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表題作号外onBLUE vol.2

その他の収録作品

  • 雲田はるこ「モンテカルロの雨」
  • たなと「SEA CHANGE1」
  • たなと「SEA CHANGE2
  • ためこう「泥中の蓮」
  • ハヤカワノジコ「糸も絶易く」
  • 河馬乃さかだち「フーゾク店で彼氏はできるか?」
  • 紀伊カンナ「しとしとエトランゼ」
  • 梶ヶ谷ミチル「おはようからおやすみまで」
  • 黒娜さかき「かえってほしいの」
  • 雁須磨子「ヤング・バケーション」
  • カシオ「うぬぼれオーバードライブ」
  • 阿弥陀しずく「レトルトカレー
  • 麻生ミツ晃「どの本にも書いてある」
  • 都陽子「カレは男とシたことない。」
  • イシノアヤ「トリガー」
  • 北畠あけ乃「誰そ彼は誰」
  • 朝田ねむい「MY GOD」

あらすじ

表紙&新作読切、雲田はるこ。
幻の同人誌作+続編「SEA CHANGE」たなと。久々登場!麻生ミツ晃。雁須磨子、梶ヶ谷ミチル、紀伊カンナ、ためこう……etcこれ売れます!!

作品情報

作品名
号外onBLUE vol.2
媒体
漫画(コミック)
出版社
祥伝社
レーベル
on BLUE comics
発売日
ISBN
9784396783549
4

(2)

(1)

萌々

(0)

(1)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
8
評価数
2
平均
4 / 5
神率
50%

レビュー投稿数1

2号外目。

 号外onBLUEは、今の本誌読者層に受け入れられる境界線を探ってる作品が、幾つかあるような気がします。
ただ今号は、前号よりも試されてる感がトーンダウン。
 ピックアップしたのは、雲田はるこ、ためこう、河馬乃さかだち、ハヤカワノジコ、カシオ、たなと。(敬称略)

★雲田はるこ「モンテカルロの雨」読み切り(41頁)
 崖っぷちの中年役者・阿久津に舞い込んだ外国映画の出演依頼。
飛びついてモナコまで来たものの、撮影初日からトラブルが発生。
まず、親を探している男の役のはずが、なぜか同性の恋人を追いかけてきた役に。しかも初日から、主演の若い俳優・ジャンとのベッドシーン。
結局は天候の問題もあって、その日の撮影は延期となりますが、変更された役はそのまま。思いも寄らない配役に、阿久津は途方に暮れてしまいます。

 号外onBLUEの表紙の二人で、手前にいるのが主演俳優のジャン、奥が主人公の阿久津。表紙のとおり阿久津は結構老けて見え、ジャンは若々しい。
ストーリーは、現地での二人の交流が主軸となっています。
 ジャンが人懐こい感じで、ホテルで落ち込む阿久津を街へ連れ出したり、励ましたりとフレンドリーでした。阿久津は終始ジャンに押されっぱなし。
 後半はその雰囲気に少し湿り気を足した感じで読後感の良いお話でした。

★ためこう「泥中の蓮」第2話(24頁)
 優等生の弟と、ウリセンで弟を養う兄の話。
1話目は弟(秋生)の視点でしたが、2話目は兄(元春)の視点で進行します。
 泥にまみれて這いつくばるような暮らしをしている兄の元春にとって、弟は唯一無二の存在です。自分には叶わなかった「希望ある将来」を弟に託すこと。それを生きるよすがにしています。
 秋生の大学受験を控え、学校からきた家庭訪問の申し出を受けることになった元春。弟の将来に関わることならば、少しの間だけでも “ 良い兄 ” として振舞いたい。そう意気込み準備を始めるのですが・・・。

 作中のセリフやモノローグから察すると、作品のタイトルは、兄との不安定な生活を「泥中」に、そんな生活環境でも清らかな優等生でありつづける弟を「蓮」に例えています。(弟が視点である1話目の段階で、その蓮も見せかけだと分かるんですけどね。)
 ラストに "つづく" とあったので楽しみにしています。

★河馬乃さかだち「フーゾク店で彼氏はできるか?」第2話(32頁)
 本誌で連載されてる「どうにもとまらない、あきちゃん」のスピンオフ。
 失恋して都会を離れた主人公の及川が、押之見(あきちゃん)のいるソープランドで働き始めるというお話です。今のところ、押之見はマスク姿で一瞬登場したのみ。及川との絡みは殆どありません。
 及川と話をする機会が多いのは、店の先輩従業員・花村。
同じ寮住まいで、仕事も彼が指導。人の良い花村に懐いた及川は、二人で家飲みしてる際、酔った勢いで失恋した経緯を打ち明けます。
その経緯というのが、性的に貪欲すぎて恋人の男性に引かれたというもの。
別れた後も及川の体質は変わらず、一旦興奮するとなかなかおさまりません。事情を知った花村は、心配になって何かと気にかけます。

 河馬乃さんの作品を読んだ時の第一印象は「絵はあまり上手くない」。
それは今も変わらないのですが、とにかく人物の表情が艶かしい。エロい。
 本誌の押之見は、謎めいた過去と魔性の色気がある「設定」。
一方の及川は、興奮がおさまりにくい体質から、作中ずっと上気した表情で、自然と本誌の押之見より色っぽく見えてました。

★ハヤカワノジコ「糸も絶易く」読み切り(10頁)
 難事に生活を支配された友人と、彼と同居してる男の話でした。ホラーって言っていいのかな?
 ハヤカワノジコさんの作品は、今年の雑誌で何度か見かけた程度しか知りません。そのいずれともちょっと違う作風でした。まず怪奇な設定がある時点で違うのですが・・・読み手に多少の負荷がかかるお話です。

★カシオ「うぬぼれオーバードライブ」読み切り(36頁)
 主人公は、自分大好き大学生・朝比奈。自撮りはもちろん、鏡で自分をチェックするのに夢中。付き合ってる彼女にも振られてしまいます。
 朝比奈は、ナルシストぶりを直さないと、また振られることになると友人達に指摘されて落ち込みます。しかし、そのままの自分で良いと言ってくれる友人が一人だけいて・・・。
 「良い=好き」と思い込む自信もナルシストゆえか。
自分の外見が大好きだったはずの朝比奈が、いつのまにか、見られることに恥ずかしさを覚える。その過程が良かったと思います。

★たなと「SEA CHANGE1」(18頁)、「SEA CHANGE2」(13頁)、扉絵なし
 2012年11月初出の同人誌と、その続編。onBLUE vol.12 たなと特集での作品紹介を引用すると「舞台はブラジル。ルイスの幼馴染みで、カナダに引っ越したベンジャミンが10年ぶりに帰ってくる」という幼馴染みの再会物。
主人公のルイスは褐色・黒髪坊主男子、ベンは金髪そばかす長身男子。
 続編は、再会してから2度目の夏の、ある日の出来事。2話目でようやく二人が成人してると知りました。1話目では気がつかなかった・・・。

[次回予告] 巻末にvol.3の告知がありました。が、予定は2015年5月とのことで、執筆陣の情報などは一切ありません。今号の作品に「つづく」と表示されてるものは、半年待つことになると思います。

2

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