BL進化論 ボーイズラブが社会を動かす

BL shinkaron boyslove ga shakai wo ugokasu

BL進化論 ボーイズラブが社会を動かす
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神0
  • 萌×22
  • 萌1
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

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レビュー数
2
得点
11
評価数
3
平均
3.7 / 5
神率
0%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
太田出版
シリーズ
単行本
発売日
価格
¥2,700(税抜)  ¥2,916(税込)
ISBN
9784778314415

あらすじ

いま、BLに何が起きているのか?
女性たちを虜にする快楽装置=BLの歴史と本質に迫る画期的評論。

男性同士の恋愛を軸にした一大エンタテインメント・ジャンルであるBL(ボーイズラブ)。
BLは、おもに異性愛女性が作り手・読み手であるにもかかわらず、近年、現実よりもホモフォビア(同性愛嫌悪)や異性愛規範、ミソジニー(女性嫌悪)から自由な作品が生まれている。
本書は、BLの歴史をたどりながらその謎に迫り、作品や作り手・受け手の意識、社会との向き合い方がどのように変化してきたかを、作品分析によって明らかにする試みである。


三浦しをん氏、絶賛。
「“あらゆるひとにとって自由で居心地のいい社会”のありかたを、BLは追求し、提示しつづけている。その事実を、愛をもって冷静に分析した論考。本書を読んで、これからもBLを愛していこうと改めて決意しました!」

表題作BL進化論 ボーイズラブが社会を動かす

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レビュー投稿数2

BLというジャンルの歴史ガイドブック的に

ずっとべったりではないけれど、BLという言葉なんて無く「やおい」「耽美」「June」etc…と言われていた時代から、同性愛を扱った作品を読んできた世代である私にとって、著者の通ってきた読書遍歴は被る部分も多いので「そうそう!」と膝を打ちながら楽しく読みました。
特に自分が仕事の状況その他のせいで、こういったジャンルから離れていた時期(と言っても、その間も完全にノータッチだったわけではありませんが)に起こっていたこと…ちょうどBLという言葉が成立した頃前後に当たります…を俯瞰して確認できて興味深かったです。

今のBLは「進化」していて、BLムーブメントが社会を動かす可能性がある…という主張については、ちょっと大げさではないかな? と個人的には思うのですが。(私個人としては、爛熟した現在のBLムーブメントは、商業化と類型化が進み、ある種の危険をはらんでいるように感じるところもあるので)

時代ごとのブックガイドとして、またLGBT関連映画のガイドとして…資料的な意味合いでも「BL好き」の面々は読んでおくとよい一冊だとは思います。

明日美子さんの表紙とカバー下のアイデアはたいそう秀逸です。これはずっと眺めていたい。

1

BL始祖は森茉莉の『恋人たちの森』!

BLを徹底的に個人の趣味として享受している者にとっては、とても考えさせられる一冊でした。これ、論文なのですよね。BLの恩恵に与っている今のわたし達が、いつの時代の、どの作品との出会いから、この密かな楽しみを手に入れてきたのか。世代によって多様化するBLに抱く個人的な「持論」を俯瞰してみるには大変有用な著書で、例証のためにとりあげられている小説や漫画の作品群を辿るだけでも、BL史の全体像を掴むことができそうです。

個人的には未読の作品が多々挙げられていて、読み進めるとネタバレになってしまうのでちょっと苦心しましたが、論文形式に則っているとはいえ読みやすい文章ですので、構えずに読めるのではないかと思います。ちなみに、この論文が扱っている対象は商業BL小説と漫画のみで、ドラマCD、アニメ、二次創作作品については論点上、分析の対象外とされていました。以下は個人的な感想です。

レズビアンでBL愛好家でもある著者は、BLの作り手も受け手も(ほぼ)女性であることを前提として論を進めています。即ち、女性の創作活動を女性が支えている。BL作品を購入することが、女性の経済的自立を支援することに直結しているわけです。改めてこの事実を示された時、子供の頃にたくさんの女性漫画家の作品に癒され、励まされてきたことを思い出しました。大人になった今の自分が、自分で得た収入でBL作家の作品を購入し、楽しみ、これから誕生するであろう未来の作家へ道を繋いでいくことが、少女の頃の見えざる理解者であった作家の先生方への恩返しにもなっていて欲しいなぁ、と感慨深いものがありました。

他、興味を惹かれたのは、BLの台頭とともにその背面で興っていた、やおい論争とゲイ・カルチャーに関する考察。女性のBL愛好者は大方、美しい男同士の絡みにしか興味がない(好みが多様化している現在では、その限りではないと思いますが)。著者によると、作家さん達がリアルゲイ視点を意識し始め、作品にリアリティーを取り入れるきっかけとなった論争です。やおい論争は当時耳にしたことはありましたが、こうしてBL史上での位置付けを知ることができ、頭の中で繋がりました。巻末には著者と、彼女の二十年来の友人であるブルボンヌさんとの対談も収録されています。リアルゲイ(女装家でもありますね)から見るBL観が興味深かったです。また、補遺としてBL理論編の論文と、様々なゲイ映画を取りあげた応用編、二本の論文が併録されていて盛りだくさん。

カバーイラストは中村明日美子先生。『あの日、制服で』と同じように、カバー下に注目して下さい。わたしはどうしてもあの二人を投影してしまうのですが、なぜか泣けてしまいました。。

BLが女性のジェンダーロールからの解放場所として少しずつ「進化」してきた時の流れを知るにつけ、BLを単なる娯楽や、消費メディアの一つとして捉えられてしまうのはとても悲しいなぁ、というのがこの本を読んで一層強くした思いです。

10

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