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表題作23:45

瀬尾未森,サラリーマン,幽霊
栗原育,大学生

その他の収録作品

  • カバー下:あとがき

あらすじ

上京してふた月、ささやかで幸せなオタクライフを送る育に不可解なことが起こる。
なんと幽霊が見えるようになってしまったのだ。
いつも歩道橋でぼんやりしている幽霊を気にしつつも無視していたが、落とした同人誌を届けてもらったことがきっかけで部屋に棲みつかれてしまう。
幽霊の名前は瀬尾未森。
同居を始めて気づいたのは、未森が毎日23時45分にあの歩道橋で自分の死んだ瞬間をくり返していることだった――。

23時45分、二度と貴方を死なせない…。
著者渾身のデビューコミックス、登場。

作品情報

作品名
23:45
著者
緒花 
媒体
漫画(コミック)
出版社
一迅社
レーベル
gateauコミックス
シリーズ
23:45
発売日
ISBN
9784758074292
3.8

(118)

(39)

萌々

(42)

(25)

中立

(7)

趣味じゃない

(5)

レビュー数
14
得点
445
評価数
118
平均
3.8 / 5
神率
33.1%

レビュー投稿数14

メッセージある作品。

いまさら評価は遅い気がしますが、簡単に・・・
ストーリー。一言でいうと、「ほかに類を見ない」です。展開の仕方とかはすこし王道気も入っていますが、ほかの作品と群を抜いて違うのが「メッセージ」です。こういった生命に関することを書くといかにも説法気味てしまうのですが、それがありませんでした。そのおかげもあってか、作者が何を言わんとするかが抵抗なく伝わってきました。場面を追うにつれ変わっていく主人公の心情表現も目を見張ります。
作画もとてもきれいで、素晴らしいです。間違いなく神作品。少なくとも私にとっては。数百冊ほどBLものは読んできましたが、これを上回る作品を知りません。

4

すごく良かった

作者さんのデビューコミックスということですが、絵も丁寧でかつ読んでいて腑に落ちないところがない、しっかりと仕上がった一冊になっているんじゃいかと思います。最近新人の作家さんのマンガを読むと、話の展開のペースや荒い線、内容の薄さに引いてしまうこともあるのですが、個人的にこちらはすごく安心して読めました。


読む前から、幽霊との恋ということは悲しい終わり方か、実は意識不明で生きているかどちらかなんだろうな、と考えながら読んでいたのですが、ありがたい事に結果は後者でした。死ネタは辛いので良かった……。でも、幽霊になっていた未森が目を覚ました時、育と過ごしていた記憶がないというのが切なくも良い。そしてまた育と接して、体が育との時間を覚えているというのも、二人が過ごした時間が現れていて素敵だの思いました。


未森は育に救われただろうし、育も大きく成長できた、二人にとってかけがえのない時間と出会いだったんだろうと思います。二人がまた幸せになれますように……!

11

二度と貴方を死なせない

ちるちるさんの作家の紹介の記事を見てずっと気になっており、みつけたので購入しました。
時間がタイトルになってることや幽霊との物語ということで、珍しいなとわくわくしていたのですが、絵も綺麗でお話もわかりやすく楽しかったです。
(自分的にはビジュアル面で育くんの眼鏡がもうちょっと大きくて丸っこかったら尚良かったです)

このお話でお母さんとのエピソードが間に入っているのですが、その話があることで育くんの人間性の魅力や二人の間の惹かれ合う根っこの部分というか...なんだかその話があるからの『23:45』なのかなと思いました。
好きなフレーズがあって
「自分なんて全く取るに足らない人間だと思っていて それなのに俺の言葉ひとつでこんなにも簡単に生死を左右される人間が この世に存在するということに恐怖すら感じた」 
このフレーズはなんだか自分にはぐっとくるものがありました。
最後のページで「初めまして」と言っているのもなんだかいいな。

緒花さんのデビューコミック『23:45」という珍しいタイトル
!是非!

6

文系脳・理系脳、往還。

冒頭から物語の世界観に入り込むまで少々頭を使いましたが、まるで長編アニメーション映画を観ているようでした。とても絵が綺麗で今どき。アニメ風の絵柄はアニメで観たいかなぁと、コミックスだと少し抵抗があって、ずっと積んだままでした。

主人公は心に傷を抱えている大学生でアニメおたくの栗原育。コンビニのバイト帰り、通り道の歩道橋で幽霊の未森と出会ってしまう。

育がなぜ二次元にはまっていて、眼鏡をかけているのか。幽霊の未森には生前の記憶が無くて、夜になると同じ場所に戻ってしまうのはなぜか。そもそもどうして育にだけ未森に触れられるのか。そういった不思議にはちゃんと説明がなされていて、ちょっと理屈っぽ過ぎるかなと思われるほど破綻なく描ききられていました。

幽霊というダイレクトなモチーフが主要キャラクターとして登場することで、生者と死者の境目って結構曖昧なものなんだよ、と作家さんが伝えようとしているメッセージの一つが強く響いてきます。生死の境界線は、他の色んなことにも置き換えて読むことができる。捉え方によっては、とても深みと広がりのある物語ではないかと思いました。

涼しさを感じ始めた季節にぴったり。切なさ、淋しさがすーっと心に沁み込んできて…。悲しいようで希望に満ちた、温もりのある良作です。

4

丁寧できれいな絵です

初コミックス初読みの緒花さん。
偶然の出会いから、いつしか、少しずつ、お互いを思う心が育っていく繊細なストーリー。
カバーイラストの感じだと、当世風のほっそい描線系の作風なのかと思いきや、キャラクターが結構かわいくて読みやすい。
特に女性キャラがかわいいのは、乙女系の挿絵をなさっているからなのかな。
ストーリーは、主人公の心の動きがメインで、エロなし。
でも、胸キュンでロマンティックなキスはあり。
全体のコマはこびや、レイアウトは少女マンガ風味。
それでも、少女マンガの女の子をただ男の子に置き換えただけって感じはしない。
少女マンガを読んでいた方が、BLデビューするにはオススメ。

3

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