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表題作記憶の森

河西悟 20代
祐一 20代

同時収録作品幽霊の恋人

立川祐貴 サラリーマン 20代
笠井誠二 大学生 20代

あらすじ

曖昧な記憶を頼りに、かつて自分が神隠しにあった故郷の森を訪れた裕一は、鬱蒼と生い茂る木々の奥に朽ちかけた神社を見つける。通り雨を避けて入った社殿で、謎の男に抱かれる裕一。自分はこの感触を、この男を知っている!けれどいったいどこで!?幻想的な神隠しの森の秘密を描いた表題作のほか、霊との3P(!?)を描く「幽霊の恋人」も収録されたオカルティック短編集!

作品情報

作品名
記憶の森
著者
松浦巽 
イラスト
天点 
媒体
小説
出版社
学研パブリッシング
レーベル
もえぎ文庫
電子発売日
3.4

(5)

(1)

萌々

(1)

(2)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
3
得点
16
評価数
5
平均
3.4 / 5
神率
20%

レビュー投稿数3

二種類のオカルティックなBLを楽しめます

『記憶の森』
「神隠し」と言うシチュで物悲しいお話なんですが、ちゃんとBLしてます。

神隠しから生還した裕一と神社で出会った男との物語。
祐一は子供の頃に神隠しに会ったがその記憶をなくしている。法事で地元に戻った祐一はその記憶を辿ろうとして森に向かうが、そこで見知らぬ男と出会う。
その男が「覚えていないのか」と声をかけるが…

鬼に追いかけられる夢を見続ける祐一はそれが記憶の一部なのかと不安になる。
出会った男は誰なのか?夢の鬼は誰なのか?

神隠しの謎が解けると、そこには悲しい結末と淡い恋の成就。
なかなかシュールでたいへん楽しめました。

同時収録の『幽霊の恋人』
こちらもオカルティックだけど、コメディ。

幽霊に憑りつかれた大学生とその幽霊の恋人だったサラリーマンと
その幽霊のお話。
大学生の笠井は道に供えられた花束の傍を通った時に幽霊に憑りつかれてしまう。
事故で死んだ氷上は男の恋人祐貴を探して欲しいと言う。
それが成仏出来ない原因なので体から出て行ってもらう為に仕方なく探すことに。
だが、探し出した祐貴と笠井はお互いに惹かれあってしまい…

これが珍しい?幽霊との3Pとなります。3P苦手なのにこれはちょっと笑っちゃいました!

3

同時収録作推し

短編2作収録。

「記憶の森」
かつて「神隠しの森」で神隠しに遭い、無事に戻ったがその時の記憶が無い青年・祐一。
13年ぶりにその森に立ち入るが…
…というオカルト風味のお話。
私は怖い話が好きなので「これは!」とワクワクしつつ読み進めましたが…
「鬼」に追いかけられるという悪夢イメージや、突然廃神社の社殿から現れた謎の男、男に体をまさぐられ、その感触を知っている…と感じる…
その辺はホラー的王道。
その後、性的絶頂と共に記憶の断片を取り戻した祐一に、男が口にした言葉は。
『神隠しにあった大人は俺だ。俺も記憶が無い』…
男が眠っている間に森から出ようとする祐一。だが走っても走っても森から出られない!
眼下に突然現れた崖。その瞬間、思い出した光景は…。
…物語はここで終わりません。
最後のエピソードが入ったことで、本作が心霊や恐怖中心のホラーストーリーではなく、子供時代のまだ幼い恋、その傷と代償の話だったのだ、という解釈が立ち現れた。そこがかえって良かったのかな、と感じます。

「幽霊の恋人」
歩道の片隅に置かれた花束、それを見た瞬間にそこで事故死した犠牲者に取り憑かれた誠二。
誠二の頭の中に声が響く…
…となれば恐ろしいホラーが始まりそうですが、本作は一味違います。
誠二は自分に取り憑いた幽霊・和利と頭の中で会話するようになり、共存したまま生活を送ります。
誠二が苦手な料理は、和利が体も乗っ取って段取り良く作ったりして。
そんな幽霊・和利の心残りは、恋人だった祐貴(男)に会いたい、という事。
ノンケの誠二ははじめそんな和利を理解しないのです。
でも和利の代わりに祐貴を探し出し、和利の事故の時祐貴に何があったのかを知る。
体の中に共存する和利に引きずられたのか、中性的できれいな祐貴に欲情する誠二!
体を乗っ取られてのオ○ニーや、祐貴の魅力にぐらつき、ノンケとしてのアイデンティティを崩壊させる誠二の姿がなんとも可笑しい。
男と初めてする行為は、和利が誠二の体を支配して。幽霊込みの3Pといってもいいのかな。
そして和利は成仏し…
と思いきやのラストシーンはプッと吹き出す事請け合い。
軽いテイストで楽しく読める幽霊物語です。

0

短編2つ

短編が2つ入っています。

どちらもホラーっぽいオカルト仕立てのBL。1作目は年上攻めがよかったです。結局犯罪者じゃなくてよかった。幽霊とHだったという設定ですが、オチも別段後味悪くなかったです。

2作目はのりうつり系。こっちはちょっとコミカル。

しかし本当に短くて一瞬で読めてしまう。

0

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