場となるエピソードが目白押しです。
さすがにこれだけの怒濤のような展開には、ちょっと絵の方が負け気味だったかも。
描きたいことは全部描いたっていうことは伝わったけど、ちょっと惜しい感じ。

他に短編が2編と本編のおまけ話。
短編の恋するマネキン人形のお話と、逃亡先での偶然の出会いのお話はBL未満。
本編のおまけ話は糖分補完で、ラブホでエロ三昧。なんだけど、絵がさらっとしすぎていて、ほんとに放尿や木馬緊縛までやったのか、単なる妄想かちょっと判然としなくて、あんまりエロい雰囲気はないかも。

0

海の底から浮き上がる二人

完結編です。
1巻で感じた”自分に苦しむ青春期”という見かたはおおよそ合っていたようで、作者さんのあとがきに”愛とか恋とか親子関係、嫉妬、自己愛、そういうのに呑みこまれる青春期を描きたかった”とありました。
確かにそういう要素は感じられる作品だったのですが、完結を見て、訴えたいものはわかるが詰め込み過ぎてバラバラ感を感じてしまった。というところかもしれません。
結末がハッピーエンドになってはいますが、この作家さんの自分が知りうる過去作を見ても、完全にハッピーと言えるものを感じる作品ではなかったので、これもその流れなのかな?という甘いエンドではあるものの、一抹の不安を感じずにはいられないのです。


同じ学科の征司の才能に羨望と嫉妬を感じながら憧憬を感じずにいられないスグル。
しかし征司はゲイでスグルが好きであったことから、二人は恋人として付き合い始め、腹黒い感情を心の底に持ちながらも征司に惹かれて行くスグル。
しかし征司にはゲイであることから母親との確執があり、それが精神的プレッシャーに。
そして、絵が描けなくなってしまうという話の1巻。

ラストに現れた、高校時代の同級生陽一の登場もあり、三浦の腕の事と母親との関係、そしてこの現れた陽一がどのように絡んで行くのかが、とても気になる2巻の始まりでした。

陽一の登場により、征司がゲイを隠して生きる母親との確執の原因を露わにする事になり、征司はスグルを心から愛していて母親とも向き合うという立場をとらせたと思う。

スグルは夢の中、海の底に沈んでいる夢を見ているが、それは元々が嫉妬や羨望という腹黒い気持ちが始まりであったことを隠していることからの罪悪感だろうか?
征司の力になりたいと思っているのに、付き合いのきっかけを始めひょっとして絵が描けないということへの「やった」と思う気持ちとの葛藤をあらわしてもいるのだろうか?

過去の掘り起こしを始め、陽一の登場は征司とスグルの関係をひっかきまわすには余りにも素っ頓狂で突飛な登場と行動であったのでは?と少し不自然さを感じずにはいられなかった。
彼は立ちまわりが上手く、ゲイ(バイ)のくせに征司の母親にそれを隠して上手く取り入り、という部分はわかるが征司の居所を知りたいと、スグルの友人にいきなりのっかり受けして襲っている(これにはビックリ!)
どうやら一人の男では満足できず、誰それ構わず関係を持つビッチなようであるが、過去を振り返りやはり征司が欲しいと今回の登場になったようなのだ。
この彼の投入が彼にも彼の物語があって、中途半端を感じてしまったのです。

でも最後は、腹黒の自分を認め受け入れどれも同じ自分なんだと自分に向き合うスグル。
母親にきちんと全てを話し、親とも自分とも向き合う征司。
二人とも自分と向き合うことで初めて互いと向き合うことが出来る、それが出来るようになったのは、そんな互いがいたから。
という、そういう結末に持って行きたかったことは明確に解ります。

ちょっと作者さんが欲張りすぎたのかもしれないですね。
番外に甘くてトロトロな同人作品、ラブホデートの話しが載っている。

【house mannequin】
前作単行本「秘密は夜に生まれてる」の主人公のその後!?
古着ショップの店長に恋するイギリスで買いつけられてきたアンティークのボディトルソー(マネキン)
いつも黒い服しか着ない店長には辛い過去があるのだが、僕はずっと側で見守るしかできないけど・・・な切なくもあったかい片想いのお話。
この店長ひょっとして・・・スズ!?
ってことは別れちゃったの?それとも?あの話も完全なハッピーエンドではなかったので、、、
でも知らないでこれだけ読めば、解らないから無問題(汗)

【疾走デイズ】
作者さん初の商業誌掲載作品(GATEAU)
公私に渡り嫌な事がつづいて訪れた旅行先で出会った何ものかに追いかけられている男。
彼は自らを銀行強盗と名乗り、一緒に逃げないかと誘う。
恋も愛もまだ未満、出会いだけの作品です。
この話もまたこれだけ見れば軽くて楽しいが、将来を見据えると・・・汗・・・

絵も不安定ですが、話もとても独特です。
今回は頑張った感がありありと出ているのではないでしょうか?
ちょっと後半の展開は惜しい点が目に付いてしまったのですが、それでも注目して気にしていたい作者さんなのは間違いないです!



2

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