パパの、ぼくのなかに入れて。

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表題作誘春

曾我清明,32歳,料理学校を開く人気料理人
曾我暁,16歳,全寮制高校生生徒

同時収録作品いつの日か、花の下で

征人,神社の宮司
齋藤祈,16歳

その他の収録作品

  • 狂秋

あらすじ

父・清明へのくるおしい欲望を抑えきれない高校生の暁。清明もまた、ある秘密を隠し続けていて…。

それは、二人だけの秘密の儀式――。人気料理研究家の父・清明に十歳まで施された赤ちゃんごっこが最も幸せな記憶である暁は、
実の息子でありながら清明へのくるおしい欲望を抑えきれず、山奥の全寮制学園で生徒教師を問わず性交を重ねる毎日。
息子の演技にも限界を感じていた誕生日の夜、暁は清明の秘密を暴き、父子の真実を知ることに…。
表題作の後日談等を収録。宿命の禁断愛!

作品情報

作品名
誘春
著者
吉田珠姫 
イラスト
笠井あゆみ 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
ISBN
9784576150215
3.7

(98)

(35)

萌々

(28)

(20)

中立

(8)

趣味じゃない

(7)

レビュー数
21
得点
355
評価数
98
平均
3.7 / 5
神率
35.7%

レビュー投稿数21

さっすが吉田珠姫先生!激ヤバ近親モノ2作!

■誘春
とんでもないド変態エロ小説なのですが、吉田珠姫先生の圧倒的な文章力で唯一無二の名作に仕上がってると思いました。
父✕息子というだけではなくて、親子揃って凶悪で変態。2人揃って周りの人間を見下してバカにしているのに、お互いのことだけは病的に愛し合って、赤ちゃん言葉で甘々イチャラブしているという胸焼け設定。
ところが心理描写が巧みで、前半の離れ離れになった父と子が年に1度息子の誕生日だけ過ごす場面で何故かボロボロ泣いてしまいました。
変態だけど愛は深い。それでもやっぱりドン引きの変態小説です。
人にオススメは絶対にできません。


■狂秋
ホラー物、設定はこっているのですが、かなり暗い作品。正直前半の作品がキョーレツ過ぎて、私はあんまり印象に残りませんでした。
あとがきにとんでもないネタバラシがありましたが、個人的には後付感があるなあと思っちゃいました。

■描き下ろしSS
誘春番外編
某超有名テレビ番組のパロディから、とんでもない展開に!?凄まじすぎて鳥肌でした。

1

ぶっ飛んでる攻めと受け


「誘春」         7割
「いつの日か、花の下で」 3割

【誘春】
同著者の「鬼畜」を読んでいる人は好きだと思います。
いわゆる”ぶっ飛んでる攻め”そして”ぶっ飛んでる受け”です。
共依存で、ガチ親子。
特に父親が溺愛する子供欲しさに結婚したり、小さい頃の息子に○○をしたりと行動はヤバいです。

でも私は好きです!!
やはりここまで振り切ってくれる作品もなかなかないので…。
欲をいうと、このお話だけで一冊欲しかったです…。

【いつの日か、花の下で】
こちらもガチ親子。
少しホラーです。
作者様もあとがきでホラー風とおっしゃっていたので納得。
代々続く呪いを始めとした、不思議な設定でした。

これは、終わり方が好き嫌い分かれそうだなぁと。
ただ、真実を知って納得しました。

二作とも挿絵がすごく良かったです…!!
お耽美エロで狂気に磨きがかかっていました。

0

前世+今世を貫く純愛は 傍からみたら異常な禁愛 

笠井あゆみさんのイラスト作品を追って読んでます。(表紙から内容がほぼ推測できるのと、面白い内容が多い)
吉田珠姫さんの「近親もの」の、王道の1冊、とレビューにあったのと、紹介内容が高評価の「鬼畜」と比較して割合ソフトなので、電子版で購読。鬼畜は、私にはグロが重すぎる。

