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1人の青年の幽霊が見えるようになってしまった大学生のお話です。
まず、かなりストーリーを深く考えて描かれておられる作品だなと思いました。途中どうなる事やらと不安になりましたが、綺麗にまとまっている作品で読後感も良かったです。
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ここから完全にネタバレになりますが...
最初の出会いを繰り返す描写が最高でした...
そしてなにより、幽霊の間の記憶が無いにも関わらず、あの頃の生活・感情に引っ張られるラスト...素敵です........
絵が綺麗!すっきり可愛い絵柄でとても好みでした。内容は深夜に読むのが良さげな雰囲気。セリフやモノローグが激しくポエミーなので、このノリがOKになる時間まで待ってからが良いと思います…。
正体不明のイケメン幽霊と、なりゆきで同居することになった陰キャオタクのお話。
幽霊モノで、触れたり透き通ったり何でもアリですが、不思議な点にはだいたい育がツッコミを入れてます。たまにメタ思考に感じることもあって、感覚より頭で考えて描くタイプの作家さんなのかと思いました。
歌詞のようなセリフとモノローグが続き、PVのようにお話が流れます。幽霊だから当然かもですが、未森の人柄が見え辛く、どういう人か分かりません。ずっと育が一人でポエムを綴ってて、入り込んで読めませんでした。
ラストはよく分からなかったので、続編を読みます。
なかなかに凝ったストーリーでした。
幽霊(物理)の理由など、ハッキリと描かれていないところがあるため、最後まで少々不可解な部分を感じたのが正直なところです。
モノローグの言葉選びが独特で、その辺り好みがわかれるかも知れません。文学的というよりはやはりポエムっぽい。そこがこの作品の個性でしょうけど。
しかしながら作者さまの繊細な絵柄がこの作品の世界観にとてもマッチしており、作品としての完成度は高いと思いました。読み易いとは言えませんが。
攻めが復活して受けのことを全く忘れてる時の受けの気持ちが、すごく切なくてキュンときました!
初読でレビューを残していなかったことが悔やまれる作品があります。
読み直したときに感じたことと、1回目で感じたこと。
あのときの自分はこの作品を読んで何を感じたのだろう?評価すら入れていなかったということは、きっとすぐには文字に出来なくて、もう少し時間が経ってから書こうと思うくらい何かを感じたんだろうなとか、いろいろ考えてしまう。
歩道橋の上の幽霊と、その幽霊を見える、話せる、触れる大学生の話です。
幽霊話には、完全に死んでいるものと意識不明のものの2パターンがありますね。
この作品は「きっとそっちだな」という予感を抱きつつ読み進めるうちに、「そっちであってくれ!」と予感が願いに変わります。巧みな人物描写と表情豊かな作画で、どんどん登場人物たちに引き込まれていくせい。
そして願わくば「あのセオリー」が発動しないでほしい、とまで祈ってしまう。
「あのセオリー」とはあれです。
「意識がない間の記憶が消えている」という王道の設定です。
考えなしに発した自分の言葉がひとを殺すかもしれないと知った高2のときから、育にとって生身の人間と接するのを恐れています。虫すらも「自分の目の前で死なれたらいや」。二次元は自分に影響を受けない。幽霊ももう死んでいるから死なない。
現実世界と自分の間に液晶画面を挟んでいるかのように、ひとと距離を置いていた育が未森にこころを許せたのは「もう死んでいる」から。
これを未森に打ち明けたシーンは、相当衝撃でした。残酷なことだと分かっていながら伝える育の気持ちも、それを聞いた未森がどう感じたかも、どちらも痛くて。
「学歴」や「家柄」、「周囲の人間の評価」や「集団での立ち位置」。
そういうレッテルのようなものは一切ついていない、ただの「瀬尾未森」という人柄だけを深く知れば知るほど、惹かれていく思いは本物。条件や表面じゃない、そのひとそのものが好き。
「未森が生きている」と知って、内面だけじゃなく未森のすべてを知って慕っていたひとたちがいることを知った育の複雑な気持ちは察するに余りありました。泣きたい。
そして時が流れて。
「あなたはあのときの!」という風には都合よくいかなかったけれど、忘れてしまってもなお、何かが残っている。2人が通い合わせたこころの奥底に、消えないものがある。
そう感じさせてくれる素敵な作品でした。
いまさら評価は遅い気がしますが、簡単に・・・
ストーリー。一言でいうと、「ほかに類を見ない」です。展開の仕方とかはすこし王道気も入っていますが、ほかの作品と群を抜いて違うのが「メッセージ」です。こういった生命に関することを書くといかにも説法気味てしまうのですが、それがありませんでした。そのおかげもあってか、作者が何を言わんとするかが抵抗なく伝わってきました。場面を追うにつれ変わっていく主人公の心情表現も目を見張ります。
作画もとてもきれいで、素晴らしいです。間違いなく神作品。少なくとも私にとっては。数百冊ほどBLものは読んできましたが、これを上回る作品を知りません。