高校時代、寮で同室だった圭と聖人はつきあっていたが、圭の裏切りで決別した。その後、互いに教師として母校で再会し…?

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表題作君は僕の初恋の人

棚橋圭,高校時代のルームメイト/社会科教師,27歳
朝倉聖人,帰国子女の高校生/数学教師,27歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

名門私立男子校に入学し、寮で同室となった圭と聖人。恋に落ちて体まで許したのに、圭の裏切りに聖人は深く傷つけられ決別した。それから月日は経ち、互いに教師として母校で再会して…?

作品情報

作品名
君は僕の初恋の人
著者
高遠琉加 
イラスト
小椋ムク 
媒体
小説
出版社
海王社
レーベル
ガッシュ文庫
シリーズ
壁の中の嘘と秘密
発売日
ISBN
9784796405591
3.3

(68)

(11)

萌々

(25)

(18)

中立

(6)

趣味じゃない

(8)

レビュー数
16
得点
215
評価数
68
平均
3.3 / 5
神率
16.2%

レビュー投稿数16

蓼食う虫も・・な話

「神様も知らない」三巻を読んで、心に刺さる作品を描く人だなーと思って、
他の作品を読んでみました。

この作品は、圭視点、聖人視点と、視点主が変わる書き方で、ちょっと疲れる。

舞台は、全寮制の進学校。「壁の中の嘘と秘密」と同じ、主人公は別の人。
殆どの生徒は、親族が卒業生で、各地の優等生。
何方かというと、この作品のほうが「壁の中の嘘と秘密」といった内容だった。

棚橋 圭:
愛されて不自由なく育つ。容姿も頭脳にも恵まれ、如才なく常に笑顔。
父親が、学校理事、校医。堅実な運営の地元医院経営者。
優秀な兄姉が病院を後継予定。末っ子の圭は自由。
大卒後、大手旅行会社に就職。退職して、母校の社会科教師に転職。

朝倉聖人:
帰国子女、日本語がぎこちない。三白眼、人見知り、人間関係不得手。
父が卒業生。高卒後、紅茶の貿易会社経営。 父に紅茶を教えた年上女房の母。
母の死後、学校裏の桜の樹の下に、母の遺灰の一部を父が埋めた。
ルームメイトの圭に恋をするが、圭の隠ぺいを赦せず、拒絶。
卒業を待たず、英国へ留学。 帰国して、母校の数学教師として勤務。

新見:女優の息子。聖人を虐め、罠に嵌める。

田丸:人懐こい大阪出身の同級生。圭と聖人の友人。
篠塚:主席で入学した同級生。圭と聖人の友人。 察する男で、まとめ上手。

聖人はコミュ障、圭の気持ちを理解しようとせず、ずっと圭を赦せない。
忙しい父、母の病死、親族の反対・・色々有ったせいで、聖人の人格形成は不完全。
もうちょっと大人の視点を持ってもいいんじゃないかと思う、生徒の指導なんてできない視野狭窄な教師だと思う。

人気者の圭が、初めて欲しいと思ったが聖人。初恋だった。
サイコパスとは違う。
これをサイコパスというなら、恋する人は、みんなサイコパス。

圭は、ただ聖人に見て欲しくて、守りかった。
不器用で純な猛愛。気持ちがずっと変わらない一途な圭。
聖人のどこが可愛いのか理解できない
ひょっとしたら、圭の執着は、桜の木が聖人の為にかけた母心の「魔法」なのかも。

1

若いってのは

「壁の中の嘘と秘密」のスピンオフ。
あのー正直なところ、前作があまり好きじゃなく、こっちはどうしようかな~なんて思ってたんです。あと高校の寮ものにそんなに惹かれないというのも。
でもこっちはツボでした。神と悩むくらいに。

この本、分厚いんですが、半分ちょっとは棚橋(攻)と朝倉(受)の高校時代のお話で、残りが現在のお話です。
前半は棚橋視点でふたりがくっつくまでと離れるまでが丁寧に綴られていて、
後半は朝倉視点でふたたびくっつくまでが綴られている。

桜の木が重要アイテムかな。特に最初の桜のシーン(挿絵あり)が印象的で好き。

とにかくこれは棚橋が朝倉を思い続けているお話。
カテゴリ的には執着攻めなんですが、あんまり熱量を感じさせないんですよね。
暑苦しいことしてるのに、暑苦しくない。不思議w
これは高遠マジックかな、という気がします。高遠先生の書かれるキャラクターって、みんな低体温そうというか。
高校生のころの嫉妬心や執着心からくる愚かな行為がふたりを別つことに。
若いころ余裕がなかったんだよね…と思わせておいて、大人になってからもあまり余裕がなかった棚橋に萌えです。
一歩間違えたらストーカーちっくなんですけど、朝倉側の揺れる気持ちが伝わってくるから、はらはらとふたりを応援しながら読めました。