★この作品は、三部に分かれています
「誘春」(今世)
「狂秋」(その後)
「いつの日か、花の下で」(過去世の秘密)。
時系列だと「いつの日か」が最初で、「誘春」「狂秋」の順番。
「獣夏」に収録されていた「誘春」の加筆修正、続編、と番外編なのだそう。価格に比較して頁数が多いので、お買い得品かもしれない。

★「いつの日か、花の下で」:曾我親子の過去世
幽霊が登場するホラー。あとがきを読むと、著者のほうがホラー。
呪いの因縁を持つ宮司を継ぐ家。一子相伝の秘密を持つ家で、元服すると、過去世に飛ぶ宿命を持つ短命な家系。
元服の日を過ぎて、秘密を知る祈。
祈は、父の日記を見つけて読む。日記は、祈が元服した日(一昨日)で終わっていた。
父は「充親」という十代の少年武士の体に意識を飛ばして合戦に参加していたらしい。これは代々続いている奇怪な現象。
祖父の計らいで、父は13才で年上の女性と結婚して男子を得る。父が「祈」と命名する。
父が元服した日、祖父が自殺をしていた。
祈は、成長するにつれ、戦場の美しい充親とソックリに育つ。充親似の息子に、父は対して恋慕の情を押さえられなくなり、妻と祈を東京の別宅に離す。
父を探しに行く途中、祈は、藤の花の下で契り合う幻影を見て全てを思い出す。
発狂した父を残して、合戦の招集に応じられ無かった前世の自分。禁断の泥玉の呪の主は、父を愛する前世の祈自身だった。父を救うために・・・
---
「誘春」
★父を愛した息子「充親」がかけた呪は消せても、二人の恋慕は消しきれず、受け継いでいました。
父と子は、また親子として再生。前世の執着を宿して二人とも再生しているので、父、清明の息子の曉への執着は、とても深い、ほぼ変態。
父の変愛の洗脳を受けて育った息子は、花が咲く季節に愛を渇望して悶える。祈の藤の花の魂の記憶が蘇ります。

曾我家に生まれた曉は、天使の顔をした異常な精液中毒、曉はミルクと言っている。
(※「ミルク」は秘密の儀式の合言葉みたいなもの。)
寮生のアイドルの曉は、男を食い漁り、萎びるまで貪る。
曉は、たった一人、父の清明だけをしか愛せない。
曉が10才の時、離婚。親権を持つ母の判断で、父から隔離され、電波系の情報を遮断した全寮制の学校へ入れられる。曉と父の交流は、料理番組視聴と手紙だけ、別れた母の措置で、父とは一年に一度しかあえない。
ある日、入室禁止の清明の部屋で、暁の幼い頃からのアルバムを発見、相愛だと知って、「パパ♥」と喜ぶ曉。
---
「狂秋」
曉は、離婚した母と父を再婚させ、いい夫&天使の息子を演じる裏で、過去世で果たせなかった想いを果たす。
---
再生しても、結婚できない父子・・呪で再生できても、結ばれない愛。メビウスの輪のような因果律。呪いは、何度生れ変っても解けない。
・・この作品は、何世代にも引きずってしまった憐れな「実らない恋」の物語でした。「呪いと再生」を土台にしたBL御伽噺。
前世、今世と、因縁と情念でドロドロ。異常な形を取るしかない純愛、と捉えたら、父子のお互いへの愛を実らせたいと願う執着がとても憐れに感じる物語でした。
面白かった。

