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表題作騎士王と愛の城

ユーグ,義弟,カステル王国の皇太子,19歳~21歳
ルネ,騎士団長→男娼,21歳~23歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

次期国王の座を争う身でありながら、美しい義兄ルネを愛する王子ユーグは、裏切りの真実を知って!?

作品情報

作品名
騎士王と愛の城
著者
華藤えれな 
イラスト
小椋ムク 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA(アスキー・メディアワークス)
レーベル
B-PRINCE文庫
発売日
ISBN
9784048669665
3

(16)

(0)

萌々

(6)

(5)

中立

(4)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
2
得点
43
評価数
16
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

正統派のすれ違いドラマ

舞台は中世ヨーロッパのとある王国。
皇太子候補で腹違いの兄弟、
ユーグ(弟・攻め)とルネ(兄・受け)。
幼い頃から惹かれ合う二人だが
次期国王の座をめぐる周囲の策謀により引き離され……


美しく聡明な兄・ルネの人生は
魔物憑きとして教会勢力により幽閉されたことを機に
転落の一途を辿ります。
ユーグを庇い毒を飲んだことで失明、
跡目争いに敗れ、名ばかりの騎士団長として
男たちの慰み者にされる日々。
国が宰相に乗っ取られてからは男娼に身をやつし……

全てはユーグを守るための行動なのに
それをユーグに気取らせず
自分を憎むよう冷淡な態度を取り続ける姿が
ひたすら痛ましく健気です。


皇太子の座についた弟・ユーグも
国王暗殺の罪を着せられ、城を追われてからは
苦労の多い日々を送ります。
生きながら火に焼かれたことで
顔の左半分には醜い火傷の跡が残り
煙で喉は潰れ声も様変わり。
城奪還のため各地から勢力を集めつつ
表向きは巡礼中の騎士として生きています。

やがて男娼館にいる兄を見つけ出すも
目の見えない兄は、ユーグの潰れた声を聞いても
弟とは気づかず…というすれ違い。
兄に憎まれていると誤解したまま、
それでも彼を愛し救おうとするユーグも
ルネ同様、非常に健気です。


クライマックス、ルネの視力があっさり回復し
国を奪還する展開はやや駆け足感が。
ルネ、二年以上剣を握っていないにしては強すぎです。
しかし、これまでの二人の苦労を思うと
こんなトントン拍子のハッピーエンドも悪くない。
そう納得できるほど二人の悲劇、互いへの愛が
丁寧に描かれており、引き込まれる作品でした。

異端審問、魔女狩り等、
当時の世相を取り入れつつも小難しい話は一切なく
拷問や輪姦シーンも全く詳しく書かれていないので
間口の広い作品かと思います。

小椋ムクさんの挿絵も
優しく愛情深い二人のイメージにぴったりで
作品に温かさを添えていました。

14

口調が…

Kindleでは小椋ムクさんのイラストもしっかり載ってました☆
ワンコと美人。お話としては個人的に好きなジャンルで萌えを押しました。
でも、セリフというか、キャラの口調みたいなものに最後まで違和感を拭えなません。時代を感じさせる設定や背景の描写は読みながら飲み込めるのに、ユーグやルネのセリフはわりと軽い。仲がいいことの現れなのか、大人になっても「にいさん、○○なの。○○だよ」とか甘えたような口調。
時代劇のような硬さがもう少しあっても雰囲気があってよかったのになと。
物語の重さとキャラの甘さがかみ合わない。

3

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