前作のふたりも出てきます。あのBBQのシーンですねー。
たぶん前作読んでなくても大丈夫だとは思うけど、読んでたほうがより今作のふたりの空気も感じられていいと思います。

8

ランプの精

こんにちは、snowblackさま、はじめまして!
コメントありがとうございます。

前作もどこが駄目だったの?と言われるとよくわからないのですが…
おそらくキャラの組み合わせかなぁと…お話自体が嫌というわけでもなかったですし。
ただ好みから結構遠く離れてた、みたいな感じでした。

高遠作品はひんやりした印象が強くて、そこが好きなところです。
私のレビューがお役に立てたのなら、嬉しいかぎりですー

snowblack

ランプの精さま、こんにちは。
snowblackと申します。

高遠作品は基本好きなのですが、私も前作がイマイチピンとこなかったので
こちらはそれほど積極的な気持ちになれず、未だ読んでおりませんでした。
ランプの精さまの、同様に迷いながらも読んでみたら神と悩むくらいにツボだった……
というご感想を読んで、背中を押された気分。
ありがとうございます、早速読んでみたいと思います。

初恋、そして再び。

「壁の中の嘘と秘密」のスピンオフ。
前作で気になっていた大人組の過去と現在。

高遠作品は大好きで、基本作家買いなのだけれど
これは前作が今ひとつピンとこなかったので、ちょっと躊躇していたのだけれど
こっちは好みででした。


山の中の寮制の男子名門高校、
そこに勤める社会科教師棚橋は、明るい二枚目の人気者。
一方同い年で寮監も勤める数学教師の朝倉は、三白眼で無愛想。
そんな彼らは高校時代、ルームメイトだった……

時は遡り、彼らの高校時代、
帰国子女で人見知りで愛想のない朝倉が、唯一心を開いた棚橋。
二人はお互いに惹かれ合って身体を繋ぐようになったが、
棚橋の幼い独占欲が朝倉を傷つけ、朝倉は去っていく。

そんな10代で恋をして破局を迎えた2人が、10年経って再会する。
ぬぐいされない過去のわだかまり故に、頑に背を向ける朝倉と
それを突き破ろうとする棚橋。


拗らせた初恋、再会、とストーリーはありがちだけど、
隔絶された山奥の学園という仕掛けや(これは、いかにもファンタジーだけれどw)、
キャラクターの個性もあって読みでがある作品になっている。
高校時代の二人は甘酸っぱく気恥ずかしいような感じだし、
二人を引き裂いた事件は、個人的には分かるなぁ!と愛おしい思いがした。

後半の大人になってからの二人は、前作を読んで予想したより
ずっとピュアで高校生の頃のまま。
執着する棚橋は個人的にはタイプじゃないけれど、
こんな風に何もかも持っている男が、
浮き世の全てを捨てても初恋の君を求めるという図は好みでした。


冒頭の夜の桜が非常に印象的。
BL読み始めの頃に読んだ『楽園建造計画』の印象が強かったこともあって
高遠先生と桜は切り離せないイメージなんだな……。


7

初恋は熱病

前作「壁の嘘と秘密」で登場した、寮監先生達のお話。

高校時代に寮の同室だった二人。
ある事件をきっかけに、熱病のように甘い関係に溺れ、
そしてあっけなく崩壊した、
そんな初恋。

この本は、そんな初恋の顛末と、
それぞれ学校から一度外に出た二人が、
一方は教師として戻り、
それを知ったもう一方が、外の世界の全部と引き換えに、10年前の初恋を取り戻しに来るお話。

前作は、いろいろな要素を盛り込み過ぎな感じで、私としてはちょっと…だったけど、
今作は、もう、そのものズバリ、
どんなに好きだったか(前半「十六歳 春」棚橋視点)
だからこそ、どんなに憎いか(後半「二七歳 夏」朝倉視点)
それだけを描いていて、
その潔さに、萌萌ズッキュ~ンでした。

4

初恋の人

朝倉視点の現在パート(27歳)→棚橋視点の過去パート(16歳)→再び朝倉視点の現在パート(27歳)、という面白い構成の作品です。この仕掛けがとても効果的で、二人が抱えるそれぞれの思いが切なくて堪りませんでした。

最初のパートでは、無愛想な数学教師の朝倉と何やら因縁がありそうな棚橋との関係が少し不穏なムードで描かれています。二人の過去に何が…?

過去パートでは一転、二人の出会いから蜜月、そして別れまでが棚橋視点で描かれます。学園寮モノとしての楽しい雰囲気もあり、二人が初恋に夢中になる様子が丁寧に表現されています。この展開がもう…!!切なくて胸が詰まりました。棚橋は若さゆえの狂気にも似た感情を持っていて、その至らなさが可愛く、愛おしかったです。

朝倉の拒絶も棚橋の執着も分かった上で読む最終パート。どうなるんだろうとドキドキしましたが…素敵なエンディングだったと思います。

4

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