2

胸糞ホラーをご希望の方へ

注意
受けが攻め以外の人間と致してる。
そこらかしこに児童虐待。

三行感想
> 一話目、ホラー
> 二話目、ホラー
> 三話目、ホラーちっくだが前二話よりまだマシ


普通に感想
なんか作者の方は三話目がホラーって言ってるんですが、正直前の二話(表題作CPの方)と比べると可愛いもんでした。
なんかこう、三話目はホラーの下地があって、その上で追い詰められた二人の親子がアハンウフンで頭おかしい感じなんですが、表題作CPはその頭おかしい感じを下地にして更に頭おかしくなってるのでハイパー頭おかしくて心が震えます(おかげで語彙も死にました)
吉田珠姫先生といえば【鬼畜】という群を抜いてやばい作品をお書きになっているんですが、あちらは登場人物にまだ正気が残ってる人間がチラホラ居たから攻めの「怖さ」が映えてました。
でも、この話に出てくるのは狂人しかいません。ホラー展開の末に狂った三話目はともかく(?)として、「よく分かんないけど好きなものは好きだからしょうがないよねっ♡」みたいな感覚で狂ってる親子がハンパないです。しかもその親子に関係した人間も狂気の沙汰。

表題作攻め
→美形パパ。電波。頭おかしい。怖い。人の心がない。
表題作受け
→美形息子。頭おかしい。やっぱりこいつも怖い。

攻めの前世
→これがどうしてああなった。
受けの前世
→これがこうしてああなったのか…。

創作物にもある程度の倫理観を共有している前提で生きていらっしゃる方にはキツイと思われるので「この世界では頭がおかしい人しかいないのね」くらいの感覚でも読める方におすすめします。
「理解不能な感じのホラーが読みたい」って方には特におすすめです。【鬼畜】の攻めがお好きだった方はハマれる気がします。
私は【鬼畜】での衝撃があったので、何とか身構えつつ読みましたがやはり衝撃的で、「アハハこいつら頭おかC」くらいのノリで読んだらなんか読めました。
「父と子の背徳的な近親相姦萌え〜」みたいな感じよりも「頭おかしいよこの親子(戦慄)」を楽しめると良いのかもしれません。ホラー好きなので何とかなりました。

個人的な感想ですが、
ハイスピードで狂った親子が合意を果たして致す感じになり、また、父親(攻め)が「息子(受け)が生まれてくる前から息子を狙っていた」というような電波発言をかましてくるので、読者が置いてけぼりにされる感は否めません。
まぁ明らかにこいつら頭おかしいよな…って感じが乗っけからアチラコチラに点在しています。そのため、流れとしては理解できるんですが、なんというか「流しそうめんが竹筒を流れて降りてくるのだと分かっていても、思ったよりも水の流れが早過ぎてそうめんが追えねぇ」的なハイスピードさです。もうセックスするんだ???みたいな。
三話目から読んだ方が良い、という感想を見ましたが、もしかしたらその通りなのもしれません。
少なくとも自分が読んだ限り、作者の中に広がってる風呂敷を無理矢理短編に押し込んだような印象を受けました。
それでも怖いのは怖いんですけど…。

個人的に一番酷いな、と思ったのは受けが母親からも父親からも性的虐待を受けている面です。何かのレビューで「不器用なだけなのに母親が可哀想」と書いてあるのを見ましたが、確かに可哀想な母親ですが不器用なんて可愛らしい言葉で表現するにはあまりにも……。
この点は【鬼畜】でも受けが両親に虐待を受けていて胸糞悪く思ったので、ここら辺が駄目だった人にも結構キツイと思います。
二話目の最後らへんにも地雷が出てくるので、この辺りが駄目な方も大分おすすめ出来ないです。


まとめ
パワータイプのホラーでぶん殴られたい方におすすめです。
【鬼畜】の攻めが駄目だった人にはおすすめしません。【鬼畜】が駄目だったけど今度こそは、みたいなチャレンジ精神で挑む方は止めません。私もそういうクチです。

【鬼畜】がお好みで、美形の頭おかしい親子CPを楽しみたい方は是非。

2

父子

中立というかなんというか。

変態具合は神です。神以外あり得ない変態です。文句無しの変態。キングオブ変態。
メインディッシュの料理人父に至ってはもう異常者です。危ない人です。
いやとても楽しく読んだんですよ。

もう3話目なんて設定に感心してしまいましたよ。さすが吉田先生、発想力すっげーなってなりました。

何というか1話目の母乳ならぬ父精で子育てしてたっぽいとこで吉田先生の発想力ヤバいだろうってなりました。育つの?
2話目はただプレイが変態だなぁってなりました。そして新たな幸せな変態が発生してました。

3話でそれぞれ感想が違ってしまうんですよねー。

1

衝撃のブッチギリ近親モノ!

近親モノが大好物で、ジャンルで探してこちらを見つけたのですが…。

もう吹っ切り方が半端ない。
父子の自分たち<以外>の何を犠牲にしても罪悪感を持たない、むしろ「利用しなきゃいけない僕が可哀想!」くらいの勢いで被害者面しちゃってる。
現在の地位も、バレたら急転直下になるはずなのにTPOを気にせずヤってるし「バレちゃうよ!」とか言いながら遠慮なく喘いでる。
とにかく父子似た者同士の潔さに神!こんな淫乱で腹黒くて潔く「自分たち以外はどーでもいい」方向に完全に振り切ってる近親モノ初めて出会いました。

ただ読んでいてこの作家さんは合わない、とも思いました。
・自分たちがヤってるところを人に見せる。
・バレたらヤバイ状況でヤる(内容、喘ぎ遠慮なし)
自分はこういう露出狂シチュは嫌いなので次買いは無いと思いました。

でもこの2人の吹っ切り方は神!です。

5

末永く、できれば来世でさえ幸せになって欲しい親子


やばい…
なにそれやばい…

これに尽きると思います。

想像していた内容よりはるかに、親子共々ブッ飛んでいて
こんなに下半身が冷静なままで居られたエロ小説は初めてです(すごく良い意味で)
全然興奮しなかったです、すごすぎて(感服しています)

完全に親子二人だけの世界が広がっていて、読者という存在さえ置いて行かれてしまうような
まるで私はこのご家庭のあらゆるところに設置された無機質なビデオカメラの気分でした…。

拒絶反応を起こしてしまう方もきっといらっしゃるでしょう。
でも強烈なのが欲しい方にはうってつけの作品だと思います!

全く違うお話二つで構成されているのですが、先生があとがきで、この二つの物語の親子は同一と思ってもらっていいとの事でした。
でも二作品目も相変わらず色んな意味で刺激が強かったですし、読んでいるうちに実はこの親子って…一作品目の親子なんじゃない?とあとがきを読まなくても感じられるくらい、イッちゃってました(笑)
むしろ、二作品目から読んだほうがいいのでは?とも思います。

私が二作品目から読んでいたら、熱くなれていたと思います。
どこがとは言いませんが(笑)

5

お父さん…まさしく変態

吉田珠姫さん初読みです。
この作品を読みとおすことができて
驚いたので、勢いに乗ってレビューもしちゃうってのりです。

近親相姦で実の父と子が
ものすごーくいちゃついています。
それはそれは。
背徳感が半端ありませんが
本人たちはそのどこが悪いと開き直り
他のレビュー様が言った通り
突き抜けております!
いつまでもお幸せにごちそうさまでした。
と、思わず薄く笑いながら…
当分、近親相姦物封印させていただきますです。

前世にさかのぼったお話
いつの日か、花の下で
のほうが好みでした。
抑制のきいた文章ですし
悲恋が効いている。
BL小説でバッドエンドは無理な私でしたが
かろうじてBL漫画でしたら耐えられる
本編が濃厚な分こちらのラストにすがすがしさを覚えました。

笠井さんのイラストが素晴らしくて
この部分は「神」です

最後に、こんな作品を読了した
私も変態なんでしょうね(^^ゞ

1

狂気を孕んだ幸福感?

病的な程お互いに恋焦がれる曾我親子の執着愛が描かれた異色作。
端から見れば完全に狂っていて、もはや破天荒すぎてどこから突っ込めばいいのかわからない話だけど、不思議と妙な緊張感と爽快感が生まれる。
ここまでぶっ飛ぶといっそ清々しくて気持ちいい。
後日談『狂秋』の最後、山際先輩と第二の「あきらくん」の話に背筋がゾワッとなる……。こうしてまた新たな悪魔が生み出されたのか……

清明と暁の前世話が描かれた『いつの日か、花の下で』は表題作と打って変わって切ない悲恋物語。
奔放な曾我親子とストイックな齋藤親子の対比がまた面白い。
過酷すぎる運命を背負い親子同士の背徳感に苦しみながらもお互いを必死に守ろうとする征人と祈の美しい絆と禁忌愛に胸が締め付けられる。
温度差に目眩がしつつ作者さんの力量には脱帽!

6

一旦置いてから。

私はこの作品を純粋に楽しむことができました!

事前にきっちり、ジャンルと傾向を把握していたのが幸いしたのだと思います。
変態・エロ特化のお話だと思って読むと、突き抜けていてすごく良かったと思います。
なので、同時収録で表題の前世だという『いつの日か、花の下で』には少々面食らいました。
こちらは切なく、耽美的な印象です。

この作品を楽しむにあたって、一度常識と理性は置いてきた方が良いかと思います。
あまり真面目に捉えすぎると、アイデンティティが崩壊されるかと思います。(だって吉田先生ですし←)

変態プレイや幼児言葉(?)等続々出てきますので、要所要所突っ込みを入れつつ、笠井先生の美麗イラストに惚れ惚れしながら読ませて頂きました。

父子エロに興味のある方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

4

水あめ付き棒はやめて

残念だけれど理解できなかった派です。
しかしまあ、これだけ驚きの内容をよく書けるなあと
そういう意味で「神」かも。

親子でも全然OKで、めちゃ愛し合ってたらしょがない
と思ってますが、今回はだめ。
何がだめだったって、哺乳瓶替わりの水あめ付き棒?
いやいくら愛してるからって、それはだめだろ。。。。
それは愛じゃなくって自分の欲望満たしてるだけちゃうん?
それと あほっぽい嬌声というかなんというか。
いやもうちょっとお上品であってほしいなあ・・・
これはこれでこういう作風にするのでよし とするべきなのか???
笠井先生おっかけで読んでみましたが、ちょっと驚愕のNG作品でした。

2

エグみにハマる

小説を読む楽しみってこういう狂気にあるんだなーと。
漫画では中々読めない内容でした。
引いてしまう程の狂いっぷりも含めて面白かったです!

BLを楽しむ時には蓋をする自分の中にあるモラルが拒否反応を示し 顔を歪めながら読むシーンもあるのですが、挿絵の淫靡さが作品にマッチして美しくて、拒否反応よりも萌えが上回りました。笠井さんのイラストで本当に良かった。。。

「絶対開けてはいけない」父の部屋の中の秘密。想像をはるかに超えたぶっ飛んだ内容の衝撃ときたら…。怖かった…。・゜・(ノД`)・゜・。
それを知って喜んじゃってる息子も怖い。

狂った父親と"そのように"なるよう育てられた息子の狂気愛に堕ちる過程にゾクゾクです。嫌悪感をもってしまうエグみのあるシーンも含めて妙に病みつきになり読み返してます。

2

静かなる狂宴…

へ…変態ですwすごくw変態www
そして狂っています。
清明が狂っていて、その子である暁ももちろん狂っていて、暁を好きになった男もまた狂い…新たに道を踏み外す…。狂う方向性がハンパなく非現実的で、とても恐ろしいです。新たに狂った男は作中の会話だけで清明の「方法」を理解できたのだろうか。数年後の話を見れば、理解できたのだろうと推測は出来るが…。
そして清明の妻が夫と息子の関係に気づいているのならば、一番狂っているのは妻なのかもしれない…。

2

大幅加筆で蛇足感……

やっと電子書籍化されたので購入。
「誘春」、その後の二人を描いた「狂秋」、二人の前世を描いた「いつの日か、花の下で」、紙書籍発売時にフェア用に書き下ろされたSS「曾我一家の後日談」が収録されていました。
この「誘春」は、「獣夏」に収録されていたものに大幅加筆したとのことで、随分と印象が変わりました。
「獣夏」に収録されていた「誘春」が良かったので、その後の二人が読めるとワクワクしていたのですが、読まない方が良かったかな。
「誘春」自体、加筆前の方が好きだったな。
その後の二人の想像の余地があるというか、余韻を楽しむことが出来るというか。
キレイにまとまっていたので、加筆によって、蛇足を感じてしまいました。
求めていたものはこれじゃない。
なので、評価低め。
本作を初めて読むのなら、また、評価が違ったかも。
私は「獣夏」だけでよかった。
わざわざ、この本を購入する必要はなかったな。
「いつの日か~」も、あとがきで実は別モノとして 書いていた的なことが述べられていた通り、私には前世というより別の話としてしか感じられませんでした。
なんだかな……
期待が大きかったのかな……
この作品は読み返すことはないな。

3

正常な人間を求む

Amazonのkindle storeで購入しました。
Kindle版はフェア用に書き下ろされたSS小冊子が収録されている特別版です。
SSも含め全編受け視点です。
SSでは前半の表題作のその後のお話で、母親のリリーと清明・暁二人の関係がどうなっていくのか分かります。
このSSが一層物語に狂気的な雰囲気を与えていると感じました。
本編の母親の振る舞いから見ると可哀そうとは思いつつ好きになれませんでしたが、このSSを読むことで母親への印象が一変しました。
正常な人間はいないのか!というお話でした。

5

アブノーマルへの入り口

私はこれ、好きでした。

突き抜けた作品を書く人だなとは思ってましたが、その集大成的な感じで。あらすじを読んで、トンデモナイであろうことは予測していたので、予想を上回る変態ぶりに「そうきたか」とにんまりしてました。(だって、「鬼畜」書いた人だもの)ここまでくると、完全にファンタジーとして何でも来い!と思えるから不思議です。

世界観に挿絵が本当にぴったりで、このお話に笠井さんのイラストを選んだことを神評価したい。

瑛が大好きな清明の本性を知る場面は、圧巻でした。そこを境に、誰もついていけない二人の世界にどんどん飛び立っていく様には、唖然とさせられます。ぽかんとしたあとに、とりあえずなんか幸せそうだからよかった…んだよね?という感じ。毒すぎて、ぞっとすればいいのか笑えばいいのか迷いました。
しかし、これがこの作品の読みどころだとも思うのです。きっとアブノーマルの世界ってこの先にあるんだろうと思うし。
ダーク系と言われるものが匂わせているのは同じものだし、それを隠さずあっけらかんと凝縮するとこうなるのかなぁと思いました。

8

怖くなりましたね

親子ものは苦手なのですが、笠井さんの絵が好きなので読みました。
ただの親子ものではなかったですね…

父 清明は息子 暁を計画的に創り出したんですからね。
出会うべくして出会った上での執着とは、最早次元が違います。

暁が男を好きになるように仕込んだ…なんてセリフがありますが
調教ものとして読んでも、かなり突き抜けた領域にある設定だなとは思いました。
曾我親子カップルの「誘春」「狂秋」は、とにかくエロ!!
という感じ。
清明には、恐怖を越えて笑えてしまったというのが本音です。

「いつの日か、花の下で」の方は、こちらも親子ものですが
あとがきでも書かれていましたが、曾我親子前世のお話。
少々重たく、切ない感じはあります。
前世の話だと分かり…清明の狂気に笑ってしまい、ごめんなさい!!
読んだ後思いました。

全体を通して、やはり怖かったかな?
突き抜けた設定なので、エロ重視で読むなら読み応えはありましたが
内容を求めるなら、少々薄いかなとは感じます。




7

凄まじく求めてやまない

ガチ親子の近親相姦ものです。
相思相愛ではあるのですが、ちょっとというか…かなり変態の域。
受け様の暁はセックス依存。しかも、セックス自体はそんなに気持ちよくないけど精液が欲しくてたまらなくて、全寮制の男子校で生徒から教師から喰いまくり。そして、本当に欲しいのは実の父親の清明だけっていう病みっぷり(苦笑)
そして攻め様、父親の清明は、暁という存在が欲しいが為に結婚して子作りしたっていう…。
乳児だった暁に自分の下のミルクを飲ませたり。

ただ、清明は自分の為のセックスドールが欲しくて、子作りして調教したかといえば、ちょっと違うのです。
清明も暁も、お互いの気持ちがばれてはいけないと思っていた。

どうしてそんなにもお互いを求めてしまうのか。
そこには前世から続く妄執があって、その謎は同時収録作に書かれています。

これは愛なのか。呪いなのか。

9

ぶっちぎりのエロ

初読みの作家さまでしたが、笠井さんが挿絵を描かれているということで、表紙の画像がまだ出ないうちから予約してました。

えっと、まず表紙がすごい。帯の煽りもすごい。ココナッツさまも書かれてますが、これをリアル書店で買うのは私は無理…。と思ってしまった。表紙をめくると見えるカラーの扉絵もぶっ飛んだエロさですので、リアル書店で買われる腐姐さま方でカバーをかけてもらう派の方はご注意あれ、って感じです。

内容も笠井さんの淫靡な雰囲気な挿絵を裏切らないエロさでした。行為自体も激しいですが、暁と清明のお互いへの執着ぶりが常軌を逸していて、圧倒されました。
個人的に近親相姦モノってあんまり好きじゃないんです。何というか、大人の常識というか、固定観念というものがあるので。でもこの作品は嫌悪感は感じませんでした。本人同士が「血のつながった親子である」「男同士である」ということに葛藤を感じていていることと、さらにお互いへの愛情というより執着心がすごかったからかな。ここまで愛せる相手がいるっていうのはある意味羨ましいと思いました。

後半の「いつの日か、花の下で」
怖かった…。こちらも親子モノで、受けの祈が周りの男たちを惹きつけてしまう魅力を持っていたり、「誘春」と重なる部分もあり。どんなふうに話が進んでいくのか、ページをめくる手が止められませんでした。
父親の征人の様々な決断は同じ親として分かる部分もあり、でも最後の征人の出した答えはどうなんだろうとも思ったり。
なんとも趣のあるお話ですごく良かったです。

あとがきで吉田さんが「誘春」と「いつの日か、花の下で」の関係を書いてくださっていたので、暁と清明の狂気じみた執着に納得。全く別の話かと思いきや、1冊読んで初めて話が完結するという心憎い造りに脱帽しました。

それとやっぱり笠井さんは凄かった。
最初のカラーの扉絵は「いつの日か、花の下で」の二人だと思うのだけれど、すごく刹那的な雰囲気が伝わってくるし、「誘春」の清明は綺麗な男なんだけれど、目線で彼の異常性が垣間見えたり、暁は暁で彼の小悪魔的な魅力が存分に引き出されていたり。
ぶっちゃけ、笠井さんが挿絵を描いていなかったら手に取ることはない作品だったと思うのだけれど(失礼!)、内容と挿絵がぴったり合っていて、それぞれ引き立てあっていて非常に良かったです。

12

曾我一家は美しい悪魔

神に近い萌え×2です。
吉田珠姫さんの本は初めて読みました。
なんかすごいのをいつも書かれてるというイメージだったのですが。
突き抜けてました。
ここまで来るともう細かいことはどうでもいいですね(褒め言葉)
父親がそれはもう生まれる前から計画して暁を創りだしたようなもので、いや、創りだしたんですね。
すごいです。
そして同時収録の「いつの日か、花の下で」が彼らの前世として理解してくださいとのあとがき。
あのふたりが生まれ変わってようやく愛し合えたのかと思うと、良かったのかどうか・・・。
いや、自由奔放に我がままに恋に溺れたいと愛にだけ生きたいと願ったのだから良かったのかな。
「いつの日か、花の下で」の最後の祈の様子がなんか少し狂気じみていて、暁があんなにも奔放なのはその名残りなのかなとか思ってしまったり。
そして。本編だけ読んでると、暁の母のリリーさんが可哀想な感じなんですが、コミコミさんの特典小冊子を読むとそれはなくなります、はい。
リリーさん含め曾我一家、美しい悪魔・・・。おそろしい・・・。

5

ガチ親子、しかも超絶変態

表紙もヤバイですが、帯の煽りもヤバイです。
これを書店で購入出来る方を、尊敬してしまいますよー。
わたしはネットで買いましたが、いつもは折れ曲がり防止の段ボールに表向きでビニール掛けしてあるのに、今回は初の裏向きでした(苦笑
本作は近親○姦物が2カップル収録。

**********************
受けは、山中の全寮制男子校生の暁。
父親に想いを寄せ、叶わぬ想いを生徒や教師との情事で紛らわす淫靡な少年。

攻めは暁の実父で、人気料理人の清明。
妻とは離婚したものの、暁をそれこそ目に入れても痛くないほど可愛がっています。
**********************

なんというか、ドロドロの親子物。
もちろん、ガチ親子です。
前半のお話はドロドロなだけで、まあハッピーエンドですが、後半の『いつの日か、花の下で』は悲恋物です。
ただ世間一般では違うでしょうが、本人たちにとってはこの上なく幸福だということが共通点ですね。

『淫乱』という言葉は好きではないのですが、暁を表す言葉が他にはなかなか見つからない(苦笑
母親に入れられた全寮制の男子校で天使のように微笑み、その実、性のはけ口としてしか他の男たちを見ていないので、モブとの描写もけっこうあります。
暁が望んでいるのは父親の清明だけで、他は母親でさえも意識の外。
ただその上をいくのが父親の清明でしたね。
『画面上では驚くべき光景が…』という下りで、暁同様こちらも度肝を抜きました。
おーーい!マジですかー!清明帰っておいでー!となること請け合い…
真性の○○です。
内容的には親子のラブラブ話(?)とも言えなくもなくあまりストーリーの山もないもので、きっと吉田さんの作品の中では緩いのでしょうが、初読みだったわたしには衝撃的でした。

後半収録の『いつの日か、花の下で』は打って変わってシリアス風味です。
時代は戦前。こちらもガチ親子物です。

**********************
受けの祈は、恋しい人との甘美な快感に浸る夢を幼い頃から見続ける少年。

攻めはそんな祈の父親で、地方の大地主でもある神社の神主であり、実は一族の呪いを一身に受ける征人。
**********************

わたしはこのお話の方が良かったですね。
受けの祈が母親を慕っていて、父親の女だった(もう出奔済みですが)ということに『誘春』の方とは違って嫉妬してはいませんし、かえって母が側にいてくれたならお互い愛している父の話をしたかったと思っています。
自分の片恋に絶望はしていても、周りを食い散らかしもしていません。
ただどうしても男を惹き寄せてしまうのですが、その少年たちを『小鳥』と表現し、寂しさを紛らわせてくれていることに恋ではなくても幸福感を抱いていました。
ちょっと物足りなかったのは、征人は自分から祈を意図的に遠ざけ、呪いから、そして自分自身の情欲から守ろうとしていましたが、そんなにまでして守ったのにも関わらず、祈が征人と同じ道を行く決断をしたことをラスト容認してしまったことが…
だったら共に…でも良かったような。
体を合わせるのは別としても、その決断で征人は良かったのか?と思わぬこともありません。

しかし上記にも書きましたが、あまり表紙や帯を過激にすると規制対象になりそうですので、その辺りは出版社に考えて貰いたいなあと思いますね。
笠井あゆみさんホイホイされた自分が言うのもなんですが(苦笑
まあ、過激な方が売れるのかもしれませんが、長い目で考えるとね。
この作品は表紙と帯がすべて持ち去った感が大きく、中身よりもきっと頭に残るだろうなあという感じでした。

15

この作品が収納されている本棚

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